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楼主: nic

日本古今文学作品【连载中】

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 楼主| 发表于 2007-2-24 06:49:51 | 显示全部楼层
北越雪譜

/ [( C+ |; t. g8 f  Y
鈴木牧之

. L2 Q4 `, ?# Y, C$ D
(手先に触れたのは、何とまさしく熊だったのです)

' z. j8 |% y( v
$ s/ \8 [8 N" `7 r* L  W7 Y  私が二十の年、薪を取ろうと橇を引いて山に入った二月のはじめのことでした。村に近い所は皆伐りつくしてあって、たまたまあっても足場が悪いのです。そこで、山一つ越えてみると、薪になる柴がたくさんあったので、自在に刈り取り、橇歌を歌いながら束ね、橇に積んで縛りつけ、やって来たほうへ下っていきました。
# i) ]2 f8 S2 x  M, N+ O  J  すると、柴が一束、橇からころげ落ち、谷を埋めた雪の割れ目にはさまってしまったのです。捨てるのも惜しく、柴の枝に手を掛けて引き上げようとしましたが、びくともしません。落ちた勢いで深く突き刺さったのだろう、ならば重い方から引き上げようと、腹ばいになって両手を伸ばして持ち上げようとしたところ、力余ってひっくり返り、雪の割れ目から遥かの谷底に落ちてしまいました。雪の上をすべり落ちたので幸い怪我もなく、しばらくは気を失っていたようでしたが、だんだん頭がはっきりして、上を見上げると雪の屏風を立てたようで、いまにも雪崩が起きるのではないかと生きた心地がしません。しかも暗いので、せめて明るい方に出ようと雪に埋まった狭い谷間をつたって、ようやく空が見える所に来ましたが、谷底の雪の中、寒さはげしく手足もかがまり、一歩も進めなくなりました。このままでは凍え死んでしまうと励ましながら百歩ほど行ったでしょうか、滝のある所に出ました。四方を見ると、谷は行き止まり、まるで甕に落ちた鼠のようで、どうしようもなく茫然とするばかりでした。
5 J! h% m0 g+ y2 |  ふと側を見ると、ちょうど潜れそうな岩穴があり、中には雪もないので入ってみると少し暖かでした。その時思い出して腰を探ってみたのですが、握り飯の弁当もいつのまにか落としてしまったようです。これでは飢え死にしてしまう、といっても雪を食べれば五日や十日は生き延びられるだろう、そのうちに村の者が橇歌を歌いながら来るはずだ、大声上げて呼べば助けてくれるにちがいない、それにしてもお伊勢様と善光寺様にお願いするしかないと、しきりに念仏を唱えますと、日も暮れそうで、ここを寝床にしようと、暗がりを探り探り入ってみると次第に暖かくなります。なおも探った手先に触れたのは、何とまさしく熊だったのです。
% r" a7 y8 A; a. E  びっくりして胸も裂けそうになりましたが、逃げるに道なく、どうせ命の際、死ぬも生きるも神仏にまかせようと覚悟を決め、「あのう、熊どの。わしは薪取りに来て谷に落ちた者です。帰るには道がなく、生きていくにも食い物がない、どうせ死ぬ命です。引き裂いて殺すのならば殺しなさい。もし情があるならばお助けください」とこわごわ熊を撫でました。すると、熊は起き直ったようでしたが、しばらくして前に進み、私を尻で押しやるので、熊のいた跡へ坐りますと、その暖かさときたらコタツにあたるようで、体中が暖まって寒さもとんでしまいましたので、熊にあれこれ礼をのべ、なおもお助けくださいと言いますと、熊は手をあげて私の口へ何度も軽く押し当ててきます。蟻のことを思い出して舐めてみますと、甘くて少し苦い感じです。しきりに舐めますと気分爽快、喉も潤いまして、熊の方は鼻息を鳴らして寝入ったようです。そうか、私を助けてくれるつもりだなとほっとして、それから熊と背中合わせに横になりました。家のことばかりが気になって、なかなか寝つけませんでしたが、あれこれ思っているうちに寝入ってしまいました。
