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楼主: youdariyu

皆さん日本語の小説とか読んでますか(1)

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发表于 2006-6-8 18:19:18 | 显示全部楼层
溪上青青草さんへ。

「せせらぎの若草(わかくさ)」と訳しましょうか^^ 「青青河辺草」という小説を思い出しました。

「馬車」の数量詞は「台」ですね。「几车布料」は「何台分(なんだいぶん)もの生地」。「...もの..」は「数が多い事」を強調します。
例えば「吉田さんは今まで100人もの女性にふられた」

〉嫁入大富之家,她要如何应对一大票人口?
〉「大富豪に嫁入りして、どうやってたくさんの人とうまく付き合うの」(自然な日本語の表現は何でしょうか。)

十分自然です。このまま使えます^^。

>她爹才舍不得请人教她刺绣呢!
>彼女のお爺さんはそれこそ、彼女に裁縫を教える時間さえ惜しん。
>「お爺さん」はgrandfatherですね。

「爷」は「おじいさん」の意味しかないと思ってました。辞書をあらためて調べると「爷」を「お父さん」と呼ぶのは<方言>だと書いてあります。ここでは「お父さん」なんですね。

>彼女は生まれてから17年間というもの、ひたすら武道の練習に明け暮れた。

「…から(時間)というもの」は「…以来」と同じ意味です。例えば「亜亜はデビューしてから10年間というもの、心の琴線(きんせん)に触れる歌を歌い続けてきた」

 ======

「足を洗う雑巾」。江蘇省の启东出身の人に尋ねたんです。、はははは、確かに「大丈夫」に聞こえますね(笑)。
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发表于 2006-6-8 22:21:58 | 显示全部楼层
jewelさんへ。

日本人の夫が上海人の奥さんから「Gang2du1」と呼ばれても、怒ってはいけないんですね
でも、その日本人の夫は、それを愛称だと思っていないようです。そこが問題です^^。

 ===========

夫婦間の呼称(こしょう)について。こんな話を思い出しました。

もう何十年も前。南極探検が、まだまだ困難で危険だった頃です。

ある結婚したばかりの若い夫が南極の基地に駐在することになりました。

新妻(にいづま)は、南極に行った夫の事を毎日心配し、手紙を書こうとしました。

でもその頃の南極は手紙はおろか電話さえも通じなくて、唯一の連絡手段はモ-ルス信号(摩尔斯电码)しかありません。そして、それは、一文字送るだけでもとてもたくさんのお金が必要でした。

そこで、新妻はたった三つの文字で夫に自分の気持ちを伝えたのです。

その三つの文字とは

「あ.な.た」でした。

妻の夫に対する呼称がこれほど感動的に使われた話はありません。実話です。
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发表于 2006-6-9 11:02:46 | 显示全部楼层
友达日语さんへ

じゃ、普通、日本人夫婦たち、あなたと呼びますか?妻はあなた、主人はお前?君?○○こ?


>妻の夫に対する呼称がこれほど感動的に使われた話はありません。実話です。

恋愛ころ、二人の「名前」はいろいろです、「小坏蛋」とか「小傻瓜」とか、でも結婚したら、主人は「老婆」と呼びます。特に、お頼むことがあるとき、悪かったとき、「老婆大人」で呼びます。私は女性として、自分の好きな人から「老婆」を呼ばれたら、本当に許してあげますね。
多分、この「老婆」は、日本の「あなた」と同じだと思います。
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发表于 2006-6-9 18:15:07 | 显示全部楼层
『上错花轿嫁对郎』


越想越恐慌,而明天就要拜堂了!她冒充得来冰雁那种高贵的气质吗?瞧她粗手粗脚大
而化之的,根本是粗野女子才会有的模样!
  虽然陪嫁过来约六个贴身丫鬟保证会努力帮她扮演好杜冰雁的身分,可是她的心仍没半
点踏实!毕竟这是她生平第一次做欺骗人的事呀!实在有违她坦荡磊落的性格!光想到从明
天起要故作优雅就全身起疙瘩!

考えれば考えるほど焦ってしまう、婚礼はもう明日なのだ!彼女は本当に気品高い氷雁になりすませる
だろうか?とても華奢とは言えないこの手足を見たら、誰だって"じゃじゃ馬娘"としか思わないだろう!
 たとえ六人の侍女が杜氷雁への変装を手伝ってくれたって落ち着いていられない、生まれて初めて人
を騙すんだ!豪放磊落な彼女には全然合わない、明日からしとやかな女を演じるなんて、考えただけで
鳥肌が立ってしまう!

  ======================
「粗手粗脚」は訳しにくいです。「太い手足」だと「胖子(でぶ)」の意味だし、「粗い手足」という表現
は有りません。「華奢(きゃしゃ)とは言えない」と訳しました。
「粗野女子」は「じゃじゃ馬娘」と訳しました。「じゃじゃ馬」は「飼い慣らしていない馬」ですが、「粗野
な女の子」を表現する時使います。
「丫鬟」は日本語だと「お手伝い」「女中」ですが、昔の話なので「侍女(じじょ)」としました。「宮中や
大きな家で働く女性」という感じです。
「坦荡磊落」という言葉は日本語に有りません。「豪放磊落(ごうほうらいらく)」が適当です。
「全身起疙瘩」は「全身に鳥肌(とりはだ)が立つ」。鳥の皮には「疙瘩」が有るので、こう言います。
日本語では「疙瘩」は「ぶつぶつ」と訳します。
ところで、中国の女の子が「にきび」の事を「豆豆」と呼ぶのは、とても可愛い感じがします^^

 ================================

如果可以,她真想逃!可是她已答应人家了,怎能临阵脱逃?!所以,此刻她也只能在
这深夜独自苦恼不休,然后决定把一肚子的闷气转移到那齐三公子的头上!
  那家伙要死就快点死,偏偏半死不活的在那边想耽误一个女人的终身!即使他不能人
道,但一个完璧的寡妇仍是不能再嫁予他人,简直存心害人嘛!
  李玉湖重重的捶了桌子一拳,浓眉杏眼的俏脸上有着坚决!她知道该找谁为这一团错误
负责了!
  就是那个叫做齐天磊的痨病鬼!

できる事なら逃げ出したかった、でもすでに引き受けてしまった以上、どうして敵前逃亡できるだろう。
彼女は夜中まで悩みぬいた挙げ句、その鬱憤のやり場を斉家の三番目の息子に向ける事にした。
そのバカ息子はもうすぐくたばるというのに、どうして一人の女の一生を台無しにする権利があるんだ!
それに本人がくたばっても、未亡人となって返された女がどうして再婚できるだろう。本当に迷惑な話だ!
李玉湖はテーブルを拳骨で叩いた。濃い眉とアンズのような瞳が確信している。いったい誰にこの責任が
有るのか、それはあの斉天磊(せいてんらい)とかいう死に損ないだ!

