27.逃走の森
「-なるほど」
ペーターは、野田について、詳しい話をルミ子か聞くと、「じゃ、お姉さんが、ゆうべ、そんな騒ぎを起こしたのは…」
「分らないけど、お姉さん、三枝さんが消えたのも、野田さんのせい、みたいなこと、言ってわ」
二人はラウンジに座っていった。ペーターはコーヒーを一杯飲むため、ルミ子は、森田がもし、迷子になって戻ってきたら、叩き出すためだった…。
「その野田って男が怪しい、って理由はあるのかな?」
「そんなことないわ!確かに、三枝さんと二人で、お姉さんをめぐって争ってたけれど…」
「なるほど。-しかし、そんなことをする男じゃない、と」
「もちろんよ」
「君は野田のことが好きなようだね」
ルミ子は、不意をつかれて、赤くなってしまった。
「別に…好きったって…」
「僕らヨーロッパ人は恋のベテランさ」
と、ペーターは微笑んだ。「分るんだよ。恋してる人間を見るとね」
「でも…そんな本気じゃないの。-本当よ」
「君はいい子だ」
と、ペーターは肯いた。「奈々子さんもすてきだがね」
「そんなことより―」
「なぜ取引きが流れたか、今、当ってる。もちろん、奈々子さんが、別人だったとばれてしまった、という可能性が一番高いがね」
「どうなるかしら、奈々子さん?」
「そうだね。当然誘拐した人間お顔も見ているだろうし…。危ないかもしれない、極めて危ないだろうね。ただ―」
「何か?」
「いやーあの女性、妙に運の強い人だ。しかも、当人は運が悪いと思ってる、こういう人は、結構大丈夫なものでね」
ペーターの言葉に、何となくルミ子は、納得して肯いたのだった。
「ハクション!」
と、奈々子はシャミをした。「-ハクション!」
あのリヒャルトという男が、奈々子の顔を覗き込むようにして、何か言った。
たぶん、「大丈夫?」と言ったのだろう。奈々子は、
「オーケー、オーケー」
と、手を振って見せた。「誰かが噂してんのよ、きっと」
「ウワサ…?」
「いいの。-気にしないで」
奈々子も、大分元気になっている。何といっても、お腹が一杯!
神父さんは、ニコニコして、あったかいシチューの後に、ワインもごちそうしてくれたのである。
「さて、と…。これからどうするか」
残念ながらここには電話はなかった。
リヒャルトが、奈々子を指して、
「ホテル。ホテル」
と、くり返した。
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27.逃走的森田
“原来如此。”
皮特听了跟着野田的留美子详细说明后,说:“那,你姐昨晚引起好大骚动啊。”
“我不知道,但是,我姐好像说三枝先生的失踪是野田先生的错。”
俩个人坐在休息室里。皮特为了喝杯咖啡,留美子是为了如果森田因迷路而返回来的话将他赶出去。
“那个叫野田的男人有没有嫌疑的理由?”
“绝不可能,确实,他和三枝先生围绕我姐曾经展开争夺,但。。。”
“原来如此。——只是,你说不是这个男人干的。。。”
“当然。”
“你喜欢野田吧。”
留美子被突然问到,涨红了脸。
“没有,说什么喜欢不喜欢的。。。”
“我是欧洲人,恋爱老手了。”
皮特微笑着说。“我明白,恋爱的人能看出来。”
“但是,真的没有啊。——真的。”
“你是个好孩子。”
皮特点头。“奈奈子也是个极好的人。”
“比起说这些——”
“为什么交易会流出,现在猜到了。当然,奈奈子的身边败露这种可能性很高。”
“奈奈子会怎样?”
“是啊,绑架人的脸应该是看过了。。可能会很危险。非常危险。只是——”
“什么?”
“没什么——那个女孩,奇怪的强运。而且,我想绑架的人是坏运气。这样,奈奈子应该没事。”
不知为什么留美子很信服皮特的话,点了点头。
“阿嚏!”
奈奈子打了个喷嚏。“——阿嚏!”
那个叫リヒャルト的男人看了看奈奈子的脸说了些什么。
大概是“没事吧?”之类的话。奈奈子摆摆手:“OK,OK!肯定谁传我嫌话呢。”
“嫌话?”
“啊,没什么。——别在意”
奈奈子已经几乎恢复了。怎么说也是吃饱了啊。
神父笑着,在奈奈子吃完炖菜后,还给了她葡萄酒。
“好了,现在怎么办?”
遗憾的是这里没有电话。
リヒャルト指着奈奈子,“旅馆,旅馆。”
重复的说到。 |