3 {& }* _( B8 A- L) n9 W3 y; h  さて、熊の身動きに目を覚ますと、穴の入り口が見えます。夜が明けたので、穴から這い出て、帰れる道がないか、山に登れる藤蔓でもないか、とあちこち見回してみましたが、ありません。熊も穴を出て滝壺に来て水を飲みましたので、その時、初めて熊を見ると、なんと犬七匹分もある大熊でした。また元の穴へ戻ったので、私は穴の入口に坐って橇歌の声がしないかと耳を澄ましていましたが、滝の音ばかりで鳥のさえずりすら聞こえません。その日もむなしく暮れて、また穴に一夜を明かし、熊の手に飢えをしのいだのです。しかし、それから何日たっても歌は聞こえず、心細さといったら言いようがありません。けれど、熊はしだいに馴れてかわいくなりました。. U) D7 c8 @" ?5 r7 G; k+ C" u/ ^( W
  人の心は、物に触れて変わるものです。はじめ熊に遭った時は、もはやこれまでと死ぬ覚悟を決め、命も惜しくなかったのに、熊に助けられてからは、次第に命が惜しくなり、助ける人がいなくとも、雪さえ消えてしまえば、木の根や岩角にすがってでも家へ帰ろうと、雪の消えるのばかりを待ちわびて過ごしていました。熊は飼い犬のようになり、はじめて人間の貴さを知ったようです。谷合なので雪の消えるのも里よりは遅く、ただ日が経つことばかりが嬉しかったのですが、ある日、穴の口の日の当たる所で虱をとっていますと、熊が穴から出てきて、袖をくわえて引っぱるのです。どうするのかと引かれていきますと、はじめに滑り落ちた辺りに着き、熊は前に進んで自在に雪を掻き掘り、一筋の道を切り開きました。どこまでもとついて行くと、また道を切り開いて、人の足跡のある所に到着しました。熊は四方を振り返ると、走り去ってしまい、行方は分からなくなりました。
' Q5 A+ F# ?. M- S" |8 E* `  そうか、私を案内したのだと、熊の去った方を伏し拝み、何度も礼を言い、これはまったく神仏のおかげと、お伊勢様、善光寺様を拝み、うれしくてどこをどう通ったかも分からないまま、火が点った頃、家にたどり着きました、ちょうど近所の人々が集まって念仏を唱えているところでした。両親ははじめびっくりして、幽霊ではないかと大騒ぎです。それもその筈、髪はボーボーに伸びて、顔は狐のように痩せていたのです。幽霊と騒いだのもすぐに笑い話となり、両親はもちろん、人々も大喜びでした。私が薪取りに出て四十九日目の法事も、にわかにめでたい酒盛りとなったのです。
! l/ e. f, t0 x5 o- Y% G(「熊、人を助く」より)
' m* _+ G+ ^3 I
+ h4 ]2 P) H/ L: R1 `【注 释】
2 H& [' A* Q  E# l$ i, `伐り尽くす:砍伐完+ c, X9 x3 w0 P' l% q9 Z1 B) [
気を失う:失去知觉0 @. Y; {2 u; i" {( m* O9 {9 q4 D
かがまる:冻得伸不直
( u. L" E; v! z甕に落ちた鼠:瓮中之鳖
  A% [! n' i# `! ?- V$ g8 r耳を澄ます:侧耳静听8 p) c6 Q# d2 u+ c+ k4 H5 t
一夜を明かす:度过一个夜晚
: J" ~4 f$ V' }; ?
% b/ {$ c4 d4 S8 y5 N8 Q[ 本帖最后由 nic 于 2007-2-24 00:02 编辑 ]
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 楼主| 发表于 2008-1-5 22:39:29 | 显示全部楼层
【译 文】
. Z2 D% [+ I) |0 r  ]
3 Z8 m3 p. }) s; E& U4 T# x2 ~
北越雪谱
% s' d0 y2 B5 E0 {( u
铃木牧之

