あの時、書けなかった想い-------第七回「きみまち恋文全国コンテスト」受賞作品101通。2 u( c3 u0 x' A2 ~4 N) M3 a# O* H* B
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二ツ井町は秋田県北部に位置し、北側を世界自然遺産の登録地、白神山地に接し、南側に樹齢300年の秋田杉が林立する仁鮒水沢スギ植物群落保護林を擁する山紫水明の地です。
5 c: w- l9 }- H+ [8 [! `' }$ N明治十四年、東北巡幸の折、この地を訪れた明治天皇は、夏の長旅を気遣う皇后のお手紙をここで受け取られました。& x8 a p1 q- b6 q. U7 p1 x; b
大宮の内にありても暑き日を1 j$ t+ h& W3 _" d( @$ ~* n
いかなる山か君は越ゆらむ
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) q2 r" [- U7 m1 I! L. G! \% z8 j皇后からの「恋文」をお読みになった明治天皇は、その地の美しさに深い印象を抱かれ、
! Y+ B6 v* \: ^" w「徯后阪(きみまちざか)」と命名されました。それが、現在の「きみまち阪」です。
# t3 @! i' a+ Y. w* V5 V5 ]! |この話にちなみ平成六年度から催されている「きみまち恋文全国コンテスト」は、毎年大きな反響を呼び、二ツ井町は「恋文の町」として全国的に知られるようになりました。3 Y. F% O' b' L2 r
9 C0 v7 T' M& e+ \+ Y今天先手录第一篇,这个是第七届大赛的「大賞」作品。
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キミの笑顔2 C% v9 P& _+ d( ~" n; w" Q
作者:秋元絵梨 栃木県・14歳・中学生
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あの頃の私は本当に荒れていた。精神がボロボロで、穴が開いているみたいに痛かった。$ n' k1 E6 {: Q
夜、一人で布団の中にこもって泣いた。声も出なくて、ただ涙だけが流れてて、ひどくつらくて痛かった。
( a u7 X" I9 ^# G2 c! Q6 E; xそんな毎日がめぐってくることさえも呪わしくて、本気で壊したいと願ったこともある。そんなことできるわけがない、ということもわかっていた。( c3 S$ r% n) Q8 j0 `" f
そんな自分が嫌で、憎らしくて、死んでしまった方が絶対に楽だと思い込んでいた。そんなバカな私に声をかけてくれたのがキミだった。
/ n3 b% q; |( a! m$ o- f! H# y$ Bキミはボロきれみたいな私を見て笑った。憎らしくなるくらい爽やかに、快活に笑ったんだ。$ L4 k+ T8 Z/ q3 N4 S* Q/ w
笑顔を「作る」だけだった私には、それが羨ましかった。6 [% D2 ^+ i) J, o! G9 X
「笑顔」を忘れていた私には、そんなことができるはずなかったから。% V% g9 ]! ~! C# Q/ ]
「死ぬとか言うな。お前死んだら、俺は泣くぞ。いいな!?泣くぞ!?」; n5 I1 Q, _! _3 i
励ましとか慰めなどではまったくないキミの言葉がうれしかった。いや、おかしかった、の方が正しいかもしれない。久しぶりに笑った。2 H, _2 k% O$ u! D
心の底から笑った私に、キミは自分の胸を貸してくれた。私は泣いた。赤ん坊にかえったみたいに泣いた。) C; F$ R& M8 Q' g- @, ^: J! s0 S
ただただ泣いて、ずっと頭に置いておいてくれたキミの手にも気づかないままだった。$ Q9 i* ^; X. C+ J0 d8 d1 Y
温かかったのか、冷たかったのかなんて覚えてないし、心地よかったと思った覚えもないけれど、まだまだ未発達だったキミの手を、私は好きになったんだ。0 e5 O% j' f7 z. c6 b
あの頃はまだ、恋愛感情とか、そういう類のものは持っていなかった。もっと純粋で素朴なものだったと思う。
( W6 @( {- c0 Bそれでも、キミのことは誰よりも好きで、今キミが私の前からいなくなれば、きっと足を地面につけたままなんて生きられない。" ?* R7 B N6 h4 D
だから、ずっとずっと、私のそばにいて下さい。" f* Q$ R3 [, `; I. Q
私の横で、憎々しいくらいキレイに笑っていて。それだけで私は頑張れるから。だから……。 |