咖啡日语论坛

 找回密码
 注~册
搜索
123
返回列表 发新帖
楼主: sxd1025

「社説」连载(http://www.asahi.com/paper/editorial.html)

[复制链接]
 楼主| 发表于 2004-10-27 09:10:23 | 显示全部楼层
10月(じゅうがつ)27日(にち)付(づけ)
( C7 d! q- v$ {: _      被災(ひさい)地(ち)報告(ほうこく)――今(いま)すぐ人手(ひとで)を、暖房(だんぼう)を/ [( f* c! _: ^

( Z, Y1 R# j( t. _0 n% D3 O1 [+ ^* U 余震(よしん)はやまず、寒(さむ)さが迫(せま)る。
) V# V& r2 _* o1 ?# H) |9 z( s4 o8 t  r, a1 a! K
 激(はげ)しい地震(じしん)に見舞(みま)われた新潟(にいがた)県(けん)中越(なかごえ)地方(ちほう)を歩(ある)いた。避難(ひなん)した10万(まん)人(にん)を超(こ)す人(ひと)たちは自宅(じたく)に戻(もど)れる見込(みこ)みがたたず、打(う)ちひしがれている。
! K# ]" z5 A$ ~  p, r5 ^, w( Y  }; j- n3 L, K6 {% c- _
 この地震(じしん)で最(もっと)も被害(ひがい)が大(おお)きかったのは山古志(やまこし)村(むら)である。昨年(さくねん)のNHK連続(れんぞく)ドラマ「こころ」の舞台(ぶたい)にもなった土地(とち)だ。しかし、美(うつく)しく並(なら)んでいた棚田(たなだ)は醜(みにく)くひび割(わ)れ、民家(みんか)が無残(むざん)につぶれている。 5 A  a( {: {( E$ f

5 o' ?$ T1 o4 ^7 f 村民(そんみん)2千(せん)人(にん)が自衛隊(じえいたい)ヘリで脱出(だっしゅつ)し、今(いま)ではゴーストタウンである。
  Z' j1 J0 D: K
* m1 }3 W( Y+ K4 [. m あちこちで鯉(こい)が群(む)れのまま死(し)んでいる。艴
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-10-28 08:38:53 | 显示全部楼层
10月(じゅうがつ)28日(にち)付(づけ)
( u7 D6 @, W0 C      日本人(にっぽんじん)人質(ひとじち)――救出(きゅうしゅつ)に手立(てだ)て尽(つ)くせ0 h7 ?% t6 ^+ P! B: C' W
: d# J! L  v0 I& y( A
  やりきれない事件(じけん)がまた起(お)きた。イラクで日本人(にっぽんじん)男性(だんせい)が武装(ぶそう)グループに拘束(こうそく)されたのだ。被害(ひがい)者(しゃ)は福岡(ふくおか)県(けん)出身(しゅっしん)の香田(こうだ)証(あかし)生(せい)さんと確認(かくにん)された。 + V. K: y0 B0 A! I/ b

+ e7 Y: O: s% r/ q 犯人(はんにん)グループは48時間(じかん)以内(いない)の自衛隊(じえいたい)撤退(てったい)を求(もと)め、応(おう)じなければ香田(こうだ)さんを殺害(さつがい)すると言(い)っている。 7 G- j# `9 X) d. H! e; e

' c; R# m2 x8 _  F& F イラクで日本人(にっぽんじん)が拉致(らっち)された事件(じけん)は、これで3件(けん)目(め)となる。要求(ようきゅう)実現(じつげん)のために人質(ひとじち)をとる。それが受(う)け入(い)れられないと殺(ころ)す、と脅(おど)す。そんなやり方(かた)は、とても許(ゆる)すことはできない。 9 \; o5 M- h) t% D8 y( L) {
. M. G: N: S( n* R" @( a& c
 犯人(はんにん)グループは国際(こくさい)テロ組織(そしき)アルカイダに関係(かんけい)があるとされており、地元(じもと)の部族(ぶぞく)や宗教(しゅうきょう)指導(しどう)者(しゃ)との関係(かんけい)は薄(うす)いといわれている。4月(しがつ)に日本人(にっぽんじん)3人(にん)を拉致(らっち)した犯人(はんにん)たちは、地元(じもと)の宗教(しゅうきょう)指導(しどう)者(しゃ)らの説得(せっとく)に応(おう)じて人質(ひとじち)を解放(かいほう)したが、今回(こんかい)の状況(じょうきょう)は当時(とうじ)より厳(きび)しそうだ。
+ o; x$ [4 C! D' j
1 d. ]5 U) I' A6 i7 t- H 日本(にっぽん)政府(せいふ)は現地(げんち)で救出(きゅうしゅつ)作戦(さくせん)の指揮(しき)をとるために、外務(がいむ)副(ふく)大臣(だいじん)をヨルダンに派遣(はけん)した。宗教(しゅうきょう)指導(しどう)者(しゃ)、地元(じもと)部族(ぶぞく)の有力(ゆうりょく)者(しゃ)、イラクの暫定(ざんてい)政府(せいふ)関係(かんけい)者(しゃ)などいろいろなルートを通(つう)じて、早期(そうき)解放(かいほう)を働(はたら)きかけてもらいたい。
, Z: h  a7 ~0 m+ c7 `9 Z1 I  ]! E  T
 犯人(はんにん)たちは、4月(しがつ)と同(おな)じように、自衛隊(じえいたい)の撤退(てったい)を要求(ようきゅう)している。
* _  a& J% r+ A1 e) s
3 t3 @/ T# s3 P 朝日新聞(あさひしんぶん)は自衛隊(じえいたい)のイラク派遣(はけん)に反対(はんたい)した。しかし、前回(ぜんかい)の事件(じけん)が起(お)きたとき「脅迫(きょうはく)を受(う)け入(い)れての撤退(てったい)には応(おう)じることができない」と主張(しゅちょう)した。つらい判断(はんだん)ではあったが、「無法(むほう)な要求(ようきゅう)に弱(よわ)い国(くに)だ」というイメージを広(ひろ)げ、同(おな)じような事件(じけん)を誘発(ゆうはつ)してはならない、などの考(かんが)えからである。
# d, K% `5 I& f# v( s/ o8 Q4 [/ j" ?1 m# |/ i
 私(わたし)たちの立場(たちば)は今回(こんかい)も変(か)わらない。小泉(こいずみ)首相(しゅしょう)は犯人(はんにん)の要求(ようきゅう)を拒否(きょひ)したが、やむを得(え)まい。
' y; M: S8 @, u7 y( H3 E2 o/ p0 d4 {9 ?) X' ^6 m4 l4 s9 I
 それにしても、今回(こんかい)は人質(ひとじち)になった香田(こうだ)さんの行動(こうどう)に疑問(ぎもん)が多(おお)い。
0 F: [% J$ W1 `# X# v4 K6 @$ ?* ^# B' s; w  N. f. \: j
 前(まえ)の3人(にん)は、それぞれイラク国内(こくない)でボランティアや取材(しゅざい)活動(かつどう)にあたっていた。香田(こうだ)さんの方(ほう)は、そもそもイラクに向(む)かった理由(りゆう)がはっきりしない。 - _, a  s( `, J( p
$ k: X. i# F; k! S9 X
 イラク入(い)り直前(ちょくぜん)に宿泊(しゅくはく)したヨルダンのアンマン市内(しない)のホテルの従業(じゅうぎょう)員(いん)に、「観光(かんこう)客(きゃく)だ」と語(かた)ったという。同(どう)宿(やど)の日本人(にっぽんじん)には「イラクに1週間(しゅうかん)ほど旅行(りょこう)に行(い)く」と話(はな)したそうだから、旅行(りょこう)のつもりだったのかもしれない。 3 S" P; v! z+ q6 Y3 e

8 g6 Z) i1 Y  `9 i3 `0 v もしそうなら、状況(じょうきょう)認識(にんしき)があまりにも甘(あま)い。経験(けいけん)豊(ゆた)かな日本人(にっぽんじん)ジャーナリストたちでさえ「今(いま)のイラクは危険(きけん)すぎる」と現地(げんち)入(い)りを見合(みあ)わせている。海外(かいがい)各地(かくち)を回(まわ)っている香田(こうだ)さんのことだ、現在(げんざい)のイラクがいかに危険(きけん)な場所(ばしょ)か、よくわかっていたはずだ。
( E; O: G( B* o* W: s9 [6 i: H6 z
. ?4 C$ A- @8 s, M+ M9 P3 d アンマンで、周囲(しゅうい)の人(ひと)はイラク行(い)きを思(おも)いとどまるよう説得(せっとく)したが、制止(せいし)を振(ふ)り切(き)ったという。それがこうした結果(けっか)になったことは悔(く)やまれる。 0 u- t% z! Y( X, o; T; E
2 X8 p5 W9 j" P( `
 サマワに派遣(はけん)されている自衛隊(じえいたい)は、今年(ことし)12月(じゅうにがつ)に派遣(はけん)期限(きげん)が切(き)れる。
* k- \0 |. S. N8 p* ^3 J
8 ?  m: F6 P3 S; o# A, b それを延長(えんちょう)するか、撤退(てったい)すべきかについては、今回(こんかい)の事件(じけん)とは切(き)り離(はな)し、イラクをめぐる全体(ぜんたい)情勢(じょうせい)を踏(ふ)まえたうえで、改(あらた)めて考(かんが)えるべきである。
$ ], n, O  {- Z1 X: B3 D4 s5 M  V5 p8 I% M2 z% W7 c- a
--------------------------------------------------------------------------------. `5 g) G' s3 T5 Y) I6 Z  K

$ C$ x/ c$ o9 v" r1 Y   被災(ひさい)住民(じゅうみん)――体育館(たいいくかん)では眠(ねむ)れない( j% L% P9 Q- x: Y) u9 D

