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楼主: ophelia

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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:38:03 | 显示全部楼层
初体験の「小幅連続利上げ」 (2005.07.20)

  半年に一度の議会証言で、グリーンスパン議長は今回も小幅利上げの継続を示唆すると見られる。かつて「Mr.小刻み変更」と言われたFEDのグリーンスパン議長だが、FOMC毎に、一度も休まず、毎回0.25%の小刻み利上げを行ったことはかつてない。



 微調整のための短期小幅利上げを別にすれば、一般には、最初0.25%の利上げではじめ、途中から0.5%、更には0.75%幅の利上げへと加速させるパターンが多い。例えば、94年2月からの利上げ局面でも、最初は0.25幅の利上げを3回続けたが、その後は0.5%、0.75%と上げ幅を拡大していった。

 ところが、今回の利上げは、昨年6月にやはり0.25%幅で始まったが、以来ここまですべて0.25幅できた。それも、現状維持か利上げか迷いながら、時に利上げを休止しながらというのであればまだしも、ほとんど躊躇なく、毎回休まず利上げを繰り返してきた。この違いは一体どこにあるのか。

 94年当時も実はインフレ懸念はなく、市場には「利上げ無用」論が多かった。しかし当時のFF金利は3%であったが、実質金利はゼロ。貯蓄貸付組合中心に広がった不良債権問題もほぼ片づき、経済の安定的な拡大が実現するようになったので、「もはや実質ゼロ金利は不要」ということで、行過ぎた緩和の修正という色合いが濃かった。そこでまずは中立水準に戻す、との見方が広がったが、ここまでは今日と変らない。ついでに言えば、94年の実質成長率は4%。インフレもデフレーターでみると2.1%の上昇。昨年の米国が実質4.4%成長で、デフレーターが2.1%の上昇であったから、今回よりも利上げの必然性はやや軽微であったとさえ言える。為替は当時も今回もドル安で共通している。少なくとも、成長テンポ、インフレ、為替の違いではなさそうだ。

 では前回加速的な利上げに出た一方で、今回はあくまで0.25の上げ幅に拘る理由は何か。一つ、はっきりと違うのは、住宅市場でのバブル(FROTH)だ。94年当時は株式市場にも住宅市場にもバブルは見られなかったが、今回は住宅価格の上がり方が大きく、住宅価値の増額によって消費や住宅投資、借り入れが大規模になっている。昨年1年間に7千億ドル(GDPの5%以上に相当)もキャッシュ・アウトして内需を盛り上げたとすれば、これがはじけた場合の影響は甚大だ。バブル経済崩壊後の日本を十分研究したFEDが、住宅バブルの拡大を抑え、しかしこれを潰さないように、恐る恐る利上げをしている、とみるのが自然ではないか。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:41:23 | 显示全部楼层
日本のドル支援 (2005.07.20)

  ドル円はこのところ企業の想定レート(日銀短観では104円弱)を大きく超えて円安傾向にある。この背景には、日本からのドル支援が、少なくとも二つの面で見られる。

 一つは米国のドルファイナンスに対する日本の支援だ。5月の米国への資本流入額は600億ドルまで回復し、この間の米国貿易赤字554億ドルを上回った。この資本流入額の内、276億ドルが米国債の購入によるものだが、ここでの最大の買い手が日本だ。グリーンスパン議長に「不可解」と言わしめた長期金利の低下と共に、ドルのリバウンドにも貢献している。



 もう一つが日本政府(特に財務省)による人民元改革の強要発言。人民元切り上げ自体は円高・ドル安要因だからアイロニカルに聞こえるかもしれないが、中国政府にとって、主要国からの切り上げ圧力は、むしろ人民元改革を遅らせる効果をもつ。国内政情が必ずしも安定していない中国政府にとって、外圧による通貨改革は、国民からの批判の対象になりかねない。だからあくまでも中国政府の自立的な判断による改革の形をとらなければならない。そこへ、日本政府からの度重なる改革要請は、元の切り上げをむしろ抑制する結果となる。

 実際、これまでの経緯から見ても、日本政府は円高よりも円安を志向している節があり、円高を誘引する人民元切り上げは、この点から見れば都合が悪い。また、すでに中国に進出している日本企業にとっても、元の切り上げはコスト高要因だ。外圧で元の切り上げが遅れれば、それだけ円安ドル高をサポートする。

 しかし、この二つのドル支援も持続力に難がある。まず、米国債を大量購入した結果、米国10年国債金利は一時4%を割り込んだが、最近では6月の生産が前月比0.9%もの増加を見せるなど、米国景気が予想以上に強い動きを見せ、OECD景気先行指数にも下げ止まり感が出てきたこと、などから4.2%まで反発してきた。欧州の金利も同様に反発を見せている。このまま相場が崩れるようだと、キャピタル・ロスが大きくなり、少なくとも追加投資の意欲は減退するだろう。

 人民元改革についても、日米政府が圧力発言をして中国政府を動きにくくしている反面、中国経済においては、すでに元の切り上げを見込んで、その先取り的な動きもみられる。例えば、一般市民のレベルで米ドルを人民元に交換する動きが伝えられ、産業界でも元の切り上げを見込んで、輸出の前倒し、輸入決済の遅延が見られるという。こうした状況を前提とすれば、中国政府は、いつまでも通貨改革を先延ばしするわけにも行かないだろう。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:43:26 | 显示全部楼层
解散総選挙と相場 (2005.07.20)

