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楼主 |
发表于 2006-8-22 23:45:24
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「地下で君とクィレル先生との間に起きたことは『秘密』でな。秘密ということはつまり、学校中が知っているというわけじゃ。君の友達のミスター・フレッド、ミスター・ジョージ・ウィーズリーは、たしか君にトイレの便座を送ったのう。君がおもしろがると思ったんじゃろう。だが、マダム・ポンフリーがあんまり衛生的ではないといって没収してしまった」
「像はここにどのくらいいるんですか?」
「三日間じゃよ。ミスター・ロナルド・ウィーズリーとミス・グレンジャーは君が気がついたと知ったらホッとするじゃろう。二人ともそれはそれは心配しておった」
「でも先生、『石』は……」
「君の気持をそらすことはできないようだね。よかろう。『石』だが、クィレル先生は君から石を取り上げることができなかった。わしがちょうど間に合って、食い止めた。しかし、君は一人で本当によくやった」
「先生があそこに? ハーマイオニーのふくろう便を受け取ったんですね?」
「いや、空中ですれ違ってしまったらしい。ロンドンに着いたとたん、わしがおるべき場所は出発してきた所だったとはっきり気がついたんじゃ。それでクィレルを君から引き離すのにやっと間に合った……」
「あの声は、先生だったんですか」
「遅すぎたかと心配したが」
「もう少しで手遅れのところでした。あれ以上長くは『石』を守ることはできなかったと思います……」
「いや、『石』ではなくて、ハリー、大切なのは君じゃよ……君があそこまで頑張ったことで危うく死ぬところだった。一瞬、もうだめかと、わしは肝を冷やしたよ。『石』じゃがの、あれはもう壊してしまった」
「壊した?」ハリーは呆然とした。
「でも、先生のお友達……ニコラス・フラメルは……」
「おお、ニコラスを知っているのかい?」
ダンブルドアがうれしそうに言った。
「君はずいぶんきちんと調べて、あのことに取り組んだんだね。わしはニコラスとおしゃべりしてな、こうするのが一番いいということになったんじゃ」
「でも、それじゃニコラスご夫妻は死んでしまうんじゃありませんか?」
「あの二人は、身辺をきちんと整理するのに十分な命の水を蓄えておる。それから、そうじゃ、二人は死ぬじゃろう」
ハリーの驚いた顔を見て、ダンブルドアがほほえんだ。
「君のように若い者にはわからんじゃろうが、ニコラスとペレネレにとって、死とは長い一日の終わりに眠りにつくようなものだ。結局、きちんと整理された心を持つ者にとっては、死は次の大いなる冒険に過ぎないのじゃ。よいか、『石』はそんなにすばらしいものではないのじゃ。欲しいだけのお金と命だなんて! 大方の人間が何よりもまずこの二つを選んでしまうじゃろう……困ったことに、どういうわけか人間は、自らにとって最悪のものを欲しがるくせがあるようじや」
ハリーは黙って横たわっていた。ダンブルドアは鼻歌を歌いながら天井の方を向いてほほえんだ。
「先生、ずーっと考えていたことなんですが……先生、『石』がなくなってしまっても、ヴォル……あの、『例のあの人』が……」
「ハリー、ヴォルデモートと呼びなさい。ものには必ず適切な名前を使いなさい。名前を恐れていると、そのもの自身に対する恐れも大きくなる」
「はい、先生。ヴォルデモートは他の手段でまた戻って来るんじゃありませんか。つまりいなくなってしまったわけではないですよね?」
「ハリー。いなくなったわけではない。どこかに行ってしまっただけじゃ。誰か乗り移る体を探していることじやろう。本当に生きているわけではないから、殺すこともできん。クィレルを死なせてしまった。自分の家来を、敵と同じように情け容赦なく扱う。それはさておきハリー、おまえがやったことはヴォルデモートが再び権力を手にするのを遅らせただけかもしれん。そして次に誰かがまた、一見勝ち目のない戦いをしなくてはならないのかもしれん。しかし、そうやって彼のねらいが何度も何度もくじかれ、遅れれば……そう、彼は二度と権力を取り戻すことができなくなるかもしれん」
ハリーはうなずいた。でも頭が痛くなるので、すぐにうなずくのをやめた。
「先生、僕、他にも、もし先生に教えていただけるなら、知りたいことがあるんですけど……真実を知りたいんです……」
「真実か」
ダンブルドアがため息をついた。
「それはとても美しくも恐ろしいものじゃ。だからこそ注意深く扱わなければなるまい。しかし、答えない方がいいというはっきりした理由がないかぎり、答えてあげよう。答えられない理由がある時には許してほしい。もちろん、わしは嘘はつかん」
「ヴォルデモートが母を殺したのは、僕を彼の魔手から守ろうとしたからだと言っていました。でも、そもそもなんで僕を殺したかったんでしょう?」
