这里转一点关于关西语的小特点,希望对听力能有点帮助,(学就算了,汗,关西话实在……不好听)
×なく1⇒のう、なしに
(例1) 金なんかのうてもなんとかなる。 (共通語) 金なんかなくてもなんとかなる。
(例2) もったいのうて捨てられへん。 (共通語) もったいなくて捨てられない。
(例3) 雨が降ってきたんで、仕方なしに引き返した。(共通語) 雨が降ってきたので、仕方なく引き返した。
共通語のこの「なく」は、形容詞「ない」(「少ない」「もったいない」「情けない」なんかも同様)の連用形。最近は若い人を中心に共通語である「なく」が横行しているが、関西語としては「のう」が好ましいと私は考える。
×なく2⇒ん、へん
(例1) 今日の会は行かんでもええんや。
今日の会は行かへんかってもええんや。 (共通語) 今日の会は行かなくてもいいんだ。
(例2) 最近は鯨を食べんようになった。
最近は鯨を食べへんようになった。 (共通語) 最近は鯨を食べなくなった。
共通語のこの「なく」は、打ち消しの助動詞「ない」の連用形。共通語の「ない」に対応する関西語は「へん」やけど、その連用形「なく」に相当する関西語はない。関西語では、それに対応する表現として「へん」や「ん」の終止形に「でも」「かっても」「ように」なんかを付け加える。最近は若い人を中心に共通語である「なく」が横行しているが、関西語としては「ん」や「へん」が好ましいと私は考える。
のう
(例1) もっと借金を少のうせなあかん。 (共通語) もっと借金を少なくしなければならない。
(例2) だんだん情けのうなってきた。 (共通語) だんだん情けなくなってきた。
共通語の「なく」は関西語ではつねに「のう」か言うたら、必ずしもそうやない。「なしに」とか、ほかの言葉がふさわしい場合がある。「のう」に接続助詞「て」がついて「のうて」となるものに関しては別項参照。
のうて
(例1) これは人間やのうて猫に見せるコマーシャルです。 (共通語) これは人間じゃなくて猫に見せるコマーシャルです。
これは99年秋やったと思うけど、ABCテレビの「おはようコールABC」という番組で和泉夏子さんがしゃべった言葉や。私はこれを聞いてカンドー(^_^)した。実は、聞いてカンドーせなあかんほど、この言い方をする人は少のうなってる。
実は「のうて」と言うためには、その前の「や」が決定的に重要や。ここで「や」の代わりに「じゃ」とか「では」と言うてしもたら、それに続く言葉は、自然の流れとして「なくて」になってしまう。
現実に関西でも(例2)みたいな言い方をする人が増えてきてる。
(例2) これは人間じゃなくて猫に見せるコマーシャルです。
これは人間ではなくて猫に見せるコマーシャルです。
文字で書いたら共通語と区別つかへん。まあ、それを関西アクセントでしゃべったら関西語やと言う考え方もあるかも知れへんけど、私は「人間やのうて」という言い方のほうに愛着を感じる。
や
(例1) きれいな夕焼けやなあ。 (共通語) きれいな夕焼けだなあ。
(例2) 夕焼けがきれいやなあ。 (共通語) 夕焼けがきれいだなあ。
(例3) 明日もええ天気やろ(ぅ)。 (共通語) 明日もいい天気だろう。
(例4) 昨日も夕焼けがきれいやった。(共通語) 昨日も夕焼けがきれいだった。
(例1)は助動詞(活用は形容動詞型)、(例2)は形容動詞の終止形の例である。(例3)と(例4)はそれぞれ形容動詞型活用の未然形と連用形の例である。なお、(例3)の関西語の語尾の(ぅ)はほとんど発音されないことが多い。
やのうて
(例1) 鯨は魚やのうて哺乳類や。 (共通語) 鯨は魚ではなくて哺乳類だ。
(関東語など)
鯨は魚じゃなくて哺乳類だ。
「やのうて」は、共通語の「では」に相当する「や」と、「なくて」に相当する「のうて」がつながった言葉である。関西語の「のうて」が自然に出てくるようにするためには、その前に「や」を使うことが決定的に重要である。というわけで、あえて「やのうて」をひとつの見出し語とした。「や」の代わりに「では」とか「じゃ」と言うてしまうと、そのあとには「のうて」やのうて「なくて」が出てしまう。
ん1
(例1) 今日の会には行かん。 (共通語) 今日の会には行かぬ。
(例2) 今日の会には行かんでもええんや。 (共通語) 今日の会には行かなくてもいいんだ。
この「ん」は、打ち消しの助動詞。共通語では「ぬ」。
次の例のように「へん」も同じように使われる。
(例3) 今日の会には行かへん。 (共通語) 今日の会には行かない。
(例4) 今日の会には行かへんかってもええねん。(共通語) 今日の会には行かなくてもいいのだ。
上の4つの例の中で、(例1)はちょっときつい感じがする。
ん2
(例1) たしかにここで見たんよ。 (共通語) たしかにここで見たのよ。
(例2) 本当にここで見たん? (共通語) 本当にここで見たの?
(例3) 飲むんはええけど、ほどほどにしときや。(共通語) 飲むのはいいけど、ほどほどにしておけよ。
この「ん」は助詞。共通語では「の」。関西語での用法は、断定・質問の終助詞と、準体言の格助詞と言われるものらしい。(例1)は断定の終助詞、(例2)は質問の終助詞、(例3)は準体言の格助詞。準体言の格助詞としては、「ん」の他に「の」や「のん」も使われる(例4、5)。 (例4) 飲むのはええけど、ほどほどにしときや。 (共通語) 飲むのはいいけど、ほどほどにしておけよ。
(例5) 飲むのんはええけど、ほどほどにしときや。 (共通語) 飲むのはいいけど、ほどほどにしておけよ。 |