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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2008-8-14 10:55:24 | 显示全部楼层
2008年8月14日(木)付$ }- h' E, |$ o; U+ u9 g9 ^% E
" E* F4 S2 ?+ n2 L% E3 |
 悲喜こもごも届く北京五輪のニュースの中で、それは悲を超えて「泣」に近い衝撃だった。野口みずき選手(30)の欠場である。4年ごとの舞台に合わせ、ぎりぎりまで筋肉をいじめてくる一流ランナーの厳しさを思う▼北京の切符を手にした昨秋の東京国際女子マラソンを間近で見た。手を横に振り、弾むような大股で地をける。小遣い銭を握りしめ、菓子屋に急ぐ子どもに例えては失礼だろうか。小さな体が走る喜びを発散していた▼女子マラソンの系譜を顧みれば、有森裕子さんには禁欲的な美しさ、高橋尚子さんには精密機械のすごみがあった。野口さんには、荒野で鍛え抜いた脚力を感じる。跳んで弾んで「鳥の巣」へと独走する絵を見たかった。じっくり養生してほしい▼政治が絡む五輪には虚実が交じる。特に北京の開会式は「虚」の世界だった。千発もの「消雨弾」が雲に撃ち込まれ、花火の映像は一部CG、美少女の独唱は口パクだった。裏で歌ったのは、見た目は及ばぬが声は一番とされた別の少女である。音楽総監督は「国益を考えた」と明かした▼対照的に、野口さんの決断は「実」そのものだ。「今も走りたい、走ろうという思いは消えることはありません」。しかし、ここで無理すれば選手生命が危うい。肉体を苦使する仕事の、残酷なまでの正直さである▼北京では連日、研ぎ澄ました肉体と精神が正直にぶつかり合っている。北島康介選手の金も、谷亮子選手の銅も、あらゆる「虚」を排した実力勝負の結果だ。だから勝者は輝き、敗者もまた美しい。
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发表于 2008-8-20 10:19:15 | 显示全部楼层
2008年8月15日(金)付9 A+ v# t) N& s; I& P7 |  H+ A( f+ B

! L) K6 H; E- k% p1 K2 t: u$ F 人の数だけ、戦争があった。兵士50人の手記を編んだ『父の戦記』が、先ごろ朝日文庫から復刊された。1965年に週刊朝日が募ったものだ。中に、南仏印(ふついん)のサイゴンで終戦を迎えた元中尉の作がある▼その日、兵舎では激論と痛飲が繰り返されたという。住民に加勢し、フランス軍と戦おうとする者もいた。逃亡、自決、抑留。何が正義で、何が卑劣か見えぬまま、隊長として全隊70人を集める。日本刀を抜いて、叫んだ▼〈我々が一刻も早く帰還しなければ、敗戦の祖国は一体どうなるのだ。一時の感情に走って道を誤るな。逃亡する奴(やつ)は俺(おれ)が斬(き)る〉。手記には「自分の行動が無性に腹立たしく、恥ずかしくさえ思われた」とある▼過日、別の手記が公開された。終戦の直前、東条英機元首相が心境などを残した直筆メモだ。「もろくも敵の脅威に脅(おび)え、簡単に手を挙ぐるに至るが如(ごと)き国政指導者および国民の無気魂」と、悔しさを時の政府や国民にぶつけている。「新爆弾に脅え、ソ連の参戦に腰をぬかし」など、随所に徹底抗戦への未練ものぞく▼「新爆弾」にやられた広島と長崎をはじめ、国土は焼け、民は窮乏を極めていた。外地では、補給を断たれた兵が銘々の処し方を問われた。この期に及んで戦争を正当化するメモは、戦後の感覚からは読むに堪えない▼元中尉の戦争と東条の戦争。誰を主人公とするかで、一つの史実も別の物語になる。昭和という時の巨木に生い茂った、何億もの慟哭(どうこく)の葉。勇ましいだけの裸木に戻さぬよう、一枚一枚、静かに語り継ぎたい。
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发表于 2008-8-20 10:19:32 | 显示全部楼层
2008年8月16日(土)付! ^% X- l$ _& o- i9 Z% v- `
5 b. E% Y7 S/ j6 k( X# O, \( [/ A2 G
