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日本語表現文型辞典

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发表于 2004-11-4 09:26:22 | 显示全部楼层 |阅读模式
001 *~間に/*~間は 名詞 :     の           + 間(は/が) 動詞 :普通形 (一般動詞は「ている」形)    間に(は) 形容詞:<イ形:ーい・ーくない>       間の+名詞     <ナ形:ーな・ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :先生、長い間ご無沙汰し、栅松辘吩Uありませんでした。これはつまらないものですが、・・・。 恩師:ありがとう。せっかくだから遠慮なく。それにしても、しばらく見ない間に、ずいぶんたくましくなったね。 李 :そうですか?日本の企業に勤めていると、何かと鍛えられますし、それに子供も生まれましたから。 ♯ 解説 ♭  「~間」は期間を表します。動作や状態の継続中を表すので、状態動詞(ある・いる・できる・わかる・要る)を除けば、動詞と接続するときは「ている」形、或いは「ない」形になります。  問題は「~間」と「~間に」の違いですが、図のように「~間(は/が)」はその期間ずっと継続する動作を、「~間に」はその期間内に完了した動作を表します。作文上の注意点としては、従属節の主語は常に「が」で表しますから、異主語文の中では「Aが~ている間に、Bは~する」の形を取ります。→例題1)2)   図あり § 例文 § 1.私は夏休みの間、都会の喧噪を離れ、ずっとふるさとの実家で過ごした。 2.夏休みの間に、この原稿を書き上げたいと思っている。 3.「若い間の苦労は買ってでもせよ」とよく言われる。 4.私がしばらく留守にしている間に、泥棒が入った。 5.夫婦どちらも元気な間はなんとかなるが、どちらか一方が病気で倒れたりしたら、わが家はお手上げになる。 ★ 例題 ★ 1) 鎮痛剤が(効く/効いている)間(に/は)まだよかったが、薬が切れる(時/と)、とたんに虫歯が疼き出した。 2) 私が二年ほど日本( )留学(する→     )間( )、上海の町並みはすっかり変わってしまった。 -------------------------------------------------------------------------------- 002 *~あげく(に)/~果て(に) 名詞:の  +  あげく(に)     ~  した 動詞:た形    あげくの + 名詞          果てに          果ての  + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :彼は気の毒だったなあ。さんざん通ったあげくに、先方から電話一本で契約を断られてね。まあ、僕の方もさんざんな目にあったよ。今日は本当についてない。 良子:一体全体、どうしたの? 李 :二時間も並んだあげく、結局、コンサートの切符が手に入らなかったんだ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「~した結果~した」を表しますが、後件では常によくない結果の発生を表すところに特徴があります。「~果てに」も同様の意味を表しますが、口語で使われることは多くありません。なお、「あげくの果て」は「あげく」の強調した表現となります。類義文型に「~末に」(→文型116)がありますが、この文型は後件でいい結果も悪い結果も表すことができます。注意すべき点は、これら結果を表す文型は常に文末が完了形「~した」となることです。→例題1)  悩み抜いた    結果     <客観的表現>    あげく(に) <残念な気持ち>    末(に)   <色々あったが>  帰国することに決めた。 § 例文 § 1.口論のあげく、殴り合いのけんかになった。 2.いろいろ考えたあげく、彼と別れることにした。 3.彼はサラ金からさんざん借金をしたあげく、ついに首が回らなくなって夜逃げをした。 4.父は長い間、病に苦しみ抜いた果てに、亡くなった。 5.彼は会社のために身を粉にして働いて、あげくの果てにリストラされてしまった。 ★ 例題 ★ 1) 苦労した(あげくに/末に)、(ついに/結局)念願のマイホームを手に(入れる/入れた)。 2) 返答( )(窮する→      )あげく、つい嘘をつい(てしまう→    )。 (^^)前課の解答(^^) 1) 効いている(継続状態)/は/と(と&時→文型203) 2) に/している/に -------------------------------------------------------------------------------- 003 ~上げる/~上がる    他動詞:[ます]形 + 上げる    自動詞:[ます]形 + 上がる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:課長、遅くなりましたが、上海に出張の報告書ができ上がりました。御覧いただけますか。 課長:おう、書き上がったか。しかし、長いなあ。要約を一ページつけてから部長へ上げよう。 李 :君も今度のことでは大いに株を上げたな。こんなに難しい交渉をまとめたとは、ほんと、たいしたものだよ。 ♯ 解説 ♭  付属動詞「~上げる」は、「~を<他動詞>+上げる」「~が<自動詞>+上がる」という形になります。意味上は上方への移動、程度の強調、完了・完成の三つに分かれます。これは上への移動から上の極へ到達するにつれて、「完全に~」の意味の程度強調へ、更に完成・完了へと意味が拡大したものです。   <上方へ移動>  ~が飛び上がる・~が立ち上がる・~を見上げる・~を持ち上げる…   <程度の強調>  ~が晴れ上がる・~が震え上がる・~を鍛え上げる・~を磨き上げる…   <完了・完成>    ~ができあがる・~~が刷り上がる・~を書き上げる・~を育て上げる… § 例文 § 1.合格の知らせを聞いた娘は、飛び上がって喜んだ。 2.見上げると、晴れ上がった青空を鳥たちが飛び交っていた。 3.武道で鍛え上げた男の体は、まるで鋼のようだった。 4.何カ月もかかって作り上げた作品を前にして、わたしは喜びがこみ上げてきた。 5.「おい、例のもの、でき上がったかい?」「細工は流々、仕上げをごろうじろ」 ★ 例題 ★ 1) 変わり果てた友の姿を見て、(思わず/ふと)涙(が/を)こみ上げ(てきた/ていった)。 2) ご飯が(炊く→    )上がったよ。みんな、仕事を(切る→    )上げて食事( )しないか。 (^^)前課の解答(^^) 1) 末に(→文型116)/ついに(期待したことの実現)/入れた 2) に/窮した/てしまった(不本意の「~てしまった」) -------------------------------------------------------------------------------- 004 ~あっての 名詞: ×  + (が)あっての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:ありがとう。今回の受注は君たちのおかげだ。なんと言っても、仕事あっての会社だからな。 山田:いいえ、部長の御指導のたまものです。 部長:いやいや、そんなことはない。みんなの協力あっての成功だ。「チームワークこそ成功の鍵だ」と改めて教えられたよ。ありがとう、みんな。 ♯ 解説 ♭  「~あってのN」は「~があって、はじめて可能な N」という意味を表します。前の条件がなければ、後ろの結果も成立しないという前提条件を表す点で、「~て、はじめて/~て、こそ」(→文型192)、「~ば、こそ」(→文型050)と基本的には同じ意味になります。   みんなの協力 あっての    成功だ。          があってこその          があればこその § 例文 § 1.この度の優勝は、みんなの団結あってのものだ。 2.私が仕事に専念できるのも、全て妻の内助があってのことです。 3.彼女が会社を辞めたのは、きっと何かわけがあってのことだろう。 4.そりゃあ、お金も欲しいけど、「命あっての物種」って言うじゃないか。 5.お客あっての商いだということを忘れてはいけない。 ★ 例題 ★ 1) ○○先生(あるからの/あっての)私です。(お/ご)恩は(いつも/いつまでも)忘れません。 2) 専務があなたをこのパーティ( )招待した( )は、きっと何か考えがあって( )ことですよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 思わず(自然な感情)/が(自V)/てきた(→文型181) 2) 炊き/切り/に(N+にする:「何にする?」「僕はこれにする」) -------------------------------------------------------------------------------- 005 *~あまり(に) 名詞    :   の     +  あまり(に) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:最近、山田君、ちょっと変よ。何を聞いても上の空だし、仕事にも手がつかない感じだ。 李 :僕も心配のあまり尋ねてみたら、彼女に振られたらしいんだ。毎晩どこかで酔いつぶれているらしいよ。 百恵:寂しさのあまり、お酒で気を紛らわしてるのね。あまり飲みすぎると、体を壊しちゃうわよねえ。 ♯ 解説 ♭  この文型は「とても(程度が限度を越えている)~ので」を意味します。「ので」系の原因・理由の表現(→資料、)で、後件では発生した既定事実を表すので、「~つもりだ・~たい・~だろう」などの意志・希望・推量表現は使えません。なお「あまりのNに」も「あまりに~ので」も同義表現です。 寂しさのあまり、 あまりに寂しいので、     あまりの寂しさに、   お酒で気を紛らわしているのね。 § 例文 § 1.うれしさのあまり、涙がでた。 2.急ぐあまり、家の鍵をかけるのを忘れてきてしまった。 3.彼は人がいいあまり、嫌な仕事を押しつけられても断りきれない。 4.慎重になり過ぎるあまり、チャンスを逃すこともある。 5.「可愛さ余って(=可愛さのあまりに)憎さ百倍」という俗語がある。 ★ 例題 ★ 1) 一人の子供がいじめを告発する遺書を(残して/残って)自殺したという(ので/のに)、開き直る学校側の答弁に、私は怒り(あまりに/のあまり)体が震えた。 2) 彼はまじめ( )あまり、(考える過ぎる→    )り、(思い詰める→     )りするんだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) あっての/ご/いつまでも(「いつも(×いつまでも)遅刻する」) 2) に(~を~に招待する)/の(「~のは~ことだ」文型)/の -------------------------------------------------------------------------------- 006 ~あろうことか(あるまいことか) 名詞 + は、あろうことか(あるまいことか) あろうことか(あるまいことか) 、  ~ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :もしもし、良子?あろうことか、出発間際になって、急にフライトがキャンセルになっちゃってね。 良子:だから言ったでしょ。少しぐらい高くても、いつもの航空会社の方が安全だって。 李 :これから家に帰るよ。食事は済ませてあるから、夕食の支度はしなくてもいいよ。 ♯ 解説 ♭  この文型は「そんなことがあっていいだろうか(いや、あってはいけない)」という意味の反語表現です。事実は眼前に存在していますが、それを信じられないし、信じたくない気持ちがあり、非難・残念の感情を強く含んでいます。 § 例文 § 1.あの学生は、あろうことか、教師に暴力を振るった。 2.一部の報道記事には、あろうことか、あるまいことか、事実を捏造したものもある。 3.あろうことか、よりにもよってこの俺に、よくもそん見え透いた嘘が言えたものだな。 4.日本の政治家の中には、あろうことか、先の戦争をアジア解放戦争だったと言う者がいる。 5.あろうことか、教師がテレクラ通いをしていたとは。 ★ 例題 ★ 1) (ある/あろう/あるまい)ことか(ある/あろう/あるまい)ことか、不正入試事件(が/を)発覚した。 2) (ある→   )ことか、遊ぶ金(ほしい→   )に売春をして、「どこが悪いの?」( )うそぶく少女がいる。       (注:これを「援助交際」と現代語で言う) (^^)前課の解答(^^) 1) 残して(~を+他V)/のに(逆説)/のあまり(「怒り」はN) 2) な(ナ形)/考え過ぎた(「~たり~たりする」文型/思い詰めた -------------------------------------------------------------------------------- 007 いかに~ても/いかなる~ても いかに     ~ 動詞・形容詞:て形 <ナ形ーで> + も いかなる+名詞   名詞    :    で (注:「~ても」の他に「~ても」系の逆説は使える。 → 解説) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:明日は模擬試験だったわね。焦ってるみたいだけど、まさか、今夜、徹夜するつもりじゃないでしょうね。 小孫:「いかに困難でも、またいかなる状況下にあっても、全力を尽くせ」って言うじゃないか。 良子:それは普段から勉強してない人が使う言葉じゃないわ。日本ではそんなのを「付け焼き刃」って言うのよ。 ♯ 解説 ♭  「いかに」「いかなるN」は「(前件の)事情・状況・程度がどうであっても関係なく、いつも・必ず(後件が)成立する」という条件表現で、書き言葉で多く使われます。「どんなに/いくら(=いかに)~ても」「どんな(=いかなる N)~ても」(→文型143)はその口語表現で、話し言葉ではこちら方が多く使われるでしょう。  また、「ても」のほかに「~と言えども」(→文型216)、「~であろうと/~であれ」(→文型176)、「~(よ)うが/~(よ)うと」(→文型437)などの「ても」系逆説が使われます。 § 例文 § 1.いかに難しい問題でも、解けない問題はない。 2.いかなる時でも笑顔を忘れないでいれば、道は開けるよ。 3.いかなる人と言えども、欠点はあるものだ。 4.いかに人からあざ笑われようが、今はただ、信じた道を進むだけだ。 5.彼は勇敢な男だ。いかなる危険が待ちかまえていようとも、たじろいだりはしない。 ★ 例題 ★ 1) (いかに/いかなる)障害にぶつかっ(たら/ても)、試練と(思えば/思って)、仱暝饯à皮い堡毪猡韦馈 2) 一人一人の力がいかに(小さい→    )ても、力を(合わせる→ )ば、いかなる強敵でも(倒す→   )はずだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) あろう/あるまい/が(自V) 2) あろう/ほしさ(イ形のNの形:美しい→美しさ)/と(引用) -------------------------------------------------------------------------------- 008 ~如何だ/~如何で/~如何によらず 名詞: × +  (の)如何だ       ①          (の)如何で          (の)如何によって 名詞: × +  (の)如何にかかわらず  ②          (の)如何によらず -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小孫:模擬試験の結果の如何によらず、志望校を受験したいんですが、間に合うでしょうか。 