北越雪譜 解説 + u! |/ R w- k% Q w8 T1 i
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作者は鈴木牧之(1770~1842)で、二編七巻からなり、1835~42年に刊行されました。鈴木牧之は、越後の塩沢(現在の新潟県南魚沼郡塩沢町)の生まれです。代々の家業であった織物問屋と質屋を継いで、一方では滝沢馬琴、山東京伝、十返舎一九、式亭三馬といった江戸の文人との交流が深かった地方の名士です。三十年余りの時間をかけて、自然や生物、不思議な話、機織やサケ漁、子どもの遊び、民俗行事、古い民俗信仰など雪国の生活を書き綴ったのがこの『北越雪譜』です。雪国の生活記録というだけではなく、科学的随筆ともいえる面をもち、また現在では方言研究の重要資料ともなっています。
& p5 c$ X$ h3 q( X: U6 t3 M( D5 m4 z4 P 「熊、人を助く」(「助く」は「助ける」の古語)は、そのうちの一章です。作者が若かったとき所用で出かけて泊まった宿で、主人が宴会を開き、そこを通りかかった八十二歳の老人から聞いた話という形で掲載されています。原文が古文で書かれていますので、抄訳して紹介しました。この文章は、次のような書き出しとまとめの言葉の中に展開されています。" Q) h* \& J2 C4 y. l8 ]3 E
「人が熊の穴に落ちて、熊に助けられという話は散見するけれども、体験談は少ないので、ここに記します。······」2 ?' ?# b( z7 D! D; ]8 h: g$ e, h
「······こう細かに語ったのは、九右エ門という百姓でした。その夜、灯火の下、筆を取って話したままを記しておきましたが、今では昔の話となりました。」
7 d- a6 ^8 f3 N7 L 九右エ門の体験は、本当なのでしょうか。真偽は分かりませんが、別に掲載した宮沢賢治の『なめとこ山の熊』と一緒に読むと、胸がどきどきしませんか。また、三遊亭円朝(1839~1900)という有名な落語家がいましたが、彼の落語の速記本が残されて本になっています。それに『後の業平文治』という落語があって、熊に命を助けられる女性が登場します。こういった話は、本当によくあったことなのでしょうか。それとも、円朝は、この『北越雪譜』の「熊、人を助く」を資料にしたのでしょうか。あれこれと想像がふくらみます。 z s3 |2 h P; E, d1 l5 H
なお、文中に「お伊勢様」「善光寺様」を拝むシーンがありますが、「お伊勢様」は天照大神という神道の神様を祭った伊勢神宮のことで、「善光寺様」は天台宗と浄土宗の本山である長野の善光寺を指して、こちらは仏教です。日本人は、別に宗教を信心していなくても、今でも困った時に、「神様、仏様」と口にすることがあります。それは、このシーンに見られるような、民間での神仏信仰の名残といえます。
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& z. i5 f( w' a0 t' gほくえつせっぷ すずきぼくし にへんななかん かんこう えちご しおざわ みなみうおぬまぐん しおざわまち( k1 B" L% Q# M4 F
北越雪譜 鈴木牧之 二編七巻 刊行 越後 塩沢 南魚沼郡 塩沢町. Q, } q3 d+ d
3 i" l% n. o/ H8 I, pかぎょう どんや たきざわばきん さんとうきょうでん じっぺんしゃいっく しきていさんば はたおり りょう
! c% I) J6 V8 a" n U 家業 問屋 滝沢馬琴 山東京伝 十返舎一九 式亭三馬 機織 サケ漁7 r, ~. x# Y2 U
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みんぞくぎょうじ しんこう か つづ ずいひつ たす こご いっしょう しょよう やど けいさい
* a J' i" E4 e5 S; w 民俗行事 信仰 書き綴る 随筆 助く 古語 一章 所用 宿 掲載
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しょうやく てんかい さんけん たいけんだん かた きゅううえもん ひゃくしょう ともしび もと ふで
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! [+ M. L* W) l" d+ ^ 善光寺様 拝む 天照 大神 神道 祭る 伊勢神宮 天台宗 浄土宗8 s8 X2 _' C$ [, h' a/ f
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5 b3 W+ ]& L% f$ Z, R4 y 本山 指す 仏教 信心 仏様 民間 名残
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