 ===========================
「临阵脱逃」は「敵前逃亡(てきぜんとうぼう)」。ほとんど同じ意味ですね。
「肚子的闷气转移到…头上」は「鬱憤(うっぷん)のやり場を…に向ける」。「鬱憤(うっぷん)のはけ口(ぐち)
 を…に向ける」とも言います。
「要死就快点死」は「もうすぐくたばる」と訳しました。「くたばる」は「死ぬ」の意味です。でも決して上品
な言葉ではありませんので気をつけてください。
「完璧」は「完璧归赵」の省略でしょうか。
「痨病鬼」は「死に損(ぞこ)ない」と訳しました。「死に損ない」は「死んだほうが良いのに、しぶとく生きて
る奴」の意味。上品な言葉でありません。喧嘩をする時だけ使ってください^^
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发表于 2006-6-9 18:29:42 | 显示全部楼层
jewelさんへ。

最近のカップルは夫も妻も、名前、例えば「太郎」「花子」だけで呼ぶ事が多いようです。あるいは名前の
後に「ちゃん」をつけたりします。その他、最初の字に「君」をつけて「たっくん」、「花ちゃん」とか。

でも子供が出来て、歳をとってから「ちゃん」はやっぱり気持ちが悪いので「あなた」「お前に」に変わる
みたいです。

中国の歌やドラマだと「親愛的」という言葉をよく聞きますが、よく使うんでしょうか。ある人に聞いたら
「そんな言葉は気持ち悪い」とか言ってましたが(笑)

それにしても「老婆(ろうば)」....。日本人が誤解し易い中国語の代表ですね。

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发表于 2006-6-9 21:19:00 | 显示全部楼层
よい小説がありますか
わたすも読みます
ありがとう
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发表于 2006-6-9 21:49:48 | 显示全部楼层
wander_wangさん、はじめまして。

最新の小説でなければ、ダウンロードで買える面白い日本の小説を推薦できますよ。

どんなジャンル(種類)の本がお好きですか
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发表于 2006-6-10 12:48:04 | 显示全部楼层
「心有千千結」の拙訳です。

第17章

翌朝早く、雨薇が階下へ降りて来た時すでに若塵は出かけた後だった。李媽は彼女の配膳をしながら言った。

「ぼっちゃんはもう出社されましたよ。昼食も夕飯も食べに戻れないだろうからあなたに言っておいて欲しいって。唐部長と一日じゅう遺産やら負債やらの処理で忙しいでしょう」

「ああ、そうね」

雨薇は食卓についた。風雨園で初めて迎えるたった一人ぼっちの朝食は味気なく喉を通らない。昨夜は胸の中に去来するいっぱいの問題に一晩じゅう眠れなかった。幾千幾万もの心のもつれは今も彼女を憂鬱にさせていた。あたりを見渡しあらためて老人がすでにいない事実を噛みしめる。全てがひっそりと静まりかえりぞっとするような寂しさが漂う。彼女は碗を置くと自分が目に涙をためているのに気づいた。ため息をつき顔を上げ李媽の顔を見て言った。

「あらっ、どうして翠蓮の姿が見えないのかしら?」

「お嬢様」

李媽は貴人に対するように答えた。

「どうぞ御心配なさらないでください。翠蓮には私が暇をやりました」

「えっ、どうして?」

彼女は意外に思い尋ねた。

「翠蓮はもともと私らの老後の世話をさせる為に旦那様が雇った子でした。でも私達にはまだそんな必要はありません、この風雨園の事は私ですべてまかなえます」

「私にはよくわからないんだけど?」

雨薇は不思議そうに首をかしげた。

「あたし達は考えたんですよ、お嬢様」

李媽は小さな声で言った。

「旦那様は破産してらして遺産はこの風雨園だけ。ぼっちゃんは借金漬けで大わらわ。この風雨園も人が減ったほうがいいのだけれどあたし達夫婦と趙は旦那様へのご恩返しがありますからとても出て行くに忍びません。だから翠蓮に出ていってもらったんです。せめて少しでも給料代がうくようにって」

「それじゃ・・」

雨薇は事態を悟った。

「李媽、あなたは私に節約させる為に?」

雨薇は驚いた。その問題は昨夜も考え続けたことなのだ。老人は善意でこの屋敷を授けてくれたのだろうが彼女のような一介の看護婦がそれをどうやってずっと維持していけと言うのだろう。

「李媽」

「はい、お嬢様」

「お給料はいくら必要なのか言って欲しいの」

「お嬢様、お気遣いは無用です」

李媽はすぐに答えた。

「旦那様は生きてらっしゃった時に私達を厚遇してくださいました。ですから蓄えもありますし何の不安もございません。お給料を頂く必要はないのです。ただここからどうか追い出しにならないでさえくだされば」

「追い出すですって?」

雨薇はおかしくなった。

「李媽、あの方の遺言を聞いたでしょ?あなた方はいつまでもここに居れるのです。それどころかむしろ私のほうがよそ者なのに。でも本当にわからない、なんで若塵じゃなくて私なんかにこの風雨園を残したのかしら?」

「それはあなたとぼっちゃんのどちらに残しても同じだと思ったんでしょうよ」

李媽は笑みを浮かべた。

「もしぼっちゃんなら絶対無事じゃないですからねこの風雨園も!すぐ借金のかたになっちゃいますよ。でもあなたのものなら売れるに売れない」

そうなの?雨薇は再び混乱した。”どちらに残しても同じ”本当にそうなの?李媽はもちろん老人の手紙の内容を知る筈もない。彼が二人の恋愛を望んでいなかった事など。彼女は首を振った。もう考えるのはやめよう、死んだ老人が残したものは借金とこの風雨(あらし)の中の風雨園と人の思いとそして数え切れない謎。雨薇は暖炉の上の写真に問いかけた。耿克毅、あなたの真意はいったい?

 李媽は食卓の後片づけを始めた。

「李媽!」

雨薇は告げた。

「老李と趙さんに伝えてください。毎月の給料は必ずお支払いしますと。でも前と同じほどは無理です・・、おそらく気持ちくらいかも知れませんが、もしそれで不本意と言うのでしたら・・」

「お嬢様!」

李媽は彼女の言葉を遮った。

「あたし達の事には本当にかまわないでください。それよりあなたが心配しなければいけないのはどうやってこの風雨園を維持していくかですよ、毎月の電気水道代、こまごました経費、クリーニング代、食費、決して少ない額じゃありません、そのうえあたし達の給料まで出した日には・・」

李媽の目には涙が滲んだ。

「あたし達はここを守りますよ、それにぼっちゃんとお嬢様を!」

雨薇の心は激しく揺らいだ。李媽はなぜいつも自分と若塵を一緒に扱うのだろう。ああ、おぼっちゃんおぼっちゃん、それにしてもなんて冷たい人かしら、朝早く出て自分はほったらかしじゃない。いや、あの人には莫大な借金の後始末がある、どうして責めたりできるだろう。

「わかったわ、李媽。一緒にこのあらしの中で風雨園を守りぬいていきましょう、それからぼっちゃんが早く負債を返せるように私達も頑張るのよ。それで早速だけど趙さんに私を病院に送ってもらうよう言ってくれないかしら。少しでも風雨園の為に稼がなくちゃ!」

笑顔の李媽はひどく感激して雨薇に抱きつかんばかりだったが即座に趙を探しに走っていった。

雨薇が服を着替え鞄を持ち庭園に出るとすでに趙は車を待機させていた。見上げると空はまばゆいばかりに青くあるかなきかの雲がぽっかりと漂っている。夏の朝の日差しはビーナス像の上にも降り注ぎ彼女の身体の輪郭を黄金色にかたどった。竹林の小道の向こうからはジャスミンの香りが漂う。そう、これは初めてここへ来た時と同じ。あの時にはまさか想像もしなかった、自分がこの屋敷の主になるなんて!一切があまりに不思議でおとぎ話のよう。どうして自分はそんな世界へ迷い込んでしまったのか?

