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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2006-12-13 17:02:01 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月13日(水曜日)付( _2 _. r  V- U# o
3 ?% \0 E( j5 j3 X1 g
 アレキサンダー大王にまつわる伝説の一つに「ゴルディオスの結び目」の物語がある。紀元前、小アジアの古代国家の王ゴルディオスが、誰にも解けないという結び目をつくった。
7 k; [% q$ c( u$ u! H9 r# \2 ]: a# m& [' ^+ f5 d6 ?: Q9 j# F
 「この結び目を解く者こそアジアの来るべき支配者になる」との神託を受けたアレキサンダーは、剣で結び目を断ち切った。この結び目は、英語では複雑な問題という意味がある。
# r3 o7 g- ~/ p5 r3 ]6 w( h0 x1 u6 \4 h+ r
 「イラクという結び目を剣で切れば、ブッシュ政権は混沌(カオス)の支配者になるだけだろう」。イラクで、大量破壊兵器の査察に携わった元国連査察官スコット・リッター氏が著書でこう述べたのは、イラク開戦の前だった(『イラク戦争——ブッシュ政権が隠したい事実』星川淳訳・合同出版)。5 `/ K) c0 ?' G. o9 n
( @5 a- Z, d1 o3 a3 D: u
 当時リッター氏が主張していたように大量破壊兵器はみつからず、米政権はカオスの中にある。アナン国連事務総長は、イラクを内戦状態と断じて述べた。「一般国民が、残忍な独裁者がいても、今よりもましだったと考えるのは理解できる」( {( S' `) Z, b

; ^+ A! v" g6 ?0 ` 米政権はカオスからの「出口」を求めているようだ。しかし、取り返しのつかないあれだけの殺戮(さつりく)を顧みれば「出口」は簡単には語れないだろう。攻め込んだ側は、そこから出ればひとまず終わりかも知れない。だが、イラク国民にとっては更なる苦難への入り口でもある。6 a9 ^: v" ^7 z$ p" i- k' i3 A& j0 I
/ Z, l% [6 |4 |1 l. s) u6 J9 m
 世界唯一の超大国にとって、イラクという結び目は、そう難しく見えなかったのではないか。しかし、米国が断ち切れたと思った後に、本当のゴルディオスの結び目は現れた。それを解く手だての持ち合わせは、無いままだ。
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发表于 2006-12-13 17:03:52 | 显示全部楼层
原帖由 blueicenan 于 2006-12-12 18:41 发表) s4 T, p/ g! p% A% m" \+ e
楼主,请注意,很多地方乱码,尤其是结尾的地方,不知是不是我的电脑的问题

7 i3 p. r2 `( R: n! z是你的电脑不支持日文.需要设置.
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发表于 2006-12-14 01:50:25 | 显示全部楼层
取り返しのつかないあれだけの殺戮……3 P$ N2 r7 q, J* B! b$ j
それを解く手だての持ち合わせは、無いままだ。
4 L. J* M; ^0 n& x) `这两句没有看懂,能不能问一下什么意思~~
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发表于 2006-12-14 16:01:40 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月14日(木曜日)付
7 f# ^% C6 w& p/ @7 ^9 G6 K* i7 Z$ P+ E: w- @; Z9 f( r7 U
 長崎市で被爆した翌日、救護所で生後4カ月の次男に乳を含ませていた若い母親が、声をかけられた。「写真を撮らせてください」。「新型爆弾投下」の報を受けて福岡から駆けつけた陸軍報道部員、山端庸介さんだった。3 C2 L4 M8 {) u, N

