32.闇の中に
「どこまで行くのかしら?」
と、ルミ子は言った。
「さあね」
と。ペーターは肩をすくめて、「僕が運転してるわけじゃないんだから、分らないよ」
そりゃ分ってるけど…。ルミ子は少々むくれて、
「何もそんなに冷たい言い方しなくたって、いいじゃない」
と、呟いた。
―まあ、ルミ子としても多少は後悔していたのである。
怪しげなトラックに、ろくに考えもせずに飛び込んでしまって…。一体何を考えてたんだろう、と我ながら不思議だった。
ペーターがついて来てくれたから、まあ安心していられるが、そうでなきゃ、心細くなって途中で飛び下りて、足でもくじいているところだ。
もうすっかり周囲は暗くなっている。
いくらミュンヘンが大都会といっても、東京みたいに、どこまで行っても家が並んでいるというわけではない。
大分前から、トラックは深い森の中へと入って、一体どれくらい走って来たものやら、ルミ子には見当もつかない。
道も、あまりいいとは言えず、ガタン、ドタン、と飛びはねたりして、その度にルミ子はお尻を痛くして、顔をしかめるのだった…。
「乗り心地が悪い」
と、ペーターは笑って、「メルセデスやロールスロイスってわけにゃいかない」
「どれくらい遠くまで来た?」
「さて…。この辺のことは、僕もよく知らないんだ」
と、ペーターは言った。「もし、町を通ったら、そこで降りようかと思ってるんだけどね、一向に通らないし」
「そうね…。でも、この男たちが、三枝さんのことと、何かかかわりがあるのは、確かだと思わない?」
「うん…。まあ、それは言えるだろうけど」
と、ペーターは渋々肯いて、「しかし、君が首を突っ込むのは、うまくない」
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32、黑暗之中
“到底是要去哪啊?”
留美子说。
“谁知道。”
皮特耸了耸肩,“我又不是ドライバー,怎么知道。”
这我也知道,留美子有些赌气,嘟囔着:“不要说话这么冷漠嘛。”
——唉,现在留美子多少有些后悔了。
都没仔细思考就跳进这奇怪的卡车里....。到底是怎么想的自己都觉得不可思议。
因为碰巧皮特的到来,还感觉放心了点,要不是这样,心里没底半路上再蹦下去,还不得崴了脚。
周围变得异常黑暗。
无论慕尼黑如何是个大都市,像东京一样,也不能到哪里都是并排的人家。
前一会开始,卡车就进入森林之中,到底是往哪走,留美子也摸不到放向。
道路也不能说很好,随着咔咔的声音,卡车也跳动着。留美子几次下来,屁股疼的直皱眉。
“这什么破车啊。”
“是啊,”皮特笑道:“这又不是坐的劳斯莱斯。”
“这走出多远了啊?”
“谁知道啊,这边我也不熟。”
皮特说。“如果过这条街的话,我想就要下车了吧。不能一直走的。”
“这样啊,但是,这些男人和三枝先生有什么关系还不能确定呢。”
“嗯,可以这么说。”
皮特勉勉强强点点头,“但是,你参合进来可不妙啊。” |