) F$ g+ J/ o" C1 Z7 p  e/ l5 ~
(我的手指触到的竟然是一头熊)

' s' O% e* y# ~4 o: I) z! v1 _! ^! f9 k1 g/ F& T3 c* t; Z
    我20岁的时候,带着雪橇进山去砍柴。那时是2月初,村子附近的柴几乎都被砍尽了,即使偶尔有一些,也没有能站稳脚跟的地方。可当我翻过一个山头时,发现那儿倒是有很多柴可以供我自由砍伐,于是我砍了个够。然后一边唱着雪橇歌,一边将柴捆好,绑在雪橇上,沿着来的方向下山。% M+ }; c' u* ]. s  s
    正在这时,有一捆柴从撬上滚落下去,夹在峡谷的雪缝中。我舍不得就这么丢了它,就伸手去抓柴的枝,可柴却一动也不动。看样子由于滚落下去的速度比较快,柴被深深地卡住了。于是我又想那就从重的一端往上拉拉看。可就在我趴在地上伸出两手去拉的时候,没想到用力过猛,自己倒翻了过去,从雪缝中掉到了深不可测的谷底。幸好是从雪上滑落下去的,所以并没受什么伤。昏迷了一会儿后,我头脑渐渐清醒过来。往上一望,自己滑下来的地方就像一座雪的屏风,眼看就要发生雪崩一样,吓得我胆战心惊。周围很暗,我想着至少应该到一个明亮一点的地方,就顺着冰雪覆盖的峡谷前行,终于来到了一个可以看见天的地方。但谷底的雪冷得刺骨,我的手和脚都冻得伸不直了,一步也迈不动。但我拼命给自己敲警钟:“如果就停留在这里的话会被冻死的。”我约摸又向前行了一百步,终于到了一个瀑布口。环望四周,我发现自己就像瓮中之鳖一样,走进了一个死角,让人茫然不知所措。& Y$ A# s7 u$ f' l) O) K1 i. E
    我突然往旁边一看,发现有一个可以藏身的洞穴,里面没有雪,于是就钻了进去,还真有些暖和。这时想起该吃点东西了,于是摸了摸腰间,却发现带在身上的小饭团不知什么时候已没了踪影。我想这下完了,要饿死了!不过转而一想,靠吃雪大概也能活个五到十天,这期间也许会有人唱着雪橇歌从村子那边过来。我大喊的话他们一定会来救我的。没办法,只能祈求伊势菩萨和善光寺菩萨保佑了,于是我一个劲儿地念起佛来。念着念着,天逐渐黑下来,我想干脆就把这儿当作床吧。于是我在暗中摸索着,感觉越来越暖和。哪里想到我摸到的竟然是一头熊!
: i2 d1 U5 \. _) b( Q    我慌了,心紧张得快要胀裂开似的。但无路可逃。一想反正离死也不远了,是死是活全看老天了。我做好了心理准备,战战兢兢地抚摸着熊说道:“熊先生啊,我来砍柴掉进了这峡谷里。找不到回去的路,也没有食物可以维持生命,反正是死路一条,你如果要把我撕成片,要我的命,那就给你。如果你有情有义,那就请救救我吧。”