5.「戦略的互恵関係」の3つの柱
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; U9 n: E8 {3 W: H8 N0 U G1 w; b 互いがより対話を深められるという大きなチャンスを活かし、課題を克服するために、そして日中両国の大事な責任を共に果たすための関係が、「戦略的互恵関係」です。その核となる3つの柱、すなわち「互恵協力」、「国際貢献」、「相互理解·相互信頼」についてお話ししたいと思います。8 d% v" a D' Z& t4 r# b
: `2 n: q( u4 c- B$ B5 \( ~ (1)「互恵協力」, A2 A: O8 v$ z; o4 T
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「戦略的互恵関係」の第一の柱は「互恵協力」です。' z- v- `" t- \# X" J
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日中間の相互依存関係がますます深まりつつある現在、中国の順調な発展は、日本の発展にも大きく関わる問題です。この観点から、これまでの30年間、日本は中国の改革開放に向けた努力に対し、政府開発援助(ODA)の供与をはじめ、官民あげて支援、協力してきました。さらに、中国のWTOへの加盟についても、日本政府は早くからこれを支持しました。その背景には、日本国民の側においても、中国の改革開放の努力を支援することが、中国の将来のためのみならず、日本、ひいてはアジアや世界のためにも正しい選択であるという強い確信がありました。2008年は改革開放政策30周年という記念すべき年であり、このような年に北京においてオリンピックが開催されることは、中国が新たな発展の段階に入ったという意味で、誠に象徴的なことです。私は、心からお祝いすると同時に、成功裡に開催されることを、改めて強く期待をしております。
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( }5 R/ v- J. a3 z6 L 一方、中国では、このたびの党大会でも指摘されているように、急速な発展の「陰」の部分も顕在化してきました。よく言われる環境の悪化、沿海都市と内陸部の格差の拡大などがその例としてあげられます。
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環境をめぐる問題は、日本自身が1970年代に手痛い経験をしました。日本経済が高度成長を遂げる中で、水俣病、イタイイタイ病、四日市喘息をはじめとする四大公害とも称した程の公害問題が発生し、深刻な社会問題となりました。ほぼ同時期にオイルショックにも襲われ、省エネルギーへの真剣な取り組みも余儀なくされました。'8 L6 P/ v% Z, b5 f
% S+ B# D: h0 W2 d また、「社会主義国以上に社会主義的である」、といわれるほどの平等社会であったわが国ですが、最近ではグローバリゼーションが進む中でじわじわと格差問題が深刻化しています。"' S; t5 M* T: o" j
$ U6 o/ c- F, U7 j2 W8 C# B' E 本日私は温家宝総理から、このような問題に対応するため、中国が現在推進している「科学的発展観」を貫徹する中での「和諧社会」の実現という目標に対する、強い決意を伺いました。今後、中国側と相談しながら、日本として、改革開放支援から「和諧社会」実現のための協力に軸足を移していきたいと考えます。そうすることにより中国が安定、発展することは、友人であり隣国である日本としても、とても喜ばしいことだからです。"% J# C' i% s) I, f% l- P' K
/ G+ S% ]; _5 g0 q1 z$ _/ a1 c$ e- A その中で、とりわけ重要な分野は、環境·省エネ分野だと考えています。日本自身が経験した公害および、それへの対応など、私たちの成功と失敗の経験を、中国の皆さんの参考にしていただきたいと思います。いま、日本は、世界に誇り得る省エネ技術を持っております。私は、本日の首脳会談において、日中間での環境協力を推し進めるため、情報発信やネットワーキングを目的とした「日中環境情報プラザ」や「省エネ·環境協力相談センター」を中国国内に設置することを提案し、中国側からも賛同を得ました。また、3年間で1万人規模の環境·省エネ研修を行う考えであり、多くの中国の専門家や実務者を日本にお呼びし、我々の経験を共有して頂きたいと思います。2 X F( X+ v7 _' T) P, z
2 Z" i C, R# {/ I; m1 ~ さて、互恵協力を発展させるためには、知的財産権保護の強化も必要であります。これは、決して日中「対立」のテーマではなく、両国の発展につながる日中「協力」のテーマです。とりわけ模倣品·海賊版対策の強化は、経済の健全な発展、市民の安全·安心確保の観点から、日中が協力して効果的に対応していかなければなりません。国際社会における責務を果たすためには、官民が連携してイニシアティブを発揮し、知財保護に前向きな国家としての姿勢を示すことが大切です。6 W; j. w( T6 [$ J/ r
