【天声人語】2007年03月10日(土曜日)付
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焦げ茶色の鉛筆に、時代を映す標語が刻んである。「何んでも大切いくさの資源」。1945年3月10日の東京大空襲などを記録し、伝えてきた「東京大空襲?戦災資料センター」(東京都江東区)が今月、新装開館した。国民学校の教育といった戦時下の庶民の暮らしぶりや、それを破壊した空襲の実相が展示されている。
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h- t5 ^3 n9 Y0 r7 ]0 J 東京大空襲では、一夜で約10万人の命が奪われたとされる。昨日、その被災者や遺族が、国に損害賠償と謝罪を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。国家補償が整備された旧軍人?軍属と、一般被災者との格差が問い直される。
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原告側は、旧日本軍による中国?重慶への大爆撃などが米軍の作戦に影響を与えた点についても責任を問う考えだという。「戦災資料センター」の館長で作家の早乙女勝元さんが編んだ『母と子でみる 重慶からの手紙』(草の根出版会)も、日本の侵略や重慶爆撃が先にあり、その結果として東京大空襲があったと述べる。6 Y: i" M9 L2 `0 ~: R& |) Q( A
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もちろんそれは、東京大空襲が仕方がなかったなどということではない。米軍による民間人への無差別爆撃を問うのと同じように、日本による民間人への爆撃を肝に銘じ、省みることの大切さを指摘している。
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空襲を受けた記憶を持つ国や街は、日本や中国に限らない。ドイツのドレスデンやスペインのゲルニカの惨事が知られ、戦後もベトナムやアフガニスタンなどがあり、イラクでも多くが犠牲になった。6 a" ?5 b/ f5 k, U+ X. u
$ B1 d( o" s7 x9 q1 z5 ]7 u 3月10日。それは、そうしたあらゆる国と街の記憶をつなぎ、未来に伝えることを胸に刻む日でもある。 |