首を振ったがまとわりつく非現実感は拭いきれない。彼女はとまどいを抱えたままやがて病院に向かった。そして折り良く彼女はすぐ付き添い看護の職に復帰することができた。その1時間三十元の報酬の為に彼女は通常勤務に加えて超過勤務もこなし勤務があがったのはようやく深夜も11時だった。彼女はこうした苦労がたとえ少しでも若塵の手助けになるならと思った。趙運転手に病院から風雨園まで連れて帰ってもらった時彼女はすでに疲労困憊の極みだった。
 大広間では若塵がソファーに座りこんで煙草をふかして待っていた。

「たしかやめたんじゃなかった?」

彼女は言った。

「どうしてまた吸い出したの?」

「知ってるだろ」

若塵は紫煙を吐いた。

「やめたわけじゅあないさ、ただ普段は吸わないだけだ」

彼女はソファーにへたりこむように座った。丸一日の仕事の疲れがどっと今彼女に押し寄せてきている。彼は鋭く彼女を見るとまた煙を吐いた。

「えらく遅いお帰りだな!」

彼は言った。

「ええ」

彼女は疲れきってなにも喋りたくないほどだった。

「あのX線と一緒だったのか?」

いきなり彼は尋ねた。

「どこへ行ったんだ、踊りにか?」

彼女ははっとして一瞬身体を震わした。

「趙さんに病院まで迎えに来てもらったのよ」

彼女は冷ややかに答えた。

「一日中仕事で残業までして踊りに行く暇なんてないわ」

「あのX線も一緒に残業なのか?」

彼女は立ち上がった。怒りに顔色を変え瞳には炎が燃え動悸がみるみる激しくなってくる。

「どういう意味?」

彼女は問い返した。

「X線があたしと一緒だったかどうか、あなたに関係があるの?あたしはあなたの言う場所にも行っていない、仕事をしてたって言うのがわからないの?」

「もちろん、俺の知ったこっちゃないさ!君がどこの誰といたってな」

若塵は呼吸を荒くして立て続けに煙草をふかした。

「数百万元の屋敷を手にいれたのになんでそんなに忙しく仕事するのか不思議だったんだが、忘れてたよ。病院にはX線がいたんだな」

「あなたは・・」

彼女は息を飲んで立ち上がり若塵を見た。せめて少しでも風雨園を維持する足しになればと苦労も厭わず朝の8時から夜中の11時まで息つく暇もなく働いて帰って来た代償がこの言われようなの?あなたの父さんが始末に終えないやつと言ったのはこの事だったのね。あの方にはわかってたのだわ、遠からず彼女が苦渋を飲むのを。彼女の目が見る見る涙であふれた。一番やりきれない、無実の罪を着せられるなんて!
 さらにそのうえ”屋敷を手にいれた”ですって?いつ自分が老人をそそのかしたというの?この人は私が女の武器を老人に行使したとでも思っているの??江雨薇はそんな浮気女だとでも?
若塵の態度からは以前のような打ち解けた恋人らしさは消え去っていた。まさか彼の受け取った老人の遺書にも二人の交際を否定するような”忠告”が書かれてあったのだろうか。それともやっぱりやっぱり恋自体が雨薇だけの思いこみだったのか。彼女は唇を噛みしめてぶるぶる震えながらようやく言葉を絞りだした。

「あなたに言っておくわ、私は数百万のお屋敷なんて欲しくはない、あなたにくれてやる!私はX線が好きよ、だからいつも一緒にいる、それでどうだっていうの?」

若塵も立ち上がった。吸い殻を放り投げると血走った眼で声をはりあげた。

「俺がいつそんなものを欲しがった?君のものになる前からそんなこと一度でも言ったことがあるか?俺が遺産目当てで戻ったみたいに言うんじゃないぞ、君とX線の関係なんか俺にはどうでもいいことだ、勝手にすればいいだろう、君はもうただの看護婦じゃなくて豪邸の御主人様なんだからどこのどいつとでも一緒になれるさ!女なんか結局そうだ!あの夜、廊下で俺を誘惑したことも計略だったんだな!」

「ひどい・・ひどすぎるわ・・」

雨薇はあまりの怒りに身を震わしなにか言いたいのに言葉が出てこない。ただ涙だけがとめどなく溢れた。そしてついに身を翻すと階上へ駆け上がろうとした。

「明日・・出ていくわ、もう二度と帰らない!」

だが若塵はすぐに彼女の前に立ちふさがると厳しく問いつめた。

「だめだ!ちゃんと説明しろ!」

「もうなにも言うことなんてないわ!」

彼女はぴしゃりと言い放った。

「あなたみたいなカスに言うことなんてないのよ!」

「俺がカスだと」

若塵は顔を雨薇の前につきだした。

「俺がカスなら君は何だ、清廉潔白で貞節きわまりない乙女ってか?」

「私にかまわないで!」

彼女は怒鳴った。

「私は下品で下劣な女、あなたのような世間知らずのおぼっちゃんを騙すのが得意なね、これで満足した!!」

「俺の前歴を皮肉ってるのか、馬鹿にしてるのか」

「あなたの前歴ですって」

雨薇の脳裏に老人の手紙の内容が浮かび上がった。

「そんなの知りたくもないけどさぞ赫々たる戦果に満ちているんでしょうね!もっと早くわかっているべきだったわ、あなたなんか誘惑にも値しないって!」

「そうだな、まさか俺に残される遺産が二千万の借金だけだなんて思いもしなかっただろう!」

雨薇は手を振り上げて彼の頬を打った。計二回目のビンタである。よける暇なくもろに受け止めた若塵の頬には5本のみみず腫れが出来た。彼がすかさずその手をねじあげると彼女は痛さに顔をゆがめ怨めしげに彼を見上げた。大粒の涙がいくつも流れ落ちる。彼はすごい形相で腹の底から声をしぼりだした。

「女に殴られたことなんてなかったのに、君はもう二度も!ただじゃおかないぞ」

「じゃあ殺せばいいわ!」

彼女も言い返した。

「でもあたしなんか殺したって何の自慢にもならないわ、放蕩息子の罪に殺人が一つ加わるだけよ、でも不思議ね、あたしは殺せるのになぜ紀靄霞は殺せなかったのかしら!」\

彼の手が振り上げられ彼女の頬を打った。若い男から手の甲で殴られた衝撃に彼女の眼からは火花が飛び耳はわんわん鳴った。昨夜の睡眠不足と丸一日の重労働による疲労困憊、それにこの風雨園での思いがけない嵐が彼女の心に耐えられないほどの悲憤と慷慨を与え彼女はもう立っていっれなくなった。

「若・若塵・・ひどい人・・」

そう言って彼女は床に倒れた。あわてた若塵はそこへ初めて我にかえったように彼女を支えた。そして李媽が言い争いの声に眼を醒まされやって来たのはちょうど彼が彼女に手を上げた時だ。李媽は鋭い悲鳴を上げると飛ぶようにかけよった。

「ぼっちゃん、気でも狂ったんですか!」

若塵は雨薇を抱き起こしたがその血の気のない顔に驚き、更に李媽に呼ばれたことで自分がしでかしたことに激しい後悔の念を起こした。彼は雨薇をソファーに横たえると胸張り裂けんばかりに動転し彼女の名を呼んだ。

「雨薇!雨薇!」

横たわった雨薇の長い髪はソファーにこぼれ落ち、彼は彼女の頬にかかる髪をそっと払った。そしてあらためてその青ざめ、疲労しきった顔に胸をえぐられるような痛みを味わうのだった。彼は李媽に叫んだ。

