2007年05月18日(金曜日)付* g0 C N# Z' R3 U5 p& Z5 x' r
% R1 x" Q- V1 V, C- N; x/ V7 i: k 作家の安部譲二さんは86年の『塀の中の懲りない面々』で、刑務所を海の底にたとえた。「塀の外の海面がどんなに変わっても、底のところはまるで何時(いつ)もと同じままなのです」。そして、受刑者を管理するノウハウも時代によって大きく変わることはないと。. x; d$ N F: y* w9 b* B
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だからこそのニュースなのだろう。高いコンクリ塀ではなく金属フェンス、鉄格子の代わりに強化ガラスという「明るい刑務所」が、山口県美祢(みね)市にできた。大手警備会社など、民間が運営する国内初の施設だ。
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職員は刑務官などの公務員と民間が半々。定員は、初めて刑務所に入る男女各500人だ。安部さんが「冷蔵庫に閉じこめられたようなもの」と書いた独房には、ベッドとテレビがつく。受刑者の居所や動きは、上着のICタグで追う。$ M, R2 V# R# X
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犯人を捕らえ、裁判にかけ、刑を言い渡す。ここまでは国家権力そのもので、国の独占は揺るがない。だが、その先の収監、教育、職業訓練は、より効率的に民間で肩代わりできるだろう、というのが「民営」刑務所の発想だ。
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その昔、刑務所は「堅牢(けんろう)かつ虚飾を廃す」と決められていた。様変わりである。更生の期待が大きい初犯の受刑者なら、実社会に近い開放的な環境で、復帰に備えてもらうのも悪くない。国営より安上がりとなれば、なおさらだ。) i) y! G/ K" t' ? C
" A3 \3 u/ [2 c5 M: K3 f 外国人受刑者の急増などで、日本の刑務所は定員超過が続く。刑務官も足りない。メディア注視の中で真新しい個室に住まう人たちは、どうかこれ一度で懲りてほしい。次は「海の底の冷蔵庫」かもしれない。 |