  参議院での郵政民営化審議が始まったが、ここで否決され、凶h院が解散される可能性が高まっている。世論調査でも国民は郵政民営化について、小泉政権の信を問う声が高まっているが、何より首相自身がレイムダック化を嫌って解散に傾いている。ここで凶h院の解散総選挙となった場合、今回は大きな政局となる可能性があるだけに、その場合の市場に与える影響についても考えておかねばならないだろう。特に以下のケースでは影響が大きくなりそうだ。

1. 自民党が敗れ、民主党政権となる場合
 公明党が自民党への選挙協力を維持するようだが、民主党は「増税の前に無駄な歳出削減」を訴えるという。郵政問題への批判と共に、政府のサラリーマン増税への反発が高まっている折だけに、民主党が票を集める余地はある。
 外国資本は一旦「不安」を材料に円資産売りに出ようが、最終的には財政赤字削減期待、官僚支配の後退、などから債券、株、為替ともに円資産は買いやすくなる。但し、民主党も寄り合い所帯ゆえに、一体化を維持できるか、不安もある。

2. 自民党、民主党が共に割れ、政界再編となる場合
 自民党小泉グループと民主党の保守系が合体、新党を結成。あらためて小泉新政権となり、親米、財務省寄りの政策が続く。公明党との連立が崩れる可能性もあり。
 これも当初は「不安」を材料とした円売り、株売りが出そうだが、債券は買いやすくなる。最終的にはこれまでの小泉政権と大差ない政策邌婴趣胜辍摇⒅辘庀陇菠暇Aかない。

 この他では、自公連立与党が維持されるものの、首相が交代した場合に、財政赤字懸念から債券売りが予想されるが、為替、株は売り買い両要因があり、動きは小幅か。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:45:18 | 显示全部楼层
30年遅れの元切り上げ (2005.07.27)

  中国がついに人民元改革を打ち出した。発表当初はドルや米国債が大きく売られたものの、元の切り上げ幅が2%と、米国の「10%以上」の切り上げ期待や市場の事前予想よりも小幅となったこともあって、米国市場も落ち着きを取り戻している。中国当局は、「切り上げの第一歩ととらえるべきでない」とし、追加切り上げへの期待を牽制している。

 しかし、人民元改革はこれだけで終わるわけではない。歴史的には71年のニクソン・ショック、スミソニアンによる円の切り上げがなされた当時の日本と、ある程度の共通点があるだけに、当局の発言とは裏腹に、中国人民元も大きな調整への第一歩を踏み出した、とみられる。



 今回、中国政府が小幅ながら通貨改革の道に踏み出したことで、ワシントンで高まっていた対中国への不満を、一旦はかわすことが出来た。最初の切り上げ幅自体は2%と小幅であったが、ドルペッグをはずし、日々0.3%ながら管理フロートとしたことから、中国政府の意向によっては、ドルに対して月6%程度の切り上げ余地が出来たこと、そして発表当初は予想以上に米国債が売られ、ドルが大きく下げたことも、対中国強硬論を抑える要素となった。これからしばらくは、中国が内政をにらみつつ、自分のペースで追加的な通貨調整が可能となる。

 しかし、ここまでの調節を見る限り、元を少しずつ切り上げていくというよりも、1ドル8.11元前後に抑えている感が強い。そうなると、今日の巨大な貿易不均衡、米国内に見られる「元は20-40%割安」といった不満が再浮上してくる。30年あまり前、日本が1ドル360円に固定している間に輸出主導の高成長を果たし、大きな貿易证虮Гà毪瑜Δ摔胜辍⑷彰卓嵕S摩擦などを巻き起こした状況といくつかの共通点が見出せる。

 中国は最終的には本格的な変動相場制に移行するのだろうが、しばらくの間は国内経済への影響を見ながら現行レベルで様子を見、いずれは追加的な元の切り上げをすすめ、少なくとも1~2年は「管理フロート」(ダーティ・フロート)の形をとることになるだろう。その場合の内外への影響を考えてみる。

 まず中国経済だが、当面は最小限の切り上げで影響も最小限に止まる。その上で年内にも追加的な元の切り上げにでると見られるが、その場合、海外からの資本流入もあり、経済の拡大自体は崩れない。むしろこれが行過ぎて意図せざる金融緩和が進むと、80年代の日本のように、バブル経済の芽を膨らませるリスクはある。

 米中の貿易不均衡は、かつて円高下の日本に見られたように、ある程度の元高となっても、不均衡の是正は難しい。特に昨今の中国では米国企業や日本企業の中国進出、現地生産、米国への輸出、という構造的な要素があるから、なお更だ。

 日本の中国向け輸出は再拡大の可能性がある。中国に進出した日本企業のコスト・アップと輸出採算改善の両面があり、価格条件での影響は大きくないと見られるが、少なくとも中国企業が元の切り上げを見込んで輸入を遅らせていた面があるとすれば、切り上げ実施で輸入決済が進みやすくなる。全体でみれば、日本経済にとっても悪い話ではない。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:46:55 | 显示全部楼层
長期金利の低下に一服感 (2005.07.27)

  主要国の長期金利に、このところ低下一服の感が広がっている。ロンドンでの連続爆破テロに際しても、従来見られた国債への逃避現象は見られず、むしろ株価、長期金利ともに上昇気味となっている。突っ込みすぎの反動という面もあるが、いくつかの金利上昇要因が重なった。



 まずは景気への不安感が後退し、回復期待が再び台頭している。きっかけは米国。ISM景気指数の上昇に始まり、生産の大幅上昇、景気先行指数の反転上昇と続き、住宅需要も依然として拡大方向にある。一部には原油高や住宅バブルの影響で、先行き米国景気の悪化を危惧する見方もあるが、グリーンスパン議長の議会証言では、今年、来年共に3%台の安定的な拡大見通しが示された。

