2007年08月23日(木曜日)付! K! U8 _- Y: o! M% l% B$ X
6 n/ x: _( V, ~) s! c75年前の冬のこと、5人の乗った飛行艇「白鳩号」が大阪から福岡へ向かっていた。折からの吹雪に艇は針路を失う。空中分解して山に墜落し、全員が帰らぬ人となった。 I. }9 [$ }5 B+ t; ?
' k+ ^$ p# E: `, S$ a, O 原因は詳しく調べられたようだ。調査はまず、機体の散乱具合をもとに、時計の針を戻しながら、どんな順序で分解が進んだのかを突き止めた。さらに、さまざまな実証をへて、空中分解の端緒となった「翼の銅線の切断」にたどり着いた。& i7 V7 ?, z; E1 H3 J
2 ?0 D) l) A) h/ a, } 物理学者の寺田寅彦は、報告を読んで感心したらしい。「下手な探偵小説よりおもしろい」と感想を残している。そして、「銅線を強くすれば、少なくとも同じ原因による事故はなくなるわけだ」と事故調査の本質を突いた。「犯人捜し」ではなく、「再発の防止」が、調査の目的なのである。
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那覇空港で中華航空機が炎上した事故は、調査が進むにつれて、相当な燃料漏れがあったとわかってきたようだ。目撃者によれば「ジャージャー漏れていた」らしい。9 w) g* a& Q. I
4 Q% o. d0 J2 z+ G 水も漏らさぬはずが、なぜ蛇口でもひねったようになったのか。突き止め、対策が取られなければ、同じ旅客機に命を預ける気にはなれない。ベストセラー機で知られ、国内でも10機が飛んでいる。 W* Q9 F6 E# O- I; U7 s4 z
1 T: T! l& M! P2 I 75年前の新聞には、白鳩号の操縦士は「日本屈指」だったとある。腕前で飛んだ時代から、いまや技術の粋を集めたハイテク機である。800人を乗せる超大型機など、寅彦は想像もしなかっただろう。だが、力説した「真相を明らかにして後難をなくす」大切さは、時を経ても変わってはいない。 |