2007年06月13日(水曜日)付
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19年前にコムスンを創設した榎本憲一さんは、福祉がまだ「施し」だった時代に、お年寄り本位の介護を先取りした。03年に亡くなる前、親交のあった人に「惜別の言葉」を残している。
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3 o. X1 T$ N6 @9 t8 L 「保険料という拠出で、連帯と共生によって(介護を)行うことは、日本国民の優しい英知であろう」「介護という仕事が、人を支え励まし、誇りある人生の結実に役立つことを信じています」。短いが、介護事業への「志」がこもる内容だ。9 q5 Q7 Z) E; O' Q& ?' P X- ?, h
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コムスンを継いだ折口雅博氏は、どこで舵(かじ)を切ったのか。その思い描く介護は「志」から離れ、いつしか「金のなる木」になっていった。ある社員は、利用者一人ひとりを「業績」としてしか見ない幹部に幻滅し、今年退職した。
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( j5 o2 w/ R( U: r/ Z1 x 介護もビジネスチャンスに違いない。しかし介護報酬の不正請求などが次々に明るみに出ては、「国民の優しい英知」を罠(わな)にかけたようなものだ。批判の中、氏の率いるグッドウィル・グループは介護事業から退場する。
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人が人を支えるのは、やはり尊いことだ。千葉県の池下和彦さんは、ヘルパーの力も借りて認知症の母を自宅で看取(みと)り、その日々を「母の詩集」(童話屋)に編んだ。〈たまに/ほんの数秒/母に正気の時間が与えられることがある/母は顔色を変え/訴える/迷惑を掛けてすまないと……与えられた正気の時間を/母は感謝の言葉に充ててしまう〉。6 u4 l) @' A5 H, Q; D% v; M& S
0 p" z; k5 }0 v G3 Y& X 派遣先での感謝の言葉に、誇りを感じる介護スタッフは多いことだろう。初志を忘れてしまった耳には、もう聞こえないのかもしれないが。 |