熊似乎起了起身,过了一会儿,向我这边移过来用屁股推我。当我坐到它坐的地方时,感到像烤着火炉子般地暖和,全身都暖暖的,寒冷的感觉也烟消云散了。我不断地向熊表示感谢,还请它再救我,熊便轻轻地用手向我口里塞过几把东西。我想大概是蚂蚁,舔了一下,甜甜的、夹杂着一点苦。越舔心里越舒服,喉咙也滋润起来。不一会儿,熊已有了鼾声,好像睡熟了。啊,原来它是真想救我。我放了心,和熊背靠背地躺下了。刚开始因为想着家里,怎么也睡不着,后来想着想着也就迷糊了过去。
& ?, s& H  [4 ]8 z6 W; b    熊一动我也醒了,睁眼看见了洞的入口。天也亮了,我便爬出洞口四处看有无回家的路、有无攀山用的藤蔓,却没找见。熊也出来到瀑潭喝水,这时我才发现那是一头有七条狗那么大的大熊。熊又回洞了,我坐在洞的入口处,细听有无雪橇歌的声音,可除了瀑布声外,连鸟的鸣叫声都听不到。这天也徒然地过去了,晚上还是在洞里过的夜,靠着熊的帮助克服了饥饿。但是当过了好几天还是没听见雪橇歌的声音时,我的心中就别提又多不安了。不过熊在我眼里倒是越来越温顺可爱起来。4 _7 _! u* W  l2 r/ J& P- F
    人的心态,往往会随着遇到的事情而发生变化。最初遇到熊的时候,我想我完了,做了死的准备,也没有害怕死;可自从得到熊的救助以后,我越来越不想死了,心想即使没人来救我,只要雪化了,我就可以摸着树根和岩石回家。就这样,一天又一天,我每天都靠盼着雪化度日。熊像一只看家狗一样,它好像是第一次感受到了人的可贵和可亲。因为是山谷,雪要比村里化得晚,但看到日子一天一天过去,我感到还是又盼头。有一天,我在太阳照射的洞口处抓身上的虱子时,熊从洞里出来,叼住我的袖子拉我走。我还没弄明白它要拉我去干什么,就来到了我最初滑落的地方。熊在前面刨雪为我开路,我始终跟在它后面。它一直带我朝前走,终于来到了一个有人的脚印的地方。熊望了望四周,就跑开了,也不知去往了何方。
" S* R" b! P) D4 q, s( V( d    “啊,原来是帮我指路呀!”我朝着熊离去的方向深深地跪拜反复道谢,又想这也是菩萨保佑,于是又拜谢了伊势菩萨和善光寺菩萨。我太高兴了,都不知道自己后来是怎么走回来的。总之,当万家点灯的时候,我到家了。附近的人正聚在一起念佛祭奠我。父母刚开始吃了一惊,以为是幽灵,吓得不得了。这也没什么好奇怪的,因为我头发又长又乱,脸瘦的像狐狸。但很快,以为是幽灵而引起的惊慌就变成了欢声笑语。父母的惊喜就不用说了,大家也都特别高兴。这样,我出去砍柴的第49天,原本是为祭奠我的法事很快也就变成了一次庆贺我归来的喜筵。/ e) G: \* V- l. L8 K/ h