 半世紀ほど前、川端康成が本紙に連載した『女であること』に、主人公らが都内遊覧に興じる場面がある。ガイドがなかなかの名調子だ。〈この東京は、四季折り折りの変化は申すまでもなく、朝に夕に刻々と、移り変っているのでございます……〉。「はとバス」である▼戦後の東京見物を担ったバス会社が、おととい、設立60周年を迎えた。「お一人でも乗れる観光バス」が実際に走り出すのは1949(昭和24)年。地方からの家族連れや、異国の旅人に、変わり続ける首都の姿と新風俗を紹介してきた▼隅田美枝子さん(67)がガイドになったのは、川端作品の後、18歳の時だ。女性では屈指の人気職種で、10倍を超す難関だった。高校時代は放送部、案内の口上や歌は家でも磨いた▼国会議事堂前から皇居のお堀端を北に進めば、靖国の社(やしろ)が見えてくる。そこで「九段の母」や「東京だよおっ母さん」を歌うと、老夫婦らがよく泣いた。終戦からまだ15年、わが子や夫を戦地で亡くした人はいくらもいた▼疎開の記憶もおぼろげな隅田さんは、新米ガイドの歌に涙する客に打たれた。他方、貸し切りで迎えた修学旅行生とは、姉妹のような交流が生まれた。「あの時代と、あの人たちをいとおしく思う」と語る▼四季を重ねるたび、車窓の街は復興から高度成長へ、淡彩から原色へと豊かになった。「走る戦後」である。敗戦で生まれ変わった日本に通じる「はと」の名は素朴だが、時代がひと回りしたせいだろうか、古臭くはない。黄色の車体には、いまも平和の鳥が飛ぶ。
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发表于 2008-8-20 10:19:53 | 显示全部楼层
2008年8月17日(日)付
+ B% ^# X# ]  j% F9 X8 N7 L, Y3 K9 z" D0 {; N' }
 もう命日は過ぎたけれど、8月は明治を代表する落語家の三遊亭円朝が亡くなった月だと聞いて、東京の谷中(やなか)にある墓所を訪ねてみた。「三遊亭円朝無舌(むぜつ)居士」の文字が山岡鉄舟の筆で刻まれている▼円朝は生前から「無舌居士」と号し、〈閻王(えんおう)に舌を抜かれて是(これ)からは心のままにうそも云(い)はるる〉などと歌を詠んでいた。近世以来の話芸を集大成した才人に似つかわしく、思わずニヤリとさせる墓碑である▼ところで墓碑といえば、まずは「〇〇家之墓」が刻字の定番だ。だが、近ごろは変化が兆しているらしい。ユニークな「自分流」が人気だと、先日の記事が伝えていた。定番に代わって、「愛」「和」「永遠」「やすらぎ」といった文字が大書されているそうだ▼そして、故人の名や命日は側面や裏側に控えめに彫るのだという。注文主の望む文字を書家が書くサービスを始めた業者は、「潜在需要は多いはず」と踏む。専門家によれば、家という概念の希薄化や、個人を尊重する傾向が自由な文字の背景にあるようだ▼岩本素白の残した一節を思い出す。早大で文学を講じた人で、名文の随筆で知られた。信州へ疎開して迎えた終戦の年の秋、鬱々(うつうつ)とした気分で散歩をするうち、野辺に一群れの墓を見つける▼南に向かい、遠い山を眺めているような墓石の一つに「秋山微笑居士」と彫ってあった。素白はすっかり良い気分になり、足取りも軽く宿へ帰ったそうだ(「野の墓」)。故人を記憶する文字が様々な感慨に生者を誘う。そんな墓に遭うのも、楽しからずやである。
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发表于 2008-8-20 10:20:15 | 显示全部楼层
2008年8月18日(月)付
$ Z4 o# {0 m0 p, c& _
- C. s! h% N& O! T9 a 駆け出し記者だった頃に厳しいデスクがいて、紋切り型の表現をすると怒られた。びっくりする様を「目を白黒」などもってのほか。「衝撃が走った」と書いた新米の背中に「衝撃」と大書した紙を張り、社内を走らせたという伝説も残した▼もう引退した鬼デスクも、一昨日の夜は「目を白黒」させたことだろう。「衝撃が走った」と書くしかないような、北京五輪の陸上男子100メートル、ジャマイカのボルト選手の疾走だった▼ぴったりフィットの競技着が幅を利かせる中、黄色いランニングシャツをはためかせる姿は、「カリブの風」を思わせた。勝ちを確信したのだろう。