 アジアも堅調だ。中国経済は金融引き締めや原油高にも拘わらず、足もとではなお9.5%もの実質成長を続け、輸出のみならず、国内投資にも目立った減速が見られない。日本も、所得消費環境が改善し、設備計画も積極的なところへ、輸出が米国向けに増え始めた。内外需揃い踏みとなれば、景気の「踊り場脱却」も見えてくる。輸出と関わりの深いOECD景気先行指数は5月に下げ止まり感を見せたが、6月には反転上昇となっている可能性がある。世界景気の先行き懸念が後退したことが、金利低下に歯止めをかけている。

 次に物価の認識が金利を上げやすくしている。先のグリーンスパン議長の証言では、景気への自信とともに、原油高、賃金コスト面からのインフレ圧力を警戒する見方も示された。また住宅価格の大幅上昇も、長期金利の低さが一因と見られ、利上げの継続と共に、長期金利の上昇を示唆する面もあった。

 日本では全国消費者物価が、5月はコアベースでも前年比ゼロとなった。公共料金の下落は続いているが、コメの下落が一服し、モノの価格が上昇気味となってきたことが効いている。まだすぐに「安定的プラス」の状況にはならないが、景気への信頼感が高まり、消費者物価がゼロ以上となる月が増えてくると、少なくとも日銀当座の引き下げ論議が高まる。

 更にまた、中国が人民元改革に踏み出したことも米国債相場には負担となった。目下のところ中国通貨当局は、ドル買い元売りで1ドル8.11元前後に調節しているようだが、通貨改革の一つの狙いが、無理な為替介入でドル準備の急増や国内流動性の過剰供給を避けるところにあるはず。そうであれば、ドルやユーロ債券の大口投資家であった中国当局の買いがいずれ鈍る分、債券相場の押し上げ効果(金利低下効果)も弱まる。

 日欧の金融緩和がすぐに修正されることはないと思われるが、マクロ景気の先行き不安が後退し、インフレリスクに目が向かい、中国の外貨準備にいずれ増勢鈍化が見込まれる中では、世界的な債券志向も減退する可能性がある。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:50:11 | 显示全部楼层
ドル反発に息切れ感 (2005.08.10)

  参議院での郵政法案否決に向けて、円が売られたが、その裏でドルも反発力に息切れ感がみられる。対ユーロ、カナダ、豪ドルなどに対してばかりか、主要国以外の通貨に対してドルの下落が目立つ。今般のFOMCでFRBは金利を3.5%に引き上げ、更にインフレ警戒から利上げ継続の姿勢を示したが、それでもドルは反応しない。NBER(全米経済研究所)が、20年以内にユーロがドルに代わって世界一の準備通貨になる、との見方を示したことも、この流れに拍車をかけた。



 本来、この時期としてはドルを支援する材料が揃っており、ドルの反発が続いていてもおかしくない。先のユーロ統合に対する暗雲でユーロが自滅し、英国の利下げでポンドも下げ、円が政局不安で売られたほかにも、ドルの支持材料がないではない。例えば7月の米国雇用統計は、大方の予想を上回る20万人超の雇用増加と、0.4%もの時間給増加を示し、単に住宅バブルの恩恵にとどまらず、雇用賃金の増加も消費を支えていることがわかった。また、今年一杯は米国雇用創出法によって、税金面から海外の資金を米国に還流しやすくしている。更にまた、最大の産油国サウジアラビアでの治安に対する不安から、WTIが64ドルをつけるなど、原油価格が高値を更新していることも、本来的にはドル買いを呼んでもおかしくなかった。

 しかし、それでもドルの上昇が続かない。ユーロは1.24ドル近くまで戻し、カナダドル、豪ドルも米ドルに対して上昇基調を維持している。また、今回の特色としては、ドルが主要国通貨以外の通貨、例えばメキシコ・ペソやブラジル・レアルなどに対して下げ地合にあることだ。ドル円も郵政解散が決まったときには112円台後半までいったが、これも続かず、すぐに111円台に戻している。ドルの裏返しでもある金価格は、440ドル前後で高止まりし、ペーパー・マネー・ドルへの信認が必ずしも回復していないことを示している。

 ではドルの頭を抑えている力は何か。1つは中央銀行によるドル資産圧縮の動きが続いていることだ。先の報道ではロシアがユーロ準備の比率を、従来の30%から35%に引き上げるという。インドも「ドルの下落基調はまだ終わっていない」との認識を示し、ドルの圧縮を示唆した。中国もバスケット通貨の内訳を示していないために、市場にはドルからユーロなど他通貨へのシフトが進むのではないか、との見方が払拭されない。また、サウジアラビアなどのオイルマネーも、ドル収入をユーロに変える動きがみられる。

 こうした動きが、冒頭に紹介したNBERの報告に現実味を与える結果となっている。フランスなどでのEU憲法否決から、一時統合の不安が広がってユーロが大きく売られたが、これも一服している。ユーロがすぐにドルに代わる基軸通貨、世界一の準備通貨になるとは考えにくいが、同様に米国の対外赤字がすぐに縮小する目処も立たない。結局、そのなかで相対的な景気の良さや金利差優位をはやしてドル買いポジションが膨らみすぎた分、修正のドル売りが出やすくなっているのかもしれない。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:53:16 | 显示全部楼层
世界的な製造業の回復 (2005.08.10)