先生:君のこれからの努力如何で決まる思うよ。まだ、2ヵ月以上もあるからね。 小孫:ということは、可能性があるということですね。最善を尽くしてみます。 ♯ 解説 ♭  「如何」は「どうであるか」を意味する漢語で、根拠を示す助詞の「~で/~によって」と結びつくと「~ かどうかによって決まる」という意味を表し、「~に関係なく」を意味する「~にかかわらず」(→文型293)、「~によらず(→文型349)」や「~を問わず」(→文型472)」と結びつくと「 ~がどうかに関係なく~」という意味を表すようになります。  この「如何」は例文中のもののほかにも慣用句がいくつかありますから、一緒に覚えた方がいいでしょう。   如何せん:如何せん、もはや救う手段がない。   如何ともしがたい:こうなっては如何ともしがたい。   如何にかかっている:成功するかどうかは、努力如何にかっている。 § 例文 § 1.その会社に就職するかどうかは、給料如何ですねえ。 2.酒というのは飲み方如何で、毒にもなり薬にもなる。 3.今後の君の態度如何では、懲戒解雇もあり得ることを忘れるな。 4.理由の如何を問わず(⇔如何によらず/如何にかかわらず)、暴力はよくない 5.今更そんなことを言われても、もう、手遅れだ。如何ともしがたいよ。 ★ 例題 ★ 1) 勝敗(が/の)如何(によって/にかかわらず)、両チームの健闘は讃えられる(はず/べき)だろう。 2) 業績如何( )降職も(ある→   )得る人事制度が企業に(導入される→     )始めた。 (^^)前課の解答(^^) 1) いかなる/ても(逆説・仮定)/思えば 2) 小さく/合わせれ/倒せる(可能形) -------------------------------------------------------------------------------- 009 *~以上(は) 名詞    :である       +   以上(は) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :日本人は「イエス」と「ノー」がはっきりしなくて困るよ。来る前に想像していた以上だ。 良子:以心伝心、察しの文化と言われる由縁ね。でも、「郷に入れば郷に従え」よ。 李 :なるほど、日本語を勉強する以上は、日本の文化も学ばなくちゃね。 ♯ 解説 ♭  「~以上(は)」は「~だから、当然・必ず ~」という意味を表す原因・理由表現で、文末には「~なければならない/~べきだ」(→文型382)や「~つもりだ」、「~たい」などの義務や意志・希望、「~はずだ」(→文型367)、「~にちがいない」(→文型305)などの断定判断が多く使われます。この場合は「~からには(→文型056」や)「~上は(→文型015)」と同義表現となります。  しかし、「~以上」は因果関係がなくても、既定条件の場合に広く使えます。例えば、下の例文は条件(仮定)を表していますが、この場合、「~からには/~上は」は使えません。  *あなたの同意がない以上(=なければ)、無断で掲載することはない。 § 例文 § 1.お話はわかりました。この件については、私どもが引き受けた以上、大船に仱盲郡膜猡辘扦い皮坤丹ぁ 2.こうなった以上は、もう他に方法はない。 3.一旦契約書にサインをした以上、君の責任は避けられない。 4.彼がやらせてほしいと言う以上、見込みがあってのことだろう。やらせてみたらどうか。責任は私が負う。 5.私に刃向かう以上、それなりの覚悟はあるんだろうね。 ★ 例題 ★ 1) 父親(の/である)以上、娘がつきあっている相手(を/に)無関心では(いられる/いられない)よ。 2) 闘う以上、(負ける→     )たくないと思う( )は人情だ。負ける( )わかっているなら、最初( )( )闘わないことだ。これを「逃げるが勝ち」という。 (^^)前課の解答(^^) 1) の/にかかわらず/べき(→文型382) 2) で/あり(~得る:→文型017)/導入され(V〔ます〕形+始める) -------------------------------------------------------------------------------- 010 *~一方だ/*~ばかりだ 名詞  :  の   +  一方だ 動詞  : 原形       ばかりだ (*名詞接続不可) ナ形容詞:~になる イ形容詞:~くなる (注:「まじめ一方」 のような慣用的言い方もある) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :産業活動の発展は目覚ましいけど、その反面で、公害は年々ひどくなるばかりだね。 良子:ほんとうね。海も川も汚れていく一方だし、森林破壊、酸性雨、砂漠化、地球温暖化と問題は山積みだわ。 李 :早く手を打たないと地球に生き物が住めなくなってしまうね。でも環境か開発か、難しい問題だなあ。 ♯ 解説 ♭  「~一方だ/~ばかりだ」は変化を表す語につき、変化が一つの方向に進行していること表します。  ただし、「~一方だ」はいいことにも、良くないことにも広範に使えますが、「~ばかりだ」は「程度が~過ぎる」という語感をもっていて、例文3のようにいい傾向に使うと不自然になります。また、「~ばかりだ」は例文1のように名詞に接続する形がありません。 § 例文 § 1.今年に入り、株価は下落の一方(×ばかり)だ。 2.給料は下がる一方(⇔ばかり)、物価は上がる一方(⇔ばかり)、これじゃやっていけないよ。 3.彼はまじめ一方(×ばかり)の人で、よく言えば仕事一筋の人ですが、融通の利かないところが難点ですね。 4.老後のことを考えると、不安は募るばかり(⇔一方)だ。 5.ストレスが原因とみられる心の病気は、ますます深刻化するばかり(⇔一方)だ。 ★ 例題 ★ 1) 景気は落ち込む(だけ/ばかり)、雇用不安は増す(だけ/ばかり)で、明るい材料が(見あたる→     )。 2) 地球人口は年々増える一方( )、21世紀の前半には百億を(越す→ )そう( )勢いだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) である/に/いられない(→文型191) 2) 負け/の(→文型354)/と(内容を引用:~とわかる」/から -------------------------------------------------------------------------------- 011 *~一方(で) 名詞    :    の        +   一方(で) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:李君は仕事に熱心な一方で、仲間とのつき合いも大切にしているようだな。それに大変な恐妻家だとか。 山田:そうなんですよ。でも、奥さんに財布の紐を握られ、頭が上がらないというもっぱらの噂です。 課長:はっは、それが夫婦円満の秘訣さ。夫婦で力を合わせて、将来に備えているわけだ。 ♯ 解説 ♭  「~一方(で)」は「Aは~、他の一面では~」同一主語の異なる面を表す場合にも、「Aは~だが、反対にBは~」と主語が異なるものを対比させる場合にも使えます。  類義語に「~かたわら」(→文型036)があり、例文1~3は置き換えることができます。また、例文4のように同一主語の対立する面を表す場合には「~反面」(→文型375)に置き換えることができます。ただし、この二つの文型は例文5のような異主語文では使えません。   姉は家庭的だが、一方(×反面)妹は活動的だ。 <同一主語文>   父はいつも静かだが、一方(・反面)怒ると恐い。<異主語文> § 例文 § 1.彼は病院に勤める一方で、地域ではボランティア活動に参加している。 2.兄は勉強ができる一方、遊ぶことも忘れない。 3.表では争っているように見せる一方で、裏では手を結んでいるのが政治の世界だ。 4.日本経済については楽観的な見方がある一方で、今後は高成長は望めないという見方もある。 5.あの家庭は夫が遊び好きな一方で、妻はしっかり者だ。 ★ 例題 ★ 1) アジア地域の経済発展は目覚ましい(が/のに)、(一方/反面)、所得格差が拡大(する/し)つつある。 2) 豊かな国々( )益々(豊かだ→    )なる一方で、貧しい国々が益々(貧しい→    )なっている。 (^^)前課の解答(^^) 1) ばかり/ばかり/見あたらない 2) で/越し(V〔ます〕形+そうだ<様態>/そうな -------------------------------------------------------------------------------- 012 いわんや~においてをや/~まして~にはなおさらだ いわんや ~ 名詞 : ×  +  においてをや まして              に(おいて)はなおさらだ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :このパソコンの使い方がどうしてもよくわからないなあ。え~っと、マニュアル、どこにあったっけ? 良子:説明書を読むのもいいけど、山田さんに聞いてみたら?その方が手っ取り早いわよ。 李 :彼がひどい機械音痴だってこと知らないの?僕でさえ四苦八苦なのに、いわんや山田においてをやだよ。 ♯ 解説 ♭  「況(いわん)や」「況(まし)て」と助詞「~において」(→文型291)が結合した文型で、「Aは~ 、だからBは言うまでもなく、(もっと・更に)~」を意味する文語です。話し言葉としては「まして ~ には、なおさらだ」が多く使われるでしょう。  専門家にさえ直せない。   →いわんや素人においてをや。   →まして素人にはなおさらだ。 § 例文 § 1.この高校入試問題は大学生の僕にさえ難しいのに、まして中学生にはなおさらです。 2.僕が子供の頃、日本の家庭にはテレビもなかった。ましてパソコンにおいてはなおさらだ。 3.彼は英語すら読めない。況やフランス語においてをや。 4.源氏物語を原書で読める日本人はそう多くない。いわんや外国人においてをやだよ。 5.約束は守るもの。いわんや首相の公約においてをやだ。 ★ 例題 ★ 1) (これ/この)ほどの山と(する/なる)と、登るのは若者でも容易ではない。(だから/まして)老人においてをや。 2) 当時の私は食べ物に( )( )事欠く始末(だ→   )。( )( )( )本を買う金などあろうはずがなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) が(「~のに」は因果の逆説)/一方(反面も可)/続けて(他V) 2) が/豊かに(ナ形+なる)/貧しく(イ形+なる) -------------------------------------------------------------------------------- 013 *~上で/**~後で 名詞: の   +  上で     ・ 動詞:原形   名詞: の   +  後(で)    ・ 動詞:た形      上(で) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 銀行:御融資の件ですが、私の一存では決め兼ねます。本店の審査を仰いだ上で、お返事を差し上げます。 社長:そこをなんとか・・・。私も今回ばかりは無理を承知の上で、お願いに伺っています。 銀行:本店とも相談はしてみますが、御期待にそえるかどうかは、ここでは何とも申し上げようがございません。 ♯ 解説 ♭  「~上で」は二つの使い方があって、前が動詞で「原形」の時は「~する場合~」(方面・分野)を意味し、「た形」の時は「~た─ⅳ趣恰工韧敢馕钉摔胜辘蓼埂¥郡坤贰⑶挨~のときは文脈から理解するしかありません。  なお、「~た┥悉恰工先摔我庵緞幼鳏驈娬{するので、自然現象や状態発生には使えませんし、「~た┥悉牵咯後で」は継続事態を表すときには使えません。例えば「~てから」「~た┽幛恰埂浮咯上で」を比較すると、以下のような違いがあります。   風呂に入ってから(・た後で/・た上で)、寝た。    <動作発生>   家に帰ってから(・た後で/×た上で)、雨が降り出した。<状態発生>   離婚してから(×た後で/×上で)、ずっと一人暮らしだ。<継続事態> § 例文 § 1.辞書は言葉を学習する上で欠かせないものだ。 2.形の上では夫婦でも、実際は家庭内別居というケースが増えている。 3.先の事件は、法律の上では犯罪にならなくても、道義的責任は免れない。 4.この問題は拙速な結論は避け、慎重に検討した上で(⇔後で)ということでいかがでしょうか。 5.採用か否かは面接の上(⇔後で)、決めることにする。 ★ 例題 ★ 1) 買う(か否か/や否や)は、実物を(見る/見た)上で決める。先ず品物を見せて(くれ/あげ)たまえ。 2) いかに酔っ(ている→   )とはいえ、あのような暴言は酒の上で( )過ちで済むこと(だ→     )。 (^^)前課の解答(^^) 1) これ(これほど≒ここまで)/なる(→文型253)/まして 2) すら(「さえ」も可)/だった/まして -------------------------------------------------------------------------------- 014 ~上(に) 名詞    :である           +  上(に) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :もう遅いので、そろそろ失礼いたします。 田中:今日はお休みのところを、わざわざ遠いところをおいでいただいた上に、遅くまでお引き留めいたして・・・、それに何のおもてなしもできなくて・・・。 李 :いえいえ、ごちそうになった上、お土産までいただきまして、本当にありがとうございます。 ♯ 解説 ♭  「~上(に)」は「~ し、(それに /しかも/更に) ~」と同義で、添加・累加の表現です。類義語に「~し、~」(→文型107)、「~も~ば、~も~」(→文型199)、「~ばかりか~」(→文型363)などがあります。   彼女は優しい上に、美しい。  →彼女は優しいし、美しい。  →彼女は優しくもあれば、美しくもある。  →彼女は優しいばかりか、美しい。  この文型は良いことには良いことを、悪いことには悪いことを添加・累加しないと誤文になります。例えば、「彼女は優しい上に、背が低い」は誤文です。 § 例文 § 1.このカメラは小型である上に、性能もすばらしい。 2.彼は弁が立つ上に、知恵と勇気を兼ね備えている。 3.お世話になった上に、送別会まで開いていただき、栅摔ⅳ辘趣Δ搐钉い蓼埂 4.わが家は手狭な上、子供も多くて、日曜日もゆっくりくつろげません。 5.生活が苦しい上に、妻の入院も重なって、もうどうしていいのかわかりません。 ★ 例題 ★ 1) 彼は頭がいい(上で/上に)、ユーモアもある(ので/のに)、女性(だけか/ばかりか)男性にも人気がある。 2) この店は安い上( )うまいので忘年会の会場( )は打ってつけだが、一応みんなと相談した上( )決めないか。 (^^)前課の解答(^^) 1) か否か(→文型040/→文型428)/見た/くれ(→文型182) 2) ていた(あのような=過去)/の(格助詞+のN)/ではない -------------------------------------------------------------------------------- 015 ~上は 名詞    :である      +  上は 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 社長:君、今回の不祥事の責任をどうとるつもりだ。このままでは、社内のけじめがつかないぞ。 部長:ひとえに私の監督不行き届きです。かくなる上はいかような処分でも・・・。 社長:君の辞表1枚で済む問題じゃない。会社の信用がかかっているのが、まだわからないのか! ♯ 解説 ♭  「~上は」は「~だから、当然・必ず ~」と言う意味を表す原因・理由表現で、「~以上」(→文型009)、「~からには」(→文型056)と同義表現です。「~ 上は」は文語で硬い印象を与えますから、日常会話では「~以上」「~からには」の方が適切です。 § 例文 § 1.軍人である上は、戦場での上官の命令は絶対である。 2.日本に留学した上は、一日も早く日本の生活に慣れることだね。 3.君の協力が得られない上は、この計画は諦めるしかない。 4.ここまで証拠が揃った上は、包み隠さず、素直に話した方が刑も軽くなるぞ。 5.選挙民に公約した上は、政治家たるものに二言があってはならない。 ★ 例題 ★ 1) 日本代表に(選んだ/選ばれた)(上は/上に)、皆様の御期待に添う(べく/べき)全力を尽くします。 2) たとえ不満で(ある→     )と、多数決で(決まる→   )上( )、それに従うのが民主主義だ。 (^^)前課の解答(^^) ・ 上に/ので/ばかりか ・ に/に/で(「上に」と「上で」の違いに注意) -------------------------------------------------------------------------------- 016 *~うちに/*~ないうちに 名詞 :     の           +  うちに 動詞 : 普通形 (一般動詞は「ている」)    うち(が/は) 形容詞:<イ形:ーい・ーくない>     <ナ形:ーな・ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:さあさあ遠慮しないで、冷めないうちに召し上がれ。でも、お口に合うかしら? 佐藤:真理さんの手料理なら、冷めてもおいしいですよ。 真理: まあ、佐藤さんったらお上手ね!どんどんお代わりしてね。 佐藤:うまい!お袋の味を思い出しましたよ。 ♯ 解説 ♭  「~うちに」は「~の状態の間に ~する」という意味を表す表現で、「~間(あいだ)に」(→文型002)とほぼ同義表現ですが、状態変化に関心をおいたのが「~うちに」で、時間を問題にしたのが「~間に」です。  どちらも動作・状態が継続中に発生したことを表すので、状態動詞(ある・いる・できる・わかる・要る)を除いて、「~ている」形か「~ない」形に接続します。また、時間だけを問題にするのであれば、「~ないうちに」は「~する前に」に置き換えることができます。   あなたが寝ている(×寝る)うちに、地震があったんですよ。   子供が帰らないうちに(≒ 子供が帰る前に)、掃除する。  なお、「~うちに」<事態完了>と「~うちは」<事態継続>の関係は「~間に」と「~間は」と同じです。→例題1)2) § 例文 § 1.鉄は熱いうちに打て。 2.あの先生の授業は退屈で、聞いているうちに、いつも眠くなる。 3.生きてるうちが花なのさ。死んで花実が咲くものか。 4.あ、もう五時ですね。暗くならないうちに帰りましょう。 5.そうそう、忘れないうちに話しておこう。実は・・・ ★ 例題 ★ 1) うとうと(する/している)うち(に/は)、(つい/うっかり)畳にタバコの火を落として焦がしてしまった。 2) この件につきましては、この場での即答は(いたす→     )兼ねますので、一旦会社に持ち帰り、上司と相談の上、一両日( )うち( )御連絡申し上げたいと思います。 (^^)前課の解答(^^) 1) 選ばれた(受身形)/上は/べく(→文型382/→文型385) 2) あろう(未然形+と:→文型437)/決まった/は -------------------------------------------------------------------------------- 017 *~得る/*~得ない 動詞:[ます]形  + 得る             得ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:ねえねえ、山田さんが昨夜UFOを見たって言ってたわよ。 李 :あり得ないよ。でも、嘘を付く男じゃないから、あいつの目の錯覚だろう。 百恵:まるっきしロマンがないんだから。この広い宇宙のどこかに宇宙人がいることだってあり得るわよ。 ♯ 解説 ♭  「~得る/~得ない」は可能表現の一種で、一般動詞につくときは可能形「~られる/~ られない」と意味はあまり変わりません。しかし、「話し得る」は状況から判断して「~話せる可能性がある」が本来の意味なので、単に能力を言うだけの「彼は英語が話せる」を「彼は英語が話し得る」とは言えません。  また、「~得る/~得ない」は可能形が作れない「ある・できる」などの状態動詞や無意志性の自動詞について、「あり得る/あり得ない」「起こり得る/起こり得ない」のように「~する可能性がある/ない」ことを表します。   あり得る(=存在する可能性がある/×あれる)   できうる(=できる可能性がある/×できれる) § 例文 § 1.人類が火星に移住するってことは、近い将来、起こり得ることだ。 2.私ができ得る限りのことは、喜んでいたしましょう。 3.これが今選択し得る最良の方法ではないでしょうか。 4.申し訳ないが、まだ公表し得る段階ではないので、あしからず。 5.彼ほどの財力があれば、なし得ないものはないと言っていいだろう。 ★ 例題 ★ 1) 考え(得る/兼ねる)限りの手は尽くし(ておいた/てみた)が、もはや倒産を免れる道は(絶った/絶たれた)。 2) あなたの主張は支離滅裂で、私( )は到底(納得す る→   )(得る→   )。 (^^)前課の解答(^^) 1) している/に/うっかり(不注意は「うっかり」) 2) いたし(→文型044)/の/に(「うちに」と「うちは」の違いに注意) -------------------------------------------------------------------------------- 018 *~おかげで/*~おかげか/*~おかげだ 名詞    :    の      +  おかげで 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>     おかげだ                      おかげか -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 母親:おかげさまで、息子も志望校に無事合格できました。本当に夢のようです。 先生:本人の努力のたまものですよ。本当によくがんばったと思います。 母親:いえいえ、先生のお力添えがなければ、とても・・・。全て先生のおかげです。 ♯ 解説 ♭  「~おかげで」は「~(の)援助・恩恵があって~」という意味を表す原因・理由の表現で、いい結果が生じたときに使われます。悪い結果が生じたとき使うのが「~せいで」(→文型122)、どちらの場合にも使えるのが「~ために」です。ただし、「~おかげで」は、例4のように皮肉・非難の気持ちを込めて使うことも希にあります。どれも「ので」系(→ 資料編、)なので、後件では発生した事実や確定事実を表し、「~つもりだ/~たい/~だろう」などの意志・希望・推量表現は使えません。  理由が不確かなとき、断定を避けて「~おかげか」の形が使われます。なお、「おかげさまで」という語は文頭でしか使えず、接続助詞の用法や文末で「~おかげさまです」とは使えません。   先生のおかげで(×おかげさまで)、無事合格できました。   合格できたのは、先生のおかげです(×おかげさまです)。 § 例文 § 1.君が手伝ってくれたおかげで、仕事が早く片づいた。 2.私が今日あるのは、田中さんがあのとき助けてくださったおかげです。御恩は一生忘れません。 3.お前が一人前になれたのは、一体、誰のおかげだと思っているんだ。 4.あなたのおかげで、平気で嘘がつける女になれたわ。 5.先生の丁寧な教え方のおかげか、このクラスには落ちこぼれの学生は一人もいません。 ★ 例題 ★ 1) 一人っ子の(おかげか/せいか)、わがまま(が/に)育っ(てしまいました/ていました)。 2) おかげさま( )主人は軽い骨折で済んだのですが、あの事故( )亡くなられた皆様のことを思う( )・・・。 (^^)前課の解答(^^) 1) 得る/てみた(→文型197)/絶たれた(基摺甘苌怼梗骸。校‐ 2) に/納得し/得ない -------------------------------------------------------------------------------- 019 *御~する/*御~になる 御(お/ご)+  動詞:[ます]形  +  する/いたす   ・                     になる/なさる 御(お/ご)+  動詞:[ます]形  +  ください     ・                     願えませんか                     なさい -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :部長、田中様がお見えになりました。こちらにお通しいたしましょうか。 部長:うん、そうしてくれたまえ。 田中:突然お伺いいたしまして、御迷惑ではなかったでししょうか? 部長:いえいえ、そんなことはございません。さあ、どうぞ。 ♯ 解説 ♭  「(お/ご)~する/いたす」を謙譲形、「御(お/ご)~になる/なさる」を尊敬形とも呼びます。敬語は場面や相手によって複雑に変化しますので、一言で説明することは困難ですが、私は下げる(=謙譲語)、相手は上げる(=尊敬語)と覚えておくといいでしょう。  「御」は「お」とも「ご」とも読みなす。 「お約束する・お料理する」や「ご案じになる・ご案じいたす」などの例外がありますが、一般に和語動詞には「お」、漢語動詞(「~する」動詞)には「ご」がつくと考えればいいでしょう。 § 例文 § 1.あのう、ちょっとお尋ねしますが、この近くに郵便局はないでしょうか。 2.申し訳ございませんが、もう少々、お待ち願えませんか。 3.私がご案内いたします。さあ、こちらへどうぞ。 4.では、ご主人がお帰りになられましたら、私の方にお電話くださるようお伝えいただけませんか。 5.当ホテルをご利用のお客様には、特別ディナー招待券を差し上げております。どうぞご利用ください。 ★ 例題 ★ 1) お買い上げ(する/になる)かどうかはともかく、一度お(召し/召し上がり)(して/になって)みてください。 2) どうぞ、お(入る→    )ください。( )(待つ →     )しておりました。 (^^)前課の解答(^^) 1) せいか(悪い結果)/に(変化の結果)/てしまいました(不本意) 2) で/で(理由)/と(「お気の毒です」が省略・感情発生→文型203) -------------------------------------------------------------------------------- 020 *~恐れがある 名詞    :    の   +  恐れがある 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:ねえねえ、今夜あたり関東地方に台風が上陸する恐れがあるそうよ。 李 :道理で雲行きが怪しいと思ったよ。早く帰って来て正解だったようだ。 良子:でも、ここらで一雨あった方がいいかもしれないわね。そうでないと、水不足の恐れもあることだし。 ♯ 解説 ♭  「~恐れがある」は「~(の)心配・不安・危険など<良くないこと>が起こる可能性がある」という意味で、否定は「~恐れはない」となります。「~かもしれない」と同じ意味です。しかし、「~かもしれない」はどのような場合にも使えますが、「~恐れがある」は悪い事態の発生の時にしか使えないという特徴があります。なお、この文型は「~兼ねない」(→文型043)とほぼ同義表現です。   台風が上陸するかもしれない。  →台風が上陸する恐れがある。  →台風が上陸し兼ねない。  間違えやすいのは悪い傾向を表す「~嫌いがある」(→文型063)との違いですが、「~嫌いがある」は既定事実で、未来の推測ではありません。→例題1) § 例文 § 1.この病気は伝染する恐れもあるから、気をつけてほしい。 2.地震の影響で津波の恐れがありますから、緊急に避難してください。 3.バーゲン品は安いが、品質が悪い恐れがある。 4.彼は口が軽いから、彼に話すと秘密が漏れる恐れもある。 5.この金融不安がこのまま続くと、最悪の場合、世界恐慌に発展する恐れがある。 ★ 例題 ★ 1) この船は(この/あの)程度の浸水で沈没する(恐れ/嫌い)は(ないから/なくて)、慌てなくてもよい。 2) 未成年者の犯罪を警察力だけで(押さえる→    )(込む→    )とすれば、かえって事態を(悪化する →       )恐れがある。 (^^)前課の解答(^^) 1) になる/召し(お召しになる=着る)/になって 2) 入り/お/待ち -------------------------------------------------------------------------------- 021 ~落とす/~漏らす 動詞:[ます]形  +   落とす              漏らす -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :大きな魚をとり逃したんだって? 山田:詰めが甘かったと言おうか、何と言おうか、契約までもう一歩のところまで行っていたんだが。あ~あ、土壇場で敵の大将を討ち漏らした武将の心境だよ。 李 :くよくよしてても仕方がないだろ。元気を出せよ。 山田:ああ、でも、逃げた魚は大きく見えるなあ。 ♯ 解説 ♭  「落とす」は「撃ち落とす・切り落とす・突き落とす…」など、「上から下へ落とす」のように原義に近いものや、「攻め落とす・泣き落とす・口説き落とす・競り落とす…」のように攻略して目的を達する意味の複合動詞も作ります。文法上大切なのはここで取り上げた「~するのを忘れてしまう」という意味を表す用法でしょう。この場合「~もらす」も同じように使えますが、「うっかり(不注意で)~し落とす」「注意していたのに~しもらす」と語感の違いがあります。  なお、「~損なう/~損ねる/~誤る」(→文型125)との意味の違いに注意しましょう。→例題1) § 例文 § 1.報告書は読み落としがないように、細部まで注意せよ。 2.君の意見は、問題の本質を見落としているよ。 3.入学願書に、大事な記載事項を書き漏らしてしまった。 4.そのことについては記憶がないんですが、聞き漏らしていたのかもしれません。 5.押して駄目なら引いてみな。それでも駄目なら、もう彼を口説き落とす手は、泣き落とし作戦しかないね。 ★ 例題 ★ 1) 四者択一の問題は、答えを(書く/書き)さえすれば、四分の一の可能性があるのだから、書き(損なわない/漏らさない)(ように/ことに)しなさい。 