ゴール前で踊るように減速し、胸をたたいてみせた。それで史上初の9秒6台には恐れ入るしかない▼メダルは3位にまで授与される。だが勝負の実質となると、1人の勝者と、その他大勢の敗者である。ボルト選手の走りは「1人の勝者」を強烈に印象づけた。2位の選手いわく。「こっちはこれからというときに、あいつは両手を広げて余裕だったね」▼人類最速への興味は、「100メートル」を「10秒」という分かりやすい数字に負うところが大きい。〈あらゆるスポーツを通じて、記録上の、数学的な美の極致〉だと、スポーツライターの小川勝さんは著書『10秒の壁』で言う▼その美しさを体現する選手たちには、「暁の超特急」「褐色の弾丸」といった流線形の称号がつけられてきた。ボルト選手は「稲妻」と呼ばれているそうだ。21歳。極致の数字をまだまだ縮めそうな、おそるべき雷光である。
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发表于 2008-8-20 10:20:44 | 显示全部楼层
2008年8月19日(火)付* |' s, o& {$ x

6 i6 S5 k3 N8 V, k3 s% F  ? 夏の高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」は、朝日新聞社が詞を募って60年になる。還暦の旋律に歩を合わせる大阪桐蔭、常葉菊川の選手たちは誇らしげだった。そして黒かった▼点差は開いても、決勝戦は胸が詰まる。一度きりの舞台で最高の仲間と輝きたい、という思いが見る者に伝わるからだ。ひと夏にかけた一投一打に、甲子園はとびきりの物語を用意する▼10年前は「横浜・松坂大輔の夏」だった。準々決勝からの3試合はすでに伝説の域だ。延長17回の死闘(対PL学園)、6点差を追いついての逆転サヨナラ(対明徳義塾)、ノーヒット・ノーランでの春夏連覇(対京都成章)。日替わりの奇跡は、鍛え抜いた肉体が時と場を得て生まれた▼よく似た一期一会の縁や哀れを、五輪にも見る。北京の「星野ジャパン」は連日、甲子園のような緊張の下で戦っているはずだ。個人種目はなおさらだろう。限りある選手寿命のピークがいずれかの五輪に重なり、かつ表彰台の真ん中に立つのは楽ではない▼ところが、競泳で8冠を達成した米国のフェルプス選手を前にして、そうした感慨は揺らぐ。アテネと合わせた金は14個。時と場さえも引き寄せてしまう、圧倒的な肉体がそこにある▼「きちんと食べ、きちんと寝るしかない。練習だけではだめなんだ」という言がいい。高校球児はもちろん、一般の健康管理にも通じる教えだろう。「一度きり」のこの夏は、例年にもまして体について考えさせる。きちんと食べて寝て、あとはテレビ観戦というのでは太るばかりだが。
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发表于 2008-8-20 10:21:22 | 显示全部楼层
2008年8月20日(水)付
5 _6 y* R3 i, M$ \" }7 \1 p
9 Q( z4 ~, F( B0 O+ E- ]8 D 相撲の技に「五輪(ごりん)砕き」というのがあるそうだ。小兵に食い下がられた力士が、もろ差しの両腕と腹で相手の頭を挟み、そのまま出ていく。首を痛め、命にかかわる危険な取り口という(新山善一『図解・平成大相撲決まり手大事典』国書刊行会)。さて、北京の興奮を砕く衝撃はないにしても、相撲協会の体面は粉々であろう▼ロシア出身の幕内力士、若ノ鵬(20)が、大麻入りたばこを持っていたとして警視庁に捕まった。所属の間垣部屋や自宅からは、大麻の吸引具や吸い殻が見つかったという▼端緒は自宅近くで拾われた財布。怪しいにおいを放つロシア製たばこ1本と、外国人登録証が入っていた。大麻に名を書いていたようなものだ。場所前になくした物に気を取られたか、7月の名古屋は4勝11敗と崩れた▼スピード出世ながら、負けた腹いせに風呂場で暴れるなど「素質十分、素行に難」が大方の評らしい。心根を正すべき師匠は、弟子を竹刀で殴打した件で協会に処分されたばかり。部屋の指導にも物言いがつこう▼伝統にはびこる暴力と、一部外国人力士の礼知らずは、今の大相撲が抱える病だ。大男の力自慢だけでは務まらぬ、強けりゃいいってもんじゃない。大麻となると、こうした嘆きの次元さえ超す▼そういえば、神話の世界の勇士、野見宿禰(のみの・すくね)が相撲で倒したのが当麻蹶速(たいまの・けはや)だった。ガグロエフ・ソスラン・アレキサンドロビッチという本名は、相撲の神々にも負けない立派さではないか。日本の国技を選んだのも何かの縁だ。まず人として出直してほしい。