7 s) y+ t" z/ l7 d, l4 g' r 「優しか声の男の人でした。あん時は、乳ば出しよったですが、恥ずかしいとか考える余裕もなくて、『はい』と答えたように思います」。ほおに傷を負った母親が胸をはだけ、やはり顔にケガをした幼子が乳房に吸いつく写真はこうして撮られた(加世田智秋編著『語り継ぐあの八月を』北水)。被爆の数日後に亡くなった長男に続いて次男も死亡する。
, i8 `3 f! Y& D1 m: W- E, g- [
, u- F) t) w/ l" n: a0 d 当時30歳だった母親、田中キヲさんが、91歳で亡くなった。元気だったころに取材した加世田さんに、毎年の原爆の慰霊祭には、失った子どもたちのためひたすら「ゆっくりと眠りなさい」と祈ると述べた。( c# ~% }( b6 v% h, g) i( Z
" _* F# B$ Z" m( d' m+ J) y
 そして、こう続けたという。「でも、何で半世紀過ぎても戦争がなくならんとですかな……本当に人間はしょうのない生き物だと思いますよ」
1 z; j/ i% m/ X+ v" R! X4 q7 D; w$ e0 g  t# h+ M; z; m
 山端さんは、後に原爆撮影のメモを書き残す。人間の記憶は、年々環境の変化や生活の変化で批判が甘くなったり、誤ったりする。しかし、「キャメラが把握した当時の冷厳なる事実は、少しも粉飾されず……冷静にそのまま皆様方の前に報告しております」(『ヒロシマナガサキ原爆写真?絵画集成』日本図書センター)。
; C9 y" R+ l2 g, `  ^8 s/ f, e% l! \4 K
 山端さんとキヲさんとの出会いは、いわば一瞬のことだった。その一瞬をとらえた一枚は、あの惨禍を永遠に語り続けてゆくだろう。
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发表于 2006-12-16 05:38:26 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月15日(金曜日)付
! G7 |' Q* G! r, p5 e街角に救世軍の社会鍋が立ち、人は時に立ち止まり、また立ち止まらずに行き交う。師走・極月も半ばまで来た。この一年を、住友生命が募集した「創作四字熟語」を見ながら顧みる。
* p" p: @8 D" C/ c0 W) {) r% W$ W2 ?2 |) g9 P8 L4 J1 H
 耐震偽装での証人喚問という重苦しい「住人怒色(じゅうにんどいろ)」で年があけたが、2月にはトリノ五輪で「銀盤反舞(ぎんばんそるまい)」が見られた。3月には、王ジャパンがWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で世界一に輝く「結果王来(けっかおうらい)」があり、夏の高校野球では「投姿端麗(とうしたんれい)」ありと、スポーツ界では明るい話題が幾つか続いた。, @6 h$ F# @. H. g  W

$ l+ t2 u% g5 E/ X% I8 S9 u3 c7 Z 秋には政権が交代し、「美治麗国(びじれいこく)」をうたう「晋総開店(しんそうかいてん)」があった。全国の高校に「逸修科目(いっしゅうかもく)」が広まっていたことが判明し、今は「いざなぎ」を超えるというが実感の伴わない「感無景気(かんむけいき)」の中にある。# v; L7 Z- y+ P/ C3 x
( P* }. V  M9 ^1 {+ l& U0 ]" l
 これらの作品に誘われて、最近の問題について、もどきを考えてみた。やらせのタウンミーティングは、いわば政府による「自作偽演(じさくぎえん)」だ。これでは、ものごとが「官求事態(かんきゅうじたい)」や「官求自在(かんきゅうじざい)」にされかねない。
/ j5 i3 N" m( E2 s6 h: W0 j$ M4 A4 g% l
 「岸回生風(きしかいせいふう)」の気配も漂う安倍首相は、官房長官時代の責任をとって報酬の一部を返納するという。しかし、小泉政権が掲げた直接対話について世論誘導の疑いが指摘されたことは深刻だ。前首相は、教育改革などで改めて本当の対話を試みてはどうか。
* T' p6 |7 E4 a: z' M' I7 P! a' r- [0 h3 W
 列島の北から南まで、知事の逮捕が相次いだ。誰にでも、「慢心創痍(まんしんそうい)」や「思考錯誤(しこうさくご)」に陥りかねない時はあるとしても、これでは「地方自沈(ちほうじちん)」だ。残る半月に、心が浮き立つようなことが一つでも多くあるようにと念じたい。
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发表于 2006-12-17 19:53:23 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月16日(土曜日)付
" q( q2 o& L& @6 ^. oフランスの作家で啓蒙(けいもう)思想家のルソーは、著書『エミール』で理想的な教育のあり方を熱っぽく語った。自然を偉大な教師とし、子どもの本性を尊重することを説く。9 N7 O. j) p9 U7 ^9 P: c: z
1 U* Z0 Z$ c4 {0 W6 h" m7 w
 そして最もよく教育された者とは、人生のよいこと悪いことに最もよく耐えられる者だと述べる。「だからほんとうの教育とは、教訓をあたえることではなく、訓練させることにある」(岩波文庫・今野一雄訳)。
, A, t" x; z8 n2 ?+ \) X1 z) F0 {* ~7 n8 `1 s
 従って、教える側に対しては厳しい。「一人の人間をつくることをあえてくわだてるには、その人自身が人間として完成していなければならない」という。これでは、資格のある人はまず居ないのではないかと考えてしまう。しかし、教育の根本を、それほどまでに厳粛なものととらえていた姿勢は、胸を打つ。
6 h7 y  V. v6 t
8 V5 _( c) o+ d( K1 c9 _ 教育基本法の改正を巡る国会の動きを見ていると、残念ながら、教育の根本を扱っているのだという厳粛さが伝わってこない。審議の質は、これまでにかけた時間だけでは測れないはずだ。) w7 l! f; K+ A1 i* K* k! X
# h# d  z  i5 \' v
 ましてや、この改正と密接に関係する政府主催の教育改革のタウンミーティングには「世論誘導」が指摘され、そのあきれた実態が明らかになったばかりだ。首相や文部科学相が報酬を返納し、文科省の幹部職員ら多数が処分されたことを軽く見過ぎてはいないか。$ A" s* s: J# l! l% Q7 B

