第十一回 たとえと本論の区別
注意:
たとえ(例)は本論(言いたいこと)の分かりやすい説明!
練習:
1 人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わなければ危険である。
(芥川龍之介「侏儒の言葉」による)
「問い」筆者の言いたいことはどちらか。
1 人生はたいしたものではないが、軽く見るととんでもないことになる。
2 マッチは人生と同じように危険なので、取り扱いに注意べきだ。
2 「エネルギー代謝を速やかに進行させてやる役です。押し役ですかねえ。」(中略)
「サボりの漫画家に仕事をさせる編集者みたいなものですね。クエン酸って。」(中略)
クエン酸は活力剤。エネルギーがもっとほしいとか、すごく疲れているときはクエン酸がたっぷりの果物を食べるといいわけですね。
(川島四郎・サトウサンペイ「食べ物さん、ありがとう」保健同人社による)
「問い」この文章で言いたいことはどれか。
1 漫画家の仕事はとても疲れるので、クエン酸たっぷりの果物を食べたほうがいい。
2 編集者には、漫画家の仕事をすみやかに進行させるという重要な役割がある。
3 クエン酸はエネルギー代謝を進行させる活力剤である。
3 コンピュータには記憶というものがある。記憶は、RAMというLSIに記憶されており、電源を切ると忘れてしまう。人間が死ぬと、記憶も消滅してしまうことに対応するだろう。コンピュータの記憶を維持するには、つねに電気をいれておく必要がある。これは人間が食物をとって生きていることに対応している。またディスクという磁気記憶装置があり、これに記憶されたことは電源を落としても、忘れられない。これなどは、人間の書く本にたとえることができるであろう。
(松田卓也・二間瀬敏史「時間の本質をさぐる」講談社による)
LSI:Large scale integration、大規模(高密度)集積回路
「問い」この文章の内容と合うのはどちらか。
1 人間は死ぬと何もの残らないが、コンピュータは記憶を保存できる。
2 コンピュータも人間と似たようなやり方で記憶を維持したり残したりしている。
4 もし、あなたが草原にいて目の前に猛獣が現れたとしたら、人間の自然な行動として全力で逃げ出すだろう。しかし、逃げ出すのはかえって危険になり、一番身近な木に登って待つのがよい場合もある。
私たち人間は、このようなときその場の状況をとっさに判断し、正しく行動するという知恵を働かせなければならない。このことは、毎日の生活についても言えることである。例えば、おふろにお湯を貯めるとき、人が入ってもあふれないように水の量を加減しなければならない。お客さんの来る時間に合わせて料理を用意しなければならない。つまり、やろうとしていることの目的を考慮に入れておくという基本的な知恵が必要なのだ。
* 猛獣:肉食の、性質が荒々しい動物
* とっさに:ほんの少しの間に
「問い」この文章で筆者は何を言いたいのか。
1 危険を感じたときの行動の仕方を学ぶべきだ。
2 状況判断を間違えると危険である。
3 日常生活を送るうえで、知恵を働かせることが必要だ。
4 目的を持って日常生活を送るべきだ。
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