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发表于 2006-8-22 23:36:20
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第13章 ニコラス・フラメル
CHAPTER THIRTEEN Nicolas Flamel
「みぞの鏡」を二度と探さないようにとダンブルドアに説得され、それからクリスマス休暇が終わるまで透明マントはハリーのトランクの底に仕舞い込まれたままだった。ハリーは鏡の中で見たものを忘れたいと思ったが、そう簡単にはいかなかった。毎晩悪夢にうなされた。高笑いが響き、両親が緑色の閃光とともに消え去る夢を何度も繰り返し見た。
ハリーがロンに夢のことを話すと、ロンが言った。
「ほら、ダンブルドアの言うとおりだよ。鏡を見て気が変になる人がいるって」
新学期が始まる一日前にハーマイオニーが帰ってきた。ロンとは違い、ハーマイオニーの気持は複雑だった。一方では、ハリーが三晩も続けてベッドを抜け出し、学校中をウロウロしたと聞いて驚きあきれたが(もしフィルチに捕まっていたら!)、一方、どうせそういうことならせめてニコラス・フラメルについてハリーが何か見つければよかったのに、と悔しがった。
図書館ではフラメルは見つからないと三人はほとんどあきらめかけていたが、ハリーは絶対どこかでその名前を見たことがあると確信していた。新学期が始まると再び十分間の休み時間中に必死で本を漁った。ハリーにはクィディッチの練習も始まったので二人より時間がなかった。
ウッドのしごきは前よりも厳しくなった。雪が雨に変わり、果てしなく降り続いてもウッドの意気込みは湿りつくことはなかった。ウッドはほとんど狂ってる、と双子のウィーズリーは文句をいったが、ハリーはウッドの味方だった。次の試合でハッフルパフに勝てば七年ぶりに寮対抗杯をスリザリンから取り戻せるのだ。確かに勝ちたいという気持はあったが、練習で疲れた後はあまり悪夢を見なくなるというのもハリーは意識していた。
ひときわ激しい雨でビショビショになり、泥んこになって練習している最中、ウッドが悪い知らせを漏らした。双子のウィーズリーが互いに急降下爆撃をしかけ、箒から落ちるふりをするのでウッドはカンカンに腹を立てて叫んだ。
「ふざけるのはやめろ! そんなことをすると、こんどの試合には負けるぞ。次の試合の審判はスネイプだ。スキあらばグリフィンドールから減点しようとねらってくるぞ」
とたんにジョージ・ウィーズリーは本当に箒から落ちてしまった。
「スネイプが審判をやるって?」
ジョージは口いっぱいの泥を吐きちらしながら急き込んで聞いた。
「スネイプがクィディッチの審判をやったことあるか? 僕たちがスリザリンに勝つかもしれないとなったら、きっとフェアでなくなるぜ」
チーム全員がジョージのそばに着地して文句を言いはじめた。
「僕のせいじゃない。僕たちは、つけ込む口実を与えないよう、絶対にフェアプレイをしなければ」
それはそうだとハリーは思った。しかしハリーには、クィディッチの試合中スネイプがそばにいると困る理由がもう一つあった……。
練習のあと、選手はいつもどおりおしゃべりをしていたが、ハリーはまっすぐグリフィンドールの談話室に戻った。ロンとハーマイオニーはチェスの対戦中だった。ハーマイオニーが負けるのはチェスだけだったが、負けるのは彼女にとっていいことだとハリーとロンは思っていた。
「今は話しかけないで」
ロンはハリーがそばに座るなりそう言った。
「集中しなくちゃ……なんかあったのか? なんて顔してるんだい」
他の人に聞かれないように小声でハリーは、スネイプが突然クィディッチの審判をやりたいと言い出した、という不吉なニュースを伝えた。ハーマイオニーとロンはすぐに反応した。
「試合に出ちゃだめよ」
「病気だって言えよ」
「足を折ったことにすれば」
「いっそ本当に足を折ってしまえ」
「できないよ。シーカーの補欠はいないんだ。僕が出ないとグリフィンドールはプレイできなくなってしまう」
その時、ネビルが談話室に倒れこんできた。どうやって肖像画の穴をはい登れたやら、両足がピッタリくっついたままで、「足縛りの呪い」をかけられたことがすぐわかる。グリフィンドール塔までずーっとウサギ跳びをしてきたに違いない。
みんな笑い転げたが、ハーマイオニーだけはすぐ立ち上がって呪いを解く呪文を唱えた。
両足がパッと離れ、ネビルは震えながら立ち上がった。
「どうしたの?」
ネビルをハリーとロンのそばに座らせながらハーマイオニーが尋ねた。
「マルフォイが……」
ネビルは震え声で答えた。
「図書館の外で出会ったの。だれかに呪文を試してみたかったって………」
「マクゴナガル先生のところに行きなさいよ! マルフォイがやったって報告するのよ!」
とハーマイオニーが急き立てた。
ネビルは首を横に振った。
「これ以上面倒はイヤだ」
「ネビル、マルフォイに立ち向かわなきゃだめだよ」
ロンが言った。
「あいつは平気でみんなをバカにしてる。だからといって屈服してヤツをつけ上がらせていいってもんじゃない」
「僕が勇気がなくてグリフィンドールにふさわしくないなんて、言わなくってもわかってるよ。マルフォイがさっきそう言ったから」
ネビルが声を詰まらせた。
ハリーはポケットを探って蛙チョコレートを取り出した。ハーマイオニーがクリスマスにくれたのが一つだけ残っていた。ハリーは今にも泣きそうになっているネビルにそれを差し出した。