  6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)が、前月比11.1%増と、大方の予想を上回る増加となり、前月のマイナス6.7%を十分カバーするものとなった。これで当初前期比マイナスと見られていた4-6月期も、前期比0.8%の増加となり、7-9月の計画値も引き続き増加見込となった。日銀短観やその他の設備投資計画が今年も2桁増という強いものであったが、機械受注もこれに符合する形で堅調を維持している。これに消費の堅調、輸出の持ち直しが確認されたことから、政府・日銀はこぞって「景気は踊り場を脱した」との認識を示した。

 ところで製造業の受注、生産は、日本に限らず、このところ出遅れていた欧州も含めて、世界的に回復の様相を見せている。例えば、独でも6月の製造業受注は前月比2.4%増と、前月に続いて2%台の増加を見せ、これをうけて6月の生産は前月比1.4%増と、プラスに転じた。日本の輸出と関連の深いOECD景気先行指数も、すでに下げ止まり感が出ていたが、6月は半年前比でプラスに転換した。これが日本の輸出増を呼び、また回りまわって製造業全般の拡大につながる可能性がある。



 こうした製造業回復の背景には少なくとも3つの要素がある。1つは、そして最も大きな要素とみられるのが米国の住宅バブル経済だ。ひところ米国でも景気先行指数の下落が続いて先行き不安が出たばかりか、米国向け輸出も減速する局面があった。しかし、米国経済はそのまま後退に向かうどころか、堅調な消費、住宅需要に支えられ、製造業のバランスが改善、最近ではISM景気指数など、製造業周りの指標が軒並み改善を見せ、景気先行指数まで上昇に転じている。米国の景気先行指数は、これがピークを打ってから実際に景気が下降するまでに9ヶ月から1年の長いラグがある。ところが先行指数が底入れしてから景気が反転上昇するまでのラグはほとんどなく、「一致指数」に近い。これらの性格から今日の米国経済を読めば、先行指数の低下を受けて「そろそろ景気が下降する」と用意していたが、製造業で幾分減速した程度で、現実の景気が下降する前に先行指数が上向いてしまった。そしてこれとほぼ同時に製造業を中心に、景気がまた活気を取り戻そうとしている。この裏で需要を支えたのが消費や住宅で、これがバブル的購買力に後押しされていることはほぼ間違いない。これが日本を含めて、主要国の対米輸出の増加をもたらし、世界の製造業全般に恩恵が広がってきた。

 2つ目は、この米国の牽引役とかかわるものだが、主要国でのIT関連、半導体関連での調整が進展してきたことだ。日本でも生産の足を引っ張っていた電子部品関連の調整が進み、出荷が増える兆しも出てきた。

 3つ目は、日本ばかりか独など主要国で利益水準が高まってきたことがある。これが設備投資を誘発するようになっているが、利益拡大の背景には、それぞれに人件費の抑制など、リストラ効果がみられる。日本では最近になってパート比率が低下し、正社員の雇用が増加を見せるようになったが、正社員に計上されるものの中にも、派遣社員の寄与が大きい。これは日本だけでなく、米国や独でも見られる現象のようだ。企業のリストラ、収益努力は続いている。

 米国の住宅バブルがすぐに弾けなければ、世界規模での製造業の拡大はしばらく続き、これがサービスなどに波及して、世界経済の拡大に寄与すると考えられる。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:54:56 | 显示全部楼层
住宅バブルかインフレか (2005.08.17)

  今日の米国では住宅バブルが進行中だが、同時にFEDはFOMCでインフレ懸念を表明するようになった。しかし、問題は不動産価格や株価が上昇する資産インフレと、財貨・サービスの一般インフレは通常両立しにくいことだ。FEDにとって悩ましいのは、インフレが抑制されていれば、緩和的な金融政策の維持が可能で、結果的に住宅バブルが更に拡大する可能性がある。逆に一般のインフレが高まると、その抑制のために金融引締めが必要となり、住宅バブルは萎えるか弾ける懸念があることだ。今後このどちらに傾くかで、世界の市場の動きも変わってくる。FEDの舵取りは、一段と責任が重くなっている。



 80年代後半に、日本でみられた不動産、株価バブルは、プラザ合意後の超円高もあって、しばらくデフレ懸念を伴ったディスインフレのもとで実現した。途中で不動産価格の上昇が家賃の上昇など、一般物価の上昇懸念を呼んだが、実際には消費者物価が89年はじめまで安定を維持し、国際的に金融緩和を維持すべき圧力に晒されていたことも、金融緩和の長期化、ひいてはバブル拡大を促す要因となった。結局、89年中に消費者物価が上昇に転じ,一般インフレが顕在化してしまったことから、ついに金融引締めに転じることになり、更に不動産バブルを冷やすために「3業種規制」で量的にも直接抑制に出た。そしてバブルが一気に弾けた。

 これに対し今日の場合、ITバブル後の世界的な金融緩和を受けてまず英国で住宅バブルが発生、これが大陸欧州、米国へと波及していった。日本の場合と違うのは、第1に英国で一般のインフレが顕在化する前に、住宅バブル抑制を意図した利上げがなされ、今日では既に住宅価格の上昇には歯止めがかかっている。また、米国ではインフレがまだ十分抑制されている段階で、経済の拡大が軌道に仱盲郡长趣颏猡盲啤惓¥食徒鹄涡拚激蓼盲俊¥饯长扦献≌啸芝毪我种皮餮郅扦ⅳ盲郡铯堡扦悉胜いⅴぅ螗榨欷囋诨工肭挨死悉菠激蓼盲郡长趣鲜聦g。それでも利上げは「慎重なペース」で、日欧が引き続き超緩和を続けている間に、住宅バブル(フロス)が無視しえなくなった。同時に、一般インフレはまだ顕在化していないものの、原油高や単位労働コストの上昇によって、将来のインフレが懸念されるようになった。これがFOMCでのインフレ懸念発言につながった。

