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楼主 |
发表于 2009-9-30 22:39:24
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しかし、このやり方は月々生産量が増大しているか、以前から能力不足で残業に追われているラインには適しているが、それ以外には造りすぎのムダが発生し、原価アップにつながることは前にも述べたとおりである。
何度も言うが、目的はあくまでも原価低減にあるのだから、能率の向上もこれに合致した方法がとられなければならない。造りすぎによるムダを排除して原価低減するためには、生産量と必要数とがイコールでなけれはならない。
では、必要数は何から決まるか。それは売れゆきである。すなわち、市場の動向から決まってくる。したがって、現場にとっては与えられたものであり、勝手に数量を増減できないと考えなければいけない。
だから、生産現場でおこなうべき能率向上も必要数を前提として、この範囲の中で達成しなければならない。
能率をものさしとして用いる場合は、以上のような考え方が根底になければならない。これがきちんと整理されていれば、造りすぎのムダが発生することは防げる。そして、能率向上=原価低減ということになるのである。
なお、必要数が改善前と変わらないか、減った場合の改善のやり方について、もう少し具体的に見てみよう。
この場合、工数低減をはかって能率を向上するということは、必要数から算出された生産タクトの中で作業の中のムダを省いて、できるだけ多くの仕事(働き)をしてもらうか、あるいは、人の作業の一部を自働化して、その分を別の仕事をしてもらい、次にこれを集めて、より少ない人間で生産活動をおこなうときにはじめて実現される。この際、機械設備や治工具、運搬用具など、すでに金を払ってしまったものは、どのような使い方をしても今後の原価には影響がない。必要数から算出された生産タクトどおりに使用されればよいのであって、機械の稼働率もこれによって決められてしまう。
これについては前項で説明したとおりである。
第2節個々の能率と全体の能率
能率の一般的な考え方を前節で述べた。これを具体的に工場にあてはめる前に、次の1つの例について考えてみよう。
毎秋、当社でもおこなわれるボートレースは、能率について考えるのに非常に興味深い例である。たとえば、エイトは8人のこぎ手の息がぴったり合って初めて、すばらしいスピードが出し得る。大体のピッチは40~50(1分間にこぐ数)であるが、これをコックスの合図に合わせてしっかり守る。したがって.ボートレースはどれだけ8人のバランスがとれているかの優劣を争っているとも言えよう。ところで、もし、8人の中の1人が「自分は力も強いし技もうまい。だからビッチ60でこいでやる」と言って、自分だけより速くこいだらどうなるだろう。前後の人とオールがぶつかるし、左右のバランスがくずれて、舟は蛇行をはじめる。よりスピードをあげるつもりだったのが結果としてはバランスをくずし、かえって遅くなってしまう。言いかえると、8人で舟を前進させようとする力の合計は、ちょっとふえたが、効率がうんと落ちるわけである。まして8人がバラバラに全力をあげてこいだら、もはやポートは進まない。だからポート競技では全員がしっかりピッチを守ってこぐことが、一番効率のよいやり方であり、1人だけ速いことは、一人だけ遅いことと同じくらい悪いことなのである。
現場における生産の仕組みも、ボートレースと大変似かよったものがある。ピッチとは生産タク卜のことであり、これを守って生産していくことが全体の能率を高めていく。
タクトを無視して、ある作業者なり、あるラインがスピードを上げて生産をすると、個々の計算上の能率は向上しても、全体の能率は落ちてしまう。
これを具体的に工場に当てはめて考えてみよう。
工場を構成する最小の単位は一人一人の作業者であり、1台の設備である。
これが一つの部品なり工程を中心にまとめられ、ラインができている。さらに、ラインが何本か集まり、また、これをとりまく運搬、検査、保全といった部門および工務やスタッフによって、1つの工場が成立する。
原価低減を目標として能率を考える場合、このすべてのレベルで能率向上をはかる必要がある。というのは、現場においては一人一人の作業者も一つ一つの工程も、すべて前後左右に密接に関連づけされており、単独に存在するものはほとんどないからである。したがって、ある人の作業のやり方は他の人に影響をおよぼし、あるラインの造り方が、前後工程や運搬作業のやり方を規制することが多い。
ムダを発見して、これを排除しようと原因追及をすると、前工程や後工程や運搬工程の問題にたどりつくことが意外に多い。このことは自分(あるいは自工程)のみでなく、前後工程が能率のよしあしに、かなりの影響力を有していることを示している。
能率向上が原価低減に結びつくためには、この意味から言っても、すべてのレベルで効率のよいやり方がなされなくてはならない。
この節では、各レベルにおける能率向上の考え方についてふれたい。 |
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