0 r7 w& I/ h" v[ 本帖最后由 nic 于 2008-1-5 23:23 编辑 ]
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 楼主| 发表于 2008-1-6 20:32:20 | 显示全部楼层
北越雪譜 解説
0 i- a# z- W7 j! ^" X

$ w! i" @& E/ J: F) I8 {/ b5 S: H0 u6 }8 q3 d& X
  作者は鈴木牧之(1770~1842)で、二編七巻からなり、1835~42年に刊行されました。鈴木牧之は、越後の塩沢(現在の新潟県南魚沼郡塩沢町)の生まれです。代々の家業であった織物問屋と質屋を継いで、一方では滝沢馬琴、山東京伝、十返舎一九、式亭三馬といった江戸の文人との交流が深かった地方の名士です。三十年余りの時間をかけて、自然や生物、不思議な話、機織やサケ漁、子どもの遊び、民俗行事、古い民俗信仰など雪国の生活を書き綴ったのがこの『北越雪譜』です。雪国の生活記録というだけではなく、科学的随筆ともいえる面をもち、また現在では方言研究の重要資料ともなっています。
9 D# K* x1 j8 C) \( h! I  「熊、人を助く」(「助く」は「助ける」の古語)は、そのうちの一章です。作者が若かったとき所用で出かけて泊まった宿で、主人が宴会を開き、そこを通りかかった八十二歳の老人から聞いた話という形で掲載されています。原文が古文で書かれていますので、抄訳して紹介しました。この文章は、次のような書き出しとまとめの言葉の中に展開されています。
% S' [8 X2 Y+ I8 v  「人が熊の穴に落ちて、熊に助けられという話は散見するけれども、体験談は少ないので、ここに記します。······」. [+ z' v( d4 W* r! V3 _
  「······こう細かに語ったのは、九右エ門という百姓でした。その夜、灯火の下、筆を取って話したままを記しておきましたが、今では昔の話となりました。」1 \1 S6 ]! @# p7 e+ g
  九右エ門の体験は、本当なのでしょうか。真偽は分かりませんが、別に掲載した宮沢賢治の『なめとこ山の熊』と一緒に読むと、胸がどきどきしませんか。また、三遊亭円朝(1839~1900)という有名な落語家がいましたが、彼の落語の速記本が残されて本になっています。それに『後の業平文治』という落語があって、熊に命を助けられる女性が登場します。こういった話は、本当によくあったことなのでしょうか。それとも、円朝は、この『北越雪譜』の「熊、人を助く」を資料にしたのでしょうか。あれこれと想像がふくらみます。# h! @$ G+ v7 h% I
  なお、文中に「お伊勢様」「善光寺様」を拝むシーンがありますが、「お伊勢様」は天照大神という神道の神様を祭った伊勢神宮のことで、「善光寺様」は天台宗と浄土宗の本山である長野の善光寺を指して、こちらは仏教です。日本人は、別に宗教を信心していなくても、今でも困った時に、「神様、仏様」と口にすることがあります。それは、このシーンに見られるような、民間での神仏信仰の名残といえます。
( Y1 \: M& ^! R: h
" V3 c1 ]- [& f0 q9 r+ L/ kほくえつせっぷ すずきぼくし にへんななかん かんこう えちご しおざわ みなみうおぬまぐん しおざわまち: m  k0 ?: y  w, ]
 北越雪譜   鈴木牧之  二編七巻    刊行  越後  塩沢    南魚沼郡    塩沢町
( m4 ]' n5 S4 F, W4 C+ Q* R
5 h2 c( _1 P4 p. P+ @かぎょう どんや たきざわばきん さんとうきょうでん  じっぺんしゃいっく しきていさんば はたおり  りょう  n5 f, ]( u8 q4 |8 n8 X1 [' L+ K
 家業  問屋  滝沢馬琴    山東京伝     十返舎一九    式亭三馬  機織  サケ漁
, r6 m. a! `, i: [+ q" l
0 P5 x8 P" I1 z' q( p, sみんぞくぎょうじ しんこう か つづ ずいひつ  たす  こご  いっしょう しょよう  やど けいさい
+ w4 w/ t. v* ?3 ] 民俗行事   信仰  書き綴る  随筆   助く  古語   一章  所用   宿  掲載  
; `. I2 y+ ^4 P$ b4 R% L. E
! _4 G) \$ B+ r" i4 ^( y. Uしょうやく てんかい さんけん たいけんだん かた  きゅううえもん ひゃくしょう ともしび もと ふで3 K5 M7 P1 s8 |0 f. E# \& x
 抄訳   展開  散見   体験談   語る   九右エ門   百姓   灯火  下  筆5 D2 [8 I, ^2 ?
/ [4 l3 @: x7 J8 `( U2 w( @/ U% N
しんぎ みやざわけんじ さんゆうてい えんちょう らくごか そっきぼん のち なりひらぶんじ いせさま$ b+ `# E- c( ?* k
真偽   宮沢賢治   三遊亭    円朝  落語家  速記本  後  業平文治   伊勢様3 N* D  }0 [8 `: G
5 z( o6 L0 o+ L- U6 f; n3 k1 w: w& a+ O
ぜんこうじさま おが あまてらす おおかみ しんとう まつ  いせじんぐう てんだいしゅう じょうどしゅう# Q4 [+ A& A) ~7 [
 善光寺様  拝む  天照   大神   神道  祭る  伊勢神宮   天台宗   浄土宗
# l* B. S" r7 D1 ?
& i  s; d- m8 M. z9 C1 R: g! \ほんざん さ   ぶっきょう しんじん ほとけさま みんかん なごり
; e' J# A6 ^9 @) u; h: m' I 本山  指す  仏教   信心   仏様   民間   名残( M% {1 G3 C: [. ^' C; G

4 |! m8 E- j7 o[ 本帖最后由 nic 于 2008-1-6 21:28 编辑 ]
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 楼主| 发表于 2008-1-8 13:14:57 | 显示全部楼层
舞姫
& h/ ~2 a; d, g: _  f8 H# W
森鴎外
: Y- z8 h+ x8 _9 S. i
(私の豊太郎、これほどまでに私を欺いたのか)
; r, W- F1 t* T0 W# |  h