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先日、北京において、日中双方の関係閣僚による第1回日中ハイレベル経済対話が開催され、環境保護、知的財産権保護、更には貿易、投資、国際経済などの分野での意義ある対話がなされました。互恵協力の精神の下で、こうした対話をさらに進めていきたいと考えており、今後、対話の中から、日中間の協力が一つ一つ具体化されていくことを強く期待します。) j& D3 T. P5 G* m
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(2)「国際貢献」, G8 t) m# u, e6 i
7 z r9 s" l- L. P( z0 c2 `0 O, t 「戦略的互恵関係」の第二の柱が、「国際貢献」です。
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ヒト、モノ、カネ、情報など、あらゆるものが易々と国境を越える「ボーダーレスの時代」は、発展と連携のチャンスであるだけではなく、金融危機の連鎖や感染症の拡散など、様々なリスクをもたらすことを私たちは知っています。そこで日中両国政府は、手を携えてチャンスを拡大し、リスクを抑制しなければなりません。そのために両国は、狭い意味での日中関係だけを扱うことに埋没することなく、互いに視野を、両国関係の地平線の彼方に広げ、世界の潮流に沿った形でアジア、ひいては世界の安定と発展のために協力していく必要があります。ここで、私が考えるいくつかの問題を例示してみたいと思います。
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まず、テロとの闘いについて申し上げます。昨日、パキスタンでブットー元首相が亡くなられました。テロ行為は如何なる理由によっても正当化されるものではなく、今回の卑劣なテロ行為を断固として非難すると共に、ブットー元首相をはじめ犠牲になられた方々に心からのお悔やみを申し上げます。テロとの闘いは、日中両国を含め国際社会にとって共通の課題です。こうした面でも日中の連携が一層進むことを希望しています。
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7 y1 j2 e# _% J* L5 f9 _ 次に気候変動の問題です。気候変動は、今や国際社会が直面する最も重要な課題です。私たちの子孫に対して、如何に誠実に責任を果たすかという問題でもあります。日中双方が相手の立場を理解した上で、責任ある主要国として協力しつつ、その解決に向けて最大限の努力を行っていくことが大切です。今や巨大な国際的プレイヤーである中国が、気候変動の国際的枠組に積極的に参加することが、この問題解決のために必要不可欠であることを改めて強調したいと思います。9 m2 j6 E" z9 Y% i1 ^; _
, @" e4 Y Q! R" P5 \$ | また、北東アジアの平和と安全を考える時、喫緊の課題は北朝鮮をめぐる問題です。私たちは、最近の朝鮮半島の非核化プロセスにおける一定の進展を評価していますが、現在、このプロセスを更に進めて、北東アジアの平和と安定をより確固としたものにし得るか否かの重要な岐路に立っております。また、この非核化の問題とともに、拉致やミサイル等の問題を解決し、不幸な過去を清算して、もって北朝鮮との関係を正常なものにしたいと考えています。私は、このために日朝対話を強化していく考えです。この関係で、六者会合の議長国として問題解決に向けて重要な役割を果たされている中国と、より緊密に連携·協力していきます。
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さらに、国際社会の平和と安全に係る問題として、安保理を含む国連の改革も挙げられます。特に、戦後60年以上を経た国際社会の変遷にあわせる形で安保理を改革し、益々重くなるその役割を実効ある形で果たすようにすることは、国際社会全体にとっての課題です。この面でも是非対話を緊密にし、日中が協力して改革を進めたいと思っています。+ Q6 q- @6 ~* T
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アフリカは、引き続き厳しい現実に直面しています。サハラ以南のアフリカでは、疫病、栄養失調などが原因で、5歳の誕生日を迎えずに死んでしまう子供が1,000人中166人にものぼります。来年5月、日本政府は、アフリカの開発のための戦略や具体的な施策について話し合うため、「元気なアフリカを目指して」を基本メッセージとし、横浜で第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)を開催します。中国も、アフリカの大地における開発への取組について、対話を始められたと承知しています。そこで、日中がアフリカの持続的成長を助け、貧困から救うという共通の目標に向け共に行動し、相協力することができれば、とても素晴らしいと思いますし、ぜひ実現したいと考えております。& y2 n! K: S7 ]6 s& A6 {# U
# B1 b2 p6 N+ d+ N$ q( R2 S% } h3 u9 J 私は、中国の皆さんとの、こうした共同作業を通じて、世界中で日中協力の大輪の花を咲かせたいと心から願っています。 |