 ここで米国のインフレが現実のものとなると、金利は「中立」水準を大きく超えて上げざるを得なくなり、住宅バブルに針を刺すことにもなる。これは世界の金融資本市場にも大きな脅威となる。従って、市場の安定には米国がインフレを引き続き抑制し続けることが必要だ。

 その点、原油価格の上昇は如何ともしがたいが、反面中国やアジアからの輸入増は、まだインフレ抑制に寄与する。後は単位労働コストの抑制が重要になる。生産性上昇率が鈍っても、人件費を抑えられれば、インフレの高進を回避できる。抑制的な金融政策と共に、企業が慎重な賃金政策を取れるかどうかがカギを握ることになる。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:56:52 | 显示全部楼层
止まらぬ原油高騰 (2005.08.17)

  原油価格の上昇が止まらない。WTIは66ドルを超えた。そして巨大に膨れ上がったオイル・マネーが、欧州株、ユーロや新興市場の株価を押し上げている可能性がある。



 原油高がとまらない背景には、まず日量2,000万バレルという世界最大の需要国米国が、原油高でもあまり困らない状況にあり、原油がここまで高くなっても、目立った消費抑制が見られないことがある。原油高のメリットは国際石油資本も享受し、また中東でビジネスを展開する米国企業の収益チャンスにもなる。また米国内では住宅バブル(フロス)が消費者の購買力を高め、ガロン2.5ドル(10年前は1ドル以下だった)のガソリンでも受け入れる状況にある。米国での原油需要にはまだ減少の兆しが見えない。

 次に、世界第2位の需要国中国も、表向きは原油高の負担が大きく見えるが、主要産業はまだ国有企業が多く、原油コストの上昇に対して企業経営者は責任を負わないケースが多い。従って、これを消費者やユーザーに転嫁するわけでもない。国の財政には負担になっても、経済主体に影響が及ばなければ、需要の抑制にもならない。

 おまけに中国では戦略備蓄の増強が喫緊の課題であり、実需にこの備蓄用の輸入も増やさねばならない。10%近い成長と戦略備蓄需要が続くとすれば、中国の原油輸入は増えこそすれ、減少することはまずない。

 供給サイドでは増産余力のある数少ない国の一つ、サウジアラビアが王位継承で体制がまだ不安定なところへ、テロの脅威に晒されている。ここでの生産に制約が生じるようなら、供給面からの「油断」が、一段の原油高を呼ぶ懸念があるが、ここまでのところは「供給制約」ではなく、需要の拡大が需給タイトの主因。それだけに、状況が急変して価格が乱高下する可能性も小さい。裏を返せば、価格がなかなか下がりにくいことを示唆している。

 原油高の影響は、現在世界経済を牽引する米中両国が、前述のような事情で原油高が経済を圧迫しにくくしているため、総じて軽微に見える。少なくとも欧米経済については、今後一段の回復拡大が期待されている。

 その中で原油価格の高騰がオイル・マネーを膨らませ、その哂孟趣嗓长摔胜毪恰⑹澜绀蜗鄨訾舜螭视绊懁蚣挨埭工瑜Δ摔胜盲皮い搿5背酩现袞|の株価を押し上げていたが、その後新興市場、東欧、中南米の株に向かい、最近では欧州株ならびにユーロの相場を押し上げている面がある。世界の株価が欧州も含めてはっきりと上昇している中で、日本の株が相対的には割安になっている。日本の政局不安が後退すれば、割安な日本株に目が向く可能性があり、最近の「外人投資家」による大きな買い越しは、その前兆といえる。昨今の動きを見る限り、原油高は、必ずしも経済の圧迫、株安材料だけではない。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:57:51 | 显示全部楼层
次は貸出か消費者物価か (2005.08.24)

  小泉首相はやはり強撙纬证林鳏韦瑜Δ馈P議院選挙を前にして、世の「デフレ感」が急速に後退し、改革政策の継続期待と重なって株価が高値を更新し、これがまた小泉首相の後押しをしている。

 もともとコンマ以下のマイナスにある消費者物価上昇率をもって「デフレ」と評価することには大いに抵抗があるが、一般に「デフレ感」を与えてきたのは、消費者物価の下落、賃金、雇用の減少、貸出の縮小、地価、株価の下落などであった。ところが、これらの指標に軒並み改善の動きが見られるようになった。



 その一番手が株価。今年4月に日経平均が10,770円の安値をつけたが、足もとはここから15%以上高まり、年初来の高値を更新している。これが企業や個人株主のマインドを改善させるばかりか、一部に資産効果を呼んで需要を刺激するようになった。

 2番手は賃金、雇用の減少に歯止めがかかったことだ。前年対比で見ると、常用労働者は既に昨年から増加に転じていたが、今年になって1人当たりの所定内給与が増加に転じた。これで賃金雇用両面から雇用者所得が増える形が出来た。これは同時に消費マインドの改善にもつながり、消費の底固い増加をもたらすようになり、成長に寄与するようになっている。

