～相席～
問題 次の文章を読んで、後の問に答えなさい。答えは1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
ひところ都心での「昼飯戦争」が話題になったが、行列をつくらないとなかなか食べられないという大都会の厳しい中飯事情はあまりかわらない。そんなわけだから、昼時の食堂での相席はごく当たり前になっている。「相席お願いしまーす」と、まるで何でもないことのようにいわれる。
けれども、いったい見も知らぬ人と向かいあってすわっているだけでも気詰まりなのに、①そんな状態でものを食べるのは落ち着かないことはなはだしい。どうしても大急ぎでかき込んで席を立つということになる。飽食の時代などとよく言われるが、日本人の食事のこうした風景はまことに貧しく、寒々しい思いすらする。
知らない人を同席させる相席という習慣が日本でいつからはじまったのかつまびらかにしないが、テーブルが一般に広まる以前には考えられないから、そうふるいことではないだろう。
まったくの他人と一緒に食事をすることには、満員電車で知らない人と顔をつき合わせてたっているときなどとはまたちがった、特別なうっとうしさがある。
肉体に直接かかわるほかの作用と同様に、食べることにはどこの社会にもさまざまなタブーがあり、概してつつしみが求められる。そのために、たいていの社会で、多かれ少なかれ、こ、こみいった食事作法がきめられている。食べるところをみられるのを裸を見られる以上に恥ずかしがる社会もあれば、男女別々に食事をする社会もある。
食べることは、饗宴などの例外的機会をのぞけば、本来、人間が自分の「なわばり」で、もっとも親しい者とのみおこなう、きわめてプライベートな行為なのだ。
②人間のなわばりには集団的なものもあるが、まず個々人が他人に立ち入られると不安になって逃げ出したくなるような非許容空間をもっている。個人の周りに泡のように広がるその空間は自我の延長なのだ。相席をさせられると、この空間を互いにおかすことになり、無意識にも不安がつのって、食べ物の滋味をどれほど薄くするか分からない。
もう少し厳密に言うと、それでも③カウンターの席なら、隣に誰がすわってもさほど抵抗を感じないのは、「個人空間」ともいわれる人間の個人のなわばりが、前方に長く、背後や左右には短い楕円形をしているあかしである。
（④）、今日の日本のように家族がそろって食事をする日が少なくなると、他人と同席して勝手に食べたいものを食べるのをなんとも思わなくなっているのだろう。しかし、⑤これは文化からの退行でなければ。逸脱ではないか。
問Ⅰ ①「そんな状態」とあるが、どんな状態か。
1行列を作らなければならない状態
2知らない人と向かいあってすわっている状態
3すぐに席をたたなければならない状態
4食事を短時間で済ませなければならない状態
問Ⅱ ②「人間のなわばり」とあるが、この場合どんなものか。
1他人が立ち入ると抵抗を感じる空間
2自我の立ち入ることができない空間
3家族が立ち入ると抵抗を感じる空間
4他人が立ち入っても抵抗を感じない空間
問Ⅲ ③「カウンターの席なら、隣に誰がすわってもさほど抵抗を感じない」とあるが、なぜか。
1個人の周りには泡のように広がる非許容空間があるから
2楕円形した個人のなわばりは、左右の非許容空間が広いから
3楕円形した個人のなわばりは、左右の非許容空間が狭いから
4カウンターの席は長いので個人のなわばりが広くなるから
問Ⅳ （④）に入るものとして最も適当なものはどれか。
1たとえば
2単に
3とりあえず
4ともあれ
問Ⅴ ⑤「これは」とあるが、何を指すか。
1カウンターの席で隣にだれかすわると抵抗を感じること
2他人と同席して勝手に食べたい物を食べることに抵抗を感じないこと
3家族をそろって食事をする日が少なくなっていること
4相席をさせられると食べ物の味がかわること
問Ⅵ 筆者の言う「個人のなわばり」の形からすると、他人が入って来たときに抵抗を感じる空間が広いのは、どの位置だと考えられるか。
1右側
2左側
3前方
4後方
Ⅶ 筆者は相席についてどのように思っているか。
1行列しなければ昼食が食べられないという大都会の事情があり、当然のこととして受け入れるべきだ
2食べることはプライベートな行為であるが、親しいものとのみ相席をしてはいけない。
3どこの社会にもそれぞれの食事作法があるのだから、相席もその作法にあったものでなければならない。
4家族が食事をともにしなくなったり、相席をなんとも思わなくなっているのは文化からの退行である。
[ 本帖最后由 浪迹的小鱼 于 2008-11-29 08:47 编辑 ] |
发表于 2008-11-29 08:30:27
提升卡
变色卡
楼主
发表于 2008-11-29 10:03:50
发表于 2008-11-29 15:04:42