2) 試験場では受験番号の(書く→   )落としが(ある→   )よう、(注意する→      )なさい。 (^^)前課の解答(^^) 1) この/恐れ/ないから(文末が意志表現の時、「ので・て」は不可) 2) 押さえ(→文型094)/込もう(→文型441)/悪化させる(使役) -------------------------------------------------------------------------------- 022 ~思いをする/~思いがする/~覚えがある 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>  +  思いをする ・                      思いがする ・                      覚えがある ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :部長の仕事に賭ける情熱には、頭が下がる思いがするよ。正に仕事の鬼だね。 山田:でも頭ごなしに怒鳴られて、嫌な思いをした者も少なくないよ。僕もその一人だがね。 李 :僕は今までに、一度もそんな覚えはないなあ。 山田:たぶん、部長の覚えがめでたいんだろ。 ♯ 解説 ♭  「~思いをする」は話者の感情・感覚を表します。この表現は「悔しい思いをする→悔しく思う」のように言い換えることもできます。「~思いがする」は自然にわき上がる感情・感覚を表しますが、もともと「~がする」(→文型031)は人間の五感を表す文型です。  なお、「~覚えがある」は 感情・感覚ではなく、「~記憶がある/~経験がある/~自信がある」などの意味を表します。→例題1) § 例文 § 1.湯上がりに冷たいビールを飲むと、生き返る思いがする。 2.日本に来たばかりの頃は、何度となく不愉快な思いや、  恥ずかしい思いをしたものだ。 3.車の哕灓摔堡皮稀ⅳい丹丹螭艘櫎àⅳ辘蓼埂 4.僕は君のやり方を批判したけれど、君自身の人格まで誹謗中傷した覚えはない。 5.あれほど触るなと言っておいたのに、このパソコンをいじったのは君だね。身に覚えがあるだろ? ★ 例題 ★ 1) 私が歌手(にとって/として)一人立ちできる(までに/まで)は、ずいぶん辛い(思いもした/覚えもあった)。 2) 彼には確かどこ( )で会った(ようだ→     )覚えがあるんだけど、どこで(だ→    )っけ? (^^)前課の解答(^^) 1) 書き(→文型100)/漏らす(~損なう:→125P)/ように 2) 書き/ない(~ように:→445P)/注意し(〔ます〕形+なさい) -------------------------------------------------------------------------------- 023 ~折り(に) 名詞    :    の    +   折り(は) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> 折りに(は) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:先日、白石さんとお会いした折り、「また李君と一杯やりたいなあ」って言ってらしたわよ。 李 :そう言えば、卒業以来会ってないもんなあ。折りを見てこちらから連絡するよ。 良子:それがいいわ。学生時代はあんなに仲良しだったんだから。 ♯ 解説 ♭  「~折り(に)」は「~(の)とき」の意味で使われます。しかし、この「折り」は「機会」という語義も含んでいて、いくつかの慣用表現を持っています。   もし折りがあれば、またお会いしたいですね。→例題1)   私は折りにふれて詩を書きます。   折りも折り、うわさしていた彼が来た。  類似表現に同じ時を表す「~(の)際」「~(の)節」(→文型098)がありますから、各項を参照してください。 § 例文 § 1.上京の折りには、御一報ください。 2.この件は今度会った折りにでも、また相談しましょう。 3.駅前で交通事故があった折り、たまたま僕はそこに居合わせた。 4.暑さも厳しい折から、くれぐれも御自愛ください。 5.折りもあろうに、こんな真夜中に電話をかけてくるなんて、なんと非常識な奴だ。 ★ 例題 ★ 1) 最近、忙しくて先生とお会い(する/になる)(折り/際)がない。君からよろしく伝え(ていて/ておいて)くれ。 2) 訪中( )折りには色々お世話(になる→    )まして、栅摔ⅳ辘趣Δ搐钉い蓼筏俊H毡兢摔饯罚ā。┕潳稀⑹欠恰⒂粓螭坤丹い蓼弧 (^^)前課の解答(^^) 1) として(→文型237)/までに(→文型402)/思いもした 2) か/ような/だった(副詞:「確か~だった/~した」の形) -------------------------------------------------------------------------------- 024 ~かい(が)あって/~かいもなく/~がい 名詞: の       +  かい(が)あって    ・ 動詞:た形・ている形     かいもなく 動詞:[ます]形      +  がい        ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今回のレコード即売会は出かけたかいがあったよ。念願のビートルズの古いアルバムが手に入ったからね。 良子:レコードだけが生きがいみたいねえ。 李 :会社で神経をすり減らしているんだ。寝ることと、レコード聴くことぐらいしか楽しみはないんだよ。 良子:何だか、寂しい人生ね。 ♯ 解説 ♭  「かい(甲斐)」は「効果・成果」や「意義・価値」という意味を表す名詞で、「~かい(が)あって」は例文1~3のように、動詞の「~した・~している」や名詞と結びつき、「~した効果・成果があって~した」という意味を表します。その否定表現は「~かいもなく」となります。どちらも文末が完了(「た」形)になることに注意しましょう。  例文4、5のように動詞の「ます形」と結びつくのは接尾語で「がい」と読み、「~する十分な意義・価値がある」の意味を表します。例として「やりがい・鍛えがい・育てがい・生き甲斐・作りがい・読みがい…」などがあります。 § 例文 § 1.厳しい練習に耐えたかいがあって、ついに長年の念願であった優勝を勝ち取った。 2.合格おめでとう。がんばったかいがあったね。 3.彼は手術のかいもなく、亡くなった。 4.やるからには、やりがいのある仕事がしたい。 5.彼のような選手は鍛えがいもあり、育てがいもある。 ★ 例題 ★ 1) (待つ/待ち)に待ったかいがあって、(ついに/結局)私にもチャンスが巡っ(てきた/ていった)(そうだ/ようだ)。 2) もっと(教える→   )がいのある学生に(教える→   )たいものだ。これではやる気も湧い(てくる→     )。 (^^)前課の解答(^^) 1) する(謙譲形)/折り/ておいて(基摺袱皮梗骸。校‐ 2) の/になり/の -------------------------------------------------------------------------------- 025 ~がいい/~がよい 動詞:原形/ない形  +  がいい               がよい -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:今回の企画は一切を君に任せる。何かあっても責任は私がとるから、思う存分に腕を振るうがいい。 李 :任せていただき、ありがとうございます。部長の御期待にそえるよう、全力を尽くします。 部長:成功するかどうかは、君の肩にかかっている。では早速、取りかかりたまえ。 ♯ 解説 ♭  「~がいい/~がよい」は「~方がいい」と同じ提案・勧告の表現です。「~ばいい」や「~といい/~たらいい」(→文型154)も同じような意味を表しますし、「~するのが最善である/一番いい」と言う意味の文型「~に越したことはない」(→文型309)も類義表現です。  その中で「~がいい」だけは少し特殊で、語調によっては例文5や「死にたければ、勝手に死ぬがいい」のように「勝手にしろ」という放任を表したり、話者自身のことには使えないなどの制約があります。 § 例文 § 1.言いたい奴には、好きなように言わせておくがいい。 2.身の程知らずの愚かな夢からは、早く覚めるがよい。 3.彼がそんなにほしがっているなら、やるがいい。 4.殺したければ殺すがよい。俺を殺しても歴史の歯車を止めることはできない。 5.そんな奥歯にものがはさまったような遠回しな言い方はやめろ。言いたいことがあれば、はっきり言うがいい。 ★ 例題 ★ 1) もう僕には要らないもの(で/だから)、いくらでもほしい(だけ/ほど)持っ(てくる/ていく)がよい。 2) 僕の言葉がどうしても(信じられる→       )と言うなら、君自身の目( ) 確かめる( )いい。 (^^)前課の解答(^^) 1) 待ち(→文型285)/ついに(期待した結果)/てきた/ようだ 2) 教え/教え/てこない(~てくる→文型181) --------------------------------------------------------------------------------
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 楼主| 发表于 2004-11-5 15:40:29 | 显示全部楼层
026 *~限り(は)/*~ない限り(は) 名詞    :である /でない   +  限り(は) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :部長からこの企画を任された限りは、なんとしても成功させたくてね。それで、君の力を借りたいんだけど。 真理:私にできることなら、何でもするわよ。 李 :今度の新商品は主婦層を対象にしたものなので、女性の視点から発想しない限り無理だと思ってね。 真理:一口に主婦層といっても、ニーズも多様化してるわ。 ♯ 解説 ♭  「~限り」は仮定と既定(理由)の接続助詞の働きをします。仮定の時は「~する間は絶対~」、既定の時は「~からには」(→文型056)や「~以上」(→文型009)と同様に「~だから、必ず~」を表す理由の表現になります。  学生である からには 勉強しろ。        以上        限り  「~ない限り」は、例文4、5のように「(~する/~しない)間は、絶対~/~しなければ、絶対~」を意味するようになりますが、これは「~なければ」の強調表現と考えていいでしょう。 § 例文 § 1.生きている限り、先生から受けた御恩を忘れることはありません。 2.戦争が続く限り、人類の悲劇は終わらないだろう。 3.土下座でもして謝らない限り、決して彼を許さない。 4.相手方が非を認め賠償金を支払わない限り、我々は告訴することも辞さない。 5.彼は頑固だから、よほどのことがない限り、自分の説を変えることはないだろう。 ★ 例題 ★ 1) 使い捨ての消費文化(が/を)(変わる/変わらない)限り、ゴミ問題(を/が)根本的に解決されることはない。 2) 雨天( )(ある→    )限り、邉踊幛嫌瓒ㄍà辏ㄐ肖Α    。─膜猡辘扦埂 (^^)前課の解答(^^) 1) だから/だけ (→文型131)/ていく(~ていく→文型177) 2) 信じられない/で(手段)/が(「と」も可→文型154) -------------------------------------------------------------------------------- 027 *~限りだ 数詞・名詞:     ×      +  限りだ  ①                      限りで 感情形容詞:連体形<ーい/ーな>  +  限りだ  ② -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :田中教授の家は箱根に別荘があって、夏休みは家族そろって、そこで過ごすんだって。 良子:羨ましい限りだわ。お金って、ある所にはあるものね。「金は天下の回りもの」って言うけれど・・・。 李 :僕たちの所には回ってこないね。あ~あ、夏の休暇も今週限りだけど、どこにも行けそうにないなあ。 ♯ 解説 ♭  「~限りだ」は日時について「~までだ」<期限>、数量について「~だけだ」<限定>を表します。「限り」は名詞なので、「限りで~/限りの<名詞>」の形も使われます。  また、「~限りだ」は感情形容詞につくと、「非常に~だ」という程度表現になります。多くの類義表現がありますが、代表的なものを挙げると、名詞に直接接続する「~極まる/~の極みだ/~極まりない」(→文型069)や、「~と言ったらない/(→文型219)」、「~のなんのって」(→文型358)や「~てたまらない/~てしかたがない」(→文型183)などです。   苦しい限りだ。   苦しいのなんのって。   苦しいと言ったらなかった。   苦しくてたまらない。 § 例文 § 1.この資料の貸し出しは、三日間限りです。 2.今日限りで、皆さんともお別れです。色々お世話になりました。 3.君と10年ぶりに再会できて、うれしい限りだ。 4.あんな奴に負けたなんて、くやしい限りだ。 5.根も葉もない噂をたてられ、腹立たしい限りだ。 ★ 例題 ★ 1) 一夜(限り/限って)の恋の(つもり/わけ)だったが、(いつしか/いつか)僕たちは深い仲へと発展し(ていった/てきた)。 2) 娘が(嫁ぐ→    )からというもの、わが家はまるで火( )消えた(ようだ→    )静まり返り、寂  しい限りです。 (^^)前課の解答(^^) 1) が(自V)/変わらない/が(他Vの受身文) 2) で/ない/行う(~つもりだ→文型175) -------------------------------------------------------------------------------- 028 *~限りでは 動詞: 普通形  +  限りでは -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :それって、今はやりのヨーヨーかい。面白そうだね、ちょっとやらせて。 小平:いいよ。でも、これってこつがあって、案外、難しいんだよ。 李 :やってるのを見た限りでは、それほど難しくなさそうだけれど・・・。あれっ?できないや! ♯ 解説 ♭  「~限りでは」は「~範囲に限って言えば~」という意味で、後件で意見・判断や感想を表します。この文型が伝聞や判断の根拠の場合は、「~ところでは/~ところによると」(→文型233)を使って表すことができます。  私が見た 限りでは  それは本物のようです。       ところでは  なお、「<この/その>限りではない」という否定の形は、「(前の文の内容の)範囲に限定されない」という意味を表します。 § 例文 § 1.私が预肯蓼辘扦稀ⅳ郡坤物L邪のようです。 2.私の知っている限りでは、彼女はまだ独身のはずです。 3.私が理解した限りでは、そもそもボタンの掛け違いから生じた問題ですね。 4.この度の殺人事件に関し、私の捜査した限りでは、Aがきわめて私い扦工汀 5.この病院の受け付けは午前中ですが、急患の場合はこの限りではありません。 ★ 例題 ★ 1) 私が聞いた(限っては/限りでは)、中国の都市部の変わり(方/よう)はすさまじい(こと/もの)がある。 