怖い時には「冷や冷やする」と言うが、本当に涼しくなるのか?
スーパーカメラを使って、科学的アプローチを試みた!
■お化け屋敷で実験
検証内容は、お化け屋敷に入る前と後の体温と皮膚表面温度の変化を見る。
「恐怖=涼しい」のならば、お化け屋敷を出た後で温度は下がるはず!
さらに亡霊たちが出現するポイントにサーモグラフィカメラを設置。
恐怖の瞬間の温度変化を実際の映像で確認する!
検証スタート!
入口付近で、心拍数は上がり始めたが、温度の差は出ていない。
最初の絶叫ポイント。亡霊が現われた瞬間、心拍数は一気に跳ね上がった!
温度の変化を見てみると…顔の温度が明らかに下がっているように見える。
続いてのポイントでは、なんと心拍数が194まで上昇!
この瞬間をサーモグラフィで見てみると、顔と腕全体の温度が下がっている!
開始から50分後。
ようやくお化け屋敷から出てきた
体温は…37.9度。
皮膚面温度は、28.1度。
結果、入る前と比べ体温は0.4度上昇したのに対し、皮膚面の温度は4.2度も下がった。
これは一体、どういうことなのか?
専門家に聞いてみると…
体内の温度と皮膚面の温度の温度差が、涼しく感じさせているのだという。
ではなぜ、恐怖を感じると体温は上昇するのに、皮膚面の温度は下がるのか?
人が恐怖を感じると、体内にアドレナリンが分泌され防御体制を取ろうとする。この時、筋肉に多くの血液を送ろうとするため、血管の筋肉が反応し、毛細血管に送っていた血液を制限する。すると毛細血管の先まで血管が通わず皮膚面の温度が下がるという。
この皮膚面と体温の温度差こそ、「恐怖=涼しい」と感じるメカニズムだったのだ!
■ホラー映画で実験
では、本当に恐怖を感じると皮膚面の血流量が減り、涼しいと感じるのか?
被験者6名にホラー映画を見てもらい、血流量と皮膚面温度の差を測る実験を行った。
500倍までズームアップできるスーパーカメラで、皮膚の薄い爪の根本部分の血液の流れを撮影してみることに。
平常時、複数の血管に血液が流れていた20代の女性の場合、ホラー映画を見ている最中に、血液の流れが鈍くなり、血管が薄くなっていくのがわかる…。
そして怖いシーンになると、血管はまったく見えなくなった…。
最大で30%も血液量が減少した。
その他の人を見ても、怖いと感じたほとんどの人の血流量は減少し、皮膚面温度も下がるという結果となった。
恐怖を感じて「血の気が引く」という言葉は、
血液量が減ることで顔が青ざめたように見えることから言われるようになった言葉。
怖い思いをすると、涼しく感じるのは本当だった。
■ギャグで実験
つまらないギャグを「寒い」というが、本当に寒いギャグで体温は下がるのか?
検証してみた。
この検証のためにやって来たのは、ダンディ坂野。
もし、お客さんが本当に寒くなっていたら、サーモグラフィで体温変化が見られるはず!
さっそく、検証開始!
得意ネタを披露するダンディ。
しかし、被験者は、ダンディの逆に反応しない…。
サーモグラフィカメラで見ても平常時となんら変わりは無い。
どういうこと?
専門家に聞いてみると…
恐怖で寒さを感じるとことは、全く関係ない!とのこと。
寒くなるのは、見ているお客さんではなく、うけなかった演者の方なのだ!
では、ダンディの変化はあったのか?
ネタ前と後とでは、可哀想なほど、顔の皮膚面温度が下がっていた…。
「寒いギャク」の「寒い」は芸人が感じる現象だった!
お客さんは、お化け屋敷では涼しくなるが、
寒いギャグでは涼しくならない!…ということがわかった! |