「酒を一杯持ってきてきれ、李媽!早く!」

李媽は慌てて酒を注ぎながら責めるように言った。

「いったいどういう事です?よりによって江お嬢様と喧嘩するなんて!誰もがみんなこの風雨園のために頑張っているっていう時にどうして?」

「俺はただ彼女があの医者に会いにいくのが我慢できなかったんだ」

若塵は愚痴をぶちまけた。

「医者に会いに行くですって?」

李媽はグラスを持ってきて言った。

「ぼっちゃん気はたしか?お嬢様のしたことはみんな風雨園を思えばですよ!ぼっちゃんはこの屋敷を維持していくのが簡単だと思ってるんですか、もしもお嬢様が働かなければ誰がそれをするんです?あなたはとっくに借金だらけ、だからお嬢様はあなたに迷惑をかけたくなかったんです。私におっしゃいましたよ、少しでもぼっちゃんの返済の助けをしたいって、それなのにあなたってきたら!ぼっちゃん、あなたはおそらく一生女の気持ちを理解できませんよ、昔は紀とかいう魔女を天使と間違えて今度は天使のような江お嬢様を魔女と間違える、あなたはいつになればわかるんです!」

李媽の言葉はまるで棍棒のように彼の脳天を一撃し、若塵の理性を完璧に回復させた。この李媽がこんなに自分を叱った事はかつてなかった。俺はまったくなんてどうしようもないやつなんだ!眼を赤くした彼は李媽の手からグラスを受け取るとそれを雨薇の口元に近づけた。

「雨薇、起きてくれ!雨薇、お願いだ、起きてくれ!」

酒の大部分は雨薇の唇からこぼれ落ち李媽は急いで布巾で拭った。若塵がなおも飲ませようとした時彼女は激しくせき込みぼんやりと眼を開け若塵が床に跪き自分を心配そうにのぞきこんでいるのに気づいた。

「雨薇、気がついたのか、雨薇?」

彼はせわしなく言うとそっと彼女の頬を叩き手を握った。

「雨薇、大丈夫なのか?どうだ?」

「あっ・・」

彼女はそっと吐息をもらし眼を開けたがやはり意識は朦朧としたままだ。しばらく何事が起きたかわからず弱々しくつぶやいた。

「どうしてあたしはこんなところに・・」

「雨薇」

脂汗を滲ませた若塵はさらに手を強く握りしめた。言うべきことは言い尽くせないほどにあったがなにから言い出せばいいかわからずようやく出たのはこの一言だった。

「許してくれ・・」

彼女は怪訝そうに眉をひそめた。許してですって?許して・・。突然それまでの一切を彼女は思い出した。若塵の自分に対する数々の暴言と殴打。彼女の心臓はきつく締めつけられるように痛み、顔をゆがめて彼女はもう一度眼を閉じた。そして疲れ果てた様子で呟いた。

「疲れたわ・・」

「部屋へ行こう」

若塵がそう言って彼女の首を支えようとした時。

「やめて!」

彼女は鋭く拒絶するとなんとか自分で起きあがろうとしたがすぐにめまいをおこして崩れ落ちた。若塵はかばい請い祈るように叫んだ。

「雨薇!」

彼女は眼を虚ろにさまよわせたが探すのは若塵でなく李媽の姿だった。

「李媽、部屋へ連れていってちょうだい、眠りたいの・・」

若塵はいたたまれず彼女の身体を自分のほうに向かせ眼をのぞきこみ切ないまでのひたむきさで釈明した。

「雨薇聞いてくれ、俺は今日働きづくめだったが夜になれば君に会えると思いそれだけを楽しみに帰ってきたんだ、それが何時になっても君は戻ってこないので俺はあれこれくだらない思いをめぐらした。君は知らないだろう俺がどれだけあの医師に嫉妬していたか・・」

「言い訳は・・」

雨薇は力のない声で遮った。

「聞きたくないわ、疲れたの・・」

彼女の顔には依然血の気がなく瞳は光を失い氷のような表情は彼を許していないのが明らかだった。彼は心臓が張り裂けそうになった。

「雨薇、君は父さんが死ぬ前のよる、廊下での出来事を覚えているだろう?」

彼は許しを請うようにひざまずいた。

「あの時お互い心を通じ合わせ、未来への誓いもたてたんじゃなかったか」

「そうね、あたしがあなたを誘惑した夜だわ、遺産の為に」

彼女の表情と言葉には依然氷の冷たさだけがあった。

「雨薇!雨薇!」

若塵は叫び彼女の手を自分の汗に濡れた頬におしあてた。

「俺は今日言っちゃいけない事をさんざん口にしてしまった、だがそれも冷静じゃなかったからだ、あまりに疲れ過ぎていた。それに父さんが残した遺産の処理で俺はすっかり混乱して自分を失っていた、そんな俺の譫言を本当にしないでくれ」

「疲れたの・・」

弱々しくつぶやく彼女の氷の態度は変わらなかった。

「早く休ませてちょうだい・・」

李媽は一歩前に出るとなだめるように若塵に言った。

「ぼっちゃん、もうそのへんにしときなさい。それより江お嬢さんを休ませてあげましょう。話はまた明日すればいいじゃないですか、ねっ?それともお嬢さんのこの様子が眼に入らないんですか?」

そうだ。若塵は唇を噛んだ。自分の熱い血をわけて彼女の頬に赤みを甦らせることも出来ず自分の心の全てを打ち明けてわかってもらうことも出来ない。けれどたしかに今はそんな場合ではないのだ。もう一度グラスを彼女の唇にもっていった。

「せめて少しでも飲んでくれないか?」

彼女はその手を払いのけふらつきながら立ち上がると叫んだ。

「李媽!」

李媽に支えられた彼女は若塵に一瞥も与えることなくよろよろと階段を上っていった。若塵は床にひざまづいたまま只その後ろ姿を見送った。一歩一歩彼の視界からそれは消えてゆきとうとう見えなくなった時彼はどさっとソファーに倒れこみ頭を両手で抱え一人後悔の言葉を繰り返した。

「なんて事したんだこのまぬけ!彼女を失って生きてゆけるのか耿若塵、お前は父さんの言ったとおりとんまでまぬけだ!」

そして顔を上げ二階の部屋を見た。そうだ明日、明日こそ名誉挽回をはかるのだ、二度と癇癪を起こさない、二度と強情にならない自惚れない、明日こそ生まれ変わるんだ!

【第18章に続く】
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发表于 2006-6-10 16:47:15 | 显示全部楼层
『上错花轿嫁对郎』の日本語拙訳です。

明日,泉州首富──齐家的命根子就要迎娶新妇入门了!这当然是齐家的大盛事。早在
一个月前,齐家人就开始布置新房,采办的各种什货全由快马传送。在近几日,大致上都已
就序,于是开始张灯结彩,张贴双喜字,将向来沉肃巨大的齐宅妆点得喜气洋洋,比大过年
还热闹!三天前,泉州十大县内,只要与齐家沾得上一点关系的人,全捧着大礼来到齐家大
门前,挤成了车水马龙。
  为了宴请各方来客,齐家除了在大宅子内摆了一百桌外,更在大宅外的广场上搭棚子准
备开席上千桌,大手笔的宴请县内的人民。
  
明日は泉州一の大富豪、斉家の寵児が嫁を迎い入れる日だ、斉家にはとってはもちろん家をあげての祝い事である。一ヶ月前から早くも新居の準備をしたり、買い込んだ荷物を早馬で届けさせたりした。この数日でおおよその支度は終わり、それから縁起の良い字の書かれた紙を張って斉家のこれまで以上の繁栄を願うのだ。
三日前、泉州にある10大都市のうち、少しでも斉家に関係のある者は皆、大層な贈り物を献上しようとやってきて、さながら「門前市をなす」のにぎわいだった。
各地からの来客を歓迎するために斉家は母屋に100のテーブルを並べただけでなく、庭にも千人分の席をしつらえて、名家の宴に人々を招くのだ。

