バルブ
バルブは空気を入れる部分の弁である。5つの種類があり、バルブ形状に合致した空気入れを使わないと正しく充填できない。空気入れの中には、複数のバルブ(英・米か英・米・仏の組み合わせが多い)に対応した物も多くある。またバルブ間の変換アダプターも200円程度で売られている。
英式バルブ(ウッズバルブ、ダンロップバルブ)
日本ではいわゆるママチャリを中心にもっとも普及しているバルブ。虫ゴムと呼ばれる細いゴムチューブの弁が付く。空気漏れが少なくバルブの補修も容易だが、虫ゴムが劣化しやすく、これが劣化すると急速に空気漏れが起こるため、定期的に交換が必要。虫ゴムを使わないタイプの製品も発売されている。
米式バルブ(シュレッダーバルブ)
マウンテンバイクやBMXなど強度が必要な車種に採用される。バルブ外径が英式と同じ為、英式バルブ装備車と相互に交換することが可能。構造が単純で扱いやすい。また頑丈で空気も漏れにくいがやや重い。自動車やモーターサイクルと共通であるため、ガソリンスタンドで空気を入れてもらえる。
仏式バルブ(フレンチバルブ、プレスタバルブ)
ロードバイクやマウンテンバイクなどレース用の自転車でよく使われる。チューブラータイヤもほとんどこのタイプである。高圧の充填が可能。先端のナットを緩め、いったん押し込んで弁を開いてから充填する。軽量だが構造的に華奢である。仏→米アダプターを持っていると何かと便利。
競輪バルブ
基本的な構造は英式と同じだが、細い。競輪用のチューブラータイヤで使用される。
イタリアンバルブ(レヂナバルブ)
外観は仏式に似るが、ねじが外れるようになっている。ヨーロッパ(イタリア、ドイツなど)の一般車で見かけるが、日本国内ではまず見ない。
米式バルブと仏式バルブはその構造から専用の圧力計を使用して空気圧を計測することができる(米式なら自動車用ゲージが流用出来る)。このため、空気圧の調整・管理が容易であることから、競技・スポーツ用自転車のほとんどには、米式か仏式いずれかのバルブが採用されている。また、現在の英国では、実用車も含めて仏式バルブが主流である。 |