1 p# y0 U+ u; t- S5 J 処分が出たからといって、あの「世論誘導」の集まりそのものが消滅したわけでもない。教育の現場や子どもたちに、国会の動きはどう映っただろうか。子どもたちや、そのまた子どもたちの未来にかかわる法案にふさわしくない、性急な採決だった。
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发表于 2006-12-17 19:54:55 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月17日(日曜日)付 9 N9 w- I) Y" j- b( x3 L( O
トランク二つとずだ袋一つを手押し車に載せて現れた学芸員が、15分かけて組み立てたのは、プラネタリウムだった。扇風機で空気をドームに送り込んで膨らませ、中に投影機をセットする。直径7メートル、高さ4・5メートルのドームに入ると、大阪の星空が広がっていた。( }" x7 C' k+ j; ^" F: I
# H* Q. S' S- E
 大阪市立科学館が購入したアルゼンチン製の「モバイル・プラネタリウム」だ。米国製や日本製と違って機能は少ないが、軽くて持ち運びが便利、操作も簡単で、何より安いという。売れている米国製のほぼ半値の220万円だった。タンゴやサッカーの国といったイメージだが、意外なものをつくっている。
9 p4 v- I* d: m0 ?7 }
: m8 O7 a/ W" p" p9 y# ~5 P. I9 o1 i 一度に50人が入ることができる。あすから市役所の玄関ホールにお目見えする予定だ。今後は科学館に来られない子どもたちのために、病院や学校に「出前」をすることにしている。* \5 [3 O5 ~* |0 R+ J) _* i- X
# D& ]& E3 n5 L( Q( E0 k
 科学館には、ドームの直径26・5メートルの常設のプラネタリウムがある。日本では5番目の大きさで、世界でも5位だ。世界のベスト5は日本が独占しているそうだ。とはいっても大きさの話で、数では圧倒的に米国が多い。# O- i" G5 y; \) G* E8 K8 T
( Y5 P+ k- G, g+ c8 Z* z* [* [
 大阪はもともとプラネタリウムとかかわりのある街だ。科学館の前身にあたる電気科学館で37年(昭和12年)、東洋圏で初めてドイツ製のプラネタリウムが公開された。物珍しさに東京からも客が訪れたそうだ。
9 x' H( ^+ N2 }5 v
; u* k3 s8 b1 v/ Q2 w6 \ プラネタリウムでは、最近もっと小さい家庭用も人気を呼んでいる。2万円前後で、4畳半の部屋でも天井に「満天の星空」を映し出す。癒やし効果なのか、昨年の発売以来15万台を売り上げているという。
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发表于 2006-12-19 04:44:42 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月18日(月曜日)付
0 U( n  o" q! ~; r+ V地下鉄を降りると、魚のにおいがする。都営大江戸線の築地市場駅。朝日新聞の最寄り駅なので、毎朝のように鼻をくんくんさせている。年の瀬を迎えて、市場かいわいは、おせち料理の材料を買い求める人々でごった返し始めた。
1 t# ^  G( L8 V& [# f: z: V
' v* `" u7 i# {, m  I1 j2 `9 M 市場の正門に、気になる掲示板がある。日々、落とし物や忘れものが書き出されている。「ふぐ1尾、はも1尾、ひらめ2尾」「数の子」「かんぱち、あいなめ」「かわはぎ」などなど。おいしそうな品物がいつも並ぶ。9 {9 ]# J. k( `5 _
# Q; \1 H4 o% x( q5 I9 c5 Y& ]# I
 生ものが多いので、ついつい心配してしまう。腐る前に持ち主が現れればいいけれど、来ないときはどうするのだろう。出入りの業者が引き取って、さばくのか。そう思って、市場のベテラン職員に問い合わせたら、「去年まではそうでした」という答えが返ってきた。
4 P, N. d3 d4 `% w% z. ?3 }% b0 V
2 Z: I% y, U, n8 T' h 規則に沿って、業者が買い取る。その売上金を警察に届け出る。半年たって、だれも名乗りでなかったら、その代金を届け主にきちんと渡す。いまどき、ほっとするような制度があった。それが昨夏から、「安全と安心を優先させる」という理由で、日を置かずに廃棄処分にするようになった。& f) `7 r9 h$ _- d
2 ~+ t; L/ w  F. `6 b8 K- G
 「テロ対策」のひとつだという。保管中に爆発でもしたら困ると考えてのことだ。かつては、冷凍マグロが一匹ごろんと落ちていたり、逃げ出したスッポンが歩いていたりした。テロの影などなかった時代のこぼれ話だ。$ D/ }1 i+ l. J6 a