  =======================
「命根子就要迎娶新妇入门了」「寵児(ちょうじ)が嫁を迎い入れる」と訳しました。「寵児」とは「一番可愛がられている子供」の意味です。

「齐家的大盛事」は「家をあげての祝い事」。「AをあげてのB」はAという集団が全力を尽くしてBという行為を行う事を意味します。
例えば「宇宙開発は国家をあげての大事業である」。

「张贴双喜字」は「对联」の事だと思いますが、日本にはこの習慣が無いので適当な言葉が見つかりません。とても、くどい訳になってしまいました^^;

「挤成了车水马龙」は「門前市(もんぜんいち)をなす」。「たくさんの人が訪問する家の門前は市場のようににぎやかになる」という意味です。本来は中国の故事からの諺だと思います。現在でもよく使われます。

「大宅子」は「母屋(おもや)」です。主人の家族が暮らす建物。使用人が住むのは「離れ(はなれ)」。

 ========================
这番大手笔除了意在展示齐家雄厚的财力外,也为了想趁这热络的喜气冲冲喜,就盼能
冲去齐三公子身上的病魔,让他早日康复!齐家再也禁不起任何不幸的消息了!
  溺爱孙子的齐老太夫人,在宅子南方的空地上建了一幢美轮美奂的独立别院,更在其中
豢养了奇禽异兽,连了假山流水,种了百花百草,取名为“寄畅新苑”

これには名家の豊富な財力を誇示する以外に、慶事を盛大に祝う事で斉家の三男の病魔を退散させ、早く回復させる、という目的もあった。斉家はもうどんな良くない事があっても困るのだ。
孫を溺愛する斉家の女主人は母屋の南の空き地に華麗で手間暇のかかった別宅を新築した。そしてそこに珍獣奇鳥を放ち、山河を再現し、さまざまな花を植え、『寄畅新苑』と名づけたのだ。

  ==========================
「齐家再也禁不起任何不幸的消息了」は直訳だと「斉家はもうどんな良くない知らせにも耐えられない」です。決して不自然な日本語ではありませんが、内容が「唐突(とうとつ)」
な気します。中国語だと自然なんでしょうか。

「美轮美奂」は私の辞書に載っていません。エキサイトの翻訳だと「精巧で美しい」です。
でも「精巧」という形容詞は、どちらかと言えば工芸品のような小型の品物、あるいは機械のような、動作する品物に対して使われます。「精巧な家」とは言いません。「手間暇(てまひま)のかかった」と訳しました。

『寄畅新苑』。これは本当に翻訳不可能です(苦笑)。教えてください。
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发表于 2006-6-12 13:53:57 | 显示全部楼层
『上错花轿嫁对郎』 の訳を一部訂正します。

>她爹才舍不得请人教她刺绣呢!
>彼女のお爺さんはそれこそ、彼女に裁縫を教える時間さえ惜しんだ。

アホな間違いしてました。。「爷」がおじいさん。 「爹」は「お父さん」で良かったんですね。

文字を見間違ってました^^;


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发表于 2006-6-13 17:35:01 | 显示全部楼层
「心有千千結」の拙訳です。

第18章

その翌日がやってきた。

若塵は夜通し眠ろうともせず空が白み始める頃にようやくうとうとしかけたのだがその間数分もあったのだろうか、突然はっと気がつき猛然と目を醒ますとすでに日が昇っている。あわてて身を起こしたが全身から冷や汗が流れ心臓が大きく鼓動した。
 今何時だ?腕時計を見ると時刻は七時十分。雨薇はまだ起きていないだろうか?彼の心にはまだ昨夜の混乱と痛苦の余韻が残っていた。雨薇、彼は彼女の名をつぶやいた。雨薇、君は俺のビーナスであり俺の支えなんだ、雨薇、雨薇!
 その時急にドアを叩く音が聞こえた。若塵が飛び起き服を着替えるまもなく李媽が息せき切って飛び込んできた。

「ぼっちゃん!江お嬢様が出ていかれました!」

シャツを着ようとしていた彼はびくっと全身を震わせた。

「今日は早朝出勤なのか?」

彼は尋ねた。

「いいえ、去ってしまわれたんですよ!」

李媽はせわしなく答えた。

「荷物を全部持って行かれました、ただ旦那様とあなたから貰った服だけを残して。いったいいつ出ていかれたのか私はちっともわかりませんでした。趙さんにも言わず歩いて行かれたんですよ。趙さんが起きた時とっくに門が開いていてお嬢様は誰にも知られずたった一人でお出になったんです!」

若塵は脱兎のごとく李媽を押しのけて部屋から飛び出すと壁一枚隔てた雨薇の部屋を見た。すでにドアは開け放されそこに雨薇の姿はなかった。彼は我知らず叫んでいた。

「雨薇!雨薇!」

部屋の中は綺麗に整理されていた。布団は畳まれテーブルの上には一輪のジャスミン、ベッドのわきには数冊の本、そしてその本の上には一通の封書が置かれてあった。
彼がかけより手にとるとその封書は雨薇が彼に宛てたもので表には清楚な筆跡で

”耿若塵へ”

とある。

彼は急いで中の便せんを引っぱり出すとごくんと唾を呑み読み始めた。

「若塵へ。

 さようなら。昨夜の出来事で私はこの風雨園に自分の居場所がない事を知りました。もはや私には出ていくしかありません。数日前にあなたのお父さんから私に託された贈り物は私にとって本当に意外だったのです。そして好むと好まざるにかかわらず風雨の中におかれました。けれど私は決してくじけたくありませんでした。あなたの兄弟家族達が私に浴びせた侮辱によって私は逆に勇気を奮い起こしたのです。私にはあの方達の言葉など少しも気にかけませんでした。それはあなただけは違うと思ったからです。
 それにあなたはおっしゃいましたね。人は心たかぶった時には感情的な言葉を口にするものだと。あなたもそれに私も言ったかもしれません。でもやはりあなたの言葉にはあなたの本音が入っていたようです。あなたも兄弟達と同じように私への遺産について疑い私をみだらな女だと思い私のあなたへの気持ちさえ遺産目当てだと言い放った。ああ若塵、この世に私を信じてくれる人が誰もいない、そして若塵あなたさえも。これでどうやって私は風雨園を去らずにおれるでしょう?風雨園は結局私にとって一夜の悪夢でしかなかったのです、そして若塵、あなたも。

 人生に知己を得るのはいかに難しいことでしょう。二十三年間探し求めていた相手にようやく巡り会えたと思ったのに現実がこれほどぶざまだったとは。遊びに慣れたあなたにとって私はほんの通りすがり。私?私は配役を間違えた馬鹿な役者、ただひっそりと舞台を降りて過ちを悔いるだけ。
全ての書類を引き出しに入れておきます。あなたのお父さんは譲渡を禁じたけれど法律には往々にして抜け道があります。どうか朱弁護士と相談してあなたの名義に変えてください。
あなたからお借りしたものはこれで全部。お父さんはあなたに大きな課題を残しましたがきっとあなたなら遠からず全うされるでしょう。あなたに祝福を送ります。いつの日か本当にあなたにあった女性に巡りあえますように。
でも最後にこれだけは言わせてください。その方を決して軽々しく傷つけないで。女性の心はこの世で最ももろく傷つきやすく最も癒やし難いものです。