: |; K6 C% c) ~9 p! _
0 U: N  j" e  m" c3 a テレビが伝(つた)える奇跡(きせき)の救出(きゅうしゅつ)劇(げき)を息(いき)をつめて見守(みまも)った人(ひと)が多(おお)いのではないか。 / K4 {- q  F$ V' |. [
, W1 i* d8 V0 ^; E: P
 新潟(にいがた)県(けん)を襲(おそ)った地震(じしん)で土砂崩(どしゃくず)れに閉(と)じこめられていた男(おとこ)の子(こ)が、4日(にち)ぶりに助(たす)け出(だ)された。その無事(ぶじ)な姿(すがた)にほっとしたのもつかの間(ま)、続(つづ)いて
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-10-29 06:28:36 | 显示全部楼层
10月(じゅうがつ)29日(にち)付(づけ)
/ }! B" i6 H; E# o, L  ' w- o' [$ U: y/ A. x
    仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)――お年寄(としよ)りを見守(みまも)って
# A+ Q- T% m/ n8 x0 q% q
1 Z; e! [% n, j 新潟(にいがた)県(けん)中越(なかごえ)地震(じしん)の被災(ひさい)地(ち)で仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)の建設(けんせつ)が始(はじ)まった。 2 _. r1 h/ D0 H  V2 J, p1 ~
/ L& A3 ^8 |( |: q  ~9 U, F
 体育館(たいいくかん)など避難(ひなん)所(しょ)の暮(く)らしも1週間(しゅうかん)になり、大(おお)きな余震(よしん)もあって、被災(ひさい)者(しゃ)の表情(ひょうじょう)には疲労(ひろう)の色(いろ)が濃(こ)い。底冷(そこび)えも厳(きび)しくなってきた。建設(けんせつ)を急(いそ)いでほしい。 * d+ K% ^, p( Z0 N! o
: t0 h) A( O$ t) _3 x! U
 仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)は災害(さいがい)救助(きゅうじょ)法(ほう)にもとづいて県(けん)が建(た)てる。長岡(ながおか)市(し)で400戸(こ)を着工(ちゃっこう)したのに続(つづ)き、小千谷(おじや)、十日町(とおかまち)市(し)などでも建設(けんせつ)地(ち)が決(き)まった。被災(ひさい)地(ち)に計(けい)3千(せん)戸(こ)を確保(かくほ)できるという。 2 J" Y  t, @3 g1 Y$ b8 t2 P7 j
$ g- z  `9 U1 ^! U5 j3 u
 長岡(ながおか)市(し)などの仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)には村(むら)をあげて避難(ひなん)した山古志(やまこし)村(むら)の人(ひと)たちも移(うつ)り住(す)むことになる。村民(そんみん)の高齢(こうれい)化(か)率(りつ)は40%近(ちか)い。山里(やまざと)から町(まち)なかの暮(く)らしになるのだ。何(なに)かと苦労(くろう)があると思(おも)う。 2 d1 ?9 ~7 D& N
8 t- {+ E. i! ^% d
 隣(となり)近所(きんじょ)は気心(きごころ)の知(し)れた仲(なか)。米(べい)や野菜(やさい)は自分(じぶん)たちで育(そだ)てたもの。そんな生活(せいかつ)に慣(な)れていた人(ひと)たちが仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)に移(うつ)る。
- E$ q/ _+ ~) C# E2 F/ f  e8 {/ V7 p8 E; ^% C7 p; w/ @+ o
 避難(ひなん)所(しょ)暮(く)らしと比(くら)べれば、ひと息(いき)つけるものの、村(むら)の日常(にちじょう)と一変(いっぺん)した生活(せいかつ)を余儀(よぎ)なくされる。
# ]- Q7 f: @) z5 x- q+ ?6 t
8 f* [/ d) {; K7 M7 T 慣(な)れぬ生活(せいかつ)のストレスで体(からだ)をこわしたり、お年寄(としよ)りが孤立(こりつ)感(かん)を深(ふか)めたりしないよう、住(す)んでいた集落(しゅうらく)ごとに仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)を割(わ)り振(ふ)るなどの配慮(はいりょ)が必要(ひつよう)だ。 1 H' K1 a5 a1 G3 u
7 x0 @: u- M4 ~3 }0 ^& L$ G. b7 v
 朝(あさ)起(お)きて、見知(みし)った顔(かお)が声(こえ)を掛(か)け合(あ)う。ささやかだが、そんな日々(ひび)がお互(たが)いを癒()やし、励(はげ)ますだろう。
* `8 N9 }! q1 y1 }; C# ^% }5 E+ E* `4 K0 K  ~
 阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)では、仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)の多(おお)くが郊外(こうがい)に建設(けんせつ)された。市街地(しがいち)のあちこちから移(うつ)ってきた人々(ひとびと)の寄(よ)り合(あ)い所帯(しょたい)だから、人間(にんげん)関係(かんけい)は希薄(きはく)になる。買(か)い物(もの)にも不便(ふべん)なため、部屋(へや)に閉(と)じこもりがちになった。独(ひと)り暮(ぐ)らしの人(ひと)が多(おお)かったこともあって、「孤独(こどく)死(し)」が相次(あいつ)いだ。 7 r+ Z' H& q0 z' N! J2 f8 P
7 @# ?: [8 a1 W/ I7 N
 「仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)での無残(むざん)な死(し)は、二(に)次(じ)災害(さいがい)とも言(い)える人災(じんさい)です」と語(かた)るのは、阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)で仮設(かせつ)住宅(じゅうたく)に住(す)む人(ひと)たちのケアを続(つづ)けた
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-10-30 11:55:49 | 显示全部楼层
10月(じゅうがつ)30日(にち)付(づけ)1 U! `% `9 y* G* b0 \+ D9 c, c# T

; S+ G" i. S4 b3 O4 s3 A     国旗(こっき)・国歌(こっか)――園遊会(えんゆうかい)での発言(はつげん)に思(おも)う; O9 |  c1 }; Q! A; a

% [& v' j3 z/ r/ u* h% f 園遊会(えんゆうかい)は、天皇(てんのう)、皇后(こうごう)両(りょう)陛下(へいか)が東京(とうきょう)・赤坂御苑(あかさかぎょえん)に政府(せいふ)や国会(こっかい)代表(だいひょう)、各界(かくかい)の功労(こうろう)者(しゃ)を招(まね)いて開(ひら)かれる催(もよお)しである。 1 T) }7 r% e$ e
8 U# o" O+ d* n! j
 戦前(せんぜん)は観桜(かんおう)会(かい)、観菊(かんぎく)会(かい)と呼(よ)ばれていた。戦後(せんご)、名(な)を変(か)えて復活(ふっかつ)し、両(りょう)陛下(へいか)が春(はる)と秋(あき)の2回(かい)、親(した)しく招待(しょうたい)者(しゃ)の労(ろう)をねぎらう場(ば)となっている。
. h- n. _+ D5 T2 n# P# [* v8 s+ q7 J) i/ m
 その園遊会(えんゆうかい)の席上(せきじょう)、棋士(きし)で東京(とうきょう)都(と)教育(きょういく)委員(いいん)の米長(よねなが)邦雄(くにお)さんが「日本(にっぽん)中(ちゅう)の学校(がっこう)で国旗(こっき)を掲(かか)げ、国歌(こっか)を斉唱(せいしょう)させることが私(わたし)の仕事(しごと)でございます」と話(はな)した。天皇陛下(てんのうへいか)は「やはり、強制(きょうせい)になるということではないことが望(のぞ)ましい」と述(の)べた。 $ e! K0 m0 H* m0 P+ {% }5 F  F/ b2 p

* ~6 F/ l+ v: X& n- B, {! a このやりとりは新聞(しんぶん)やテレビで報道(ほうどう)された。翌日(よくじつ)の閣議(かくぎ)後(ご)の記者(きしゃ)会見(かいけん)でも閣僚(かくりょう)の意見(いけん)や感想(かんそう)が相次(あいつ)いだ。 % e# G/ W8 H/ s, M" L' I9 e

, W  i" R( x  K7 {! [) d" S 話題(わだい)となった一因(いちいん)は、国旗(こっき)・国歌(こっか)問題(もんだい)で天皇陛下(てんのうへいか)ご自身(じしん)が発言(はつげん)したことがきわめて異例(いれい)だからだろう。しかし、その内容(ないよう)は政府(せいふ)の見解(けんかい)の通(とお)りだった。 - x7 `; q3 o  m* ^3 A
( r# C& Z2 D5 u  Q; p3 A6 C0 n4 d( _
 国旗(こっき)・国歌(こっか)法(ほう)が99年(ねん)に成立(せいりつ)したとき、当時(とうじ)の小渕(おぶち)首相(しゅしょう)は「児童(じどう)生徒(せいと)の内心(ないしん)にまで立(た)ち入(い)って強制(きょうせい)しようとする趣旨(しゅし)のものではない」と国会(こっかい)答弁(とうべん)した。当時(とうじ)の野中(のなか)官房(かんぼう)長官(ちょうかん)も「強制(きょうせい)的(てき)に行(おこな)われるんじゃなく、それが自然(しぜん)に哲学(てつがく)的(てき)にはぐくまれていく努力(どりょく)が必要(ひつよう)」と答(こた)えている。 # ~9 ]$ P3 O6 ^  z( U/ n

0 v: F4 F$ X* _8 D: w- [! }: _ 宮内庁(くないちょう)は陛下(へいか)の発言(はつげん)について「政策(せいさく)や政治(せいじ)に踏(ふ)み込(こ)んだものではない」と説明(せつめい)した。憲法(けんぽう)は天皇(てんのう)について「国政(こくせい)に関(かん)する権能(けんのう)を有(ゆう)しない」と定(さだ)めているが、細田(さいた)官房(かんぼう)長官(ちょうかん)も「憲法(けんぽう)の趣旨(しゅし)に反(はん)することはない」と述(の)べた。
5 d: g/ Z7 ^7 p0 b! V7 |) d+ Z
& ]8 O( c$ `9 n- U+ e+ O% u いずれも妥当(だとう)な判断(はんだん)だと思(おも)う。
# s6 m( E+ Z: V- A/ v
6 ]$ \. ^8 n( f" E0 O$ I3 } 今回(こんかい)の場合(ばあい)、波紋(はもん)の原因(げんいん)はむしろ、米長(よねなが)さんが国旗(こっき)・国歌(こっか)のことを持(も)ち出(だ)したところにあるのではないか。
  F" Z0 B  w) k- R
3 ]3 q) R4 @$ W. N4 Y  T 米長(よねなが)さんが委員(いいん)を務(つと)める東京(とうきょう)都(と)教育(きょういく)委員(いいん)会(かい)は、今春(こんしゅん)の都立(とりつ)校(こう)の卒業(そつぎょう)式(しき)で国旗(こっき)を飾(かざ)る場所(ばしょ)や国歌(こっか)の歌(うた)わせ方(かた)など、12項目(こうもく)にもわたって事(こと)細(こま)かく指示(しじ)し、監視(かんし)役(やく)まで派遣(はけん)した。そして、起立(きりつ)しなかった250人(にん)の教職員(きょうしょくいん)を処分(しょぶん)した。処分(しょぶん)を振(ふ)りかざして国旗(こっき)の掲揚(けいよう)や国歌(こっか)の斉唱(せいしょう)を強制(きょうせい)するやり方(かた)には、批判(ひはん)も多(おお)かった。
. D+ v1 z0 D8 }" z) B, j
$ u( w8 j3 u7 [) h- R) C8 c# C 国旗(こっき)・国歌(こっか)のように鋭(するど)い対立(たいりつ)をはらんでいる問題(もんだい)は、天皇(てんのう)の主催(しゅさい)行事(ぎょうじ)である園遊会(えんゆうかい)の場(ば)にふさわしくない。 ! r5 T& B* Q4 l3 S% f
# y: K7 Y1 R0 t8 O3 ^! X
 米長(よねなが)さんの発言(はつげん)に対(たい)して天皇陛下(てんのうへいか)があいまいな応答(おうとう)をすれば、そのこと自体(じたい)が政治(せいじ)的(てき)に利用(りよう)されかねない。陛下(へいか)が政府(せいふ)見解(けんかい)を述(の)べたことは、結果(けっか)としてそれを防(ふせ)いだとも言(い)えよう。 : P) Q- T: h4 Y3 p
" w0 A: O/ m6 n- ?! Z# O% t
 米長(よねなが)さんの発言(はつげん)は「教育(きょういく)委員(いいん)のお仕事(しごと)、ご苦労(くろう)さまです」という陛下(へいか)の言葉(ことば)に答(こた)えて飛(と)び出(だ)した。国旗(こっき)・国歌(こっか)問題(もんだい)を意図(いと)的(てき)に持(も)ち出(だ)したかどうかはわからない。もし意図(いと)的(てき)でなかったとしても、軽率(けいそつ)だったと言(い)わざるを得(え)ない。 * \, h( a6 P  {2 ?1 M

