079 *~ことか/*~ことだろう
どんなに + 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> + ことか
どれほど ことだろう
なんど
なんと
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♪ 会話 ♪
李 :忙しくて、てんやわんやなのに、あろうことか、うちのかみさん、風邪を引いちまってね。
山田:なんだ、そんなことか。僕はてっきり奥さんが大病で倒れたのかと、本気で心配してたんだぞ。
李 :「なんだ、そんなことか」はないだろう?女房が寝込むとどんなに大変なことかを思い知らされたよ。
♯ 解説 ♭
「~ことか/~ことだろう」は話し手個人の気持ちを表す感嘆表現で、「どんなに/どれほど/何度/なんと」などの副詞と呼応することが多いのでしょう。文末では「~ことか」「~ことだろう」のどちらを使ってもかまいませんが、会話では「~ことだろう/~ことでしょう」や、「なんと~こと!」のように「だろう」も省略して使うことが多いでしょう。「~ことか」はどちらかといえば、書面語に属します。
感嘆表現には「~ものだ」(→文型421)もありますが、使う場面が異なりますから、併せて参照してください。
§ 例文 §
1.君のことをどんなに心配したことか。でも、無事でよかった。
2.何度君に忠告したことか。しかし君はそれに耳を貸そうともしなかった。
3.あれからもう十年か、何と月日の経つのは早いことだろう。
4.いじめを受けて自殺した少年は、どんなに辛く、くやしかったことだろう。
5.あなたのいない毎日が、どれほど寂しかったことか。
★ 例題 ★
1) 今までに何度死にたいと思った(の/こと)か。(そんな/あんな)時、いつもこの子が私に生きる勇気を与え(てもらった/てくれた)んです。
2) 君のお父さん( )生きていたら、君の立派に成人した姿を見て、どれ( )( )喜んだこと( )( )( )。
*~ものか/*~ものですか
動詞・形容詞:原形/ない形 + ものか
もんか<口>
ものですか
もんですか<口>
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♪ 会話 ♪
良子:小平ときたら学校じゃ落ちこぼれだし、教室じゃお客さんもいいとこよ。それで塾に行くように言ったら、「学校の勉強なんかしたって役にたつもんか」だって。
李 :何かやりたいことがほかにあるなら、話は別だが。
良子:あるもんですか!屁理屈をこねるぐらいしか能がない子よ。わが子ながら、情けないったらありゃしない。
♯ 解説 ♭
「~ものか」は形式名詞「もの」が作る慣用文型で、動詞・形容詞の「原形/ない形」について、相手の考えや意見を否定し、強く「絶対~ない」と反発する反語表現になります。話し言葉として「~もんか」、丁寧体として「~ものですか/~もんですか」があります。
同じような反語表現に「~だろうか」(→文型161)がありますが、それと比較したとき、この「~ものか」はかなり強い反発・拒否・拒絶の感情や意志が表れる表現で、「決して~ない/絶対~ない」という断定より、はるかに激しい口調になります。
彼なんかにわかるものか。 ≒ 絶対わからない。
彼なんかにわかるだろうか。≒ たぶんわからないだろう。
§ 例文 §
1.持って生まれた性格が、そう簡単に変わるものか。
2.あてになるものですか、あんな男の言うことが。
3.この悔しさを忘れるものか。今度の試合では必ず勝ってみせる。
4.あなたなんかに、私の気持ちがわかってたまるもんですか。
5.やさしくて親切?あの男が?どこがやさしいもんか、外面がいいだけだよ。
★ 例題 ★
1) (知る/知らない)ものか。知っている(わりに/くせに)、(わざと/わざわざ)とぼけているんだよ。
2) 恩を仇で返す(ようだ→ )真似を(する→ )て、黙って(いる→ )ものか。 |