子在齊、聞韶樂三月、不知肉味、曰、不圖爲樂之至於斯也
先生は斉の国に滞在中、そこに伝わる伝統音楽を聞いたが、深い感銘を受け、以来しばらくの間、うまい料理を食べても味がわからないほどであった。いやいや知らなんだ、音楽がこれほど素晴らしいとは。
冉有曰、夫子爲衛君乎、子貢曰、諾、吾將問之、入曰、伯夷叔齊何人也、子曰、古之賢人也、曰怨乎、曰、求仁而得仁、叉何怨乎、出曰、夫子夫爲也
冉有が言う。ウチの先生は衛の王様を助けられるだろうか。
子貢が言う、よし、私が先生に訊ねてみよう。
先生の部屋にいって訊ねる事にした。
伯夷と叔斉とはどういう人物ですか?
先生。昔の優れた人物だ。
譲りあって王位につけなかった事を後悔したでしょうか?
先生。仁を実践しようとして行動し、それが実現できたのだ。
たとえそのために不利をこうむったとしても、後悔する必要など無い。
子貢が退出すると、ウチの先生は助けられない。といった。
子曰、飯疏食飮水、曲肱而枕之、樂亦在其中矣、不義而富且貴、於我如浮雲
先生がこう言っていた。
粗末な飯を食べ、腕をまげてそれを枕にする。楽しみはやはりそこにも自然とあるものだ。不当な手段で手にした資産や地位は、私から見れば浮雲のようだ。
子曰、加我數年、五十以學、易可以無大過矣
先生がこう言っていた。
私がもう少しして、50になってから学び始めても、それほどひどい間違いをせずにすむだろう。
子所雅言、詩書執禮、皆雅言也
先生が標準語を話すときは、詩経・諸経を読むときと礼を行う時とで、皆標準語であった。
葉公問孔子於子路、子路不對、子曰、女奚不曰、其爲人也、發憤忘食、樂以忘憂、不知老之將至也云爾
葉公が先生の事を子路に訊ねたが、子路は答えなかった。
先生は言った。お前さん、なぜ言わなかったんだい?学問に熱中するあまり、食事も心配事も忘れ、自分が老人であるのにも気付かずにいる、元気なじいさんだと。
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