# }( q1 P4 S; v& ^& n 東京(とうきょう)都(と)の石原(いしはら)知事(ちじ)は「天皇陛下(てんのうへいか)に靖国神社(やすくにじんじゃ)を参拝(さんぱい)していただきたい」と述(の)べている。靖国(やすくに)参拝(さんぱい)は外交(がいこう)にも絡(から)む大(おお)きな政治(せいじ)問題(もんだい)だ。とても賛成(さんせい)できない。宮内庁(くないちょう)が慎重(しんちょう)な姿勢(しせい)を示(しめ)したのは当然(とうぜん)だ。 4 ~+ N/ |! r& M. W" x
; Z1 N' a. W/ _; m' ~! I! |$ k* T
 天皇(てんのう)が政治(せいじ)に巻(ま)き込(こ)まれれば象徴(しょうちょう)天皇(てんのう)制(せい)の根幹(こんかん)が揺(ゆ)らぐ。園遊会(えんゆうかい)発言(はつげん)を機(き)に、このことをあらためて確認(かくにん)したい。
2 n- G/ g: N& j" |/ }: P  G2 u2 V3 h/ U$ s3 T) a* J2 R, r
--------------------------------------------------------------------------------2 [$ i/ F& g$ b0 v: ~, Q2 I
補助(ほじょ)金(きん)削減(さくげん)――これは対案(たいあん)に値(あたい)しない
7 K5 O% H  R! i# Z
( ?' d# N: L9 R/ q$ }+ J% Y/ } こんな代物(しろもの)では、アリバイ作(づく)りにもならない。
7 v# z& a& `( L7 e$ M, d- u7 Z4 [2 E1 V" Q$ C% S
 国(くに)と地方(ちほう)の税(ぜい)財政(ざいせい)を見直(みなお)す三位一体(さんみいったい)改革(かいかく)で、全国(ぜんこく)知事(ちじ)会(かい)などの補助(ほじょ)金(きん)廃止(はいし)案(あん)に対(たい)する各省(かくしょう)の対案(たいあん)のことである。金額(きんがく)は地方(ちほう)案(あん)の3・2兆(ちょう)円(えん)に対(たい)し、1兆(ちょう)円(えん)にすぎない。各省(かくしょう)が地方(ちほう)を牛耳(ぎゅうじ)る仕組(しく)みはちゃんと温存(おんぞん)されている。   q6 N3 z5 F3 x( E2 _/ n% w5 K3 i

6 ~! S. ~4 E' a 補助(ほじょ)金(きん)を減(へ)らそうとまじめに取(と)り組(く)んでいるとはとても思(おも)えない。それどころか、小泉(こいずみ)改革(かいかく)に従(したが)わないと表明(ひょうめい)したに等(ひと)しい。小泉(こいずみ)首相(しゅしょう)は閣僚(かくりょう)や次官(じかん)らを更迭(こうてつ)するぐらいの気持(きも)ちで進(すす)まないと、道(みち)は切(き)り開(ひら)けまい。 + f0 z7 m5 W. O1 k% J% b2 y

$ m: K) q! P) G 各省(かくしょう)の対応(たいおう)は三(みっ)つに分(わ)かれている。
) H" J2 Z$ y  a1 i5 c) l% ~
( x( @$ ^1 v" E! i% \# B+ A+ e9 ]+ A 補助(ほじょ)金(きん)の削減(さくげん)に応(おう)じなかったのが文部(もんぶ)科学(かがく)省(しょう)と農林水産省(のうりんすいさんしょう)だ。文科(ぶんか)省(しょう)は中学校(ちゅうがっこう)の教職員(きょうしょくいん)給与(きゅうよ)の負担(ふたん)金(きん)8500億(おく)円(えん)の廃止(はいし)を求(もと)められていた。農水省(のうすいしょう)は治山(ちさん)事業(じぎょう)などである。 # n9 K3 ]1 r0 B5 ]. Z  O
, P! N% x! M  p$ I7 a; G
 どちらも、国(くに)が引(ひ)き続(つづ)き責任(せきにん)を持(も)つべきだというのが拒否(きょひ)の理由(りゆう)だった。自分(じぶん)たちの補助(ほじょ)金(きん)は重要(じゅうよう)なものだから、一(いち)切手(きって)を触(ふ)れさせない。減(へ)らすのなら、よその省(しょう)でやってくれ。そういいたいのだろうが、あまりにも身勝手(みがって)である。 - b) ^% Y7 i, z7 `9 O

; `0 A7 e9 F7 p 二(ふた)つ目(め)は、補助(ほじょ)率(りつ)を引(ひ)き下(さ)げることだ。厚生(こうせい)労働省(ろうどうしょう)は国民(こくみん)健康(けんこう)保険(ほけん)や生活(せいかつ)保護(ほご)などで、国(くに)の負担(ふたん)割合(わりあい)を減(へ)らそうと言(い)い出(だ)した。しかし、補助(ほじょ)率(りつ)の引(ひ)き下(さ)げは、単(たん)なる歳出(さいしゅつ)カットありきの発想(はっそう)としか思(おも)えない。地方(ちほう)からすれば、補助(ほじょ)金(きん)が減(へ)らされるうえに、裁量(さいりょう)の余地(よち)は少(すく)ない。いいことは何(なに)もない。
; Q& e' D5 V. T0 [+ l. {6 r- I; Y' Z( ]8 c) i4 @
 三(みっ)つ目(め)は、国土(こくど)交通省(こうつうしょう)や環境省(かんきょうしょう)などが打(う)ち出(だ)した補助(ほじょ)金(きん)の交付(こうふ)金(かね)化(か)だ。交付(こうふ)金(きん)になると、一定(いってい)の枠内(わくない)で使(つか)い道(みち)を選(えら)べ、使(つか)い勝手(がって)はよくなる。とはいえ、交付(こうふ)金(きん)をもらうには、そのつど自治体(じちたい)が各省(かくしょう)に頭(あたま)を下(さ)げて回(まわ)らなければならない。
+ O1 ~9 {5 O$ B- b
0 n* F+ C- M2 H+ A% f- {! [ いずれも、補助(ほじょ)金(きん)を配(くば)る権限(けんげん)を手放(てばな)したくない各省(かくしょう)の本音(ほんね)がありありだ。
" E, ]7 r( r! Z0 d; j( P* U- a
0 `8 _4 d4 s  _4 E" {' U. g 補助(ほじょ)金(きん)問題(もんだい)と並行(へいこう)して進(すす)んでいる税源(ぜいげん)移譲(いじょう)も難題(なんだい)が残(のこ)っている。税収(ぜいしゅう)を自治体(じちたい)間(かん)でどう配分(はいぶん)するかが決(き)まっていない。配分(はいぶん)の仕方(しかた)によっては、自治体(じちたい)間(かん)の格差(かくさ)がさらに開(ひら)きかねない。
, S& L& H1 j7 \  c! ^
8 {. |, d# A! K1 B9 @! P 建設(けんせつ)国債(こくさい)を財源(ざいげん)とする公共(こうきょう)事業(じぎょう)の扱(あつか)いもむずかしい。地方(ちほう)案(あん)は1兆(ちょう)2千(せん)億(おく)円(えん)分(ぶん)の廃止(はいし)とそれに見合(みあ)う税源(ぜいげん)を移(うつ)すことを求(もと)めている。しかし、財務省(ざいむしょう)や国交(こっこう)省(しょう)は「建設(けんせつ)国債(こくさい)は借金(しゃっきん)だから、税源(ぜいげん)移譲(いじょう)の対象(たいしょう)にならない」と主張(しゅちょう)する。
5 B( K) E/ a2 K3 \( z% R
) S4 @# a) s( ?; h こうした難問(なんもん)を政府(せいふ)はどうさばくのか。各省(かくしょう)ごとに異論(いろん)を唱(とな)えていても、作業(さぎょう)は進(すす)まない。ここは原点(げんてん)に戻(もど)って考(かんが)えるべきだ。
5 \2 i! H# j* ]* G7 I( K: m5 L: ]$ p" W0 ?8 ~9 G( X
 中央(ちゅうおう)集権(しゅうけん)から分権(ぶんけん)社会(しゃかい)へ転換(てんかん)を図(はか)る。同時(どうじ)に国(くに)と地方(ちほう)の借金(しゃっきん)を減(へ)らす。そのために、06年度(ねんど)までに4兆(ちょう)円(えん)の補助(ほじょ)金(きん)を削(けず)り、3兆(ちょう)円(えん)の税源(ぜいげん)を国(くに)から地方(ちほう)へ移(うつ)す。地方(ちほう)への交付(こうふ)税(ぜい)も抑(おさ)える。それが改革(かいかく)のねらいだったはずだ。 6 S! N5 Y( r7 v/ D5 B
, ~9 u9 C8 j( z4 U, K* k
 その中(なか)で、補助(ほじょ)金(きん)の削減(さくげん)は改革(かいかく)を軌道(きどう)に
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-11-1 09:57:32 | 显示全部楼层
10月(じゅうがつ)31日(にち)付(づけ)  u5 {# N; z5 W' y, X' }
# `0 L+ y, \: H; ]0 k6 ?/ a
    公明党(こうめいとう)――もっと自分(じぶん)らしく
8 Y6 \' y4 @- Z# W0 ^
( f% p- t0 D& `# [% K" { 党(とう)を結成(けっせい)して40年(ねん)。自民党(じみんとう)と連立(れんりつ)を組(く)んで5年(ねん)の公明党(こうめいとう)が党(とう)大会(たいかい)で、神崎(かんざき)代表(だいひょう)の続投(ぞくとう)と自公(じこう)路線(ろせん)の継続(けいぞく)を決(き)める。   j: x& {$ G3 ?+ Q

' q  f+ b- P0 c& V& a, A 現行(げんこう)憲法(けんぽう)を維持(いじ)しつつ人権(じんけん)や環境(かんきょう)などを補強(ほきょう)していく「加(か)憲(けん)」の対象(たいしょう)に憲法(けんぽう)9条(じょう)も含(ふく)める。安定(あんてい)した社会(しゃかい)保障(ほしょう)のために消費(しょうひ)税(ぜい)の引(ひ)き上(あ)げも検討(けんとう)する。邉
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-11-2 06:32:24 | 显示全部楼层
11月(じゅういちがつ)02日(にち)付(づけ)
: E3 y) |; L" d* q) B
( Q& L0 S8 \/ w3 [% X1 ^      金融(きんゆう)政策(せいさく)――財政(ざいせい)再建(さいけん)と両(りょう)にらみで
- H) R2 P  E: g0 M; b+ z, ]
  I5 Q8 o6 Z& h  Y4 ~" A; o* z 日本銀行(にっぽんぎんこう)は、来年度(らいねんど)の消費(しょうひ)者(しゃ)物価(ぶっか)が小幅(こはば)ながらプラスに転(てん)じる見通(みとお)しを盛(も)り込(こ)んだリポートを発表(はっぴょう)した。予測(よそく)通(どお)りなら、実(じつ)に8年(ねん)ぶりの物価(ぶっか)上昇(じょうしょう)となる。 0 A  V0 X# t1 ]

