2400年前頃より妻問婚の江南人が弥生時代を形成し、その上に2000年前頃より朝鮮半島からの渡来人が重なり、ついに1700年前朝鮮半島からの最後の渡来人が大和政権を確立します。その後も朝鮮半島からは多数の帰化人が渡来し、最新の技術や中国の思想を持ち込みます。
彼ら朝鮮民族の祖先は、元々は中国東北(満州)からソ連沿海州の森林地帯に住んでいたツングース系の狩猟・漁労・採集民で(遊牧民=騎馬民族とは異なる)、農耕の開始とともに、農耕適地を求めて北方から半島部へ移動、定着していった民族と考えられます。一方、北方で伝統的生活様式に止まったものが満州民族を形成します。
黄河流域で勃発した略奪闘争は、玉突き的に中国東北部さらに朝鮮半島に及び、最終的に日本に押し出されてきたと考えられます。西域のモンゴル遊牧民や漢民族の私有婚の影響を強く受けていることは確かなのですが、日本で支配階級を形成しても、江南人由来の妻問婚(母系氏族を生活拠点とする母系制的対偶婚)を継承した点は注目に値します。彼らが私有婚に転換していたとしても、それほど長い歴史を持っていないことを示唆しています。私権支配しても、私有婚(父系制の嫁取婚)に転換しなかったのは世界でも稀で、本源性の残存に寄与したと思われます。
日本で私有婚(父系制の嫁取婚)が登場するのは室町(1390年~)頃からで、しかも渡来系の支配階級からではなく、武士階級から広がっていった点も面白い現象です。
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