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发表于 2008-8-20 10:24:09 | 显示全部楼层
皆さん、ごめんね。最近ひどい風邪を引いたので、うちに二日間休んで、即時に更新できなかった。今日は遅く部分を全部載せた。
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发表于 2008-8-21 12:51:51 | 显示全部楼层
2008年8月21日(木)付# S  O7 e5 ?( m: L
$ F0 v6 A; b" C# q
 外国生活と仕事を両立させ、悠々自適の老後を送る大橋巨泉さん(74)が、自らの多趣味について「広く浅く始めて、いくつかにしぼってきた」と書いている。後半生を楽しむには、屋内外に最低一つずつの趣味が必要だという(『巨泉・人生の選択』講談社)▼若いうちはあれこれかじり、体や懐と相談しながら「生涯の友」を二つ三つ選ぶ。巨泉さんはジャズとゴルフらしい。納得しつつ、わが身を省みる。仕事が趣味とは言わないけれど、かじりかけ、食べ散らかしの山である▼社会経済生産性本部のレジャー白書によると、余暇の過ごし方に変化がうかがえるそうだ。外食、ドライブ、カラオケなど91種の活動のうち、15歳以上の日本人が07年に一度でもたしなんだのは平均14.5種。10年前の調査の17.8種から減った▼とりわけ、遊び盛りの10代が21.6種から15.6種へと3割もの減だ。一方で、特定の活動には何度も参加する傾向が見られた。時間の使い道を絞り、本当に好きなものにお金をつぎ込む姿が浮かぶ▼狭く深くの選択投資では、かじりもしない趣味が多くなろう。関心の間口が狭い若者がそのまま中高年になるなら、レジャー市場の将来は明るくない。白書は、余暇の貧困化だと気をもむ▼携帯電話やゲーム機での暇つぶしが習慣となり、インターネットに費やす時間も膨らみ続ける。かくして、生涯の友となるような、実のある趣味に回すべき養分は枯れていく。内はパソコン、外はケータイ。こんな「内外一つずつ」だと、どんな老後になるのだろう。
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发表于 2008-8-22 13:51:12 | 显示全部楼层
2008年8月22日(金)付+ w! s# N, u8 t% h

$ R3 d  p. j: |) H# U* l/ P1 G/ H スポーツ映像は、勝敗が決した瞬間が華だろう。顔を両手で覆う選手が結構いる。悲喜を問わず、感極まった面相は公開無用の「私物」ということかもしれない。それはさておき、北京からの絵に一喜一憂するこの国で、覆いようがなくなってきたものがある。政治と経済の弱さだ▼福田首相は早めの臨時国会で成果を上げたいのに、長い会期を嫌う公明党の意向も無視できない。間(あいだ)をとって、国会召集は9月中旬らしい。先の「追い込まれ改造」同様、首相に主導権はなく、自民幹部からは「ぐず内閣」の声まで出た▼与野党の関心は、誰の手で解散・総選挙をするのか、この一点。地味な首相では選挙の顔にならないが、唐突に派手な人が継いでも有権者に密約を疑わせる。いずれにせよ、解散含みの国会で実のある政策論議になるか▼夏休みの間にも、景気は停滞の度を強めている。政府は、後退局面に入ったことを事実上認めた。4~6月は1年ぶりのマイナス成長、株価もさえない。ここ6年は戦後最長の拡大でしたと聞いても、どこの国の話かと思う▼ガソリン価格をにらんでの休暇は「安近短」が主流だった。政策不信の裏返しであろう。生活は自分で守るしかないという背水の節約が、停滞に輪をかけるはずだ▼電気代を気にしつつ、時差1時間の五輪ドラマを追う人も多かろう。陸上の男子200メートルは異次元の走り。100メートルに続く2冠を世界新で飾ったボルト選手は、大の字になり、両手で顔を覆った。悲と喜は正反対ながら、一瞬、日本の今が重なる絵だった。