8 H" g: t" F% d' g 日本(にっぽん)経済(けいざい)の足(あし)を引(ひ)っ張(ぱ)ってきたデフレは、借金(しゃっきん)をしている企業(きぎょう)や個人(こじん)の負担(ふたん)が重(おも)くなる、企業(きぎょう)の収益(しゅうえき)が伸(の)びにくい、といった問題(もんだい)をはらむ。しかも金利(きんり)がゼロに行(い)き着(つ)いた後(のち)は、景気(けいき)のてこ入(い)れに利下(りさ)げをしたくてもその余地(よち)がない。このため、いったんデフレになると抜(ぬ)け出(だ)しにくい厄介(やっかい)さもある。
# g' j0 t0 p/ r8 \! h) p
: A8 D( O! X8 H0 ?2 D3 W 民間(みんかん)企業(きぎょう)が元気(げんき)を取(と)り戻(もど)し、デフレ脱却(だっきゃく)への望(のぞ)みが出(で)たのであれば、ひとまず朗報(ろうほう)ではある。 ; K8 T8 t  \0 U7 h- G0 W6 N

+ W; C. Y9 ]9 |8 A/ ?- C しかし、プラスの見通(みとお)しといっても、前年度(ぜんねんど)比(ひ)でわずか0・1%である。それも日銀(にちぎん)による量的(りょうてき)緩和(かんわ)という超(ちょう)金融(きんゆう)緩和(かんわ)があってのことだ。
3 L0 M. Z$ j2 S
9 ^' i! H$ u6 d+ X( z+ d 今後(こんご)の焦点(しょうてん)は、その量的(りょうてき)緩和(かんわ)の行方(ゆくえ)だろう。解除(かいじょ)する条件(じょうけん)として、日銀(にちぎん)は「消費(しょうひ)者(しゃ)物価(ぶっか)の前年(ぜんねん)比(ひ)の上昇(じょうしょう)率(りつ)が、安定(あんてい)的(てき)にゼロ%以上(いじょう)になる」など三(みっ)つの条件(じょうけん)を示(しめ)しているが、それが満(み)たされているとはいえない。
3 l. L* B  h; f+ Y8 d9 c4 L6 T5 D7 C% g( ~, S4 {& A8 s
 ここで政策(せいさく)転換(てんかん)の思惑(おもわく)が広(ひろ)がると、長期(ちょうき)金利(きんり)が上(あ)がりだすなど、景気(けいき)に悪影響(あくえいきょう)を与(あた)えかねない。日銀(にちぎん)の福井(ふくい)俊彦(としひこ)総裁(そうさい)が記者(きしゃ)会見(かいけん)で、量的(りょうてき)緩和(かんわ)を当面(とうめん)継続(けいぞく)する姿勢(しせい)を示(しめ)したのは現実(げんじつ)的(てき)な判断(はんだん)といえる。
' p/ L" w+ O/ j: s9 V
0 Y/ a2 p1 I# U7 _1 } では、金融(きんゆう)政策(せいさく)とは車(くるま)の両輪(りょうりん)である財政(ざいせい)政策(せいさく)のかじはどう取(と)るべきだろうか。 & i; z8 x% b/ M3 H, ?5 H+ t# R3 t% }

: B! a; {# s8 g/ I+ b 小泉(こいずみ)政権(せいけん)では、公共(こうきょう)事業(じぎょう)費(ひ)を抑(おさ)えてきた。「デフレ克服(こくふく)が最(さい)優先(ゆうせん)」という立場(たちば)に立(た)てば、財政(ざいせい)政策(せいさく)を動員(どういん)し、減税(げんぜい)を拡大(かくだい)するような選択肢(せんたくし)もありうる。だが、実際(じっさい)には「金融(きんゆう)は超(ちょう)緩和(かんわ)でも、財政(ざいせい)では中立(ちゅうりつ)的(てき)かやや緊縮(きんしゅく)」という路線(ろせん)が選(えら)ばれている。
2 R6 Z" Z; k0 X: u* N5 K! |9 m
& h: Y# a& ~5 g5 N9 w! W+ M7 J, y 国(くに)と地方(ちほう)の借金(しゃっきん)の残高(ざんだか)が700兆(ちょう)円(えん)を超(こ)え、先進(せんしん)国(こく)で最悪(さいあく)の財政(ざいせい)状況(じょうきょう)である以上(いじょう)、財政(ざいせい)のアクセルを安易(あんい)に踏(ふ)み込(こ)むわけにはいかない、との判断(はんだん)からだろう。
. j3 J% n5 Q3 Q: I' W& ?, T- Y3 {2 I4 Q% J' J( D% E
 ここにきて財政(ざいせい)を拡張(かくちょう)させることなく景気(けいき)が回復(かいふく)しているのは、デフレが緩(ゆる)やかなものにとどまるのなら、経済(けいざい)成長(せいちょう)を続(つづ)けることも不可能(ふかのう)でないことを示(しめ)したといえる。 9 K; V( t* U/ A4 R# T
5 [8 r2 w; p) i
 ただ、財政(ざいせい)を急(きゅう)に緊縮(きんしゅく)に転(てん)じるのも危(あや)うい。福井(ふくい)総裁(そうさい)は、政府(せいふ)の財政(ざいせい)制度(せいど)等(とう)審議(しんぎ)会(かい)に出席(しゅっせき)した際(さい)に、財政(ざいせい)再建(さいけん)策(さく)に一定(いってい)の理解(りかい)は示(しめ)したが、「持続(じぞく)的(てき)な発展(はってん)の軌道(きどう)に復帰(ふっき)するのを確(たし)かめながら」という表現(ひょうげん)でクギをさしている。
2 ~" R/ R' L: U+ E7 F3 }, W( l; V+ E+ Z2 C' r+ L7 A% w; w6 k
 要(よう)は、景気(けいき)に十分(じゅうぶん)配慮(はいりょ)しながら、一(いち)歩(ほ)一歩(いっぽ)、財政(ざいせい)再建(さいけん)を進(すす)めるという考(かんが)えだろう。狭(せま)く厳(きび)しい道(みち)ではあるが、その方向(ほうこう)でいくしかないと思(おも)う。
8 J" m* O- |* ^) x! K  F8 M2 V+ K/ m2 D6 p# n1 H
 デフレの克服(こくふく)に向(む)け、金融(きんゆう)政策(せいさく)を中心(ちゅうしん)に引(ひ)き続(つづ)き努力(どりょく)するのはもちろんだが、それとあわせて、歳出(さいしゅつ)の無駄(むだ)を徹底的(てっていてき)に省(はぶ)いて効率(こうりつ)的(てき)な使(つか)い方(かた)を心(こころ)がけたい。
1 e+ i5 ^6 t6 f" w+ d, _# Q7 Z) y0 }7 A" u! n
 年金(ねんきん)制度(せいど)を信頼(しんらい)できるものに改(あらた)める。不良(ふりょう)債権(さいけん)の最終(さいしゅう)処理(しょり)を着実(ちゃくじつ)に進(すす)める。規制(きせい)改革(かいかく)を急(いそ)ぐ。そうした政策(せいさく)を通(つう)じて政府(せいふ)への信頼(しんらい)を回復(かいふく)させるのも、デフレから抜(ぬ)け出(だ)すことにつながる。
% x" m/ i, w1 n- K
& `* g8 B$ C& A( {( |--------------------------------------------------------------------------------
+ u1 u- l5 D3 Q% w5 s' [4 R5 P& B, q( K3 q- h3 j; v
環境(かんきょう)税(ぜい)――「いやだ」では済(す)まない: b0 _7 u( D+ |5 s6 {2 _0 i, A2 {5 L
% U5 ?) m& e$ r6 h9 u1 E9 n! p
 地球(ちきゅう)の温暖(おんだん)化(か)を防(ふせ)ぐための京都(きょうと)議定(ぎてい)書(しょ)の発効(はっこう)が近(ちか)づき、環境(かんきょう)税(ぜい)の議論(ぎろん)にも弾(はず)みがついてきた。環境(かんきょう)税(ぜい)は欧州(おうしゅう)各国(かっこく)で導入(どうにゅう)されているが、日本(にっぽん)ではここ数(すう)年(ねん)、話題(わだい)になりながらも先送(さきおく)りが続(つづ)いてきた。今度(こんど)こそ導入(どうにゅう)を真剣(しんけん)に考(かんが)えてもらいたい。 # H! G+ h& _0 G! E
' H4 o  @/ _% M+ R. l# P
 炭素(たんそ)税(ぜい)ともいわれる環境(かんきょう)税(ぜい)は、石油(せきゆ)や石炭(せきたん)などの化石(かせき)燃料(ねんりょう)のほか、電気(でんき)やガスの消費(しょうひ)を対象(たいしょう)に、二酸化炭素(にさんかたんそ)の排出(はいしゅつ)量(りょう)に応(おう)じてかける税金(ぜいきん)だ。
( I1 E; [6 y4 p4 A+ D
" [$ i! @0 c7 P9 F 来年度(らいねんど)の導入(どうにゅう)をめざす環境省(かんきょうしょう)は、すでにガソリンや灯油(とうゆ)で1リットルあたり約(やく)2円(えん)という比較的(ひかくてき)低(ひく)い税率(ぜいりつ)案(あん)を提示(ていじ)している。 0 f: s+ {! {" U& U1 Y$ [5 O