さようなら若塵、私を探さないで。

                           雨薇 七月三日午前四時」

若塵は一気に読み終わると即座に大声で趙運転手を呼び、服を着る暇もなく階段を駆け下りた。

「趙さん!車を出してくれ、大急ぎだ!」

趙が車をまわし若塵は飛び乗るやいなやバタンとドアを閉め叫んだ。

「病院へやってくれ!彼女がいる病院だ!」

車は発車した。若塵は手に封書を握りしめ汗びっしょりになりながら心の中で何度も同じ言葉を繰り返していた。行くな雨薇!行かないでくれ、俺は謝る、どんな事でもする、だから俺のもとから去るのだけはやめてくれ、今俺にとって一番必要なのは君だ、雨薇、雨薇、今まで誰にも膝を屈しなかった俺が君にひれ伏してさえ頼む、帰ってくれ、君にここを譲った父さんは正しかった、君がいてこそこの風雨園は生気を放ち魂を宿す、君がいなけりゃ命を失った廃園にしか過ぎないんだ。
 車が病院の前で止まるやいなや若塵は受付に駆けこみそこにいた一人の看護婦をつかまえた。

「江雨薇はどこです?!」

「江・・雨薇さんですか」

看護婦は相手の剣幕にあっけにとられていた。

「患者さんですか?」

「違う、看護婦です!」

「わかりませんわ」

若い看護婦は首を振った。

「婦長さんに聞いてくださいませんか。なにしろここには100人以上の看護婦が働いているんです」

彼はすぐさま婦長室に向かった。

「すいません、看護婦の江雨薇はどこでしょう?」

「江雨薇ですか」

年の頃三十少し、いかにも頭の切れそうなその婦長は若塵をちらっと観察した。

「彼女になにか御用でも?」

「お願いです!」

若塵は額の汗を拭い間髪入れず尋ねた。

「なんがなんでも彼女に会いたいんです!」

「けれど今日は出勤しておりません」

若塵は一瞬めまいを覚えたが受付の台に身を乗り出した。\

「彼女の住所はわかりますか?」

婦長はじろじろと若塵をのぞき込んだがそこにただ事ならぬいらだちを見てとると小さくうなづいた。

「わかりました。調べてみましょう」

ほどなくして彼女は雨薇が残した住所と電話番号をひっぱりだしてきたが。なんてこった!これは風雨園のものじゃないか、若塵は首を振るしかなかった。そうだ、雨薇が連絡先として残したなら風雨園以外あり得ない。

「彼女はもうここに居ないんです!」

「あらそうですか」

婦長はいぶかしげに答えた。

「じゃあわかりませんわ。付き添い看護婦は一般の看護婦と違って必ずしも毎日出勤しないし特定の病院で働き続けるわけでもないんです。どこの病院でもそうです。ですから他でも探されてはいかがかしら」

「でも江雨薇はずっとこの病院で働いていたじゃないですか、だからほとんどこの病院専属みたいなもんだった、そうでしょ?」

「それもそうですが」

婦長は言った。

「でも彼女はこの半年ずっと来てませんわ、ある老人の患者のところへ住み込みで行ったったんです。名前はなんだったかしら、ええっと・・」

婦長は記憶をたどる仕草をした。

「もういい!」

若塵は打ち切った。

「彼女は以前どこに住んでいました?看護婦寮?」

「ええ、でも寮というわけではありません。この裏の通りの公営アパートを組合が看護婦用に借りているのです。そこで聞いてみられてはどうかしら?」

「ええ、どうも有り難う!」

若塵は一言礼を言うと風のように去っていった。だが若塵は知らなかった。彼が病院の建物を後にしたのを見計らって江雨薇が婦長の後ろの部屋から出てきたのを。彼女はひどく
憔悴し元気のない様子で婦長を見るとため息をついた。

「すいません手数をかけまして」

婦長は眉をひそめ雨薇を見つめると椅子に深く座り直し不思議そうに言った。

「本当にわからないわ、雨薇。どうしてあなたは彼を避けるの。今なんてあの人死にそうな顔してたわよ。いったいなに。痴話喧嘩でもしたの?」

「聞かないでください」

雨薇は言った。

「もう二度とあの人には会いたくないんです」

「でも好きなことは好き。そうでしょ」

婦長はからかうように笑ったが雨薇は反応しなかった。

「どうして私があの人を好きだって言うんですか?」

雨薇は尋ねた。

「そうでなきゃ、あなたがこんなにも苦しむ筈ないものね」

婦長は雨薇の手を軽く叩いた。

「ごまかしたって無駄よ。伊達にあなたよりも十いくつも長生きしてないのにわからないと思って?でも安心なさい、そんなに逃げ切りたいなら手助けするから。それに呉先生もあなたを待ってるし」

呉医師って?あっX線だわ!江雨薇は首を打ち振った。神様助けて、彼女の心の中には微塵もその名前が占める場所はない。浮かんで来るのは全てあのどうしようもない耿若塵のことばかり。若塵の眼差し、声、怒った顔に請い求める顔。彼女はむちゃくちゃに首を振った。もう二度と考えちゃいいけない、だって老人は警告したじゃない,あの人ほど始末におえないのはいないって。だから自分はどうしても避けなければならないのよ、ずっと死ぬまで!

「今日は休ませてください」

雨薇は婦長に言った。

「頭がものすごく痛むんです」

「部屋は決まったの?」

「はい、**マンション304号室。家賃が安いんです。なにかあれば電話をください」

「わかったわ。早く帰って休みなさい。ひどい顔色よ」

江雨薇は仮の住処に戻った。マンションと言えば聞こえはよいが実際は組合が借りて看護婦に貸している女性専用寮である。医院にも近く一般に看護婦寮と呼ばれている。その寮に帰りベッドに横になった彼女の脳裏に浮かぶのはやはり若塵一色である。執拗に婦長にくいさがっていた彼は今頃でたらめな情報を頼りにどこかのマンションを尋ねまわっているのだろう。もうお願いだから探さないで若塵!彼女は枕に深く顔をうずめて疲労に助け
られやがて眠りに落ちるのだった。

そうして三日間が過ぎた。仕事に復帰した江雨薇はある時は当直勤務、ある時は夜勤、手術後の療養から自殺未遂、交通事故、末期癌、あらゆる種類の患者の世話を務めた。なんとか冷静を保ってはいるのだが心はいつもぼんやりとしてついミスをしそうになる。おまけに婦長からは毎日この文句だ。

「あのストーカーみたいなの、またあなたがいるかどうか聞きに来たわよ」

どうしてあきらめてくれないの?いつまで私を探すつもり?彼女の心の動揺は静まらなかった。一週間後さすがの辛抱強い婦長もとうとう江雨薇に進言した。

「ストーカー君また来たわ、あなたやっぱり行方不明のままでかまわないの?」

「はい」

彼女はきっぱりと答えた。

「どうしてそんなに嫌うの?」

婦長は納得がいかなかった。

「あの人、見た感じ結構イケるじゃない。毎回来るたびに憔悴してやせ細って、あのまま続けるとそのうち立ってもいられなくなるんじゃないかしら」

雨薇の心に耐え難い疼痛が走った。彼女自身も幾度帰ろうと思ったことだろう、タクシーに飛び乗ればそれだけでいい。それはいともたやすい事だった。だがあの日の夜の出来事、若塵から浴びせられた言葉の数々を彼女はどうしても許せなかった。彼は雨薇が金目当てで自分に近づいたと嘲ったのだ、どうして許すことができよう。彼は雨薇を第二の紀靄霞だと言ったのだ。だめだめ、絶対許せるものですか。全てはもう終わった、風雨園と若塵は彼女にとって過去の歴史の一幕でしかない。もう二度とその名前を聞いたり風雨園に足を踏み入れちゃいけないのよ。
 更にあの問題のX線呉医師ともここ何日か食事を共にしたり踊りに行ったりして病院の仲間も彼らを恋人同士だとみなし始めた。けれど毎晩ベッドに横になった時雨薇が心に思い浮かべるのはX線ではなく決まって別のろくでもない誰かだった。
 そうして何日かして婦長が雨薇に一通の新聞を示した。

