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東京にある日本民藝(みんげい)館をつくった柳宗悦(やなぎ・むねよし)は、身の回りで使われている陶器や木工品など、日常の道具に美しさを見いだした人だ。それら民衆工芸の美しさは、人の手で作られるからこそだと『手仕事の日本』(岩波文庫)に書いている
东京日本民艺馆的创建人柳宗悦,是一个善于从身边的陶器、木器等日常用具中发现美的人。他在《手工世界的日本》(岩波文库出版)一书中写道:这些民间工艺之美,就在于它们是由手工制作而成。
▼手が機械と違うのは、心とつながっているからだと柳は言う。〈手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えていて……働きに悦(よろこ)びを与えたり、また道徳を守らせたりする〉。手仕事とは心の仕事にほかならないと、名高い目利きは唱えている
他说:手是与心相通的,这是手和机器的不同之处。“手,并不是机械地在动,它的深处有颗心灵在守候。。。这颗心给手以工作的愉悦,并时刻告诫手要坚守道德”。这位德高望众的鉴赏大师主张:手工工作说到底,就是心灵的工作。
▼その「手と心」の関係について、米国から愉快なニュースが届いた。手が温まっている人は、冷えている人に比べて、他人に対して優しくなるそうだ。大学の研究グループが実験結果を発表した
关于“手与心”的关系,最近从美国传来了有趣的消息。说是手温暖的人要比冰凉的人待人温和。这是某大学一研究小组所发表的实验结果。
▼たとえばホットコーヒーのカップを持った人は、アイスの人より他人を好意的に評価する傾向が見られたという。温湿布と冷湿布でも似た傾向が現れた。やはり手の奥には心が控えているのか。手のぬくもりは無意識のうちに心に結びつくらしい
该项实验结果中指出:手里捧着一杯热呼呼的咖啡的人,比手拿冰淇凌的人更容易表现出对他人作出善意评价的倾向。另外,对比热敷与冷敷的效果时,也体现出了类似的倾向。难道我们双手的深处,真的有心灵在守候吗?手的温暖看来是会在无意识中传递给心灵的。
▼北からは雪の便りが届いて、きょうは立冬。季節の巡りは順調らしく、近所の雑木林は緑がだいぶ色あせた。通り雨がぱらぱらと枯れ葉を鳴らすような日には、温かいカップを両手でそっと包むのが「心」にはいいようである
今天是立冬,北方已迎来了雪的问候,东京的季节转换也在有条不紊地进行,近处的灌木林已是绿意殆尽。在这样骤雨打在枯叶上啪嗒作响的日子里,据说双手轻捧温热的水杯会对我们的心脏大有益处。
▼〈「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ〉という歌が俵万智さんにあった。白い息に手をこすり合わせる2人が浮かぶ。「寒いね」の会話もいま、北から南へと、急ぎ足で列島を下っているのに違いない。
歌人俵万智作过这样一首和歌:
“[真冷啊]、[就是啊]、简单回答暖心房”
让人眼前不禁浮现出两个就着口中呼出的白色哈气、搓手取暖、互道问候的两个人。
现在,这声真冷啊的对话,正在加快脚步,从日本列岛的北方南下呢吧。。。 |
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