7 T0 P8 e9 ~! M 約(やく)1兆(ちょう)円(えん)の税収(ぜいしゅう)は、風力(ふうりょく)や太陽光(たいようこう)など自然(しぜん)エネルギーを広(ひろ)めたり、省(しょう)エネ機器(きき)への買(か)い替(か)えを後押(あとお)ししたりする事業(じぎょう)に使(つか)うという。 : _/ d' l+ d! z' a3 J7 k
/ m! c% l( M+ u9 Z
 ガソリンなどの値段(ねだん)を高(たか)くして消費(しょうひ)を抑(おさ)える。温暖(おんだん)化(か)対策(たいさく)を強(つよ)める。環境(かんきょう)税(ぜい)による二(ふた)つの効果(こうか)で二酸化炭素(にさんかたんそ)を約(やく)10%減(へ)らせる。それが環境省(かんきょうしょう)の計算(けいさん)だ。税収(ぜいしゅう)を森林(しんりん)管理(かんり)に使(つか)いたい農水省(のうすいしょう)も来年度(らいねんど)からの導入(どうにゅう)を求(もと)め、後押(あとお)しをしている。 # U- \2 s& o9 s4 e; L
$ J- g, d  T% }' v" d3 C
 一方(いっぽう)、日本(にっぽん)経団連(けいだんれん)はここにきて反対(はんたい)の姿勢(しせい)をいっそう強(つよ)めている。
+ d8 P0 J* {7 [' I$ e8 K7 N2 u/ P6 k
 石炭(せきたん)やコークスを大量(たいりょう)に使(つか)う鉄鋼(てっこう)業界(ぎょうかい)では1600億(おく)円(えん)の税金(ぜいきん)が新(あら)たにかかるなど、産業(さんぎょう)界(かい)の負担(ふたん)が大(おお)きい。増税(ぞうぜい)は国際(こくさい)競争(きょうそう)力(りょく)をそぎ、技術(ぎじゅつ)開発(かいはつ)への投資(とうし)を減(へ)らすことになる。1リットル2円(えん)ぐらいでは消費(しょうひ)者(しゃ)がガソリン代(だい)や電気(でんき)代(だい)を節約(せつやく)しようとはしない――こうした反対(はんたい)の理由(りゆう)を並(なら)べている。
5 Z8 v+ {  Y9 n% W& J
1 K' C& x/ s7 Q8 O しかし、車(くるま)の排(はい)ガス規制(きせい)のように、目標(もくひょう)や制約(せいやく)を設(もう)けることで、技術(ぎじゅつ)水準(すいじゅん)を引(ひ)き上(あ)げ、経済(けいざい)を発展(はってん)させた例(れい)は多(おお)い。 / N; _0 }" U# t' p4 q) M' z1 _
( K5 d5 R0 c4 [" H! j
 いま世界(せかい)では「温暖(おんだん)化(か)対策(たいさく)」が省(しょう)エネ技術(ぎじゅつ)を前進(ぜんしん)させる原動力(げんどうりょく)になりつつある。トヨタのプリウスなど燃費(ねんぴ)のいいハイブリッド車(しゃ)がよく売(う)れる。家庭(かてい)用(よう)の燃料(ねんりょう)電池(でんち)の開発(かいはつ)が進(すす)む。いずれも温暖(おんだん)化(か)への関心(かんしん)が高(たか)まったからだろう。
- X1 q0 s8 {7 j( H9 v8 W8 ]2 R1 b. `* @7 T# f! S& T3 b
 環境(かんきょう)税(ぜい)の導入(どうにゅう)は省(しょう)エネ社会(しゃかい)をつくる決意(けつい)を示(しめ)すことでもある。時間(じかん)はかかるにしても、産業(さんぎょう)構造(こうぞう)や消費(しょうひ)者(しゃ)の意識(いしき)は変(か)わっていくだろう。
3 m) v; k4 o. w7 `- {/ U' |4 f2 a
5 G8 Y. o# y5 E0 s: w  z; b- `& K2 h6 k それに、経団連(けいだんれん)は反対(はんたい)でも、個々(ここ)の産業(さんぎょう)や企業(きぎょう)の本音(ほんね)はどうなのか。 5 P$ L3 h& i0 V

* Q! |/ m" U7 d' s1 H% u( I 昨年度(さくねんど)、環境省(かんきょうしょう)が実施(じっし)した約(やく)2800の大(だい)企業(きぎょう)へのアンケートでは、30%が「環境(かんきょう)税(ぜい)導入(どうにゅう)に賛成(さんせい)」「どちらかといえば賛成(さんせい)」だった。省(しょう)エネ社会(しゃかい)にビジネスの機会(きかい)を見(み)いだそうとする会社(かいしゃ)は少(すく)なくないのだ。
: ~# V+ c: W5 d5 ]. N3 m9 U1 X# r! L. g
 政府(せいふ)税制(ぜいせい)調査(ちょうさ)会(かい)は、来年度(らいねんど)の税制(ぜいせい)改正(かいせい)に向(む)けて環境省(かんきょうしょう)案(あん)を議論(ぎろん)する方針(ほうしん)である。だが、政府(せいふ)内(ない)では経団連(けいだんれん)と足並(あしな)みをそろえる経済(けいざい)産業(さんぎょう)省(しょう)の反対(はんたい)で調整(ちょうせい)が進(すす)みそうにない。 ; B3 H! a; E6 }4 w6 c

9 C- e- ^3 @( ~ 日本(にっぽん)は京都(きょうと)議定(ぎてい)書(しょ)で二酸化炭素(にさんかたんそ)などを6%減(へ)らす義務(ぎむ)を負(お)っている。その義務(ぎむ)を果(は)たすにはどうすべきか。各省(かくしょう)や産業(さんぎょう)界(かい)がまじめに話(はな)し合(あ)えば、妥協(だきょう)点(てん)が浮(う)かび上(あ)がるはずだ。
; f4 B# W0 M' k* h$ b2 t
: g4 R0 c# ?( ^7 ?! {: H/ m, h 「環境(かんきょう)税(ぜい)はいやだ」と入(い)り口(くち)で足踏(あしぶ)みしている時(とき)ではない。
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-11-3 15:15:36 | 显示全部楼层
11月(じゅういちがつ)03日(にち)付(づけ)
6 S# m% v& r/ z2 J2 D$ D& \4 t
0 r* t% r2 G: [% R  \    新(しん)球団(きゅうだん)――「楽(らく)」しく「天(てん)」高(たか)く舞(ま)え0 A4 D8 f! T* S' ]9 y( Z
9 R9 b7 M; S! q0 J
 プロ野球(やきゅう)パ・リーグの新(しん)球団(きゅうだん)に、楽天(らくてん)が選(えら)ばれた。
$ V& R1 v8 S7 R" R2 _: w0 |$ U4 y  @
 近鉄(きんてつ)とオリックスの合併(がっぺい)話(はなし)が持(も)ち上(あ)がったのが6月(ろくがつ)だ。それから延々(えんえん)と続(つづ)いていた球界(きゅうかい)の混乱(こんらん)に、ひと区切(くぎ)りがついた。1リーグ制(せい)への動(うご)きとそれに反発(はんぱつ)するストもあったが、来季(らいき)はこれまで通(とお)りセパ12球団(きゅうだん)で邌
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-11-5 13:07:51 | 显示全部楼层
11月(じゅういちがつ)04日(にち)付(づけ)* X$ X2 R0 W7 y9 a
" c6 C) f; y: y% u
    ブッシュ氏(し)再選(さいせん)――世界(せかい)との協調(きょうちょう)と融和(ゆうわ)を
* s; l3 I. F! f+ b# P4 _
! b8 ]% v# q8 R" w' A  i( w: N 大(だい)激戦(げきせん)となった米(べい)大統領(だいとうりょう)選(せん)を制(せい)したのは、共和党(きょうわとう)現職(げんしょく)のブッシュ氏(し)だった。イラク戦争(せんそう)やその単独(たんどく)行動(こうどう)主義(しゅぎ)に対(たい)して内外(ないがい)から批判(ひはん)や不信(ふしん)が渦(うず)を巻(ま)いているなかでの再選(さいせん)である。それにどう応(こた)えるのか。これからの4年間(ねんかん)、あらためて彼(かれ)の能力(のうりょく)と姿勢(しせい)が問(と)われる。
1 b- P/ D. I4 x5 }$ M0 o, s4 _0 Y( f* R, D
 イラクでの米兵(べいへい)の死者(ししゃ)が千(せん)人(にん)を超(こ)え、戦争(せんそう)の大義(たいぎ)の乏(とぼ)しさや大統領(だいとうりょう)の見通(みとお)しの甘(あま)さも明(あき)らかになった。それでもこれだけの支持(しじ)を集(あつ)めたのは、9・11後(ご)の「テロとの戦(たたか)い」での姿勢(しせい)が多(おお)くの共感(きょうかん)を得(え)たためだろう。経済(けいざい)の好転(こうてん)も幸(さいわ)いした。
. j& g# v: G! K% i  {' p# D8 s6 q* h0 j1 t& l7 S
●善戦(ぜんせん)したケリー氏(し) 
* ?' G) B% C, d% \
# o5 _6 C  G; p& d 3年(ねん)前(まえ)の9・11事件(じけん)は、米国(べいこく)社会(しゃかい)を変(か)えた。人々(ひとびと)は愛国(あいこく)的(てき)になり、保守(ほしゅ)的(てき)になった。そんななかで当初(とうしょ)はブッシュ氏(し)が圧倒的(あっとうてき)に有利(ゆうり)と言(い)われた選挙(せんきょ)戦(せん)だが、民主党(みんしゅとう)のケリー氏(し)は善戦(ぜんせん)した。 / b0 E  X5 t" p# E
' d9 D3 R) C/ y: A% o
 イラク戦争(せんそう)が米国(べいこく)の国際(こくさい)的(てき)な孤立(こりつ)を招(まね)いたことや、景気(けいき)が上向(うわむ)いても雇用(こよう)が伸(の)びないことを批判(ひはん)し、ブッシュ政権(せいけん)の下(した)で分断(ぶんだん)された米国(べいこく)の再(さい)統合(とうごう)を訴(うった)えた。それが、無党派(むとうは)層(そう)や若者(わかもの)の支持(しじ)を引(ひ)き寄(よ)せた。そして、ケリー氏(し)の言葉(ことば)通(どお)り、この大(だい)接戦(せっせん)は「分断(ぶんだん)された米国(べいこく)」の姿(すがた)をまざまざと見(み)せつけることになった。 , \( d7 E) ^, d6 {) k
- @0 B7 @$ B' K* p
 両(りょう)陣営(じんえい)が数(すう)百(ひゃく)億(おく)円(えん)を費(つい)やし、相手(あいて)候補(こうほ)を中傷(ちゅうしょう)する「ネガティブキャンペーン」が横行(おうこう)し、一部(いちぶ)の州(しゅう)で開票(かいひょう)に手間取(てまど)るなど、「民主(みんしゅ)主義(しゅぎ)の教師(きょうし)」を自任(じにん)する国(くに)らしからぬ大統領(だいとうりょう)選(せん)でもあった。 3 |4 _0 U4 q) r: x1 @; \( g0 g
2 [% k6 }4 a4 T% R2 ?+ P
 2期(き)目(め)の政権(せいけん)の第(だい)1の課題(かだい)は、イラク情勢(じょうせい)の立(た)て直(なお)しである。それにはまず、開戦(かいせん)の経緯(けいい)や占領(せんりょう)をめぐって欧州(おうしゅう)同盟(どうめい)国(こく)との間(あいだ)で深(ふか)まった亀裂(きれつ)を修復(しゅうふく)しなければならない。国連(こくれん)やアラブ諸国(しょこく)との連携(れんけい)を深(ふか)めることも不可欠(ふかけつ)だ。 " k& b. v& j5 l# ?: O
2 j# W7 ]2 m% b$ Z/ E4 M
 これまでと同(おな)じように国際(こくさい)協調(きょうちょう)を二(に)の次(つぎ)にし、軍事(ぐんじ)力(りょく)を頼(たよ)りに反米(はんべい)勢力(せいりょく)を抑(おさ)え込(こ)むことに汲々(きゅうきゅう)としているだけでは、安定(あんてい)や復興(ふっこう)は遠(とお)のくばかりだ。
2 n: f+ K* E+ Z% M5 Q
& `  [1 K4 o% n: S/ W/ P●イラク政策(せいさく)の転換(てんかん)を
$ T2 N3 b  V! ^- O' y
2 S/ P5 e4 r2 a8 G- V アラブ世界(せかい)での米国(べいこく)への信頼(しんらい)感(かん)を取(と)り戻(もど)すには、パレスチナ和平(わへい)への積極(せっきょく)的(てき)な関与(かんよ)も必要(ひつよう)になる。イスラエルのシャロン政権(せいけん)寄(よ)りの政策(せいさく)を切(き)り替(か)え、和平(わへい)のテーブルにイスラエルを着(つ)かせる決意(けつい)と努力(どりょく)が求(もと)められる。
) R* ~. v' ]" j) G: u6 f  R4 u4 A# ?& O" O' N& x* c
 選挙(せんきょ)前(まえ)に世界(せかい)各国(かっこく)で行(おこな)われた世論(せろん)調査(ちょうさ)は、欧州(おうしゅう)をはじめ多(おお)くの国(くに)でブッシュ氏(し)よりもケリー氏(し)の勝利(しょうり)を望(のぞ)む声(こえ)が多数(たすう)派(は)であることを示(しめ)していた。ブッシュ氏(し)はこの事実(じじつ)を軽(けい)んじてはいけない。まずイラクや中東(ちゅうとう)和平(わへい)に対(たい)する政策(せいさく)を転換(てんかん)することで、嫌(きら)われる米国(べいこく)から尊敬(そんけい)される米国(べいこく)への復活(ふっかつ)をめざすべきである。
* \9 f8 R9 y: U. S4 m6 _  f& P( @+ n" a6 D$ d! l
 世界(せかい)は米国(べいこく)抜(ぬ)きには動(うご)かないが、世界(せかい)の共感(きょうかん)がなければ米国(べいこく)の望(のぞ)む方向(ほうこう)には進(すす)まない。もしブッシュ政権(せいけん)が1期(き)目(め)の軌道(きどう)を修正(しゅうせい)しないなら、欧州(おうしゅう)との分断(ぶんだん)は決定的(けっていてき)になり、それは米国(べいこく)自身(じしん)の不利益(ふりえき)となって跳(は)ね返(かえ)るだろう。 ) w( B1 f1 a! _( I, K+ D+ g
5 K) W0 {' V! l) ~
 第(だい)2の課題(かだい)は、「二(ふた)つのアメリカ」があるとさえ言(い)われるようになった米国(べいこく)社会(しゃかい)の分裂(ぶんれつ)を修復(しゅうふく)することだ。 4 W5 b, n, K+ U2 f! |0 `( g: }