 これらに続くと見られるのが銀行貸出と消費者物価のプラス化だ。全国銀行の貸出残高は97年以来減少を続けているが、貸出債権の償却、流動化などの特殊要因を除いた"実勢ベース"では、02年春以降徐々に減少幅が小さくなり、不良債権処理が山を越えたこの7月には前年比0.1%にまでマイナス幅が縮小している。足もとの勢いからすれば、8月の数字でプラス転換する可能性が高い。地方銀行でのプラス転換が先行しているが、都市銀行でも遠からずプラス化が見えてきそうだ。海外の投資家の間には、銀行貸出残高並びに貸出金利の改善が、本格的な内需主導型景気回復の象徴、との見方があるだけに、この貸出と貸出金利の反転上昇が実現すると、もう一段の「日本買い」が出そうだ。

 次に消費者物価のマイナスだが、これも近々プラス転換しそう。足もとは小幅なマイナスとなっているが、これは公共料金の引き下げと農水畜産物の下落によるもの。これらを除いた財や一般サービスの物価は、すでに昨年末からプラスになっている。このマイナスに寄与している農水畜産物(主にコメ)の下落や公共料金の引き下げは、必ずしも経済の「デフレ」を意味するものではないが、これらもこの秋以降、マイナス幅が縮小ないしは消滅する可能性がある。

 もう一つが不動産価格の下落だが、これも大都市部では既に底入れ、上昇となるところが出始めた。全国ベースではまだ下落基調が残っているものの、不動産価格の上昇が、大都市圏から次第に周辺地域に広がるとの期待も出ている。欧米の住宅バブルも、「次は独と日本」との期待を呼んでおり、海外のファンドやオイル・マネーが関心を持ち始めている。そろそろ「デフレ・マインド」、「低金利イメージ」の修正が必要かもしれない。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 22:59:09 | 显示全部楼层
プラザから20年のドル不 (2005.08.24)

  来月でプラザ合意から20年となるが、米ドルが巨額の経常赤字を抱える中で不安定な動きをしている。この3年間、その赤字を背景にドルは既に大きく下落したが、このところは落ちそうで落ちない。断続的にドル買いが入るようになったためだが、しかしこれもまた続かない。今日のドル買い自体に幾多の不安が内包されているためと思われる。



 教科書的にいうと、巨大な経常赤字はその国の通貨を下げ、金利を上昇させ、これが景気の抑制、輸入の縮小、輸出圧力の高まりへとつながって不均衡の是正が進むことになっている。ところが、この3年間、米国では巨大な経常赤字のもとで確かにドルが下落したのだが、そこでは金利があまり上昇せず、従って需要も輸入も堅調に拡大下ために、不均衡は一層拡大することになった。形の上では為替による不均衡是正が機能しなくなっていることになる。

 この機能不全の原因となっているのは、米国への資金流入がある程度確保され、それがためにドルの下落が十分進まないことと、同時に市場金利の上昇が抑制されていることだ。ところが、この米国への資金流入が経常赤字を超越した安定的なものという保証がなく、少なくともその見極めがつかないところに、不安を覚えながらのドル買いが生じることになる。

 では金利やドルの動きを緩和させている米国への資金流入は、何によって引き寄せられているのか。いくつかの力が働いている。1つは、基軸通貨ドルの信認が維持されるよう、ドルと密接な関係にある原油の価格上昇を放置し、かつその決済がドルからユーロなどにシフトしないように働きかけた。原油取引のユーロシフトを企てたイラクのフセイン体制は崩壊し、ロシアの欧州向け原油輸出のユーロ建て化にも牽制球を投げた。

 あるいは、アジアの国ではドルの下落に伴って自国通貨が強くなるのを避けようと、ドル買い介入をし、米国債を購入する動きも広がった。これが直接ドルを支えると共に、米国の長期金利上昇をも抑制することになる。

 また、今年1年間に限って、雇用創出法のもとに、特定の条件付ながら、海外であげた利益の米国への送金について、税制面から優遇し、米国への資金還流、ドル買いを促した。更にまた、米国が主要国の中でも英国に次いで早く利上げを行い、短期金利差ではドルの優位性を生み出したことだ。昨今ではこれに生産者物価の大幅上昇があり、ドル金利の引き上げ幅が大きくなる?との思惑も働いてドル買いを誘った面もある。

 しかし、これらのドル支援要素も持続性に欠ける。米国の危惧をよそに、オイル・マネーや各国中央銀行の間ではドル準備をユーロや円にシフトする動きが散見される。また、雇用創出法による米国への資金還流支援策も、今年いっぱいの時限立法だ。これを使ったドル買いが大きければ、それだけ来年以降の反動が大きく出る。ドル金利の優位性も、いずれ日欧の景気拡大が緩和の修正を可能にすれば状況は変わる。しかも、米国でインフレ率が大きかったことは、大幅利上げの思惑がでるにしても、現実にインフレが進行すれば、購買力平価を持ち出すまでもなく、それだけドルの価値が下落する。

 ことほど左様に、このところのドル買いには一時的な色合いが濃く、巨大な経常赤字と安定的な米国への資本流入が両立するかどうかの確証がないところに、ドル買いが短命となる背景がある。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:02:01 | 显示全部楼层
70ドル原油は通過点 (2005.08.31)

  原油価格(WTI)がついに70ドル台に仱护俊V苯拥膜胜盲堡膝辚暴`ンによる米国製油所の操業停止にあり、米国政府による備蓄原油の放出情報で一旦は70ドルを割り込んだが、再び70ドル台を回復、今後は更に上を目指す可能性が高い。

 今回のように、供給側のトラブルで価格が上昇するケースもないではないが、このところの原油価格上昇は、基本的に供給側がほぼフル操業にあるなかで、需要レベルの高まりで需給がタイトになっていることに原因がある。その点で、産油国からの供給停止"油断"が原因となって価格が高騰した2度の石油危機当時とは、状況が大きく異なる。