ダンブルドアが今度は深いため息をついた。
「おお、なんと、最初の質問なのにわしは答えてやることができん。今日は答えられん。今はだめじゃ。時が来ればわかるじゃろう……ハリー、今は忘れるがよい。もう少し大きくなれば……こんなことは聞きたくないじゃろうが……その時が来たらわかるじゃろう」
ハリーには、ここで食い下がってもどうにもならないということがわかった。
「でも、どうしてクィレルは僕に触われなかったんですか」
「君の母上は、君を守るために死んだ。ヴォルデモートに理解できないことがあるとすれば、それは愛じゃ。君の母上の愛情が、その愛の印を君に残していくほど強いものだったことに、彼は気づかなかった。傷跡のことではない。目に見える印ではない……それほどまでに深く愛を注いだということが、たとえ愛したその人がいなくなっても、永久に愛されたものを守る力になるのじゃ。それが君の肌に残っておる。クィレルのように憎しみ、欲望、野望に満ちた者、ヴォルデモートと魂を分け合うような者は、それがために君に触れることができんのじゃ。かくもすばらしいものによって刻印された君のような者に触れるのは、苦痛でしかなかったのじゃ」
ダンブルドアはその時、窓辺に止まった小鳥になぜかとても興味を持って、ハリーから目をそらした……そのすきにハリーはこっそりシーツで涙を拭うことができた。そしてやっと声が出るようになった時、ハリーはまた質問した。
「あの『透明マント』は……誰が僕に送ってくれたか、ご存知ですか?」
「ああ……君の父上が、たまたま、わしに預けていかれた。君の気に入るじゃろうと思ってな」
ダンブルドアの目がキラキラッとした。
「便利なものじゃ。君の父上がホグワーツに在学中は、もっぱらこれを使って台所に忍び込み、食べ物を失敬したものじゃ」
「そのほかにもお聞きしたいことが……」
「どんどん開くがよい」
「クィレルが言うには、スネイプが」
「ハリー、スネイプ先生じゃろう」
「はい。その人です……クィレルが言ったんですが、彼が僕のことを憎むのは、僕の父を憎んでいたからだと。それは本当ですか?」
「そうじゃな、お互いに嫌っておった。君とミスター・マルフォイのようなものだ。そして、君の父上が行ったあることをスネイプは決して許せなかった」
「なんですか?」
「スネイプの命を救ったんじゃよ」
「なんですって?」
「さよう……」ダンブルドアは夢見るように話した。
「人の心とはおかしなものよ。のう? スネイプ先生は君の父上に借りがあるのが我慢ならなかった……この一年間、スネイプは君を守るために全力を尽くした。これで父上と五分五分になると考えたのじゃ。そうすれば、心安らかに再び君の父上の思い出を憎むことができる、とな……」
ハリーは懸命に理解しょうとしたが、また頭がズキズキしてきたので考えるのをやめた。
「先生もう一つあるんですが?」
「もう一つだけかい?」
「僕はどうやって鏡の中から『石』を取り出したんでしょう?」
「おぉ、これは聞いてくれてうれしいのう。例の鏡を使うのはわしのアイデアの中でも一段とすばらしいものでな、ここだけの秘密じゃが、実はこれがすごいんじゃ。つまり『石』を見つけたい者だけが――よいか、見つけたい者であって、使いたい者ではないぞ――それを手に入れることができる。さもなければ、鏡に映るのは、黄金を作ったり、命の水を飲む姿だけじや。わしの脳みそは、時々自分でも驚くことを考えつくものよ……さあ、もう質問は終り。そろそろこのお菓子に取りかかってはどうかね。あっ! パーティー・ボッツの百味ビーンズがある! わしゃ若い時、不幸にもゲロの味に当たってのう。それ以来あまり好まんようになってしもうたのじゃ……でもこのおいしそうなタフィーなら大丈夫だと思わんか」
ダンブルドアはニコッとして、こんがり茶色のビーンを口に放り込んだ。とたんにむせかえってしまった。
「なんと、耳くそだ!」
校医のマダム・ポンフリーはいい人だったが、とても厳しかった。
「たったの五分でいいから」とハリーが懇願した。
「いいえ。絶対にいけません」
「ダンブルドア先生は入れてくださったのに……」
「そりゃ、校長先生ですから、ほかとは違います。あなたには休息が必要なんです」
「僕、休息してます。ほら、横になってるし。ねえ、マダム・ポンフリーお願い……」
「仕方ないわね。でも、五分だけですよ」
そして、ロンとハーマイオニーは病室に入れてもらえた。
「ハリー!」
ハーマイオニーは今にもまた両手でハリーを抱きしめそうだった。でも、思い留まってくれたので、頭がまだひどく痛むハリーはホッとした。
「あぁ、ハリー。私たち、あなたがもうダメかと……ダンブルドア先生がとても心配してらっしゃったのよ……」 |
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