& R+ [$ ]8 Z6 j7 _9 x% f 4年(ねん)前(まえ)、ブッシュ氏(し)は「思(おも)いやりのある保守(ほしゅ)主義(しゅぎ)」を掲(かか)げて当選(とうせん)したが、実際(じっさい)には、同性(どうせい)の結婚(けっこん)を禁(きん)じる憲法(けんぽう)改正(かいせい)に賛同(さんどう)するなど、キリスト教(きょう)保守(ほしゅ)派(は)の主張(しゅちょう)に沿(そ)った政策(せいさく)を推(お)し進(すす)めてきた。特定(とくてい)の宗教(しゅうきょう)や価値(かち)観(かん)を政治(せいじ)の前面(ぜんめん)に押(お)し出(だ)すことは、国民(こくみん)を分断(ぶんだん)することにつながる。
6 {4 [4 o5 u, J, t, D  Y4 s% M( W# r3 C/ \) H
 米国(べいこく)の民主(みんしゅ)主義(しゅぎ)の強(つよ)さは、何(なに)より多様(たよう)な価値(かち)観(かん)を受(う)け入(い)れる寛容(かんよう)さにあったことを大統領(だいとうりょう)は思(おも)い起(お)こしてほしい。
- H9 W6 B* H% S3 Z8 k: e/ I
/ _) h0 G8 x2 h- C7 g7 w 第(だい)3の課題(かだい)は、拡大(かくだい)する貿易(ぼうえき)赤字(あかじ)と財政(ざいせい)赤字(あかじ)の「双子(ふたご)の赤字(あかじ)」が米国(べいこく)経済(けいざい)の土台(どだい)を揺(ゆ)るがすのを防(ふせ)ぐことだ。   N/ o7 M% j- v( E2 g

& x# z$ \* ?4 G3 U$ }7 j$ M 米国(べいこく)のこのところの経済(けいざい)成長(せいちょう)は、中国(ちゅうごく)の急(きゅう)成長(せいちょう)とともに、世界(せかい)的(てき)な好景気(こうけいき)を引(ひ)っぱってきた。しかし、金利(きんり)の引(ひ)き上(あ)げに石油(せきゆ)価格(かかく)の高騰(こうとう)が重(かさ)なり、米国(べいこく)経済(けいざい)は来年(らいねん)には減速(げんそく)するとの見方(みかた)が強(つよ)い。 1 y* M: U! }1 P7 h
( p  g" G% N8 R: l! q9 s
 一方(いっぽう)、大(だい)規模(きぼ)な減税(げんぜい)やイラク戦費(せんぴ)の膨張(ぼうちょう)で財政(ざいせい)赤字(あかじ)は拡大(かくだい)し、経常(けいじょう)収支(しゅうし)も悪化(あっか)している。このままでは、ドルの大幅(おおはば)な下落(げらく)を招(まね)くのは確実(かくじつ)で、世界(せかい)経済(けいざい)全体(ぜんたい)を混乱(こんらん)させることになりかねない。
& M8 \6 N, D8 V2 t$ r7 G1 D3 V& T  q# n
●日本(にっぽん)は発想(はっそう)の転換(てんかん)を # R; M2 ~0 _5 h8 w; F* x$ h' V

1 m% ]- `  q2 `$ O9 n* U6 Z ベトナム戦争(せんそう)が泥沼(どろぬま)化(か)するなかで進(すす)んだドル安(やす)が「ニクソン・ショック」を呼(よ)び起(お)こし、それが「オイルショック」にもつながっていった1970年代(ねんだい)初頭(しょとう)の教訓(きょうくん)を思(おも)い起(お)こしたい。 / G8 D% O2 o+ `5 D' ?5 [
, B0 S$ ?* r" J. G" X7 N- {
 「ブッシュ氏(し)にがんばってほしい」と本音(ほんね)をもらした小泉(こいずみ)首相(しゅしょう)は、この結果(けっか)に安堵(あんど)(あんど)しているだろう。しかし、今後(こんご)の4年間(ねんかん)もブッシュ政権(せいけん)を支持(しじ)するだけの日本(にっぽん)であるなら、世界(せかい)で独自(どくじ)の責任(せきにん)を果(は)たし、存在(そんざい)感(かん)を示(しめ)すことはできまい。
, T- j2 m, H% D& V$ W0 B
6 A* C0 C( A; s# A 朝鮮半島(ちょうせんはんとう)を含(ふく)む東(ひがし)アジアの安定(あんてい)度(ど)を高(たか)めるには、「政(せい)冷(ひや)経(けい)熱(ねつ)」と言(い)われる対(たい)中(ちゅう)関係(かんけい)を改善(かいぜん)することでアジアでの発言(はつげん)力(りょく)を強(つよ)め、そのうえで、米国(べいこく)に言(い)うべきことを言(い)う日本(にっぽん)でなければならない。
5 a4 R* I! z* x( Z- X6 @! u- E: g& }" v2 q+ p4 n
 1865年(ねん)、南北戦争(なんぼくせんそう)中(ちゅう)の選挙(せんきょ)で再選(さいせん)された共和党(きょうわとう)のリンカーン大統領(だいとうりょう)は2期(き)目(め)の就任(しゅうにん)演説(えんぜつ)で「全能(ぜんのう)なる神(かみ)はみずからの目的(もくてき)を持(も)っている」と述(の)べた。彼(かれ)が率(ひき)いた北(きた)軍(ぐん)の戦(たたか)いを「聖戦(せいせん)」視(し)せず、自分(じぶん)の立場(たちば)を相対(そうたい)化(か)して、分断(ぶんだん)された国(くに)の再(さい)統合(とうごう)を展望(てんぼう)しようとした。 6 d, x2 [& L+ X* E/ f' C) J& C

9 [5 T/ j$ e8 M/ H& w5 T0 w 内(うち)と外(そと)で深(ふか)まる溝(みぞ)をブッシュ氏(し)が埋(う)めるには、相手(あいて)の立場(たちば)を尊重(そんちょう)しつつ融和(ゆうわ)、協調(きょうちょう)していく勇気(ゆうき)が必要(ひつよう)だ。
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-11-5 13:09:01 | 显示全部楼层
11月(じゅういちがつ)05日(にち)付(づけ)
5 p& e% r# U- x: b     アメリカ――保守(ほしゅ)化(か)の波(なみ)が心配(しんぱい)だ% O" O- i; e* O0 e
: L9 H; M/ Q- j9 r; Q9 `
「私(わたし)と大統領(だいとうりょう)は米国(べいこく)の分裂(ぶんれつ)の危機(きき)について話(はな)し合(あ)い、統合(とうごう)のために共通(きょうつう)の基盤(きばん)を見(み)いだして共(とも)に進(すす)む必要(ひつよう)性(せい)を認(みと)め合(あ)った」(ケリー上院(じょういん)議員(ぎいん))
6 g+ s& F' I/ \: f) b. L3 R9 c9 Q" Z7 f5 F; D) o: A$ D4 }' e
 「我々(われわれ)は一(ひと)つの国(くに)、一(ひと)つの憲法(けんぽう)、一(ひと)つの未来(みらい)を共有(きょうゆう)している」(ブッシュ大統領(だいとうりょう)) . {8 A# O2 @/ V- f  L$ B/ c  }

" [  q1 H; ^3 `: e2 ?4 U 再選(さいせん)を果(は)たしたブッシュ氏(し)と敗(やぶ)れたケリー氏(し)は、ともに米国(べいこく)の「統合(とうごう)」を国民(こくみん)に訴(うった)えた。それほどに激(はげ)しく対立(たいりつ)した選挙(せんきょ)戦(せん)だった。
2 J8 r' a% L6 D+ R
0 S( n- X, j: A$ a' i2 z! V 選挙(せんきょ)戦(せん)を振(ふ)り返(かえ)ると、ケリー陣営(じんえい)がイラク戦争(せんそう)の失敗(しっぱい)や失業(しつぎょう)の増加(ぞうか)などブッシュ政権(せいけん)の政策(せいさく)を批判(ひはん)し、無党派(むとうは)層(そう)や共和党(きょうわとう)の穏健(おんけん)派(は)を取(と)り込(こ)もうとした。これに対(たい)して、ブッシュ陣営(じんえい)は妊娠(にんしん)中絶(ちゅうぜつ)の禁止(きんし)や同性(どうせい)の結婚(けっこん)の禁止(きんし)など倫理(りんり)的(てき)、宗教(しゅうきょう)的(てき)な価値(かち)観(かん)を強調(きょうちょう)することで、保守(ほしゅ)票(ひょう)の掘(ほ)り起(お)こしに努(つと)めた。
- D4 t( u" @0 w- W/ i4 @' t: p# b+ m7 c' u# L, I& z. K
 その結果(けっか)、投票(とうひょう)率(りつ)は60%前後(ぜんご)となり、この国(くに)としては非常(ひじょう)に高(たか)い水準(すいじゅん)となった。メディアの出口(でぐち)調査(ちょうさ)によると、リベラルでも保守(ほしゅ)でもないという中間(ちゅうかん)層(そう)は55%がケリー氏(し)に投票(とうひょう)した。その一方(いっぽう)、投票(とうひょう)者(しゃ)の22%を占(し)める人(ひと)が最(もっと)も重要(じゅうよう)な問題(もんだい)として「道徳的(どうとくてき)な価値(かち)」をあげた。
1 k% m/ u5 e' [1 z& z3 ]8 `+ i4 g/ _  F) v# s
 どちらの作戦(さくせん)も効果(こうか)があったということだが、ブッシュ陣営(じんえい)のほうが一(いち)枚(まい)上手(じょうず)だった。前回(ぜんかい)の選挙(せんきょ)で、対立(たいりつ)候補(こうほ)のゴア氏(し)に総(そう)得票(とくひょう)数(すう)で50万(まん)票(ひょう)余(よ)の差(さ)をつけられたブッシュ氏(し)は今回(こんかい)、史上(しじょう)最高(さいこう)の票(ひょう)を獲得(かくとく)し、ケリー氏(し)に350万(まん)票(ひょう)余(よ)の差(さ)をつけた。 5 ^# C! |5 z9 d2 Z1 ]1 M( N

