2007年08月18日(土曜日)付
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) t( n& ]8 _: n4 l( p& D作家の吉川英治は若い頃、雉(き)子郎(じろう)と号して川柳を詠んだ。家は貧しく、工場へ通う途中に焼き芋を買い、半分を朝飯に、半分を昼飯にした。そのころの一句、〈貧しさもあまりの果(はて)は笑ひ合い〉。
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暑さも、あまりの果ては笑い合うしかないのか。埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で、国内の最高気温となる40.9度を記録した。テレビに映る市民には苦笑いが目立った。お天道様には勝てない。あきらめ半分の苦笑だったかもしれない。1 M+ U$ D* P& E, _; y' Y; w2 x
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冷房という「逃げ場」のある現代人の、ゆとりの表情でもあろう。これまでの記録40.8度は、74年前に山形市で観測された。むろん冷房などない。地元紙は、「太陽がもう一尺でも地球に近づくなら生きとし生ける北半球の動物が焼死してしまう」と書いた。気息奄々(えんえん)、酷暑への恐怖さえ伝わってくる。, ~5 h/ t" i" P- x, N/ F c1 b- y
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当節は、暑さを逆手に取っての「街おこし」らしい。熊谷はもともと暑さで名高い。猛暑を「無形文化財」に見立て、イベントなどに取り組んできた。そして、めでたく日本一に。反対に、王座陥落の山形からは「悔しい」の声が届く。
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とはいえ、多くの命が熱中症に奪われている。暑気あたりを総称して「霍乱(かくらん)」という。鬼でも霍乱を病むのだから、お年寄りや子どもは注意が要る。暑さで売る熊谷あたり、霍乱予防の先進地も目指してはいかがだろう。4 C( E }/ S J: q2 D/ N$ O, P
3 w# ^4 V }. o なお真夏日の続くなか、雉子郎の句をもうひとつ。〈ざんざ雨河岸に涼しい灯が一つ〉。冷房頼みで乗り切る夏ではあるが、気持ちで「涼」を感じるゆとりも、失わずにいたい。 |