「マルフォイが十人束になったって君には及ばないよ。組分け帽子に選ばれて君はグリフィンドールに入ったんだろう? マルフォイはどうだい? 腐れスリザリンに入れられたよ」
蛙チョコの包み紙を開けながら、ネビルはかすかにほほえんだ。
「ハリー、ありがとう……僕、もう寝るよ……カードあげる。集めてるんだろう?」
ネビルが行ってしまってから、ハリーは「有名魔法使いカード」を眺めた。
「またダンブルドアだ。僕が初めて見たカード……」
ハリーは息をのんだ。カードの裏を食い入るように見つめ、そしてロンとハーマイオニーの顔を見た。
「見つけたぞ!」
ハリーがささやいた。
「フラメルを見つけた! どっかで名前を見たことがあるって言ったよね。ホグワーツに来る汽車の中で見たんだ……聞いて……『ダンブルドア教授は特に、一九四五年、闇の魔法使い、グリンデルバルドを破ったこと、ドラゴンの血液の十二種類の利用法の発見、パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究などで有名』」
ハーマイオニーは跳び上がった。こんなに興奮したハーマイオニーを見るのは、三人の最初の宿題が採点されて戻ってきた時以来だった。
「ちょっと待ってて!」
ハーマイオニーは女子寮への階段を脱兎のごとくかけ上がっていった。どうしたんだろうとロンとハリーが顔を見交す間もないうちに、巨大な古い本を抱えてハーマイオニーが矢のように戻ってきた。
「この本で探してみようなんて考えつきもしなかったわ」
ハーマイオニーは興奮しながらささやいた。
「ちょっと軽い読書をしようと思って、ずいぶん前に図書館から借り出していたの」
「軽い?」とロンが口走った。
ハーマイオニーは、見つけるまで黙ってと言うなり、ブツブツ独り言を言いながらすごい勢いでページをめくりはじめた。
いよいよ探していたものを見つけた。
「これだわ! これよ!」
「もうしゃべってもいいのかな?」
とロンが不機嫌な声を出した。
ハーマイオニーはお構いなしにヒソヒソ声でドラマチックに読み上げた。「ニコラス・フラメルは、我々の知るかぎり、賢者の石の創造に成功した唯一の者!」
ハーマイオニーが期待したような反応がなかった。
「何、それ?」
ハリーとロンの反応がこれだ。
「まったく、もう。二人とも本を読まないの? ほら、ここ……読んでみて」
ハーマイオニーが二人の方に本を押して寄こした。二人は読みはじめた。
錬金術とは、『賢者の石』といわれる恐るべき力をもつ伝説の物質を創造することに関わる古代の学問であった。この『賢者の石』は、いかなる金属をも黄金に変える力があり、また飲めば不老不死になる『命の水』の源でもある。
『賢者の石』については何世紀にもわたって多くの報告がなされてきたが、現存する唯一の石は著名な錬金術師であり、オペラ愛好家であるニコラス・フラメル氏が所有している。フラメル氏は昨年六六五歳の誕生日を迎え、デポン州でペレネレ夫人(六五八歳)と静かに暮らしている。
ハリーとロンが読み終わると、ハーマイオニーが言った。
「ねっ? あの犬はフラメルの『賢者の石』を守っているに違いないわ! フラメルがダンブルドアに保管してくれって頼んだのよ。だって二人は友達だし、フラメルは誰かがねらっているのを知ってたのね。だからグリンゴッツから石を移して欲しかったんだわ!」
「金を作る石、決して死なないようにする石! スネイプがねらうのも無理ないよ。誰だって欲しいもの」とハリーが言った。
「それに『魔法界における最近の進歩に関する研究』に載ってなかったわけだ。だって六六五歳じゃ厳密には最近と言えないよな」とロンが続けた。
翌朝、「闇の魔術に対抗する防衛術」の授業で、狼人間にかまれた傷のさまざまな処置法についてノートを採りながら、ハリーとロンは自分が「賢者の石」を持っていたらどうするかを話していた。ロンが自分のクィディッチ・チームを買うと言ったとたん、ハリーはスネイプと試合のことを思い出した。
「僕、試合に出るよ」
ハリーはロンとハーマイオニーに言った。
「出なかったら、スリザリンの連中はスネイプが怖くて僕が試合に出なかったと思うだろう。目にもの見せてやる……僕たちが勝って、連中の顔から笑いを拭い去ってやる」
「グラウンドに落ちたあなたを、わたしたちが拭い去るようなハメにならなければね」
とハーマイオニーが言った。
二人に向かって強がりを言ったものの、試合が近づくにつれてハリーは不安になってきた。他の選手もあまり冷静ではいられなかった。七年近くスリザリンに取られっぱなしだった優勝を、手にすることができたならどんなにすばらしいだろう。でも審判が公正でなかったらそれは可能なことなのだろうか。
思い過ごしかもしれないが、ハリーはどこにいってもスネイプに出くわすような気がした。ハリーが一人ぽっちになった時に、捕まえようと、跡をつけてるのではないかと思うことが時々あった。魔法薬学の授業は毎週拷問にかけられているようだった。スネイプはハリーにとても辛くあたった。ハリーたちが「賢者の石」のことを知ったと気づいたのだろうか? そんなはずはないと思いながらも、時々ハリーはスネイプには人の心が読めるのではないかという恐ろしい思いに囚われてしまうのだった。 |
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