" P/ n0 E+ p) w  b で、スッポンはどうなったのか。さぞ高値がついたろうと思いきや違った。雑食なので、逃走中にゴミも食べたかもしれないと敬遠され、売れなかったらしい。
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发表于 2006-12-19 20:50:07 | 显示全部楼层

【天声人語】2006年12月19日(火曜日)付

 6人が、手を差し伸べてつなぎあう。表情は硬い。その思いはさまざまに、北朝鮮の核問題を巡る6者協議が約1年ぶりに北京で始まった。南北朝鮮と日米中ロの6者が並んだ写真から、ここにもう1本、「アジア」という手が差し伸べられるさまを想像した。
5 ?* @6 K' N/ N+ n) D2 s, _# ]! c
" r  V$ t! y3 B0 _6 e5 W9 p/ M 冷戦時代の緊張が残る朝鮮周辺の極東地域は、その動向がアジア全体の安全を大きく左右する可能性を常にはらんでいる。6者協議が、それを意識して進められるとしても、「アジア全体」という視点が加わることは無益ではないだろう。今回の6者協議が実のあるものになることを願いながら、その場に「アジア」というひと色が足りないような気がした。
4 w% O0 G( q1 J0 J8 `. o9 y8 z* i; Z; ~8 V# ]
 谷川雁に、「大地の商人」という詩集がある。「おれは大地の商人になろう/きのこを売ろう あくまでにがい茶を/色のひとつ足らぬ虹を」
9 R8 W" e: o7 \: }5 z6 ]
8 b6 a& H* W: p1 a" u& g 七色にひとつ足りない虹は、本来の虹ではない。しかし色がひとつ足りないことが、何かを強く希求し続けるような不思議なエネルギーや力を感じさせる。% \/ _5 w' u& ]! ]# k) `, F1 L

* ]2 F! M6 Z8 p$ X" M. T1 x; C% a" [ 日本が加盟して昨日でちょうど50年になった国連も、色のひとつ足りない虹かも知れない。世界の平和を維持し、生み出すことを期待されながら、現実には大国の思惑によって動きが左右されることも多かった。: H+ H( d5 a5 k! v9 i  G: o% }
  p: M4 ]( z# ~! f  \
 しかし国際社会に、虹になりうる仕組みは他に見あたらない。今の国連に楽観も悲観もせず、いつかはもう一つの色が出るように磨いてゆく。6者協議も国連による世界平和の実現も、気の遠くなるような道程が必要かもしれないが、掲げる旗は高い方がいい。
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发表于 2006-12-21 21:03:34 | 显示全部楼层