 需要レベルの高まりは、最大の消費国米国と、2番手中国での需要増によるところが大きく、この2つの地域が、今日の世界経済を牽引している面もある。言い換えれば、世界の景気が拡大し、石油需要が増加している間は、継続して原油価格に上昇圧力がかかる。原油価格が70ドルをつけても、かつての石油危機当時より「実質価格」ではまだ安く、今なお米国や中国の需要が堅調だ。前にも紹介したように、米国は原油高のメリットを享受したり、住宅バブルで原油高を吸収できたりする面があり、中国では制度的に価格転嫁が限られ、価格の面から需要を冷やすメカニズムが働きにくい。従って米国の住宅価格上昇が冷え、需要が減少するようなことになるまで、当面、原油価格は更なる上昇を続ける可能性が高い。

 米中両国以外では、原油高の影響を吸収できる国と直撃される国と分かれる。その分かれ目となる要素は、為替あるいは資本の流出入とみられる。まず為替だが、自国通貨が強い国は、水際で価格上昇を吸収できる。その点、日本やカナダ、オーストラリアなどは、対米ドルで通貨高になっている分、輸入価格の上昇を軽減できる。因みに、日本の輸入原油価格は、足もとでバレルあたり6千円弱だが、これはプラザ合意がなされた85年当時とほぼ同じ水準だ。ドルベースの原油価格は確かに上昇しているが、ドル円は85年当時が250円から200円であったのに対し、今日はドルが更に当時の半分になっているために、輸入価格の上昇が抑制されている。ついでに言えば、85年度の原油輸入額は年間で7兆5千億円ほどであったが、現在はこれをやや下回るペースだ。この間の経済規模の拡大も考えれば、85年当時よりもまだ原油高の影響は軽微、ということになる。また、昨今の中南米や東欧のように、外資流入で株価が大幅に上昇し、経済が潤っている地域も、原油高の痛みをある程度は緩和できる。

 日本の場合はまた、省エネ技術や代替エネルギー開発が期待される。米国ではハイブリッド・カーについて、コスト高を考えると原油価格が100ドルにでもならないとペイしない、との見方もあるが、ここから一段の原油高となれば、自動車需要が米国車から燃費の良い日本車に更なるシフトを呼ぶことになる。また、太陽光発電や水素エネルギーの活用などでも、日本の技術力に期待が高まる。

 一方、その対極にあるのがインドネシア。ここはそもそも産油国なのだが、政情不安もあってルピアが安くなり、これに原油高が重なってインフレ圧力も高まる。その悪循環を断ち切ろうとして金利を思い切って引き上げたが、これがまた経済を圧迫する。また、外資流入が限られた非産油途上国も、原油高の負担を直に受ける。主要国の間では原油高の影響が軽微でも、その吸収手段のない途上国の負担はこれから深刻になる。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:04:26 | 显示全部楼层
グリーンスパンも住宅バブルを意 (2005.08.31)

  FRB議長として務めた18年間のグリーンスパンの成果を称えるべく、ジャクソン・ホールで開かれたカンザス連銀主催のコンファレンスだったが、グリーンスパン議長本人は、今日の米国経済邌婴恕⒁郧挨郅嗓巫孕扭虺证皮胜胜盲郡瑜Δ馈



 例えば昨年1月にサンディエゴで行ったスピーチでは、FEDの超低金利政策が、ITバブル崩壊下の米国経済を救済するのに成功したと自信のほどを見せた。しかも、そこでは「バブル崩壊のトラウマ」があるので、つぎにバブルが発生するまでには何年もかかる、とし、家計や対外債務の重石が景気後退をもたらすことはない、と述べていた。

 これに対して、今回は「経済が安定化するにつれて、投資家がリスクに対して自己満足し、債券相場や住宅価格を押し上げた」とし、この資産価格の上昇が経済に影響するようになったとする。因みに、可処分所得に対する家計の「資産」倍率は、52-94年平均で4.4倍であったが、現在はこれが5.5倍になり、これが家計消費を押し上げている。

 また、株価や住宅価格の上昇といったバブルは、これまでいずれもインフレが抑制されているもとで生じている。だから特定のインフレ指標をもってターゲットを設定し、それに準拠して金利を上げたり下げたりするのはよろしくない、としてインフレ・ターゲットを否定した。更に、FEDはこの資産価格をターゲットにして金融政策を営むことは、一般の経済に対して犠牲も大きく、すぐに移行することはできない、とする。その一方で、投資家が急に慎重になると、資産価格が下落したり、信用が収縮したりすることもある。現在の住宅価格上昇もどこかで止まり、消費需要が冷えることもある。長年自己満足に浸ってしまうと、その後の変化にはなかなかついていけない、と警鐘も発している。

 元はといえば、この住宅バブルや債券バブルもグリーンスパンの金融政策と無縁ではない。皮肉なことに、「経済の安定化」が自己満足増長の源泉とすれば、これはグリーンスパン議長への信頼感の裏返しでもある。

 より本質的な問題としては、米国において、景気対策が財政よりも、かなり金融政策に偏重していることだ。ITバブル崩壊の影響が大きかったのも事実であり、デフレ懸念が広がり、日本の二の舞を避けたかったことも事実。しかもデフレ気味の経済では金融政策がなかなか効果を発揮しないために、政策金利を1%という異例の低金利に誘導したが、これもバブル発生の一因になったと言わざるを得ない。