2) その記事( )ざっと目を通した限り( )( )、これといって目新しい内容は(あった→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) 限り/つもり(→文型175)/いつしか/ていった(→文型177) 2) 嫁いで(~てからというもの→文型180)/が(自V)/ように -------------------------------------------------------------------------------- 029 *~かけだ/*~かける/*~かけの 動詞:[ます]形  +  かける              かけの + 名詞              かけだ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :おい、おい、言いかけた話を途中でやめるなよ。気になるじゃないか。 良子:きっとあなたは怒るから、やはりやめとくわ。 李 :よけい気になるよ。もったいぶらないで言いなよ。絶対怒らないからさ。 良子:実は、10万円のダイヤの指輪を買っちゃったの。 ♯ 解説 ♭  「~かけだ/~かけ」 は継続動詞<多くは他動詞>につくと「~している途中」や「~し始める」など開始や途中の状態を表し、瞬間動詞<多くは自動詞>につくと「~しそうになる」<直前状態>を表す表現になります。  今、書きかけたところだ。 <他動詞:開始>  書きかけの原稿があった。 <他動詞:途中>  危うく死にかけた。    <自動詞:直前>  この他に、「~に話しかける・~に呼びかける・~に立てかける…」などのように「(対象)に~する」という意味もありますが、少数の動詞にしかつきませんから、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.やりかけたことは、最後までやり通せ。 2.私が海で危うく溺れかけたところを、助けてくれたのが今の夫なんです。 3.もう日も沈みかけている。道を急ごう。 4.僕がうとうとしかけると、突然電話のベルが鳴った。 5.友達が遊びに来ると、息子は昼御飯も食べかけのまま飛び出していった。 ★ 例題 ★ 1) 臭いを嗅いで御覧よ。この肉はちょっと(腐る/腐り)(抜いて/かけて)いる(らしい/みたいだ)よ。 2) せっかく(まとまる→     )かけた話が、君の不用意な一言( )(壊れる→   )ようとしている。 (^^)前課の解答(^^) 1) 限りでは/よう(→文型435)/もの(→文型419) 2) に(慣用:~に目を通す)/では/なかった(→文型095) -------------------------------------------------------------------------------- 030 ~が最後/~たら最後 これ・それ・あれ:   ×     +  が最後 動詞      :た形(希に原形) 動詞      :た形       +  ら最後 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:アメリカに2、3年行かないかって言われて、迷ってるんだ。行ったが最後、しばらく帰してもらえない気がしてね。 真理:出世コースじゃないの。このチャンスを逃したら最後、二度と回って来ないわよ。 佐藤:君も一緒に行ってくれないか?どう? ♯ 解説 ♭  「~が最後/~たら最後」は「~が最後で、もう終わりだ」など、絶望的な結果になることを表します。文末で可能形の否定(「~できない/~(ら)れない」)が多く現れます。  類義文型に後件で悪い結果が発生することを強調する仮定表現「~(よ)うものなら」(→文型448)がありますが、「~が最後/~たら最後」は確定事実であることが強調されていて、「もし/もしも/万一」といっしょに使えません。しかし、「もし~(よ)うものなら」は成立します。→例題1)  そんなことを  言ったが最後、  この国では刑務所行きだ。          言ったら最後、          言おうものなら、 § 例文 § 1.あの男はこの業界の顔役で、彼ににらまれたら最後だ。 2.今度の仕事は少しでもミスをしたが最後、取り返しがつかないことになる。 3.彼は言い出したら最後、一歩も後へ引かない。 4.あいつはマイクを握ったが最後、離そうとしないカラオケ狂だ。 5.あんな女につかまったら最後、骨の髄までしゃぶられてしまうぞ。 ★ 例題 ★ 1) 万一大地震でも(起ころう/起こった)(が最後/ものなら)、この地域は地盤沈没の(嫌い/恐れ)がある。 2) 一旦(落後する→     )が最後、なかなか(はう→    )上がれない( )がこの競争社会だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 腐り/かけて/みたいだ(→文型408) 2) まとまり/で(理由)/壊れ(→文型441) -------------------------------------------------------------------------------- 031 *~がする 五感・感覚を表す名詞 : ×  +  がする                    がしない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あれっ、どうしたの?なんだか顔色が悪いような気がするなあ。 百恵:ええ、夕べから少し寒気がするの。 李 :どれどれ、あれっ、すごい熱だ。早退して医者に行った方がいいよ。仕事も大切だけど、体を壊しちゃ元も子もないよ。 ♯ 解説 ♭  「~がする」は「~を感じる」を意味しますが、前につく名詞は「味・臭い・声・音・~感じ・気・寒気・光…」など、五感で直接感じる対象です。  「不安・怒り・喜び・危険」など抽象的・心理的対象は「不安を感じる」のように「~を感じる」を使います。この表現は「~を覚(おぼ)える」を使っても表せますが、少し古い言い方になります。→例題1) § 例文 § 1.隣は今留守のはずなのに、人の声がしました。 2.誰でも褒められたら悪い気はしないものだ。 3.私の家は道路の側にあるので、真夜中まで車の音がして、慣れないうちは眠れなかった。 4.なんだか変な味がするよ。これ腐ってるんじゃないか。 5.第六感というか、嫌なことが起こりそうな感じがする。 ★ 例題 ★ 1) あっ、稲光が(感じた/した)わ。夕立になるかもしれない(から/ので)、ねえ、あなた、早く帰り(ます/ましょう)よ。 2) 同じ過ち( )何度も繰り返す( )は、あきれ果てて、怒る気も(する→    )。 (^^)前課の解答(^^) 1) 起ころう/ものなら(「万一~」は仮定文型)/恐れ(→文型020) 2) 落後した/はい(→文型003)/の(→文型354) -------------------------------------------------------------------------------- 032 ~かそこら/~辺り/~足らず/~余り 数詞: ×  +  かそこら  ① 名詞: ×  +  辺り    ② 数詞: ×  +  足らず   ③ 数詞: ×  +  余り    ④ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:あ~あ、寒い。今朝なんか五度かそこらだったのじゃないかしら。マフラーを買わなきゃ。 李 :この辺りにはセンスのいい店がないね。アメ横辺りで買えば一万円でお釣りが来るだろう。行ってみる? 良子:買ってもらえるなら、どこでもいいわよ。いつものあそこで、5時半に待ち合わせましょうよ。 ♯ 解説 ♭  接尾語「~かそこら」は「~くらい」(→文型071)と同義ですが、その数量を軽視する話者の受け止め方があります。ですから、「この家は五千万円かそこらで買えるよ」と言えば、その人にとって五千万円は大金ではありません。  ここで概数を表す表現<数量詞+くらい・かそこら・ほど・ばかり・足らず・余り>を整理しておきましょう。   十日±α  = 十日かそこら   十日≧α  = 十日足らず   十日≦α  = 十日余り  「~辺り」は名詞(時/ところ/人/こ・そ・あ)について大体の見当・推測を表すのですが、「付近・周囲」という意味の「辺り」から派生しています。 § 例文 § 1.東京から京都まで、あっという間だよ。新幹線で三時間かそこらで着くんだから。 2.あなたにとっては十万円かそこらは小遣い銭でも、私にとっては大金よ。 3.駅まではあっても二キロ足らずだよ。歩いて行こうよ。 4.この仕事には田中君辺りが、適任ではないでしょうか。 5.確か、ここら辺りに置いたはずなんだが、ないなあ。 ★ 例題 ★ 1) 来年(かそこら/辺り)、大阪支店に転勤という(ことになる/ことになり)そうだから、その(つもり/はず)でいてくれ。 2) 10分余り( )仕事も片づくから、ちょっとここ( )待っていて(いただく→    )ないかしら? (^^)前課の解答(^^) 1) した/から(文末が意志表現)/ましょう(勧誘・提案) 2) を(他V)/と(~とは②→文型242)/しない -------------------------------------------------------------------------------- 033 *~か、それとも~か/*~か、或いは~か/~か、または~か 名詞    :    ×     +  か、それとも~か 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>    か、或いは                     か、または -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:小平も一人部屋をほしがってるし、広い所に引っ越すか、それとも思い切ってマンションを買うか、決めなくてはいけないわね。 李 :今の給料じゃ、どちらも無理だよ。 良子:あ~あ、甲斐性のない夫を持つと、妻が苦労するわねえ。いっそ、夫を取り換えようかしら? ♯ 解説 ♭  これらの文型は例文1~3のように疑問句AとBを対比させ、どちらか一方の選択を求める場合に用います。この場合、「Aか、それともB」「Aか、或いはBか」「Aか、またはBか」は同じように使えます。  しかし、「それとも」は二者択一の時にしか使えません。なお、「或いは」「または」には例文4、5のようにそれ以外の用法があり、その場合には「それとも」が使えません。それ以外に次のような違いがあります。→例題1)  <AもBも、どちらも>   英語も、或いは(×それとも/×または)中国語も通じない。  <AでもBでも、どちらでもいい>   円或いは(×それとも/○または)ドルで支払ってください。 § 例文 § 1.バスで帰ろうか、それとも歩いて帰ろうか? 2.中華料理にするの、それとも和食にするの。 3.突撃して活路を開くのか、或いは降伏して命ごいをするのか、もはや道は二つに一つだ。 4.泣いて詫びようが、或いは(×または/×それとも)いくら慰謝料を払おうが、君の犯した罪は消えない。 5.この署名欄には、日本語か、または(⇔或いは/×それとも)英語で御記入ください。 ★ 例題 ★ 1) 海外ビジネス(において/について)は、現地語(または/それとも)英語ができ(なくて/ないと)困る。 2) 参加するの( )、それともしないの( )、この場ではっきり返事をして(もらう→     )ませんか。 (^^)前課の解答(^^) 1) 辺り(「N+」に注意)/ことになり(様態の「そうだ」)/つもり 2) で/で/いただけ(可能形を使うと依頼) -------------------------------------------------------------------------------- 034 *~難い 動詞:[ます]形  + 難い -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:初代の中国事務所の所長を、課長から打预丹欷郡螭坤堡伞⑷毡兢献·撙浃工い韦请xれたくないよ。 李 :離れ難いのは日本ではなくて、真理さんなのと違うかい?でも、どこでも「住めば都」だよ。 佐藤:所長だなんて急に言われても、にわかには受け難いよ。気持ちの準備もできていないしさ。 ♯ 解説 ♭  「~難い」は「~するのが困難だ」と意味ですが、人間の心理・思考面を表していて、実際は「しようとしても~できない」不可能な事態を表します。この点が類義表現「~にくい」(→文型306)との大きな違いで、「~にくい」は「難しいが、しようと思えば~できる」事態を表しています。→例題1)   その要求は受け入れ難い。 ≒ 受け入れられない   その要求は受け入れにくい。≒ 受け入れられないことはない § 例文 § 1.信じ難いことだが、彼は会社の金を使い込んでいたそうだ。 2.彼は得難い人材だ。会社の将来は彼のような若者の肩にかかっている。 3.耐え難きを耐えてこそ、忍耐と言える。 4.これはちょっと言葉では表し難い珍味ですなあ。 5.君の企画案は単なる思いつきに過ぎず、具体的なプランもない。これでは採用し難いね。 ★ 例題 ★ 1) もしこの交渉(が/を)決裂(すれば/しても)、両国の全面的な軍事衝突は、もはや避け(難く/にくく)なる。 2) 香港の夜景の(美しい→    )は、正に筆舌( )(尽くす→    ) 難いものだった。 (^^)前課の解答(^^) 1) において(→文型291)/または/ないと(理由か条件か) 2) か/か/もらえ(可能形を使った依頼) -------------------------------------------------------------------------------- 035 ~かたがた 名詞: ×  +  かたがた -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:打ち合わせを早めに切り上げて、工場見学かたがたお花見に行かないか。夕日を浴びながらのお花見。たまにはのんびりしようじゃないか。 佐藤:おやおや、お花見かたがたの工場見学と言った方が正確じゃないの?困った方々だなあ。 山田:行きたいなら、がたがた言わないこと! ♯ 解説 ♭  「~かたがた」は「AかたがたB」の形をとり、同一主語文で使われ、同一時間帯のなかで「Aをする機会を使って、Bをする」並行動作を表します。丁寧な語感なので、手紙や公式の会話で多く使われます。同義表現に「~がてら」(→文型038)があり、こちらは日常会話で 多く使われます。どちらも動作Aが主で動作Bが従の関係にあります。    散歩かたがた(・がてら)、話しましょう。  「AついでにB」(→文型163)も似た意味を表しますが、Bは付け足しの行為で異なる時間帯の動作です。→例題1) § 例文 § 1.夕涼みかたがた、図書館に寄ってみた。 2.墓参りかたがた、幼友だちに会って来ようと思う。 3.お願いかたがた、近況御報告まで。 敬具 4.近くに来るついでがございましたので、先日のお礼かたがた、お伺いしました。 5.上海出張かたがた、足を伸ばして黄山に登ってきた。 ★ 例題 ★ 1) 近日中に(お/ご)挨拶(のついでに/かたがた)、(お  /ご)伺い(になりたい/したい)と思っ(ております/ていらっしゃいます)。 2) お寺参り( )かたがた、浅草へ(遊ぶ→    )に(行く→     )みませんか。 (^^)前課の解答(^^) 1) が(自V)/すれば/難く(不可能の意味の方が自然) 2) 美しさ(Nの形)/に/尽くし(「筆舌に尽くしがたい」は慣用語) -------------------------------------------------------------------------------- 036 ~かたわら 名詞: の   +   かたわら 動詞:原形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:新聞でも紹介されていたけど、田中さんは仕事のかたわら、自治会の会長としても地域で大活躍だね。李  :奥さんも、中国帰国者に日本語を教えているボランティアグループのリーダーらしいです。 課長:有能な男のかたわらに良妻ありというところだな。君も地域活動で中国語を活かしてみたら? ♯ 解説 ♭  「AかたわらB」は「Aする一方でBする」とほぼ同義表現ですが、動作Aと動作Bは異なる時間帯で行われ、しかも習慣的な行為に用いることが多いでしょう。この点がAとBが同一時間帯で行われる並行動作を表す「~ながら」(→文型269)と異なっています。→例題1)   歩きながら(×かたわら)タバコを吸う。  その他、「かたわら」には会話中の「男の傍(かたわ)ら」や「母が料理を作るかたわらで、子供たちが遊んでいる」のように「側」という場所も表します。 § 例文 § 1.彼は会社に勤めるかたわら、英語学校で勉強している。 2.A社は不動産業のかたわら、飲食店も経営している。 3.あの人は農業のかたわら、農閑期は演奏活動もしているシンガー・ソング・ライターよ。 4.あいつは嫌な奴だ。本人の前では胡麻をするかたわら、裏で陰口をたたいている。 5.子育てのかたわら書きつづった随筆が、ベストセラーになった。 ★ 例題 ★ 1) 休日(ぐらい/ほど)は、音楽でも(聴きながら/聴くかたわら)、のんびり過ごしたい(こと/もの)だ。 2) 留学生の(多い→   )は大学( )通うかたわら、学費を稼ぐ( )( )にアルバイトもしている。 (^^)前課の解答(^^) 1) ご/かたがた(~ついでに→文型163)/お/したい/ております 2) ×/遊び(「ます形+に行く」)/行って(→文型197) -------------------------------------------------------------------------------- 037 *~がちだ 名詞: ×     +   がちだ 動詞:[ます]形       がちなことだ               がちの  +  名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:君、この頃元気がないね。いつもの君らしくないので、部長と心配しているのだよ。 李 :子供がよく熱を出すので、どこか悪いのではないかと心配で。医者は何でもないと言っているのですが。 課長:子育てに慣れないうちは、親もあれこれ悩みがちだが、小さな子にはありがちなことだよ。 ♯ 解説 ♭  「~がちだ」は「~する傾向がある」「よく<回数>~する」という意味を表す表現で、述べられることは良くない傾向です。例えば、下の例のように良い傾向には「よく~する」を使ってください。○ あの人は、よく公園をジョギングしている。× あの人は、公園をジョギングしがちだ。  ほぼ同義語に性向を表す「~嫌いがある」(→文型063)がありますが、この表現は回数が多いことや一時的現象には使えません。 § 例文 § 1.この種の間違いは、初心者にありがちなことだ。 2.この子は小さい頃から病気がちで、しょっちゅう医者通いをしていました。 3.明日は午後から、曇りがちの天気になるでしょう。 4.疲れているときは、不注意による事故が起こりがちだ。 5.ふと浮かんだアイディアというのは忘れがちだから、必ずメモに残すことにしている。 ★ 例題 ★ 1) 若いうち(は/に)、正義心から、(とかく/とにかく)極端に(走る/走り)がちだが、理想論だけで世の中は変わる(こと/もの)じゃないんだよ。 2) その人は遠慮( )( )に、 「あのう、ここ( )タバコを吸ってもいいですか」( )私に聞いた。 (^^)前課の解答(^^) 1) ぐらい(最低限→文型072)/聞きながら/もの(→文型130) 2) 多く(「多く」はN)/に/ため(目的の「ため}→文型152) -------------------------------------------------------------------------------- 038 ~がてら 名詞: ×     +    がてら 動詞:[ます]形 李  :夕涼みがてら、井の頭公園でも散歩しないか。 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:男の人って優雅でいいわねえ。女の私はどこへ行くにも買い物がてらよ。 李 :わかった、わかった。ついでに吉祥寺の街に出て、夕食の材料も買って来よう。荷物は僕が持つからさ。 良子:ねえ、夏物の服も買っていいかしら? ♯ 解説 ♭  「~がてら」は「Aをしている時間を使って、Bをする」と言う意味を表す表現で、同一時間帯のなかで、主たる動作Aに並行して、従たる動作Bをすることを表現します。  また、同義表現の「~かたがた」(→文型035)、「~ついでに」(→文型163)も併せて参照してください。なお、このふたつの文型は同時並行動作は表せません。  散歩がてら(・かたがた/・ のついでに)本屋に寄る。  散歩がてら(・かたがた/×のついでに)話をしよう。 § 例文 § 1.神社のお祭りを見物がてら、夜店でものぞいてこようよ。 2.中国旅行がてら、教え子に会って来ようかと思う。 3.私は毎朝この道をジョギングがてら、思い浮かんだことを俳句にしている。 4.市場調査がてら都内の繁華街を冷やかして歩くのが、まあ、私の道楽のようなものです。 5.料理を作りがてら、聞くともなく聞いていたラジオから、  懐かしい歌が流れてきた。 ★ 例題 ★ 1) A君は病気療養中との(こと/もの)だから、見舞い(ながら/がてら)、家に寄って(みる/みよう)よ。 2) (散歩する→      )がてら、古本屋に(寄る→       )、本を数冊(買う→    )来た。 (^^)前課の解答(^^) 1) は/とかく(傾向)/走り/もの(~ものではない→文型420) 2) がち/で/と(内容・発言を取り上げる「と}) -------------------------------------------------------------------------------- 039 ~かと言うと/~かと言えば なぜ  ~ 名詞    :    ×     + かと言うと どう    動詞・形容詞:普通形<ナ形 ー×>   かと言えば どうして どちら -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ねえ、どちらの服が似合う? 良子:どちらかと言えば、右手に持っている明るい色の方がいいと思うわ。若々しくていいんじゃない? 李 :少し派手じゃないか? 良子:そんなことないわよ。日本のサラリーマンは盲荬い韦趣⒒疑盲荬い韦趣ⅳ趣摔匚钉工毪韦琛 ♯ 解説 ♭  「~かと言うと/~かと言えば」は疑問詞と呼応して、「~のことに関して語れば」という意味を表します。多くは「なぜ~かと言うと~からだ/どうして~かと言えば~からだ」のように理由を述べることが多いのですが、「どう/どちら/どんな…」などとも一緒に使うことができます。  なお、「なぜかと言うと/どうしてかと言うと」などの接続詞もここから生まれています。例文5のように、希に疑問詞を含まない用例もありますが、相手方にとって意外なこと、想像もしなかったことを表すことが多いでしょう。 § 例文 § 1.どちらが好きかと言えば、やはり僕はこちらの方ですね。 2.誰が適任かと言えば、やはり山田君以外にいないだろう。 3.日本語の学習にはどんな方法が一番いいかと言うと、とにかく丸ごと暗記することでしょうね。 4.成功の秘訣ですか?どうすれば夢を実現できるかと言うと、そうですねえ、夢を持ち続けることでしょうね。 5.親が教師だから、その息子も勉強ができるかと言えば、  そうとばかりは言えないようです。 ★ 例題 ★ 1) なぜ僕(は/が)怒っているかと(言えば/言って)、君が自分の失敗を人のせいに(する/しよう)とするからだ。 2) お金があるから幸せ( )と言う( )、一概にそうとは(言える→ )わけです。 (^^)前課の解答(^^) 1) こと(~とのことだ→文型209)/がてら/みよう(勧誘・提案) 2) 散歩し/寄って(=~て、それから)/買って(→文型181) -------------------------------------------------------------------------------- 040 *~かどうか/~か否か 名詞    :    ×     + か否か 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>   かどうか                    かどうかにかかっている                    か否かにかかっている -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:その人が成功するか否かは、何によって決まるのかしら。あなた、どう思う? 李 :才能があるかどうかじゃないのかなあ。いくら努力しても駄目な人もいるしね。それに撙猡ⅳ毪胜ⅰ 良子:でも、「玉磨かざれば光なし」って言うし、努力なくして成功はあり得ないと思うわ。 ♯ 解説 ♭  「~か否か」は文語表現で、口語の「~かどうか」と同義です。また例文5のように「(~かどうか/~か否か/~如何)にかかっている」の形もよく使われますが、この「~にかかっている」は「~によって決まる」を意味します。  合格するかどうか(・か否か)は、努力するか(・か否か)にかかっている。 § 例文 § 1.それが事実かどうか、調査する必要がある。 2.賛成か否か、自分の意見をはっきり言いなさい。どっちつかずは卑怯です。 3.原発を存続させるか否かをめぐって、国論は真っ二つに割れている。 4.やるか否かは、状況如何にかかっている。 5.この製品が売れるかどうかは、宣伝が充分かどうかにかかっている。 ★ 例題 ★ 1) 勝てる(や否や/か否か)は天(のみ/しか)ぞ知るだよ。やってみなく(たって/ちゃ)わからないさ。 2) おいしい( )どう( )は食べてみればわかる。実践  こそ真理に近づく道では(ある→   )まいか。 (^^)前課の解答(^^) 1) が/と言えば/しよう(→文型441) 2) か/と/言えない(陳述副詞:一概に~とは言えない) -------------------------------------------------------------------------------- 041 *~かと思うと/*~かと思いきや/~かと見ると 名詞    :    ×     + かと思うと/かと思えば 動詞・形容詞:普通形<ナ形 ー×>  かと思ったら                    かと思いきや                    かと見ると/かと見れば (注:「~(の)かと思うと」のように「の」が入ることもある) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:さっきのお客さん、入ってきたかと思ったら、いきなり大声で文句を言い始めたんだから。 李 :ゆゆしき一大事かと思いきや、結局はどういうこともなかったね。よかった、よかった。 百恵:そうかと思うと昨日みたいに、言葉少なでも迫力があって恐いお客さんもいるわね。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「~(だろう)かと思ったら、意外にも~した/だった」という予想外の事態の発生を表します。どれも既定事実の表現なので、文末は完了形(「た」形)になります。「~かと見ると・~かと見れば」は視覚判断が強調されていますが、「~かと思うと・~かと思えば」と基本的な意味は同じです。なお、「~かと思いきや」は「~かと思うと」の文語的表現です。  「か」のない「~と思うと/と思ったら/と思いきや」の形も使われますが、そのときの接続は次の通りです。  名詞 :   だ      と思うと  動詞 :  普通形     + と思ったら  形容詞:普通形<ナ形ーだ>   と思いきや § 例文 § 1.静かなので勉強してるのかと思うと、ぐうぐう寝ていた。 2.右かと見れば左から、左かと見れば右から、そのボクサーは多彩なパンチを繰り出した。 3.怒るのかと思いきや、なんと笑い出したではないか。 4.もう出かけたかと思ったら、まだ家でぐずぐずしていたのか。急がないと遅れるぞ。 5.一つ解決したかと思うと、また一つと、次から次に問題が出てくる。 ★ 例題 ★ 1) この子(って/ったら)、さっき(まで/までに)泣いてたかと思ったら、(もう/まだ)笑ってるわ。 2) 彼は(怒る→    )出した( )と思いきや、突然(立つ→    )上がり、私に握手を求めてきた。 (^^)前課の解答(^^) 1) か否か/のみ/みなくちゃ(口語:~ちゃ=ては/~たって=ても) 2) か/か/ある(~まい→文型398) -------------------------------------------------------------------------------- 042 *~か~ない(かの)うちに/~か~ないかに 動詞:原形  +  か、動詞:ない形  +  かのうちに                         うちに                         かに -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小平:あれ、まだ八時か。夕御飯から一時間たつかたたないかなのに、なんだかお腹が空いたなあ。 良子:今、食器を洗い終わったばかりなのに・・・。 小平:口に入る物なら何でもいいから、何かないの? 良子:あ~あ、片づくか片づかないうちに、またそんなことを言われてもねえ。これじゃ気が休まる暇もないわ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「~すると、すぐ~した」(連続発生)という意味を表します。既定事実なので、習慣を述べる場合以外は文末は完了形(「た」形)になります。同時発生を表す文型は多くあり、「~が早いか」(→文型046)、「~なり」(→文型280)、「~とたんに」(→文型 148)や「~そばから」(→文型 127)、「~や否や」(→文型428)などですが、各項を参照してください。  注意してほしいのは、上記の文型はどれも「~と、すぐ~」のグループで、後件で「~たい・~つもりだ・~だろう」などの意志・推量表現は使えません。これは条件を表す「と」と「たら」の違い(→資料・)から発生したものです。○ 帰ったら、すぐうがいをしなさい。× 帰ると、すぐうがいをしなさい。 § 例文 § 1.ホームに着くか着かないかに、発車のベルが鳴り出した。 2.彼女は、会社から送られてきた不採用の通知を読むか読まないうちに、わっと泣き出した。 3.彼はベットに横になるかならないうちに眠ってしまった。 4.る叅Fれるか現れないうちに、激しい突風が吹き荒れ、その妖怪は姿を現した。 5.この店のパンは、店頭に並ぶか並ばないかのうちに、飛ぶように売れていく。 ★ 例題 ★ 1) 夜(が/を)明けるか(明ける/明けない)うちに、母は台所に立って朝御飯の支度(が始まった/を始めた)。 2) 解答を(書く→    )終えるか(終える→    )かのうちに、試験官の「そこまで」という声( ) した。 (^^)前課の解答(^^) 1) ったら(「~と言ったら」の口語→文型219)/まで/もう 2) 怒り(→文型137)/か/立ち(→文型003) -------------------------------------------------------------------------------- 043 *~兼ねない 動詞:[ます]形  +  兼ねない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:李君もずいぶんと危ない賭けをやったものだ。うまくいったからいいようなものの、一歩間違ったら取り引き停止になり兼ねなかったぞ。 係長:私が商いの「いろは」から教え直します。 山田:しかし、話し方に注意しないと、誇り高い彼のことですから、辞めるなんて言い出し兼ねませんよ。 ♯ 解説 ♭  「~兼ねない」は不確実な推量を表す「~かもしれない」系の表現で、「(良くない事態が発生する)可能性がある」という意味を表します。「~する恐れがある」(→文型020)とほぼ同義の推量表現です。この二つは常に悪い事態にしか使えませんが、「~かもしれない」と同じく、事態の良し悪しに関係なく使える表現に「~ないとも限らない」(→文型264)があります。   秘密が漏れるかも知れない。   秘密が漏れ兼ねない。   秘密が漏れる恐れがある。   秘密が漏れないとも限らない。 § 例文 § 1.会社命令に背こうものなら、首にされ兼ねない。 2.あいつは金のためには人殺しだってやり兼ねない男だ。 3.そんなにスピードを出したら、交通事故を起こし兼ねない。 4.部下を無能呼ばわりするなんて、人を傷つけるひどい言い方だけど、あの部長なら言い兼ねないね。 5.このままでは両国の国境紛争は、全面戦争に発展し兼ねない。まさに一触即発の状態と言えるだろう。 ★ 例題 ★ 1) 旅先(に/で)は飲み水に注意しなさい。そう(する/しない)と、食あたりを(起こり/起こし)兼ねない。 2) 過ち( )( )学ぶことが(ない→   )ば、再び同じ過ちを(繰り返す→    ) 兼ねない。 (^^)前課の解答(^^) 1) が(「明ける」は自V)/明けない/を始めた(自Vか、他Vか) 2) 書き/終えない/が(~がする→文型031) -------------------------------------------------------------------------------- 044 *~兼ねる 動詞:[ます]形  +  兼ねる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今回の措置は少々理解し兼ねますので、よろしければ、説明していただけないでしょうか。 課長:色々と事情があってねえ。私の口からは説明し兼ねるから、佐藤君から聞いてくれよ。 佐藤:およその事情は存じておりますが、私には説明役は少し荷が重過ぎます。 ♯ 解説 ♭  「~兼ねる」は「心理的・感情的理由で~できない」を意味する表現です。「~できない」を意味する可能表現は下例のように色々ありますが、各項を参照してください。下例の中で「~得ない」は「~する可能性がない」を表すので、第三者のことでないと少し不自然ですが、意味の差は別にすれば、どれも使えます。→例題2)  お世話になった人の頼みだから、   断れない。   断り兼ねる。   断り得ない。     (→文型017)   断るわけにはいかない。(→文型457)   断り難い。  (→文型034) § 例文 § 1.あなたの意見には、どうしても賛成し兼ねます。 2.その種のことは、同僚の僕の口からは言い兼ねるね。 3.今か今かと子どもの帰りを待ち兼ねて、何度も玄関口まで見に行った。 4.彼は能力はあるが、協調性がなく、私には扱い兼ねる存在だ。 5.当館では、傘の保管には責任を負い兼ねます。各自ビニール袋に入れてお持ちください。(張り紙から) ★ 例題 ★ 1) たとえあなたの頼み(なら/でも)、こんな歴史を歪曲する(ように/ような)本は推薦し(得ない/兼ねる)。 2) 当店( )いたしましては、申し訳ございませんが、その種のご相談( )は(応じる→    )兼ねます。 (^^)前課の解答(^^) 1) で(動作の場所)/しない(→文型203)/起こし(他V) 2) から/なけれ/繰り返し -------------------------------------------------------------------------------- 045 *~かのようだ 名詞    : ×  / である    +   かのようだ 動詞・形容詞:普通形<ナ形 ー×> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 祖父:自分の家での昔ながらの披露宴もいいもんじゃ。皆が集まると、昔に戻ったかのようじゃ。 祖母:でも裏方はもう大変。台所は盆と正月がいっしょに来たようでしたよ。 祖父:次男と末っ子にも、もう結婚相手が決まっとるかのようじゃったが、時が経つのは早いものじゃのう。 ♯ 解説 ♭  「~かのようだ」は「<実際はそうではないが>まるで~ようだ」(類似)を意味します。実際はそうではないことが暗示されているため、「~ふりをする」という意味や非難・軽蔑の感情を込めるときはこの文型がぴったりです。その際は「あたかも・さも」という副詞と結びつことが多いでしょう。例えば、「さも知っているような態度 」は「知っているふり」とほぼ同義です。なお、例文5のように「~ようだ」のかわりに古語「如し」(→文型083)が使われることもあります。 § 例文 § 1.寒いなあ。もう3月なのに、真冬に戻ったかのようだ。 2.新宿は不夜城の名にふさわしく、毎晩が祭りであるかのようににぎわっている。 3.彼女はペットの猫を、あたかも実の子であるかのように可愛がっている。 4.彼は毎日エネルギッシュで、疲れを知らないかのようだ。 5.この度の金融破綻が、全て政府・与党の無能無策から生じたかの如き主張は、我が党としては受け入れ難い。 ★ 例題 ★ 1) (ただ/ほん)の風邪なのに、(あたかも/実に)重病人であるかの(ように/ような)大げさに騒いでいる。 2) 彼( )きたら、さも何でも(知る→     )かのような口振り( )話す。 <044の例題解答> 1) でも/ような(~ような+N)/兼ねる(~得ない→文型017) 2) と(「~としては」の謙譲の形→文型237)/に/応じ -------------------------------------------------------------------------------- 046 ~が早いか 動詞:原形  +  が早いか -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平のしつけがなってないなあ。座るが早いか、「いただきます」も言わないで夕食に食らいついたぞ。 良子:あなたって家に帰ってくるが早いか私に小言ですか。あなたにも半分は責任があるのよ。 李 :坊主、雲行きが怪しいと思ったのか、食事が終わるが早いか逃げ出していったよ。 ♯ 解説 ♭  「~が早いか」は「~すると、すぐ~」を意味します。「~が早いか」は動作の同時発生を強調する点に特徴があり、以下のような自然現象や状態発生に使うと不自然になります。また、現実に起こった既定事実描写なので、後件で「~たい・~つもりだ・~だろう」などの意志・推量表現は使えません。→例題1)   家に帰るか帰らないうちに(?帰るが早いか)、雨が降りだした。   帰ったとたんに(×帰るが早いか)、涙が出てきた。  同義表現は多くありますから、「~か~ないかのうちに」(→ 文型042)の項を参照してください。 § 例文 § 1.ベルが鳴るが早いか、彼は教室を飛び出した。 2.彼女は卒業するが早いか、結婚してしまった。 3.バスが着くが早いか、伩亭舷趣蚋偆盲苼り込んだ。 4.主人の足音を聞くが早いか、子犬は駆け寄ってきた。 5.店が開くが早いか、お客はバーゲン会場に殺到した。 ★ 例題 ★ 1) (まもなく/ただちに)取引先からの電話がある(はず/つもり)なので、(入ったとたんに/入り次第/入るが早いか)、(まもなく/ただちに)教えてください。 2) 隊員たちは「○○地区で火事が発生!」( )の連絡を受けるが早いか、消防車に(仱搿   。┺zみ、現場( )と急いだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) ただ(副詞の語義)/あたかも/ように 2) と(~ときたら→文型229)/知っている/で -------------------------------------------------------------------------------- 047 *~かもしれない/~かもわからない 名詞    :  ×       +  かもしれない 動詞・形容詞:普通形<ナ形 ー×>   かもわからない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小平:難しいかもしれないけれど、私立の○○中学を受験してみようかと思うんだ。お母さん、いい? 良子:えっ?あの有名な○○中学? 小平:もしかしたら、合格の可能性もあるかもわからないと、先生が言ってくれたんだ。 良子:わかったわ。駄目でもともと、やってみたら? ♯ 解説 ♭  「~かもしれない」は初級文型ですが、「~かもわからない」の形もあって意味も用法も変わりません。関連表現を挙げれば、可能性が高いと思えば「~だろう」、ほぼ確実だと思えば「~はずだ」が使われます。   明日は雨が降るかもしれない。   明日は雨が降るだろう(60~80%)   明日は雨が降るはずだ(95~99%)  以上は知的推量に属しますが、人間の五感に基づいて感覚的に推量するときは「~ようだ/~そうだ/~らしい」(→資料「)が使われます。例えば、人の額に触って「熱があるようだ」とは言っても、「熱があるだろう」とは言えません。 § 例文 § 1.帰りが遅すぎる。娘の身に何かあったのかもしれない。 2.そう言えば、そんなことを言ったかもしれないなあ。 3.ずいぶん勝手な奴だとお思になるかもしれませんが、先日の話は一旦白紙に戻していただけないでしょうか。 4.一時父は重体で、もう助からないかもしれないと思ったが、どうやら峠は越したようだ。 5.ひょっとしたら、行方不明の息子が帰ってくるかもしれないと思って、部屋はそのままにしてあるんです。 ★ 例題 ★ 1) 机上の理論(として/にとって)は成立する(はずだ/かもしれない)が、現実から(は/が)遊離した空論だ。 2) 旅先( )何があるかもわからないから、その際はここ( )電話を(入れる→     )なさい。 (^^)前課の解答(^^) 1) まもなく/はず(→文型367)/入り次第(→文型111)/ただちに 2) と(内容の引用)/仱辏ā男
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 楼主| 发表于 2004-11-8 14:20:05 | 显示全部楼层
051 *~からして 名詞: ×  + からして -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今度の新入社員、どうなってるんだ。お辞儀の仕方からして、まったくなってないよ。 山田:ぎこちないくらいだと可愛いんだけど・・・。それに身なりからして堅気の会社員には見えないな。 課長:彼らは君たちにない何かを持っているんだから、一日も早く戦力化する方法を考えようや。 ♯ 解説 ♭  「~からして」は主に例文1、2のように「~をはじめとして、その他はもちろん~」という意味を表しますが、「~をはじめとして」(→文型474)の強調と考えていいでしょう。それ以外にも例文3のように「から」の強調として使われます。また、例文4、5のように「~から判断して」を意味することもありますが、その場合は、次項の「~からすると/~からすれば」(→文型052)と同義表現になります。<≒をはじめとして>   A国は食料からして欠乏状態だから、衣類・燃料も欠乏しているに違いな   い。<≒から判断して>    A国の深刻な食糧事情からして、衣類・燃料も欠乏しているに違いない。 § 例文 § 1.金持ちというのは、靴からして我々庶民の物とは違うね。 2.あいつは言葉遣いからして生意気だ。 3.天才というのは、もう生まれたときからして凡人とは違っているらしい。 4.最近の株価の動きからして、景気は上向いていると言えるでしょう。 5.あの先生、顔つきからして恐そうねえ。 ★ 例題 ★ 1) 一流モデル(ともなると/ともすると)、歩き方(と/や)身のこなし方(からして/からすれば)、(どこが/どこか)普通の人と違って優雅だ。 2) 先日会った老人は、その身なりや上品( )言葉遣い( )( )して、一角の人物だ( )すぐわかりました。 (^^)前課の解答(^^) 1) み(→文型097)/み/からこそ 2) あれ/生きて(~ていく→文型177)/か -------------------------------------------------------------------------------- 052 *~からすると/*~からすれば 名詞: ×  + からすると          からすれば -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:この一泊二日の職場旅行のプラン、どう思う?僕にしてみれば、ずいぶん思い切って張り込んだんだけど。 百恵:温泉というのはありふれてるんじゃない? 李 :正直に言わせてもらうけど、この値段からすると中身も余り期待できないんじゃないかなあ。 佐藤:何もかもうまくいく案なんてないよ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「~から判断すると~」という意味を表す表現で、この「する」には「見る・言う・考える」などの多くの語義が含まれています。なお、以下はほぼ同義表現です。  この成績から    すると/すれば/して    言うと/言えば/言って(→文型049)    見ると/見れば/見て (→文型059)  合格は間違いないと思う。 § 例文 § 1.儲けしか考えない企業は、長期的な観点からすると、将来性はありませんねえ。 2.わが家の経済状態からすると、家を買うのは夢のまた夢だ。 3.法律的見地からすれば責任はなくても、道義的責任は免れない。 4.男からすれば、家族のために働いているのに、妻から粗大ゴミ扱いされたのではたまらないよ。 5.妻の立場からすれば、そう考えるのは当然でしょうね。 ★ 例題 ★ 1) 今年の天候(からして/からこそ)、小豆の収穫はあまり期待(できる/でき)(そうではない/そうもない)。 2) 患者の立場からすると、薬の成分は何( )、副作用はどう( )、無関心では(いられる→       )。 (^^)前課の解答(^^) 1) ともなると(→文型253)/や/からして/どこか 2) な(ナ形)/から/と(内容を示す「~と」) -------------------------------------------------------------------------------- 053 *~からと言って/*~からって/~からとて 名詞    :    だ     + からと言って ~ ない 動詞・形容詞::普通形<ナ形ーだ>   からって                    からとて -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :景気がいくらいいからと言って、何もしなくても自然に物が売れるってわけじゃあないよ。 