9 a9 b" v5 d' q8 B ブッシュ戦略(せんりゃく)は、勢(いきお)いを増(ま)していた保守(ほしゅ)化(か)の波(なみ)をさらに勢(いきお)いづけ、上院(じょういん)や下院(かいん)で共和党(きょうわとう)が議席(ぎせき)数(すう)を伸(の)ばすことにもつながった。行政府(ぎょうせいふ)であるホワイトハウスと立法府(りっぽうふ)の議会(ぎかい)が組(く)み、思(おも)い切(き)った政策(せいさく)を実行(じっこう)する素地(そじ)ができたことになる。
0 B( \3 E; n& J8 M" r( U& G. B0 J, ~3 i3 r% m
 大統領(だいとうりょう)は共和党(きょうわとう)大会(たいかい)での受諾(じゅだく)演説(えんぜつ)で、何(なん)度(ど)も改革(かいかく)という言葉(ことば)を使(つか)い、教育(きょういく)や医療(いりょう)、福祉(ふくし)などの充実(じゅうじつ)を約束(やくそく)していた。2期(き)目(め)こそ、「思(おも)いやりのある保守(ほしゅ)主義(しゅぎ)」の政策(せいさく)を実行(じっこう)しようという意欲(いよく)を示(しめ)したものだろう。 9 L* V3 p8 \# y1 s' O# b

5 h9 {6 Y5 x  v! F とくに、医療(いりょう)保険(ほけん)に入(い)れない人々(ひとびと)に加入(かにゅう)の機会(きかい)をふやす施策(しさく)は急務(きゅうむ)だ。こうした改革(かいかく)は大(おお)いに期待(きたい)したい。
7 v( J. i; w" s
( w# ^. p: W5 @: Z 懸念(けねん)されるのは、国民(こくみん)の支持(しじ)、議会(ぎかい)の多数(たすう)与党(よとう)に過信(かしん)して、保守(ほしゅ)的(てき)な価値(かち)観(かん)や信仰(しんこう)心(しん)で、異(こと)なる考(かんが)えの人々(ひとびと)を無視(むし)して突(つ)き進(すす)むことだ。文化(ぶんか)や歴史(れきし)の違(ちが)いをわきまえず、自国(じこく)の考(かんが)えを押(お)し付(つ)ければ、反発(はんぱつ)が起(お)きるのは当然(とうぜん)で、イラクの混乱(こんらん)の一因(いちいん)にもなっている。
; c" \/ W, e4 p8 }8 |8 x& I3 R
. U# M+ x+ B# l8 l: [/ Z; L 国内(こくない)政策(せいさく)でも、医療(いりょう)の先端(せんたん)分野(ぶんや)のひとつである胚(はい)性(せい)幹(みき)細胞(さいぼう)の研究(けんきゅう)に対(たい)して、倫理(りんり)的(てき)な観点(かんてん)から厳(きび)しい制約(せいやく)を設(もう)けていることには、保守(ほしゅ)層(そう)からも批判(ひはん)が出(で)ている。減税(げんぜい)も規模(きぼ)が大(おお)きくなれば、財政(ざいせい)赤字(あかじ)を膨(ふく)らませるばかりでない。富裕(ふゆう)層(そう)への恩恵(おんけい)が貧困(ひんこん)層(そう)の不満(ふまん)を招(まね)くことにもなりかねない。 9 x0 X! O( F3 q0 h$ R
" K3 I# X" N# o) ]$ B3 F: r! B
 保守(ほしゅ)に頼(たよ)って再選(さいせん)を果(は)たした結果(けっか)、力(ちから)を増(ま)した保守(ほしゅ)の大波(おおなみ)が抑(おさ)えられなくなる。そんな事態(じたい)に陥(おちい)らぬよう、全体(ぜんたい)の均衡(きんこう)にも目配(めくば)りしてもらいたい。
: b. L. z" l- w/ w
8 _" s' d% p6 |- U8 k1 h--------------------------------------------------------------------------------
8 U# z# K( o9 g. y# p; a  D/ e; n5 {1 A+ K: c4 q
   DNA捜査(そうさ)――ルールを定(さだ)めて活用(かつよう)を
& o( N) W+ R. ?0 u  Q; Q- @0 N( s& l4 K4 S1 ]/ b; M) V3 E

6 R" H" ^1 q# X: ~! G 過去(かこ)に逮捕(たいほ)された人(ひと)のDNA型(がた)を全国(ぜんこく)共通(きょうつう)のデータベースにする構想(こうそう)を、警察庁(けいさつちょう)が進(すす)めている。犯罪(はんざい)現場(げんば)に残(のこ)された血痕(けっこん)や毛髪(もうはつ)のDNA型(がた)と照(て)らし合(あ)わせ、犯人(はんにん)の特定(とくてい)に結(むす)びつけようというのだ。
$ {. a9 ]  t0 z: k* C9 F; D, D! N5 D2 N0 u( J) _8 t
 DNAは、内部(ないぶ)の構造(こうぞう)が文字(もじ)のように連(つら)なり、遺伝(いでん)情報(じょうほう)を伝(つた)える。特定(とくてい)の文字(もじ)パターンが繰(く)り返(かえ)される部分(ぶぶん)が何(なん)カ所(しょ)かあり、人(ひと)によって回数(かいすう)が違(ちが)う。その回数(かいすう)を組(く)み合(あ)わせたのがDNA型(がた)だ。
# B$ `1 H! f9 I& |
! L" T$ c) y3 k/ P4 ] 今(いま)の分類(ぶんるい)法(ほう)では、同(おな)じ型(かた)の人(ひと)は1億(おく)8千(せん)万(まん)人(にん)に1人(にん)しかいない。親子(おやこ)の鑑定(かんてい)にも使(つか)われている。 * @3 G& K: e+ f: h1 I' m" }$ V

) k8 n8 a+ B; i$ f* K, D0 M 捜査(そうさ)で個人(こじん)を確認(かくにん)する主(おも)な決(き)め手(て)は指紋(しもん)だ。刑事(けいじ)訴訟(そしょう)法(ほう)に基(もと)づき、逮捕(たいほ)された人(ひと)は全員(ぜんいん)指紋(しもん)を採(と)られる。現在(げんざい)800万(まん)人(にん)の指紋(しもん)のデータベースがあり、全国(ぜんこく)の警察(けいさつ)がコンピューターで検索(けんさく)できる。
* h4 x2 `% t! X4 w$ Y" q6 g+ ~3 U+ T+ ?* S- V! U% k9 X3 f
 指紋(しもん)が残(のこ)っていなくても、犯人(はんにん)の血痕(けっこん)や毛髪(もうはつ)があれば、DNA型(がた)がわかる。ただ、過去(かこ)に逮捕(たいほ)された人(ひと)たちのデータベースがないと、それと突(つ)き合(あ)わせて犯人(はんにん)を割(わ)り出(だ)すことはできない。
: W5 Z' S  l) {/ j  f' H3 b1 l2 g8 {' v) \% R( Y
 逮捕(たいほ)者(しゃ)から採血(さいけつ)してDNA型(がた)を鑑定(かんてい)し、犯罪(はんざい)現場(げんば)から採(と)ったDNA型(がた)と照合(しょうごう)することは今(いま)も行(おこな)われている。採血(さいけつ)にはそのつど裁判所(さいばんしょ)の許可(きょか)が必要(ひつよう)で、昨年(さくねん)は、千(せん)件(けん)余(あま)りの事件(じけん)でDNA型(がた)の鑑定(かんてい)が捜査(そうさ)に使(つか)われた。
& I2 L* A5 ^: t3 K* P  L; t+ G* b9 i/ R% l( i: L3 A
 そうしたDNA型(がた)は各県(かくけん)の警察(けいさつ)本部(ほんぶ)によって個別(こべつ)に管理(かんり)されている。その垣根(かきね)をなくし、指紋(しもん)と同(おな)じように全国(ぜんこく)的(てき)なデータベースをつくれば、もっと捜査(そうさ)に役立(やくだ)つ。とくに、現場(げんば)に血液(けつえき)や体液(たいえき)が残(のこ)りやすい殺人(さつじん)や強姦(ごうかん)事件(じけん)では、容疑(ようぎ)者(しゃ)の割(わ)り出(だ)しに威力(いりょく)を発揮(はっき)するだろう。
& E9 A! Y, L0 I- d" D; r  V
5 v9 I! i  e  G 問題(もんだい)は、逮捕(たいほ)者(しゃ)のうち、誰(だれ)から採血(さいけつ)してデータベースをつくるかだ。
1 u! Y0 `' A; x: M9 w0 o5 w5 U( S( T  F  @5 h( p0 z
 指紋(しもん)と同(おな)じように扱(あつか)えばいい。そう考(かんが)える人(ひと)がいる一方(いっぽう)で、軽犯罪(けいはんざい)や過失(かしつ)の交通(こうつう)事故(じこ)で逮捕(たいほ)された人(ひと)からまで採血(さいけつ)するのは行(い)き過(す)ぎだという人(ひと)もいる。
% T* h  Y# m0 X
" S2 N% y9 n0 q7 k+ J: p, u  h  G2 B 慎重(しんちょう)論(ろん)が出(で)るのは、DNAが個人(こじん)情報(じょうほう)のかたまりだからだ。 ; ^6 P" W8 t, d" @

; D/ N8 f9 I) c# C7 l 鑑定(かんてい)するのはDNAまるごとではなく、遺伝(いでん)に関係(かんけい)ないとされる部分(ぶぶん)に限(かぎ)る。型(かた)の数字(すうじ)だけを記録(きろく)し、血液(けつえき)は廃棄(はいき)する。そう警察庁(けいさつちょう)は説明(せつめい)する。個人(こじん)情報(じょうほう)の秘密(ひみつ)を侵(おか)すことはないというのだ。 ) a0 {6 R) o- A: b# R' f
" F$ r2 c. K6 R4 s
 しかし、データベースに入(い)れる対象(たいしょう)者(しゃ)の範囲(はんい)は法律(ほうりつ)できちんと定(さだ)めるべきである。「捜査(そうさ)に必要(ひつよう)な場合(ばあい)」というようなあいまいなことでは、不安(ふあん)がぬぐえない。そもそもDNA型(がた)の利用(りよう)は犯罪(はんざい)捜査(そうさ)に限(かぎ)るべきことは、言(い)うまでもない。
# t; r5 X  u* l0 E% \3 R( s
: i6 H0 ~; V( e 手掛(てが)かりになるのは外国(がいこく)の例(れい)だ。国際(こくさい)刑事(けいじ)警察(けいさつ)機構(きこう)の2年(ねん)前(まえ)の調査(ちょうさ)では、41カ国(こく)がDNA型(がた)のデータベースを持(も)つ。 4 z7 G+ F: ^, `% {( n/ N$ n