 それだけにグリーンスパン議長は、これ以上バブルを膨らませるわけにもいかず、かといってバブルに針を刺すわけにもいかないから、当面は小幅な利上げを続け、バブルの弾ける兆しが出れば、即座に利下げに出ると思われる。問題は、バブルが弾ける兆候が、次の議長になってから現れ、新議長がグリーンスパン動揺の危機意識を持ち合わせているかどうかだ。日本でのバブル崩壊事例を十分に研究しているFEDゆえに、抜かりはないと思うが。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:06:23 | 显示全部楼层
人民元、中国の本音 (2005.09.07)

  米国を襲ったハリケーンへの対応のために、予定されていた米中首脳会談は延期となったが、それでも人民元にはこのところ上昇圧力がかかっている。人民元の対ドルレートは、通貨改革発表後もしばらく8.11元周辺で動かなかったが、足もとでは8.07元台に上昇している。

 ワシントンの中国に対する不満は、元の追加切り上げの思惑を呼んでいるが、中国人民銀行の周総裁が英紙のインタビューに答えた内容から見ると、追加切り上げにはやはり慎重な姿勢が窺える。ここでのポイントを以下に示すと、

 「今回の通貨制度改革は、1回限りの調節ではない」
 「改革の重要な点は、変動相場制を開始し、市場の力がより重要になった点にある」
 「もっとも、市場の力を導入するにあたっては、徐々に進めて行きたい。中国企業や人民が新制度にどう対処するのか、為替変動リスクをヘッジする手段を学び、慣れるのに時間が必要だ」
 「中国の輸出増加は、設備投資の急増で生産能力が高まる一方、個人消費の伸びが相対的に低いところにある。だから、貿易不均衡は為替調節よりも、投資の抑制など内需調節が重要」
 としている。


 こうした発言の背景には、中国国内の政治経済環境の安定が、米国の圧力よりも優先されている面が窺える。それだけに、当面、企業や個人が為替変動によるロスを出したり、輸出採算が悪化したり、あるいは成長テンポが減速して失業が増えたりして、政府への不満が高まる事態は避けたいところ。

 一方で、市場が果たす役割がより大きくなるといっているわけで、従来のような為替介入には出にくい。国内に配慮して引き続き相場管理に重点を置くのか、市場の力に任せてゆくのか、その間のどのあたりで着地を考えているのか、検証する材料が一つある。それは為替介入で大きく増減する中国の外貨準備だ。この増加ペースが通貨改革のあとスローダウンしていれば、市場の力に任せていることになり、逆に相変わらずの増勢を維持しているようなら、ドル買い介入など、当局の相場管理が引き続き強いことを示唆する。
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 楼主| 发表于 2005-10-27 23:08:00 | 显示全部楼层
ハリケーンで再び臨戦体制 (2005.09.07)


  米国南部を襲ったハリケーン"カトリーナ"の被害が、日を追って拡大している。経済面では4年前の"9.11テロ"のような金融市場の混乱はないとしても、代わりに石油精製基地のダメージも加わって、ガソリンなど石油製品の供給制約、価格高騰が起こった。これらに対して、政府の対応が後手に回ったとして、批判の声があがっているだけに、ブッシュ政権には、4年前のテロ同様に再び「臨戦体制」をとろうとの動きが起こっている。

 つまり、財政面からは1兆円を超える支援が決まり、金融面ではFEDのグリーンスパン議長を呼んで対応を協議したという。9.11テロ当時は、即座に利下げに出たが、今回は住宅バブルもあって、対応は容易でない。それでも市場には「利上げ小休止」の思惑が広がり、10年国債の利回りはまた4%あたりまで下落し、ドルがユーロなどに対して大きく下落した。

 さて今回の問題を経済の側面から見るか、政治の側面から見るかで、金融政策の対応も変わってくる。ハリケーンの経済的被害は、短期的に生産,消費の減少が強く出るが、その後は復興需要が高まり、少なくともフローの景気面から見ると刺激効果を併せもつ。半年先の経済を読みながら政策邌婴工隖EDとしては、一時的な景気減速に過剰反応することはない。特に、利上げ小休止の思惑が出たためか、長期金利が再び低下し、これが住宅価格の上昇に拍車をかける懸念もある。実際に「小休止」となった場合、もう一段の長期金利低下とドル下落をもたらす可能性があるだけに、判断は慎重にならざるを得ない。

 これに対して、政治的な面から見るとより緩和圧力は高まる。ハリケーン"カトリーナ"による犠牲者の数は、4年前の9.11テロを上回ることがほぼ確実で、しかも政府の対応が遅れたために犠牲が大きくなったとの批判も強い。おまけにこの間、地元兵士がイラク戦争にとられ、災害支援に回せる人が限られたために、イラク戦争への批判にも結び付けられた。また犠牲者の多くが摔湄毨婴扦ⅳ盲郡郡幛恕⑷朔N差別や貧富の格差問題なども問われ、これらの面からも政府への批判が高まっている。

 政府は周辺各国からの支援申し入れに対して、自国で対応可能としている。4年前と同様に「臨戦体制」をとるとはいえ、財政負担は1兆円を大きく上回る状況で、財政面からの支援余地にも限界がある。

 こうした状況を考慮すると、ある程度は利上げ小休止の負の側面(住宅バブルの助長、ドル安促進)よりも政治的なダメージに重きをおいて、金融政策からも「臨戦体制」をとる可能性が高まる。20日のFOMCまでに消費者心理の冷え込みをはじめ、経済指標に弱いものが出れば、あらためて「利上げ小休止」となる可能性が高まる。
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