【天声人語】2006年12月20日(水曜日)付

 夜中に突然暴れ出す父親を持った幼なじみから、加藤紘一衆院議員が聞いたという。うなされたように叫び、家の物を手当たり次第に壊す。; ?4 ^. E( L& r' O9 J& b
6 U. Z1 k$ f: k8 @$ T) W
 戦争体験のあるその父親は我に返ると言った。「憲兵としてやらざるを得ずにやったことだけど、一日に三人を殺すのは、それはもう大変なことなんだ」。加藤氏は新刊の『テロルの真犯人』(講談社)で「殺した人間もまた、そのことによって苦しみつづける」と書いた。
4 Y+ B- x, j. P  G/ h: v+ R! ^5 G" }4 |, A: r& K9 W1 Q4 M/ Y
 直接には戦場を体験しなくとも、こうした実体験や鮮烈な記憶の伝達が確実に続けば、戦争の実相を次の世代に伝えられる。しかし加藤氏は懸念する。「戦争の記憶がほぼ完全に失われようとしているいま、フィクションがリアルにとってかわりつつあるように感じる」% w4 f& Z) l9 y) r* M- {
4 u( x, c% \; F/ n
 安倍晋三氏は、戦後生まれで初めての首相となった。前首相の小泉氏も戦場の体験は無い。政治のリーダーも国民も戦争を知らない世代で占められてゆく。そんな時代には、実体験よりもフィクション化された戦争の方が現実味を帯びて受け入れられかねない。, {, h: [, b# I3 y" g$ Y
% k& ]" `6 [. M2 R8 D# d
 加藤氏は「時代の空気」が靖国参拝を是とした首相を選び、メディアを通じて首相の参拝に反対した加藤氏の実家への放火テロを招いたとも述べている。時代や体制を問わず、言論が暴力で封じられた時には、権力によって惨禍がもたらされる。# l7 a8 C4 h8 F/ s6 w" ^
, L- w6 G( l* F  l" l
 その権力の動向を見つめ、暴走をとどめるために力を尽くすのが、言論活動に携わる者の大きな務めのひとつだ。あの加藤氏へのテロは、メディアへのテロでもあり、人間の尊厳に対するテロだった。
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发表于 2006-12-21 21:04:28 | 显示全部楼层

【天声人語】2006年12月21日(木曜日)付

 最近の言葉から。ドーハでのアジア大会開会式で、20年ぶりにイラク国旗が翻った。クウェート侵攻での資格停止が解けた。「国民の心になじんだこの国旗の下で戦えることを、誇りに思う」と選手。
' P# x$ g- `8 D, N
. ?+ e. J' t0 i 太平洋戦争の開戦から65年。京都市の陶芸家小川文齋さんは特攻隊で戦死した兄を思い、トンボを描いた作品を作ってきた。詩もある。「子供の頃の思い出は/とんぼとりに魚つり……落ちた兄貴よ海中の/花となるより願わくば/とんぼとなりて大空を飛べ」% m) g9 U& s: B0 f) ^2 K: Y7 E9 u

% q% u& p2 I' z# N/ l 開戦前夜、ナチスの青少年組織ヒトラー・ユーゲントが来日し、熱狂的な歓迎を受けた。伊勢神宮の近くで見た高橋三男さんが語る。「戦争なんて誰も内心は喜んでいなかった。しかし、気がつけば、それが言えない世の中になっていた」
6 H" A! ^) f' Q. x+ t4 J" b; H8 P/ Z
, R7 t. R  i9 n6 \! x" G 貧しい人向けの無担保融資でノーベル平和賞を受けたバングラデシュのグラミン銀行のユヌス総裁が述べた。「テロに軍事的に対処しては、うまく行きません。当面の問題は消えても、不公正の意識は残るからです」% \( J9 R2 B  T9 i: U

# ?" h7 i. `7 F6 L 徳島県の大田正・前知事は、故郷の山で「きこり」として働く。最近の自治体の問題について。「特定の人のためにでなく、すべての県民のためにお金を預かっていると肝に銘じれば、官製談合などできないはずなのに」
6 ]. `& m% G5 j* h: Y4 Y; k6 E! e( ~
 青色発光ダイオードを開発した中村修二さんが語る。「まだだれも行ったことがない場所を、飛行船にのって探検している気がした」。徳島大で学生結婚し地元に残った。「一番大きかったのは、私が日本の主流からはずれていたことかもしれない」
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发表于 2006-12-22 18:28:34 | 显示全部楼层

