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5)
私はゆっくりとだが、今まで捨て去ってきた自分自身を一つ一つ拾い始めていた。私がまだ幼かった頃、中学生や高校生の頃、大学生の頃、海外で生活していた頃・・・・、記憶は遥か昔まで遡っていった。そして、拾い上げた自分自身を、過去をたどりながらまた一つ一つなげていった。しかし、手のひらの中に似たような自分自身が一杯になると、私は巨大なジグソーパズルを前になす術がなくなり、呆然と立ち尽くしてしまうのだった。私に必要なのは、拒絶し続けてきた自分自身を受け入れることであった。
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我开始慢慢地,将从前遗弃的自己一个一个地重新捡回来。小时候的,初中高中时候的,大学时候的,在国外生活时候的・・・・记忆一直回溯到遥远的过往。然后,一边找寻着捡回来的自己和过去一边又将它们一个一个重新抛走。然而,当手掌上剩下的都是些差不多样子的自己时,我无法把这个巨大的拼图继续拼下去了,只能呆呆地站在那里。我需要的,是要接受自己一直拒绝接受的自己。
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気が付くと、私は今日もまたあてなく同じ質問と格闘していた。そして同じような結論に達するのであった。
回过神来,才发现自己今天又不自觉地与同一个问题纠缠了一番,而且得到的结论也是一样的。
胸の底に場所を得た得体の知れない不安は、満足というものを知らぬ私の感情を餌に、日に日に広がってきていた。そしていつか亀蜂の巣のように、私の体を内面から蝕み、すべてを奪い取ってしまうように思われた。私は全くなす術がなかった。私はただ、時折、閉ざされた安全な世界を離れて無理に外界と接触し、少しの肯定と勇気をもらってまたあの隠れ家に帰るのであった。これが現在における、重たい鉛色の世界に押しつぶされない唯一の方法でもあった。
占据在我心底的一种莫名其妙的不安,正把我不知满足的感情作为诱饵,日复一日地扩大地盘。而且我总觉得不知哪一天,它会把我的身体从里面侵蚀得象黄蜂巢似的,所有的东西都将被掏空。而我对此完全无能为力。我能做的,只有不时地离开紧闭着的安全的世界,硬着头皮跟外界接触,获取少许的肯定和勇气,然后再躲回那个隐秘的家。这也是现在防止自己被这个沉重的灰色世界压碎的唯一的方法。 |
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