2007年08月26日(日曜日)付8 f( T, I& }; ]/ m4 H
御前崎を訪ねた。灰色の遠州灘から、波頭の連なりが静岡県南端の浜へと向かっていた。晩夏の眠る海は、秋から春、強い西風で表情を一変させる。84年から10年間、ウインドサーフィンの世界大会を開かせた一級の風である。6 G# n+ N4 V4 H) Z: D. D7 m; v
6 k0 W a- `2 c9 m2 O, w( | 「Life 天国で君に逢(あ)えたら」がきのう全国公開された。05年に38歳で逝ったプロウインドサーファー、飯島夏樹さんの半生の映画化だ。御前崎で出会い、共に世界を転戦し、病と闘った妻寛子(ひろこ)さんや、4人の子供との家族愛の物語でもある。
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肝臓にがんが見つかった02年から17回の入退院、そして余命3カ月の宣告。一家は最後の時を過ごすため、選手時代の拠点、ハワイに移る。それから半年、飯島さんは闘病記を執筆した。1 L4 i$ w0 _" c) O" |8 G: x
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薄黄色と水色の夕焼けに記す。「生の営みの最終章で、家族が仲良くひとつになって、誠実な仲間に囲まれ、ここに暮らせる事をとても幸せに思う」(『ガンに生かされて』新潮文庫)。
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一日刻みで生きる人の励みになればと、日々ゆれる体調を波回りや風向きに例え、死の5日前まで心情をつづった。未明の月に命をかみしめ、谷の朝風に元気をもらう。「弱くなってみて、初めて見えるものがたくさんある」。映画の「明るさ」は、主人公の前向きな姿勢に負うところが大きい。! x. m" w9 r4 t8 @' ^- S, j
& j# l! f2 U6 b! N% M エンドロールに飯島さん一家の笑顔の写真が重なる。〈海鳴る風に抱かれ/口ずさむメロディ……〉。桑田佳祐さんが寄せたバラードは、ハワイの貿易風のように優しく、切ない。涙を一度こらえたら、温かい勇気に満たされた。 |