4 h& ?( K; h" i. \) _  イタリアの港から帰国の途について二十日、五年前の往路ではいくらでも文章が書けたのに、復路の今は全く書けない。それは、ドイツで身についた無感動の習性、自分への不信感のためとも言える。だが、最大の理由は人の知らない悔恨である。今、船はサイゴンに停泊中、静かな船室で一人、この点について書いてみよう。) |, y  T& D% u4 j
  大田豊太郎、私のこの名は学生時代いつも首席に記されていた。官吏になって三年、官命を受けて、渡独。華麗なるベルリン、しかし私はどんな誘惑にも心を動かすまいと努め、官事の暇に大学で政治学や法学を学び始めた。それから三年、二十五歳の私は、自由な大学の影響か、これまでの自分が所動的、器械的人物だと思われ、官長の言いなりになってきた自分が物足りなくなった。本当の自分が、表れてきたのである。学問も、歴史や文学に惹かれるようになった。% L/ U# ]' |# w! |
  そんな私を官長が良く思う筈はない。しかも、私は、留学生仲間と遊ぼうともしなかった。それは、臆病だったからにすぎない。しかし、それが彼らの嫉妬を買い、中傷されることにつながった。
" E8 d4 b/ U6 ^4 k; t9 D  ある日の夕暮れ、クロステル街の教会の前を通り過ぎようとすると、すすり泣く十七八の少女がいた。「どうしましたか」思わず私は声をかけた。彼女は驚いて私の黄色い顔を見つめたが、率直な気持ちが表れていたのだろう、「私をお救いください。父が死んで明日はお葬式なのに、家には貯えがないのです」と言う。貧しい家に案内された私は、時計を外して渡した。この時から、私と踊り子エリスとの交わりが始まったのである。ところが、私たちはまだ無邪気な関係でしかなかったのに、ある同郷の留学生が、私が踊子と遊んでいると官長に中傷した。かねがね私を嫌がっていた官長は、私を免職処分にした。私は苦境に陥ったが、エリスとは離れがたい仲になった。
7 G0 q$ b1 G, D+ a/ t' a; D2 k+ V/ ~6 r8 b  私を助けてくれたのは、大学時代の友人・相沢謙吉である。彼の紹介で新聞社のベルリン通信員になることができた。またエリスは、彼女の家に同居できるように計らってくれ、貧しくも楽しい日々を送るようになった。確かに私の学問は荒んだ。しかし、私は仕事を通して現実の世の中に詳しくなり、同郷の留学生が夢にも知らぬ境地に到達していた。8 x8 @% Q8 i/ [$ }9 h1 {2 ?
  明治二十一年の冬はやって来た。北ヨーロッパの寒さは耐えがたい。しかもエリスに妊娠の兆候があり、将来におぼつかなさを覚えるばかりだった。そこへ、相沢から手紙が来た。天方大臣とベルリンに来ている。大臣に紹介するから来いというものだ。早速ホテルに赴き大臣に会うと、ドイツ語文書の翻訳を頼まれた。その後、相沢から昼食に誘われた。私の苦境を知った彼は「語学の才能を示して大臣の信用を得ることが名誉挽回の第一歩だ。そのためには、エリスとの関係を絶て」と忠告した。深い霧の向こうに一点の明かりが見えた。しかし、エリスの愛も捨てがたい。決断できない私は、友人の言葉のままに約束してしまった。外は寒かった。私の心も寒かった。
0 f; i9 p# T2 J  一ヵ月後、大臣の通訳としてロシアに随行した。妊娠したエリスからはよく手紙が来た。「あなたを思う気持の深さがしみじみ分かりました。大臣に重用され、東の国にお帰りになるなら、私もご一緒します。どんなことがあっても、私を捨てないでください。」エリスのこの言葉で、私は自分の立場を理解した。私は、仕事しか頭になかった。しかし現実には、エリスと絶縁して大臣の信頼を獲得し、日本へ帰国しようとする立場にあるのだ。私は、本当の自分を得て器械的人物にはなるまいと誓っていた。しかし今、天方大臣の操り人形でしかないのである。2 w1 W+ B" q" O2 _- z6 d
  元旦、私はベルリンに帰った。「よくお帰りになりました。お帰りにならなければ、私はきっと死んでいたでしょう」私の気持はこれまで定まらず、望郷と栄達の心が時々エリスへの愛情を圧していたが、この一瞬、迷いは消え彼女を抱いた。エリスは、おしめを準備していて、生まれてくる子に私の苗字をつけるように願った。
" N' X1 u0 y2 [8 R$ h  数日後、大臣に招待された。大臣は、私の語学力を認め、女性関係もないと相沢から聞いていて、日本への同行を勧めた。私は、この話に応じなければ、国を失い、名誉挽回の道を断ち、この異郷の地に埋もれてしまうと思い、「承知しました」と無節操に答えてしまった。帰ってエリスになんと言おうか。私はホテルを出て、雪の中をさまよい歩く。「自分は許されぬ罪人だ」という思いでいっぱいだった。やっとエリス元にたどりついたものの、そのまま倒れこんでしまった。
9 e1 i7 W1 h1 u  数週間してやっと意識が回復した私は、エリスの余りの変わりように驚いた。ひどく痩せて、血走った目はくぼみ、頬の肉は落ちていた。相沢が、彼女を精神的に殺したのだ。相沢は、真相を全てエリスに話してしまい、エリスは、「私の豊太郎、これほどまでに私を欺いたのか」と叫び失神してしまったという。しばらくして眼が覚めたときには、人もわからず、おしめを顔に当てて泣くばかり。医者は、心労で起ったパラノイアという病で治る見込みはないと言う。
* S( a! G! o: Z# e  生きた屍となったエリスを抱いて、私は何度涙を流したことだろう。大臣と帰国の途につく時、エリスの母に生活費を渡し、あわれな狂女の胎内に残した子が生まれる時のことも頼んだ。ああ、相沢謙吉のような良友は得がたい。しかし、私の脳裏には一点の彼を憎む気持が今日までも残っているのだ。(1890年発表)2 z) e0 F7 o* ]

