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【天声人語】2006年10月13日(金曜日)付
霧の中で、B25がニューヨークの摩天楼に激突——。米軍の爆撃機がマンハッタンのエンパイアステートビルに突っ込んだのは、1945年の夏だった。この時、ビルは崩壊しなかった。
11日、小型機がマンハッタンの高層アパートに激突した。建物は崩れなかったが、現場からの映像に、9・11のテロで炎上し崩壊する摩天楼の姿を重ねた人も多かっただろう。現地の人たちが、悪夢の再来かと恐れたとしても無理はない。
今回はテロではなく、何かのトラブルが原因ではないかと伝えられる。摩天楼とは、天をこするほどの高い建物だ。テロの記憶も薄れない中、摩天楼の周りを民間機が自由に飛び回れるのだろうか。
ワシントン・ポスト紙によると、墜落は、ヘリコプターや小型機が低空で飛ぶことが可能な空域の近くで起きた。近くには、北朝鮮の「核」への対応を協議する国連本部もあり、少しずれていれば、墜落は世界にも影響を及ぼしかねなかった。現地では、ヘリコプターや小型機を車のように使う人もいるという。都市の安全確保と飛行の規制には、独特の兼ね合いがあるのかも知れない。
19世紀米国の詩人ホイットマンは、マンハッタンへの愛着を『草の葉』に繰り返し記した。「ウォルト・ホイットマン、一つの宇宙、マンハッタンの息子」「ああ林立する帆柱に縁どられたマンハッタンほどみごとで堂堂たるものがどこにあろう」(岩波文庫・酒本雅之訳)。
林立する摩天楼に縁取られた現代のマンハッタンには、テロの不安という憂愁の霧も漂っているようだ。
迷雾中、B25战斗机撞进纽约的摩天大楼——。这是1945年夏天美军轰炸机扎进曼哈顿帝国大厦时的情景。但当时大厦并没有倒塌。
本月11日、一架小型飞机撞向了曼哈顿一幢高层公寓。建筑物虽然没有倒塌、但通过电视看到现场情形的人不免将其与9・11恐怖袭击中摩天大楼冒着滚滚浓烟并最终倒塌的情景相重叠。也就难怪当地人惟恐是噩梦再现。
不过据说这次并不是恐怖袭击、而是飞机发生了某些故障。
摩天大楼、顾名思义似乎能摩擦到天的高层建筑。在恐怖袭击的记忆尚未烟消云散的今天、摩天大楼的周围就已经允许民用飞机自由的飞行了吗?
据华盛顿邮报报道、坠毁发生在允许直升飞机与小型机飞行的区域附近。坠毁地附近就是正在就北朝鲜核问题进行商议的联合国本部。有稍许偏差、此次坠毁或许已经对整个世界产生影响。据说在当地、很多人驾驶直升飞机和小型机就像开汽车一样平常。或许那里的城市安全保障与飞行规制之间存在某种独特的平衡也未可知。
19世纪的诗人惠特曼在他的《草叶集》中多次表达了他对曼哈顿的依恋之情。「沃尔特惠特曼、一个宇宙、曼哈顿的儿子」「在我看来,什么能比桅杆环绕的曼哈顿更加庄严动人的呢?」(岩波文庫・酒本雅之訳)。
如今被林立的摩天大楼环绕的曼哈顿、似乎又多了一层对恐怖袭击的担忧之雾。
[ 本帖最后由 askForMore 于 2006-10-13 14:19 编辑 ] |
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