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发表于 2008-8-11 12:27:33
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2008年8月7日(木)付
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結婚して子どもがいる女性にとって、40代後半から60歳前後は務めも望みも多い充実期だろう。子育ては仕上げに入り、家計と格闘しながらも余暇は増えていく。夫と老後を語り、孫に癒やされる人もいよう。人生は盛りの夏から、実りの秋へと移る▼その輝くべき14年を病床で過ごし、いや闘い、河野澄子さんが亡くなった。94年6月の松本サリン事件で倒れて以来、うらみや怒りの一言もないままにだ。チューブにつながれて還暦を迎えることで、宗教をまとったテロの狂気を告発し続けた▼異変を真っ先に通報した夫の義行さん(58)は、妻の容体を気遣ういとまもなく、警察とマスコミに容疑者扱いされた。報じる側に身を置く者として、こうべを垂れるほかない▼義行さんは報道被害についての講演や著述の傍ら、14年を妻の介護に費やした。ある日、家族で行った鎌倉の話をしながらマッサージをしていたら、澄子さんが涙を流した。気持ちの高ぶりか、ただの生理反応か。「私は、感情だと思うことにした」(『妻よ!』潮出版社)▼事件当時、年子の1男2女は高2から中3だった。何年かで訪れる、夫婦だけの熟した時に備えてだろう。澄子さんは木彫りや書を習い始めていた。海外旅行をするならベネチアがいい、とも▼改めて、人を危(あや)めることの罪深さを思う。あったはずの歳月が、幾多の喜怒哀楽もろとも失われる。「好きな音楽を流し、3日間は家族だけで送りたい」と夫。きょう立秋の蝉(せみ)時雨も加わり、人生の夏から先を奪われた女性が安らぎの地に赴く。 |
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