【天声人語】2006年12月22日(金曜日)付

 幼い頃から、とにかくよく眠る人だったようだ。「学校の授業も、半分以上眠っていただろう」。長じて俳句を詠むときには、俳号を「眠女(みんじょ)」にした(岸田今日子『あの季(とき)この季(とき)』知恵の森文庫)。
* r; f. ^' p4 C' y( ^+ d7 R" Y/ d( p! ~3 f5 k$ i3 n5 i4 B! \+ [( M8 c
 岸田さんが、76歳で亡くなった。睡眠過多症の他に高所恐怖症、方向音痴などを自認していた。ぼんやりとたたずめば、そのとらえどころのないようなところに確かな存在感が宿るという不思議な俳優だった。
% J& _. S2 C; K% J/ L2 C
5 V0 T2 e- z& p: f2 | 長い眠りからさめた大きな目には独特の輝きがあり、まなざしは人を現実から別世界へと誘うかのようだった。映画の「砂の女」や「秋刀魚(さんま)の味」、アニメのムーミン、そして童話の朗読。妖艶(ようえん)さや霊妙さに穏やかさと純真さを備えた独特の声を、ゆったりと転がすようにして演じ分けた。: {8 Y& P4 r0 n% A; V0 \

# p# B5 G6 J4 O+ C, K8 t 手元に1枚の手書きの資料がある。かつての本紙連載「新人国記」の取材班に岸田さんが寄せた。生年月日欄の生年が空白で、脇にこうある。「もう書かないことにしました」
, F( w  A& b1 m
0 u  c% t+ H8 E 名前の欄は当然ながら「岸田今日子」だが、ひときわ大きく書かれた「今」の字に妙な味わいがある。「ラ」のような部分が、あのふっくらとした唇を大きく開いて笑っているように見えてくる。6 {  i, C* Z" \& i# E
; }9 b- C8 R5 ^. Y: [* b2 N2 t1 z
 父は劇作家の岸田国士で、中学2年の時に岸田家で開かれた家族ら4人の句会が初めての句会だったという。〈黒猫の影は動かず紅葉散る〉はその時の一句で、大人びた感性がうかがえる。後年にはこんな句を詠む。〈春雨を髪に含みて人と逢う〉。少女と女とが早くから、そしていつまでも同居していたのかも知れない。
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发表于 2006-12-23 13:48:45 | 显示全部楼层
【天声人語】2006年12月23日(土曜日)付
( {8 r# L2 E, E4 Q& J: P' w4 E/ o) X2 H
永井荷風の日記「断腸亭日乗」には、税金に関する記述が繰り返し出てくる。税務署の指摘の細かさや厳しさについても記す。「楊枝の先にて重箱のすみをほじくるとは実にかくの如きことを謂ふなり」(『荷風全集』岩波書店)。5 J# [( c8 r+ g, s, g. ?) V1 k

6 X/ q: K# \5 i& _& e9 y 昭和6年の日付だから70年以上も前だが、この感想には、そう古びた感じがしない。納税は憲法で定められた国民の義務だが、いつの世にも税の悩みは尽きないのだろう。' `% k' W/ Z; g7 j  W* j9 Z7 |0 o
, |) K/ l: f" v4 ~( \
 古代の世界では、税の徴収は厳しく行われたという。エジプトにサッカラという都市があり、紀元前2300年ごろの浮き彫りに徴税の仕方が記されている。" C. [9 \# a& I" t5 V  F: N* }

) b6 r9 H; j* }- o' [1 I# ]1 x 3人の租税義務者が王の税務書記の前にひざまずき、もう1人の義務者が監視人に肩をつかまれ、むち打たれてひざまずかされている。違反者が柱に縛られ、むち打たれている場面もある(シュメルダース『租税の一般理論』中央大学出版部・中村英雄訳)。
/ b8 [  R: o8 {+ l8 u5 s+ h5 S  s6 r0 l2 w/ {- D9 ^- `
 こんな体罰こそないが、むち打たれる思いで税金を納めている人も少なくないだろう。その税金の取り方を議論する政府税制調査会の、就任したばかりの会長が辞任に追い込まれた。「一身上の都合」が辞任の理由だという。東京都心の格安の官舎に妻以外の女性と暮らしていたとすれば、納税する側は釈然としない。
- m! ]( e/ o; c. o7 ?% V9 [7 I/ J& O; W
 『国富論』で知られるアダム・スミスは、租税の原則のひとつに「公平」を挙げた。税の基本を議論し取りまとめる立場の人に、不公平感を招く優遇はそぐわない。安倍首相が事情を知っていたかどうかは分からないが、任命責任は決して軽くない。
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发表于 2006-12-26 18:26:40 | 显示全部楼层