「雨薇、この尋ね人の欄見てみなさい」

彼女は紙面に大きなスペースを占めるその広告に吸いつけられた。

「 薇へ

   どうすれば許してもらえるだろう。どうすればこの悔いをわかってもらえるだろう

  ただ切に請い願う 君にもう一度会えることを

                               塵 」
婦長は雨薇の顔をうかがった。

「あなたの事ね、雨薇」

雨薇は新聞を強く掴んだまま固まった。自分は許せるの?もう一度会えるの?どちらにも
傾きそうな矛盾した感情はその日一日彼女を朦朧とさせた。そしてその夜、宿舎に帰った彼女は呉医師とのデートに備え赤いドレスに着替え化粧台に座った。惰性で化粧しながら尋ね人の文を思い出す。電話のダイヤルさえ回せば、風雨園につながりさえすればあの人の声が聞ける。彼女は夢遊病のようにふらりと立ち上がると枕元の電話器のほうへ近づいた。たった一度だけ、一度だけ、あの人に返済は順調か、李媽は元気かと聞こう。彼女はゆっくりと受話器に手を伸ばしゆっくりとダイヤルをし始めた。
 その時ドアを叩く音がした。呉医師が迎えに来たに違いない、彼女に電話をさせまいとするかのように。彼女はがちゃんと受話器を戻してため息をついた。それが失望かそれとも安堵のため息なのか彼女にもわからなかった。彼女は重い気持ちで入り口のところへ行きドアを開け無気力に告げた。

「どうぞ、お入りに・・」

言い終わらないうちに彼女は目を見開き身をこわばらせた。そこに立っていたのは呉医師ではなくまるで魂の抜け殻同然と化した若塵その人だった。彼は自分の手を支えにかろうじて立っている丸太ん棒のようだった。顔色は紙のように白く目はどんよりと闇のように暗い。彼はしゃがれた声で小さくつぶやいた。

「入ってもいいか」

雨薇は反射的にわきへどき、彼は大きく踏みいるとドアを閉め二人は向かい合った。しばらくどちらも何も言い出そうとはせずじっと見つめ合った。若塵はぼさぼさの髪でやつれ果てそれまでの苦労をありありと表していた。まるで故郷を目指して長いさすらいの旅をしてきたかのような。辛酸を経た声は優しかった。

「雨薇。本当にもう終わりなのか?こんなに君を探したんだ、雨薇、たった一度君に詫びる機会さえも与えてくれないのか」

その声は限りなく暖かく贖罪の気に満ち、全身から伝わる無言のぬくもりは彼女に抑制を失わせた。彼は顔をよせるとその手で彼女の頬にそっと触れ髪をやさしく撫でた。そっと、そっと、まるで傷つきやすい珠を扱うように。彼は更に続けた。

「俺がこれまでの日々をどうやって過ごしてきたか。台北じゅうの病院をたずね大通りを足を棒にして歩き全部のマンションをあたった。君の兄弟達にも聞いたが彼らはやはり答えず俺を哀れんでくれた。一日も欠かさず君のいた病院に日参したのは君の知ってるところだ。信念岩をもとおすとはこの事かもしれない。とうとう婦長さんは俺に本当の事を話してくれたんだ」

彼は唇を噛んだ。

「ずっと探しまわったあげくに実はすぐ近くにいただなんて、君は・・」

彼は唇を噛みしめ歯のあいだから言葉を絞り出した。

「ひどい人だ」

婦長はやはり隠し通せなかったのだと雨薇はぼんやり考えた。全身から力が抜け立っている足も聞いている耳も自分のものでないみたいな気がする。涙が滲んできた。もう身体を動かすことも出来ず若塵の手が自分の頬を撫で涙を拭おうとするのを感じた。彼の震える声が聞こえる。

「雨薇、俺を許してくれ」

そして彼のわずかな手の動きにあわせて身を若塵の胸にもたれた。彼は腕を彼女の身体にまわし彼女はうつむいた。心地よいけだるさに包まれながら彼女は自分自身を彼の胸に委ねた。たった数語の言葉だけでどうして腹をたてたりしたのだろう?どうして?彼女は顔を上げ涙にかすむ眼で彼を見つめた。そして唇を近づけようとした、ちょうどその時だ。
 突然バタンと音をたててドアが開くと一束の真っ赤な薔薇の花が部屋に差し出され、続いて顔を出したX線が大声で呼びかけた。

「雨薇、支度はできたかい?」

雨薇はにわかに若塵の胸から跳んで離れると頬を赤らめて呉医師のほうを向いた。呉医師も意外な場面に遭遇してうろうろし花束を差し出しぼそぼそとつぶやいた。

「えっと・・こちらの方は・・」

若塵もさっと背筋を伸ばし雨薇を見て次に呉医師を見た。顔色はあっという間に青くなり口調は尖っている。

「こちらがあの噂のX線先生かな」

その語気に含まれたからかいの態度が雨薇をかちんとさせた。フラッシュバックのように彼女はそこにあの日の夜の横暴な若塵が再現したのを見たのだ。彼女の全人格を侮辱してはばからなかった若塵が。彼女はさささっと呉医師のそばに駆け寄ると素早く腕をからませて大声で宣言した。

「そうよ、この方がX線先生の呉家駿。他になにか御用?」

若塵は眼を三角にして噛みつきそうに二人を見ると低くうなり声を上げた。

「そういうことか!風雨園に戻らないわけだな!」

そう言ってきびすを返すと足音も高く部屋を出て行き力いっぱいドアを閉めた。その荒々しい音は雨薇の想いを打ち砕き、彼女は椅子に座りこんだまま動けなくなった。呉医師はと言えば事態がのみこめないまま赤い薔薇を手にぽかんと立っていたのだった。

【第19章に続く】
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发表于 2006-6-14 20:28:37 | 显示全部楼层
「上错花轿嫁对郎」の拙訳です。

入门处一幅长对联:右边是:闭门宛在深山,好花解笑,好鸟能歌,尽是天性活泼。
  左边对着:开卷如游往古,几辈英雄,几番事业,都成文字波弥。
  这幢新苑建成已一年,一直为齐三公子准备着。之前在老太君的严令下,谁也不许轻易
进入,怕惹晦气,只让齐三公子闲暇时入内看书休养。
  今夜,佣人已将三公子的日常用品全搬入“寄畅新苑”中,整幢新房大致安置完毕,就
等明日拜堂后迎新娘入房了。

入り口には対聯があり、右側には「____」左側には「______」の文字がある。
この邸宅はもう築後一年たっていたが、ずっと斉家の三男が住むのを待っていた。それまでは大奥様の命令で誰も軽々しく足を踏み入れてはならなかった。縁起が良くないといって三男だけが、暇な時に本を読み休んだりしていた。
今夜は召使が三男の身の回りの物を運び入れ、すっかり支度ができ、後は明日の「お輿入れ」を待つばかりとなった。\
  ===========================================================