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发表于 2008-8-25 09:29:45 | 显示全部楼层
2008年8月23日(土)付
3 T  W9 Z) B: ]- V% T6 c4 l+ v) r$ F8 E6 _9 F
 きょうは「処暑」。暑さ収まる候とされる。なるほど、秋の風が吹き始め、熱波と雷雨が暴れた季節も出口が見えてきた。浅黒い子どもたちが、観念して勉強机に向かう頃でもあろう。〈日焼顔(ひやけがお)見合ひてうまし氷水〉水原秋桜子▼かき氷というもの、久しく口にしていない。それでも、シロップの原色、脳天に走る稲妻とともに、小さな雪山を崩していく感触がよみがえる。冷房の喫茶店ではなく、駄菓子屋の店先、炎天下の小景である▼枕草子の「あてなるもの」(上品なもの)の段に「削り氷(ひ)にあまづら入れて、あたらしき金椀(かなまり)に入れたる」とある。平安貴族は、つる草の甘い汁で食したらしい。清少納言が「上品」に分類した通り、保存に手間がかかる氷は貴重品だった▼別段の「星は」には、すばる、ひこぼし、ゆふづつと並ぶ。ゆふづつとは宵の明星、金星のことだ。明るい天体に目が向くようだが、「削り氷」食べ放題の星があると知れば、列記は別物になったかもしれない▼火星に水があることが、米国の探査機によって科学的に確かめられた。少なくとも氷の状態で大量に存在する。水は命の母という。遠い過去には、生命を育む海や川があったのだろうか。「生の痕跡」を求めて、火星探査はいよいよ佳境に入る▼大宇宙の悠久の営みは、命を紡ぎ出せる環境を至る所に用意したはずだ。それがご近所にもあったと分かれば、銀河の孤独はいくらか癒やされる。残暑の夕刻、赤い惑星に「夏日星(なつひぼし)」の字をあてた先人を思いながら、納めの氷水にさじを運ぶのもいい。
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发表于 2008-8-25 09:30:08 | 显示全部楼层
2008年8月24日(日)付
' s5 v3 u4 g0 e5 p, v0 C/ @3 g, Q
9 L: W- j# V3 q- e+ Z" X! N- Y 中国語で「游泳」とくれば水泳だろうと見当はつくが、「田径」はいかがだろう。英語のフィールドを「田」に、トラックを「径」に言い換えた陸上競技のことだ。「径」の字には小道とか、細い道という意味がある▼文字どおり細く、険しい道を走り続けてきた日本陸上界のトラック陣が、ついに銅メダルという果実を手にした。男子400メートルリレーの快挙は、五輪のトラック種目では伝説の名選手、人見絹枝の「銀」以来80年ぶりになる▼一人ひとりは世界のトップには及ばない。だが4本の矢が連なれば話は違ってくる。バトンパスの技を磨きぬいて、無駄なタイムをそぎ落としていった。受け渡しに失敗する有力国を尻目に、日本らしい精密さで3位を引き寄せた▼〈力の限り走って/走って走って/走り抜いて/土の上に転って/閉じた瞼(まぶた)の裏に/空の青が透けて映ったときの/あの いい気持ち〉。川崎洋さんの詩の一節のような素朴な幸福に、4人の走者は包まれたことだろう▼詩は、〈馬力はもうひと雫(しずく)も残っていないのに/心は存分に充電されてずしりと重い〉と続く。80年前の8月、アムステルダム五輪の800メートルで2位に入った人見は、精根尽きて気を失ったという。彼女もまた異国の青い空を、瞼の内に見ていただろうか▼その人見が、別の競技会で渡欧する途上に詠んだ歌が残る。〈恋も欲し金も欲しきや人のすむよすがさへなきシベリヤの野に〉。高揚、失意、歓喜。いまも変わらぬアスリートの思いをのせた北京五輪も、残すところきょう1日である。
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发表于 2008-8-25 09:30:28 | 显示全部楼层
2008年8月25日(月)付
5 N' @0 P) `6 v6 w5 L2 ]4 x7 k9 G