" w3 g8 X6 {2 }" @5 m' G【注 释】
! ~& z  Y9 H, N臆病:小心谨慎,怕事6 ]" D4 M- ^3 o' J7 m/ f; O
すすり泣く:抽泣% s( @# j* |' C( N$ u; ~
無邪気:天真7 i. W5 }, j0 v0 w$ d, X
かねがね:早就
' s# k4 z8 X& i0 }: r# X" O計らう:荒废1 l8 o, D* V: }7 J$ l  P
荒む:荒废
4 a/ z9 Z8 E  ~: D! l% }覚束ない:不安
. V9 m) |- q! W3 M' L早速:马上. u! t, p# I8 H+ X  ~+ b) J! K2 f
妊娠:怀孕% x1 ]5 J! Q$ j! G
絶縁:断绝关系. f8 i: m1 [3 H& i
おしめ:尿布
1 p/ b+ z/ d" Xさまよう:彷徨
1 z) b3 O7 j9 \3 pくぼむ:陷下去: ]; w/ a$ g& g5 p1 h) T  J
失神:晕过去- K! t" b8 {8 L6 ?: s' b1 F
哀れ:可怜的
- ]1 L+ @2 ~# V5 n" G7 Z1 g0 [+ K" W' j" h9 v, [
[ 本帖最后由 nic 于 2008-1-8 14:35 编辑 ]
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发表于 2008-1-8 15:42:07 | 显示全部楼层
ありがどうございます
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发表于 2008-1-10 13:36:28 | 显示全部楼层
ありがとうございました!!9 o5 h; X, u( W; g
おつかれさまでした!!
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发表于 2008-1-30 14:49:34 | 显示全部楼层
とても面白いですね。
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发表于 2008-1-30 16:35:48 | 显示全部楼层
支持LZ!- J1 E: A4 s9 q1 y* t
あとがとうございました。( @) T7 y2 Y; O- c" _. o
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发表于 2008-2-6 01:35:43 | 显示全部楼层
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发表于 2008-2-7 16:45:16 | 显示全部楼层
楼主辛苦了阿!
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发表于 2008-2-16 21:19:51 | 显示全部楼层
ありがとうございました!!
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发表于 2008-2-18 16:14:01 | 显示全部楼层

ありがとうございます

ここの文章はおもしろくて、とても役立ちになります。心からありがとうございます。
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发表于 2008-4-18 12:31:59 | 显示全部楼层

只看该作者

お疲れさ
6 m% H% B* C, v( g2 u, yありがどう ,とっても面白い
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发表于 2008-4-19 11:32:55 | 显示全部楼层
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发表于 2008-4-30 10:11:42 | 显示全部楼层
thankyou
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