「対聯」は「ついれん」と発音するしかありませんが、この習慣は日本にありません。
「ついれん」と言われてもほとんどの日本人はわからないでしょう
対聯の部分は、難しいのでとりあえず省略しました。暇を見つけて訳します(汗)
「迎新娘入房了」が「お輿入れ(おこしいれ)」です。

  =======================

 “话说人生四大乐事,即为:久旱逢甘霖,他乡遇故知,洞房花烛夜,金榜题名时。而
明日你将欣逢四大乐事之一,不知可否告知心中感言,与愚兄共享喜悦?”
  顺着“寄畅新苑”的小径走去,在通过一片桂花林后,有一处铺着三丈见方的鹅卵石的
空地,上头置着雪白的石桌、石椅,全是以精工雕琢出的大理石;此时正坐着两个对饮香茗
的男子,一黑一白,一个粗犷中见潇洒,一个斯文中见优雅,脸上皆是闲散的笑容。
  穿着黑衣的男子沏上一壶新茶,挑起一道浓眉,显然正在等待白衣男子给他回覆满意的
答案

『人生には四つ大事がある。______
明日、あなたはその中のひとつを迎える。心の感激を伝えるかどうかわからないが、愚兄と喜びを分けよう』
「寄畅新苑」に沿った小道を行くとキンモクセイの林に出る。そこには三坪程度の卵型の石が置かれた空き地である。そこには真っ白な石の椅子とテーブルが置かれ、それは全て大理石から巧みにつくられたものだ。
その時そこで二人の男性が香ばしい茶を飲んでいた。それぞれ黒と白の服を着ている。一人は豪快かつ垢抜け、一人は上品で優雅な様子だ。のんびり笑っている。黒い服の男は茶を注ぎ太い眉をよせた。それはいかにも白い服を着た男からの納得できる答えを待っているようだった。

 ================================
「久旱逢甘霖,他乡遇故知,洞房花烛夜,金榜题名时」は難解です。降参しました(苦笑)
これも、そのうちゆっくり訳します。
「不知可否告知心中感言,与愚兄共享喜悦」も「わかったような、わからないような」文章ですね。
全然自信がありません。
「三丈」は3.3メートルの長さですが、3坪は3.3平方メートル
「一黑一白」。中国語は本当に短い表現をしますね。白人と黒人がいるのかと思いました。
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发表于 2006-6-15 13:59:53 | 显示全部楼层
「上错花轿嫁对郎」の拙訳です。

大理石桌的四角皆嵌着夜明珠,与月光相映成光华,照亮四方,也照亮两张各具特色的
俊逸面孔。
  那白衣男子有着一张漂亮又白皙的面孔那种白皙是属于很不健康的白,映得一双剑眉与
眼瞳益加深邃不可测。他的身形高瘦,但骨架方正,使得一袭白衫穿在他身上只感到飘逸,
却不显得松垮。
  他就是齐三公子,外传快入土为安的那一位齐家第五代硕果仅存的唯一命根子!二十四
岁。

大理石の四隅には夜光珠が埋め込まれ、月の光を浴びて輝き、同時に二人の個性的な面立ちをも浮かび上がらせていた。
白い服の男は整った白い顔だったが、それは不健康さからくるもので、刃のような眉、底知れないなにかを秘めた瞳を持っていた。背は高くすらりとし、均整のとれた体格なので白い服は彼の洒脱さを際立たせ、少しの乱れも感じさせなかった。
彼こそが斉家の三男である。_____の斉家の五代目のたった一人残った跡継ぎ、24歳の。

  ==========================
「外传快入土为安」は保留。成語でしょうか?直訳だと「外伝では土に入って安らかになる」。意味が通じません????
「面孔」は「面立ち(おもだち)」。「顔」の古風な呼び方です。

 =============================

依他前二位兄长皆活不过二十五岁的例子来看,没有人会相信他能活过今年的冬天!在
这个早春霜冷的三月底天气,又是深夜,他应该为了身体着想,乖乖躺在裘褥中安睡的,可
是他却外衣也没添一件的与他的专治大夫兼拜把大哥坐在园子隐密的一隅吹着夜风聊天喝
茶!若给老太君知道了,是何等罪不可赦的大事呵!他还没给齐家留下后代,怎敢如此轻忽
自己宝贵的生命?!

彼の二人の兄が25歳以上生きられなかった事を見れば、誰も彼が今年の冬を乗り切れるとは思わなかった。まだ早春の三月、しかも深夜となれば彼は自分の身を考えて休んでいなければならなかったが、彼は厚着もせずに主治医であり、しかも彼が兄と仰ぐ人物と一緒にひそかに夜風に当たりながら茶を飲んでいたのだ。もしもこれを大奥様が知れば、大変だ。その罪ははかりしれない。彼はまだ跡継ぎを作っていないのだ、しかも自分の命さえ粗末にしている!

 =======================

「大衣」は一般的な言葉ですが訳しにくいですね。「コート」だと西洋服。昔の日本人ならなんと呼んだか思い出せません。
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发表于 2006-6-15 14:48:02 | 显示全部楼层
友达日语さんへ。

こんにちは。
最近行方不明になりました^^。
ごめんなさい。

>「完璧」は「完璧归赵」の省略でしょうか。

ここの「完璧」は「完璧归赵」の省略ではないと思います。
「完璧」は「完整的玉石」(無傷な玉)の意味で、純潔無垢な体のたとえだと思います。
もうすぐ死にそうな体の新郎なら、おそらく新婦に何のことも出来ないでしょう^^。

>即使他不能人道,但一个完璧的寡妇仍是不能再嫁予他人,简直存心害人嘛!
>それに本人がくたばっても、未亡人となって返された女がどうして再婚できるだろう。本当に迷惑な話だ!

「返された」はたぶん「完璧归赵」のお考えでしょう。
「返す」という意味がないと思います。
「それに本人がくたばっても、純潔無垢な体の寡婦は再婚できないなんて本当に迷惑な話だ!」はいかがでしょうか。

昔は「贞操观、从一而终」、つまり、「みさおを守る」、「一旦ある男性のお嫁になったら、たとえこの男性が死んだとしても死ぬまでずっとこの男性に従う」を女性に押しつれました。
一生後家を通した女性は良い女性とされていました。(日本も昔そうでしたか。)
琼瑶の力作「烟锁重楼」がまさにこのような女性ともう一人の男性との間の愛を語る小説です。
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发表于 2006-6-15 18:04:27 | 显示全部楼层
溪上青青草さん、おかえりなさい。

>ここの「完璧」は「完璧归赵」の省略ではないと思います。
>「完璧」は「完整的玉石」(無傷な玉)の意味で、純潔無垢な体のたとえだと思います。

なるほど、了解しました。

>「それに本人がくたばっても、純潔無垢な体の寡婦は再婚できないなんて本当に迷惑な話だ!」

いいですね。この文句を使いましょう。

日本でも、戦争前までは「贞操观、从一而终」の風潮は強かったと思います。
でも、戦争でたくさんの男が死にました(もちろん女性も)から、寡婦となった女性は生きるために
あるいは子供のために再婚する、という例が増えたと思います。

現在の日本では女性が再婚する事は、美容院で髪型を変えるくらい、ありふれた事です(^^)

真面目な話、母と子だけの家庭よりも、父親がいたほうが、子供の為にも良い、と私は思います。
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