広範囲で震度6弱以上予想 首都直下地震で中央防災会議
政府中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会「地震ワーキンググループ」(座長=溝上恵東大名誉教授)は17日、首都圏の直下で大地震が起きた場合、各地がどれくらい激しい揺れに襲われるかを予想した震度分布図を発表した。首都圏では、広い範囲で震度6弱以上の揺れがあり、一部では震度7の非常に激しい揺れが出る恐れがあるという。同会議は年明けまでには、人的被害や建物への影響をまとめる予定だ。
首都直下地震は、首都圏で200~300年ごとに起きる関東大震災のようなマグニチュード(M)8級の地震の合間に、数回起きるM7級の地震をいう。
今回、首都圏に影響があるとされた地震のうち、緊急性などから全部で18カ所の震源を想定した。なかでも特に大きな被害を与えるとみられるのは、東京湾北部を震源とする地震。M7以上の規模を持つ震源は五つで、最も大きいのは神縄・国府津-松田断層帯のM7.5とされる。津波は東京湾の高いところで50センチ未満、東京湾の外の相模湾で2メートル未満と推定している。
首都圏に最も大きな影響を与えるとみられるのは、東京都から千葉県にかけての東京湾北部にあるプレート境界を震源とする地震。規模はM7.3で深さ20キロから30キロで発生、23区の東半分と千葉県浦安市などが震度6強と推定され、その周辺に震度6弱の地域がある。
都心東部直下を震源とするM6.9の地震では、都心のほぼ全域で震度6弱、中心部では6強。また、地盤の緩いごく一部の地域では、震度7も想定されている。いずれの地震でも震度6強、6弱の地域は広範囲に現れ、軟弱地盤の多い湾岸地域では特に激しく揺れる、という結果が出た。
同会議では、地震波の伝わり方などをシミュレーションし、首都圏の地盤構造調査と重ね合わせて、各地の揺れ方を推定した。作製した分布図は19枚に上る。
墨田区など、下町地域では古い木造住宅が密集しており、火災が起きた場合に被害の拡大が指摘されている。一方、江東区や浦安市などでは、埋め立て地の上に高層マンションなどが林立しており、液状化現象による被害も予想されている。 (11/17 13:36) |