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雷が落ちたかのように驚いたと、去年亡くなった宮沢喜一元首相は回想している。日本の占領時代、帝王のように君臨していたマッカーサー元帥が、トルーマン大統領に解任されたときの話だ。
去年去世的日本前首相宫泽喜一,在回忆自己在美军占领年代,听到如君临帝王般存在的麦克阿瑟将军被杜鲁门总统免职消息时的感受时说道,当时的感觉真的可以用晴天霹雳般震撼来形容。
▼朝鮮戦争をめぐっての、米政府の政策を顧みない言動が、解任の理由だった。帝王より偉い人物がいることに日本人は驚く。「シビリアン・コントロール(文民統制)とはこういうものか」と若き宮沢は目を開かれる思いだったらしい
免职的理由是,他在朝鲜战争问题上的言行违背了美国政府的政策。居然还有比帝王更厉害的人物,这真是让日本人大吃一惊。年青的宫泽喜一也有种茅塞顿开之感:“原来这就是所谓的文民统治”
▼軍隊を文民政治家の指揮下に置く仕組みは、民主国家の原則とされる。それを軽んじる、横着な空気が自衛隊にあるのではないか。航空自衛隊トップの「論文問題」に、封印したはずの「戦前の臭(にお)い」を嗅(か)いだ人は少なくなかっただろう
民主国家的根本原则,就在于要建立一种军队要由文民政治家来指挥的机制。而现在,我们的自卫队里似乎又弥漫起轻视这原则、横行霸道的空气。航空自卫队高层的“论文问题”,让不少人再次闻到了本应早就封缄的战前气息。
▼その前航空幕僚長への参考人質疑が国会であった。先の戦争についての、政府見解に反する論文への反省は聞かれなかった。「武器を堂々と使用したいのが本音か」の問いには、「そうすべきだと思う」。あれこれ答弁を聞けば、5万の隊員を束ねる人として、不適切と見るほかない
在对这位前航空幕僚长进行参考人质问的国会上,听不到一点当事人对自己那篇在二战问题上持反政府观点的论文的反省。当问及“你的本意是否就是想要无所顾忌地使用武器”时,他回答道:“我认为理应如此”。听了整个答辩后的唯一感觉就是,作为一个统帅5万自卫队员的人选,这个人根本就不合格。
▼昭和の旧軍は、「政治に拘(かかわ)らず」の軍人勅諭に背いて横車を押しまくった。ついには政治をほしいままにして戦争に突き進んだ。時代が戻るとは思わないが、武装集団に妙な政治色が透けるようでは国民は不安になる
昭和时代的军队,无视军人“不参与政治”的勅谕,一意孤行,终于手握政治将日本带入战争。我并不是认为时代在倒退,但如果武装集团表现出异样的政治色彩的话,这会让国民不安的。
▼ところで今日は、戦争犯罪を裁いた東京裁判の刑の宣告から60年になる。文官では元首相の広田弘毅ひとりが極刑になった。軍に抗しきれなかったとされる宰相の悲運は、文民統制なき時代の暗部を伝えてもいる。
另外,今天正值东京裁判宣判战犯罪行60年。当时被处以极刑的文官只有前首相广田弘毅一人。这位无法抗拒军队力量的宰相的悲惨命运,也在诉说着非文民统治时代的黑暗。 |
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