【天声人語】2006年12月24日(日曜日)付

 歳末の混雑の中、高速道路の車が、歩くようにゆっくりと動くのが見える。街角には無数の豆電球が瞬き、どこからともなくクリスマスの歌が流れてくる。いつもながらの季節の光景だ。& f9 z' L" {; o5 \
2 D/ Z- t1 ]# M+ a) g  A4 G+ e: l9 @
 終戦の翌年というから今から60年前に、作家の太宰治からクリスマスプレゼントをもらった母と娘がいた。それは、ふたりをモデルにして太宰が書いた短編小説「メリイクリスマス」の載った雑誌「中央公論」だった。
: R* [: i# j0 ]" }" ?3 j! N% w2 _0 o+ j
 小説は、主人公の笠井が東京郊外の本屋で久しぶりに娘と出会うところで始まる。娘の母親は笠井にとって「思ひ出のひと」のひとりで、成長した娘の姿はまぶしく映った。娘は、はじめは母は健在だと言うが、笠井を案内して家の前まで来た時に突然泣き出し、空襲で亡くなったと告げる。
; s. ?* N+ |  k! N8 S. C1 F8 J, t
 ふたりは、母をしのんでしばらく店で飲む。居合わせた酔客が、通りを行く米兵に向かって出し抜けに叫ぶ場面で小説は終わる。「ハロー、メリイ、クリスマアス」。後味に敗戦の苦さも感じられる。* q& f  @) e$ o3 ^! C: ~! \
& {4 y0 M4 g; L1 _3 K2 a4 I+ L
 小説で娘の「シヅエ子ちゃん」として出てくるのが、当時18歳だった林聖子さんだ。実際には、母の富子さんは終戦から3年後に亡くなった。やがて、聖子さんは新宿に酒場「風紋」を開く。今月、45周年を迎えた。風に吹かれて姿を変えてゆく風紋のように、時代は移り変わった。「あっという間でしたね」と聖子さん。7 L1 o- q- m3 t- n% r9 c/ W4 ]
! Y+ \/ N' Y/ O
 60年前、太宰は着物の懐から雑誌を取り出して言った。「これは、ぼくのクリスマスプレゼント」。その時の、ひどくまじめな顔は、今も鮮やかに胸に残っているという。
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发表于 2006-12-26 18:27:22 | 显示全部楼层

【天声人語】2006年12月25日(月曜日)付

 今年最後の大レースを、このレースが最後となる馬が制した。昨日の有馬記念でのディープインパクトの勝ち方は、胸のすくものだった。; o) r8 @6 P7 Z- s' ~, I

' p* F3 a) G6 K/ @% K 後方からぐんぐん抜いていって、大きく引き離す。これは、いつも通りの勝利の形だという。しかし、激しく地をけって抜け出してゆく時の躍動感あふれる姿には、最後のレースにふさわしい輝きがあり、馬名のように大きくて深い衝撃があった。
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3 y7 L3 k2 o% _ 10月にパリで凱旋門賞に挑んだが3着で、欧州で禁止されている薬物が検出されて失格とされた。この暗い影を完全に吹き飛ばすような雪辱のレースにもなった。, q0 r; ~( Q6 _" f& @  T# r
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 結局、国内で敗れたのは、昨年の有馬記念だけだった。歴戦でのディープインパクトの勝利の陰には、敗れ去った馬たちがあり、賭けに敗れたファンたちも居た。& J7 h! g% t/ t/ C: `% ]

( s: k1 {; {) h  l 競馬を愛した寺山修司は「賭博には、人生では決して味わえぬ敗北の味がある」と述べている(『両手いっぱいの言葉』新潮文庫)。馬の勝ち負けと賭けの勝ち負けは別ものだが、勝利と勝者は限られ、敗北と敗者が限りなく多いところは通じている。そのことが、競馬が人を引きつける魅力の一つなのかも知れない。3 U6 m+ D0 x# A' F& |. c1 W6 T
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 ディープインパクトとは逆に、敗れ続けることで全国にその名が知れ渡ったのは、高知競馬のハルウララだった。勝たないことで人気が出る馬があり、勝ち続けて名を残す馬がある。ほかの多くの馬の歩みは、この2頭が描いてきた極端な軌跡の幅の内側にある。今年限りで引退の2頭に、人生の幅というものを重ねて見てきた人も少なくはないだろう。
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