; l  {5 J/ G, o0 \ もう18年も前になる。天安門事件の翌年に北京でアジア大会があって取材に行った。国際社会の信頼を取り戻すのに、中国が懸命になっていた時期だ。開催そのものが危ぶまれたが、各国から約6千人の選手が参加した▼ピリピリした空気を覚悟していたのに、当局者の対応は意外に緩やかだ。街の雰囲気も明るい。一見の記者が抱いた甘い感想を、しかし、助手に雇った大学生は一蹴(いっしゅう)したものだ。「北京は今、お客さん用の顔をしていますから」▼さて五輪の期間中、中国はどんな顔を見せてくれただろう。やはり開会式の「演出」は後味が良くない。「漢族の子が扮した56民族の代表」「CGの花火映像」、さらに「口パクの歌」。壮麗な出し物ともども、長く記憶されるだろう▼わけても口パクである。ある少女から「容姿」を、別の少女からは「声」を「いいとこ取り」するやり方には、「個の人格」を軽んじる危うさが透けていないか。「国益のため」という説明を聞くにつけ、国家主義の横顔が脳裏から消えやらない▼開閉会式の総監督を務めた張芸謀(チャン・イーモウ)氏は、本紙との会見で「小さなことを意図的に拡大するのはよくない」と批判に異を唱えた。だが大きな真実は往々にして、小さな穴からこそ、のぞき見えるものだ▼ともあれ五輪は成功裏に幕を閉じた。17日間にわたった「お客さん用」の化粧を落として、中国は宴(うたげ)のあとの日常に戻る。化粧を落とした新たな表情は、大国としての自信を深めていることだろう。その「自信」の先行きに、隣人として目を凝らしたい。
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发表于 2008-8-26 21:28:59 | 显示全部楼层

楼主好能

■《天声人語》      02月08日付    1904年の2月8日、日本軍は朝鮮半島に上陸した。2日後に宣戦布告した。日露戦争の始まりだ。  国論は開戦に傾いていた。18歳の石川啄木は岩手日報にこう書く。「今や挙国翕然(きふぜん)として、民(たみ)百万、北天を指さして等しく戦呼を上げて居る。戦の為めの戦ではない。正義の為、文明の為、平和の為、終局の理想の為めに戦ふのである」。朝日新聞も対露強硬論を主張した。  非戦を掲げる幸徳秋水らの平民新聞にはこうある。「不忠と呼ぶ可也(かなり)、国伽群簸挚梢病⑷簦à猓─窇檎酥幐瑁àΔ─护骸④娙摔税⒄槪àⅳ妫─护钉毪蛞裕à猡模─啤⒉恢窑让à胜牛─伽螭小⑽业龋à铯欷椋─细胜螭袱撇恢窑郡椁蟆梗ā盒覐郧锼徽搫撋纾
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发表于 2008-8-27 12:40:22 | 显示全部楼层
2008年8月26日(火)付, r' B( w( d- z- l& O# l2 W. C

( D1 n) t$ A) T8 x( G ある事件現場の近くに、何か目撃していそうな家があったという。聞き込みの捜査員が通うが話をしてくれない。そこで、手品に覚えのある刑事が出向いてトランプを一席。大喜びする子の横で、家人が口を開いた。「実は、あの日……」▼永江朗さんの『話を聞く技術!』(新潮社)にある刑事の体験談だ。「警察手帳を出せばしゃべると思ったら大間違いですね。誰だって関わりたくないというのが本音なんですよ」とも語っている。取材やセールスにも通じる極意だが、ドアに続き、心を開いてもらわないと仕事にならない▼今年の警察白書によると、07年、聞き込み情報を元に摘発された刑法犯は1.4%。93年にはまだ4%強あった。警察庁が全国の刑事に聞いたところ、「捜査への協力を得るのが難しい」と感じる人が79%いた▼刑事たちは非協力の理由を推測する。「後々面倒」などに次いで、「警察を快く思っていない」が4番目に挙がった。一線が肌で感じる「警察嫌い」の裏には、白書も触れた不祥事の数々があろう。鹿児島や富山では、捜査ミスでは済まない人権侵害が起きた▼逆の話もある。10年前の和歌山毒カレー事件。本部で被害者支援に当たった刑事が、望んで現場近くの交番に移り、住民を見守り続けている。来春の定年を前に、地元から「辞めないで」と嘆願書が出たそうだ▼警察嫌いを減らすには、それぞれの持ち場で、警察官が信頼に足る実績を重ねていくしかない。司法といえども、突き詰めれば人と人、心と心。一発逆転の、手品はない。
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