5 m) }( v) u( u) e6 p" g 英国(えいこく)では、有罪(ゆうざい)が確定(かくてい)した人(ひと)らを登録(とうろく)し、その数(かず)は200万(まん)人(にん)を超(こ)える。ドイツでは重大(じゅうだい)犯罪(はんざい)を再(ふたた)び犯(おか)す恐(おそ)れがあると裁判所(さいばんしょ)が認(みと)めた人(ひと)らが対象(たいしょう)で、こちらは約(やく)20万(まん)人(にん)だ。 1 l7 {0 }& a9 [  g3 u

0 g  X$ V6 p9 ]/ S+ a1 S 議論(ぎろん)はこれから始(はじ)まる。多(おお)くの人(ひと)が納得(なっとく)する制度(せいど)をつくることが、社会(しゃかい)を犯罪(はんざい)から守(まも)ることにつながる。
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2004-11-8 09:27:42 | 显示全部楼层
11月(じゅういちがつ)08日(にち)付(づけ)
: Z# X5 _" N7 W" G    + x' r$ L- T0 J
    被災(ひさい)の子供(こども)――SOSを見落(みお)とさないで/ X) \' ~. U# @! a, f
! a) c/ i; \+ E# \! L2 ^' H
 新潟(にいがた)県(けん)中越(なかごえ)地震(じしん)の発生(はっせい)から半月(はんつき)がたち、被災(ひさい)地(ち)の小中学校(しょうちゅうがっこう)は今週(こんしゅう)からすべて授業(じゅぎょう)が再開(さいかい)される。教室(きょうしつ)を間借(まが)りする学校(がっこう)もあるが、避難(ひなん)所(しょ)に散(ち)らばって暮(く)らす子(こ)どもたちは、久(ひさ)しぶりに友達(ともだち)と会(あ)って笑顔(えがお)が広(ひろ)がることだろう。 " G  W8 w: d. X- L; K

3 h7 D4 h$ U2 W% q' D だが、元気(げんき)そうに見(み)える子(こ)どもたちも、激(はげ)しい揺(ゆ)れを体験(たいけん)したことで大(おお)きなストレスを抱(かか)えている。とりわけ低(てい)学年(がくねん)の子(こ)たちは心(こころ)の内(うち)を言葉(ことば)で表(あらわ)すことがむずかしく、ストレスをためがちだ。
4 ]6 q' B/ j4 L7 B4 \, {/ i( h  H6 @7 c5 e0 x* s& [
 どうしたら子(こ)どものSOSに気(き)づくことができるのか。阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)で心(こころ)のケアに取(と)り組(く)んだ教師(きょうし)たちが被災(ひさい)地(ち)を訪(おとず)れ、大震災(だいしんさい)の教訓(きょうくん)を伝(つた)えている。
# E9 y+ d2 ^1 O  L  L% w
5 c# m/ u3 r9 i$ T+ L 兵庫(ひょうご)県(けん)教委(きょうい)から派遣(はけん)された伊藤(いとう)進(すすむ)二(に)さん(52)ら6人(にん)の「震災(しんさい)・学校(がっこう)支援(しえん)チーム」である。山古志(やまこし)村(むら)の人々(ひとびと)が暮(く)らす避難(ひなん)所(しょ)などを回(まわ)った。手持(ても)ちぶさたにしている子(こ)どもを見(み)つけては話(はな)しかけた。
; L$ k3 c5 Y6 e5 \7 F+ c3 h% t2 P# ]- ?( _
 これから長岡(ながおか)市(し)で通(かよ)う小学校(しょうがっこう)はきれいすぎるよ。おじいちゃんが飼(か)っていたコイはどうしているのかなあ。村(むら)にはいつ戻(もど)れるようになるの。 + W: [; B4 w* y; U
# K9 l6 k& Z8 b7 R8 s
 時間(じかん)をかけて話(はな)すうちに、そんな不安(ふあん)がぽつりぽつりと口(くち)をついて出(で)てきた。
/ U; x* q5 F. o4 B& O* ]2 ^# R$ _& D) V) p, p+ n: m; }! [
 支援(しえん)チームは阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)をきっかけにつくられた。地震(じしん)はもちろん、大(おお)きな災害(さいがい)が起(お)こるたびに出(で)かけている。
$ L7 T6 J1 v2 l  `: w
* u- c! w% ^/ f& g1 w 阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)では、精神(せいしん)的(てき)な衝撃(しょうげき)による様々(さまざま)な症状(しょうじょう)が子(こ)どもたちに現(あらわ)れた。 ( q. _& m) P5 B2 ?' q0 x
- X9 _9 F( u+ I  \0 q
 幼稚園(ようちえん)児(じ)や小学生(しょうがくせい)が指(ゆび)をしゃぶり始(はじ)め、気(き)をひこうとして親(おや)にしがみつく。赤(あか)ちゃん返(かえ)りである。狭(せま)いところを怖(こわ)がってトイレに入(い)れなくなる子(こ)もいた。中学生(ちゅうがくせい)も落(お)ち着(つ)きがなくなり、無気力(むきりょく)になった。こうした症状(しょうじょう)は、揺(ゆ)れが大(おお)きかった地域(ちいき)ほどひどかった。
  ?' V' B/ {% z& L$ F; Y' A, h/ |: J+ v4 a) L: \
 まずは、じっくりと子(こ)どもの話(はなし)を聴(き)くことだ。幼(おさな)い子(こ)でも非常(ひじょう)事態(じたい)だと気(き)づき、言(い)いたいことを我慢(がまん)している。心(こころ)に抱(かか)える不安(ふあん)を吐(は)き出(だ)させ、必(かなら)ず元(もと)の生活(せいかつ)に戻(もど)ることができると言(い)って安心(あんしん)させる。避難(ひなん)所(しょ)の手伝(てつだ)いをさせ、立派(りっぱ)にできたとほめて、自信(じしん)をもたせてほしい。遊(あそ)びやスポーツも心(こころ)のケアに有効(ゆうこう)だろう。
7 ^2 E+ ~+ U. _. c( O" K2 p. c/ Q7 X+ z" a
 そんな助言(じょげん)を支援(しえん)チームから受(う)けて、授業(じゅぎょう)再開(さいかい)を控(ひか)えた山古志(やまこし)村(むら)の教師(きょうし)たちは少(すこ)し不安(ふあん)が和(やわ)らいだようだ。
. M8 v. p' J# V+ k7 ?  I2 `, V* x. w
% G% u0 U# f$ N" q 精神(せいしん)的(てき)な打撃(だげき)は長引(ながび)く傾向(けいこう)にある。阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)からまもなく10年(ねん)になるが、震災(しんさい)の影響(えいきょう)で心(こころ)のケアが必要(ひつよう)な小中学生(しょうちゅうがくせい)はいまなお1300人(にん)を超(こ)えている。
% Q, \0 B; X% G& B0 [8 M
( x1 D% a3 L1 d# m$ h4 w 震災(しんさい)そのものの恐怖(きょうふ)によるストレスに加(くわ)え、住(す)み慣(な)れた環境(かんきょう)が変(か)わったり、被災(ひさい)で親(おや)の仕事(しごと)がなくなったりしたことも大(おお)きな原因(げんいん)となっている。
6 g7 N& T' i+ y8 t# j$ E8 ~' E
6 e+ k' J1 d4 M  e( a* d 今回(こんかい)も被災(ひさい)地(ち)の教師(きょうし)たちは保護(ほご)者(しゃ)と手(て)を携(たずさ)えながら、子(こ)どものケアに取(と)り組(く)むことになる。学級(がっきゅう)担任(たんにん)をしながらでは負担(ふたん)が重(おも)い。阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)では、担任(たんにん)を持(も)たずに心(こころ)のケアに取(と)り組(く)む「教育(きょういく)復興(ふっこう)担当(たんとう)教員(きょういん)」が国(くに)の予算(よさん)で配置(はいち)された。今回(こんかい)も同(おな)じような措置(そち)をとってもらいたい。 $ ]4 I  x) x) [3 C* y6 P# i6 {& C

5 i, X( L6 @: ^1 V& b% E 「先生(せんせい)の笑顔(えがお)でどれだけ子(こ)どもが励(はげ)まされることか」。伊藤(いとう)さんはそう言(い)って、被災(ひさい)地(ち)の教師(きょうし)たちを力(ちから)づける。 * B" I/ D1 \5 ?: T6 ~

# }8 e# Z7 u. D+ G) Z& K--------------------------------------------------------------------------------
2 J3 t! u: {$ `& {$ J5 z5 J6 ]. Q1 U& e* I
  カルザイ当選(とうせん)――アフガン復興(ふっこう)を支(ささ)えよう
# x# o6 s  Z' ]4 |6 T0 y8 s
8 b( H: [1 b' Q  Q4 u- M5 R
1 ^6 i$ Q% C4 _" I$ H* ` アフガニスタンで初(はじ)めての大統領(だいとうりょう)選挙(せんきょ)の開票(かいひょう)作業(さぎょう)が終(お)わり、移行(いこう)政権(せいけん)の大統領(だいとうりょう)であるカルザイ氏(し)の当選(とうせん)が確定(かくてい)した。
+ W- Q, ~2 V' }# P: R- }  ?
' ~; C4 I% H: _ 得票(とくひょう)率(りつ)は55%。過半数(かはんすう)に達(たっ)したため、決選(けっせん)投票(とうひょう)を待(ま)つこともなかった。このことの意味(いみ)は重(おも)い。
6 p7 R1 T5 ?/ L/ X: T
: V  A2 t5 b, n$ M8 N& ]0 e アフガンの民族(みんぞく)構成(こうせい)は複雑(ふくざつ)だ。多数(たすう)派(は)のパシュトゥン人(じん)が4割(わり)強(きょう)を占(し)め、タジク人(じん)が2割(わり)台(だい)、ウズベク人(じん)とモンゴル系(けい)のハザラ人(じん)がそれぞれ1割(わり)弱(じゃく)、ほかに様々(さまざま)な少数(しょうすう)民族(みんぞく)が住(す)む。 + @$ e/ T$ q4 b

1 `1 I$ ?- }- b8 Y4 {$ I* u7 b7 _ 大統領(だいとうりょう)選(せん)には18人(にん)もの候補者(こうほしゃ)が立(た)ったため、「1回(かい)目(め)の投票(とうひょう)では決(き)まらないだろう」との見方(みかた)も有力(ゆうりょく)だった。各(かく)候補者(こうほしゃ)がそれぞれの民族(みんぞく)の票(ひょう)を取(と)り込(こ)んでしまう、と考(かんが)えられていたからだ。
# N: h0 t: U" ^  V) I' y( V* r( Z2 f  c7 S9 B% v6 R) h6 q0 y* k
 だが、カルザイ氏(し)の得票(とくひょう)はこうした予想(よそう)を覆(くつがえ)した。今(いま)の和平(わへい)の枠組(わくぐ)みを維持(いじ)し、現(げん)政権(せいけん)の下(した)で新(あたら)しい国(くに)づくりを進(すす)めたい。そうした人々(ひとびと)の思(おも)いが、民族(みんぞく)の壁(かべ)を
回复 支持 反对

使用道具 举报

您需要登录后才可以回帖 登录 | 注~册

本版积分规则

小黑屋|手机版|咖啡日语

GMT+8, 2025-9-12 05:34

Powered by Discuz! X3.4

© 2001-2017 Comsenz Inc.

快速回复 返回顶部 返回列表