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发表于 2006-3-21 13:20:43
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2006年03月21日(火曜日)付
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昨日、東京の都心部の墓地を通ると、前日の嵐で吹き飛ばされた花が幾つも墓の間に落ちていた。彼岸に入ってから供えられたような新しい花もあった。
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「今日と言ふ日。彼岸中日、春分の空が、朝から晴れて、雲雀(ひばり)は天に翔(かけ)り過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た」。国文学者で歌人でもあった折口信夫の小説『死者の書』(中公文庫)は、彼岸が物語の節目になっている。
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舞台は奈良の都だ。貴族の姫・郎女(いらつめ)が、春の彼岸の中日に念願の千部の写経をなしとげる。その夜、神隠しに遭ったように屋敷から姿を消す。そして郎女と、以前に刑死して山に葬られた皇子(みこ)の魂の交感がつづられてゆく。. c. @* z1 d, m" E# }( ~8 ]* E/ X
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この幻想的な小説を原作にして、人形美術家の川本喜八郎さんが監督した人形アニメーション映画「死者の書」が、東京・神田の岩波ホールで公開されている。NHKの「三国志」の人形制作でも知られる川本監督は、生身の人間が演ずる時につきまとうにおいのない、澄明な世界をつくりあげた。1 n" C& ?/ a, O6 [. L- Z
* r/ `" O D) E4 P$ [ 郎女は、皇子の魂を鎮めようとして一心に機を織る。義務や理屈ではなく、何かにつかれたようにして持てる力を尽くし、完成させる。ひたむきな表情に、やがてやすらぎも宿った。
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現実の世界ではまぶしすぎるような営為が、人形の細やかなしぐさや表情によって真実味を帯びる。川本監督は、「過去の戦争や現在のテロが生み出す、すべてのやすまらぬ魂のことを思って作った」と述べている。郎女は、ひたむきさが秘める可能性を静かに示しているようだった。 |
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