山田:でも店の前でやたらに呼び込みをしたからって、お客が来てくれるとは限らないよ。 課長:しかし、客足が少ないからと言って、むざむざと店をたたむわけにはいかないからなあ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「いくら~(の)理由があったとしても~」という意味を表します。「~からと言って」の短い形が「~からって」で、文語が「~からとて」ですが、意味・用法は同じです。これらの文型はどれも「~ても」で置き換えることが可能ですが、この文型は文末に否定判断を加えるのが特徴で、多くは「~からと言って~ない」と呼応します。   熱が 熱が下がっても(≒ 下がったからと言って)、安心してはいけない。   誰が反対しても(×反対したからと言って)、私は行く。 § 例文 § 1.日本人だからと言って、正しく敬語が使えるとは限らない。 2.相手が弱そうに見えるからって、決して油断するな。 3.苦しいからとて、途中で投げ出すわけにはいかない。 4.健康に自信があるからって、そんなに無理をしてると体を壊しますよ。 5.夫婦だからと言って、お互いに何の秘密もないなどということはあり得ませんよ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「いくら~(の)理由があったとしても~」という意味を表します。「~からと言って」の短い形が「~からって」で、文語が「~からとて」ですが、意味・用法は同じです。これらの文型はどれも「~ても」で置き換えることが可能ですが、この文型は文末に否定判断を加えるのが特徴で、多くは「~からと言って~ない」と呼応します。   熱が 熱が下がっても(≒ 下がったからと言って)、安心してはいけない。   誰が反対しても(×反対したからと言って)、私は行く。 § 例文 § 1) ボーナスが出た(からには/からと言って)、無駄遣いをするな。社会人になった(からには/からといって)、いざというの時のための蓄えをし(ておけ/てしまえ)。2) 一度( )二度、受験に(失敗する→     )からって、(しょげる→   )込むことはないよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) からして/でき/そうもない(様態「そうだ」の否定形に注意) 2) か/か/いられない(~てはいられない:→191P) -------------------------------------------------------------------------------- 054 ~から成る 名詞: ×  +  から成る -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:今日の慰労会には、各地の販売代理店の社長などの幹部から成る方々がお集まりだ。 山田:八時からカラオケ大会が予定されていますが、会場設定の事前チェックが必要ですね。 李 :でも、百人からの団体となると、まとまりがつかなくなりそうで、何かと気を使いますね。 ♯ 解説 ♭  「~から成る」は「~は~ の(要素・部分・材料)からできている」という意味を表す表現です。類形文型に「~からある」(→文型048)があり、混同しやすいので注意しましょう。   当校のサッカーチームは20人の部員から成る(×からある)。   試験まで、まだ10日からある(×から成る)。 § 例文 § 1.水は水素と酸素から成る。 2.この全集は、全部で五巻から成っている。 3.大小五十の島々から成るこの○○諸島は、美しい珊瑚礁でも有名である。 4.日本の国会は、凶h院と参議院から成り、国会は国の最高決定機関である。 5.今回の訪米使節団は、総勢20名の国会議員と経済界代表から成っている。 ★ 例題 ★ 1) 仏教(によって/によると)、人間の欲望は108の煩悩 (からなる/からある)と(言っている/言われている)。 2) その草野球チームは、同じ地域( )住む様々( )職業の人たち( )( )成っていた。 (^^)前課の解答(^^) 1) からと言って/からには(→文型056)/ておけ 2) や/失敗した/しょげ(~込む→文型094) -------------------------------------------------------------------------------- 055 *~から~にかけて/*~から~にかけ 名詞・数詞:×  +  から              ・ 名詞・数詞:×  +  にかけて             にかけての + 名詞             にかけ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :夜半から明け方にかけて風が強かったけど、君、気がついたかい? 良子:雨もどしゃ降りだったらしくて、台所から居間にかけてびしょ濡れよ。 李 :それで濡れたタオルが、何枚も外の物干しにかけてあるんだね。 ♯ 解説 ♭  「~から~にかけて」は「~から~まで」のグループで、時・場所・空間を表す名詞と結びついて、「~から ~まで、ずっと~」を意味する表現です。  類似表現に「~から~にわたって」(→文型057)がありますが、日時・場所の起点と終点を特定し、その継続性を強調するときは「~から~にかけて」が使われ、「~から~にわたって」は使えません。逆に、○ヶ月・○年・○週間・○日間のように期間を述べるときは「~から~にわたって」が使われ、「~から~にかけて」が使えません。→ 例題1)   今月の十日から二十日にかけて(×にわたって)、研究会が開かれた。   今月の十日から十日間にわたって(×にかけて)、研究会が開かれた。 § 例文 § 1.六月から七月にかけて、日本は梅雨のシーズンです。 2.名古屋から大阪にかけて、高速道路は百キロ以上にわたる大渋滞が続いています。 3.日本では年末から正月にかけて、JRも飛行機も帰省ラッシュになります。 4.金曜日から日曜日にかけて、新宿の夜はにぎわいます。 5.額から眉にかけて、三日月形の刀傷がある。 ★ 例題 ★ 1) 中央線は、(たった今/ただ今)、新宿駅から中野駅(にわたって/にかけて)、信号故障の(ために/せいで/おかげで)不通となっております。 2) 私は中学( )( )高校( )かけて、甲子園( )目指して、野球( )熱中していました。 (^^)前課の解答(^^) 1) によると(→文型350)/からなる/言われている(→文型221) 2) に/な(漢語形容詞はナ形)/から -------------------------------------------------------------------------------- 056 *~からには/*~からは 名詞    :   である       +  からには 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーである>      からは -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:この仕事、わが課が引き受けたからには、立派にやり遂げたいと思う。なんだか闘志が湧いてきたぞ。 李 :課の名誉がかかっているからには、万が一にも失敗は許されませんね。 山田:不肖、私が助っ人に来たからはご安心ください。 李 :やけに大口をたたくねえ。お前が一番心配なんだよ。 ♯ 解説 ♭  「~からには/~からは」は「~だから、当然/必ず ~」という意味を表す「から」系の原因・理由表現で、文末には「~なければならない」や「~べきだ」(→文型382)、「~つもりだ」や「~たい」などの義務や意志・希望の表現、「~はずだ」(→文型367)や「~にちがいない」(→文型305)などの断定判断が多く現れます。この文型は、「~以上」(→文009)や「上は」(→文型015)と同義表現となります。   原因・理由の表現には「から」系、「ので」系、「て」系があります。大きく分ければ、「から」系は未定・未来・意志表現に、「ので」系は既定や過去表現に、「て」系は形容詞や状態の自然発生に使われます。詳しくは「資料、」を参照してください。 § 例文 § 1.こんなに安いからには、きっと偽物に違いないよ。 2.共同生活をするからには、そこには最低限の規則が必要となる。 3.誰だって闘うからには勝ちたいと思う。それは人情だ。 4.こうなったからには、もう、撙蛱欷巳韦护啤韦粕恧扦证膜毪筏胜ぁ 5.彼があんなに自信を持って断言するからには、何か根拠があるんだと思う。 ★ 例題 ★ 1) そこ(ほど/まで)言う(からこそ/からには)、私が犯人だという証拠があって(の/×)ことなんだろうねえ。 2) 君( )我々の秘密を知られた( )( )には、気の毒だが、生かしておく( )( )にはいかない。 (^^)前課の解答(^^) 1) ただ今/にかけて/ために(客観的に理由伝えるときは「ために」) 2) から/に/を(→文型479)/に(対象) -------------------------------------------------------------------------------- 057 *(~から)~にわたって/*(~から)~にわたる 名詞・数詞: ×  +  から               ・ 名詞・数詞: ×  +  にわたって              にわたり              にわたる + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:今朝の経営会議で、社長から直々に新製品計画の詳細にわたる説明があった。 李 :説明は新製品の商品企画から補修計画にまでわたったのですか? 部長:うん、三時間にもなって、社長もお疲れのようだった。不謹慎なようだが、聞いてる方も疲れたよ。 ♯ 解説 ♭  「(~から)~にわたって」は期間・場所・空間を表す名詞や数量を表す語について、その「(~から~までの)およその範囲内で」を表します。類義表現である「~から~にかけて」(→文型055)との用法の違いを簡単に言えば、「~から~にかけて」は<線>、「~から~にわたって」は<面>の感覚です。この文型は起点を明示しないで、単独で「~にわたって/~にわたり」と使われることも多く、現象や動作が時間・空間の範囲全体に広がっている語感をもっています。名詞を修飾するときは「~にわたる+名詞」の形を取ります。 § 例文 § 1.九州地方から四国地方にわたって、暴風雨に見舞われ、 多くの家屋が倒壊した。 2.十年にわたる内戦に次ぐ内戦で、国土は荒れ果てた。 3.長年にわたる経験のなかから生まれた知恵は、学問的知識に勝ることもある。 4.日本と大陸の間には二千年にわたる交流の歴史がある。 5.その腎臓移植手術は、六時間にわたる大手術となった。 ★ 例題 ★ 1) ただ今、関東南部一帯(にかけて/にわたって)、震度五の地震が(あります/ありました)。沿海部では津波の(嫌い/恐れ)もありますから、御注意ください。 2) この問題は延べ十回( )わたって議論された( )、結論には(至った→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) まで(形に注意:「それほど」「そこまで」)/からには/の 2) に(受身文)/から/わけ(→文型457) -------------------------------------------------------------------------------- 058 *~から~に至るまで 名詞・数詞: ×  +   から               ・ 名詞・数詞: ×  +   に至るまで               に至るまでの + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:彼は面倒見がいいね。帰国者のために、住む所から働き口の世話に至るまで至れり尽くせりだ。 佐藤:その中国帰国者のグループは、男性ばかりでなく女性も混じっていて、年齢も子供から老人までだろ。 山田:うん。あれじゃあ、朝早くから夜中まで、のんびり休める暇なんてないんじゃないかな。 ♯ 解説 ♭  「(~から)~にわたって」は期間・場所・空間を表す名詞や数量を表す語について、その「(~から~までの)およその範囲内で」を表します。類義表現である「~から~にかけて」(→文型055)との用法の違いを簡単に言えば、「~から~にかけて」は<線>、「~から~にわたって」は<面>の感覚です。この文型は起点を明示しないで、単独で「~にわたって/~にわたり」と使われることも多く、現象や動作が時間・空間の範囲全体に広がっている語感をもっています。名詞を修飾するときは「~にわたる+名詞」の形を取ります。 § 例文 § 1.「赤トンボ」は大人から子供に至るまで、日本人なら誰でも知っている歌です。 2.当社は設計から施工に至るまで、一切をお引き受けいたします。 3.借金の額に至るまで、根ほり葉ほり聞かれた。 4.「出会いから新婚旅行に至るまで」、これがわが結婚相談所のモットーです。 5.先の戦争は開戦から敗戦に至るまで、多くの謎が存在する。 ★ 例題 ★ 1) 幼児期から老年期(まで/に至るまで)の生涯教育という観点が、最近(になって/にして)注目(して/されて)きた。 2) この旅館は、細部に至る( )( )、心( )こもっていて、サービスが(行き届く→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) にわたって/ありました/恐れ(→文型020/→文型063) 2) に/が(逆説)/至らなかった -------------------------------------------------------------------------------- 059 *~から見ると/*~から見れば/*~から見て 名詞: ×  +  から見ると           から見たら           から見れば           から見て -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:私の目から見ても素晴らしい製品だ。開発担当の諸君には、これまで本当に苦労をかけた。 李 :価格性能比から見ると確かに画期的ですが、製造面から見たらどうなんでしょうね。 部長:工場長の表情から見ると、決して楽観できなさそうだよ。この製品は正に新技術の固まりだ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「~から見て判断すると」という意味を表す表現で、「~から言うと/~から言えば/~から言って」(→文型049)、「~からすると/~からすれば」(→文型052)と同義表現です。視覚判断や、他の意見・評価と比較・対比が強調されることが特徴と言えるでしょう。 § 例文 § 1.子供の頃から見ると、世の中、ずいぶん豊かになったものだ。 2.卒業当時から見たら、格段に会話力が進歩したね。 3.大人の目から見ればくだらないと思える物も、子供には宝物だったりする。 4.動物たちから見れば、人間ほど残酷な生き物はいないだろうよ。 5.外見から見て、まともな職業に就いている人とは思えませんでした。 ★ 例題 ★ 1) 国民の目(によると/から見ると)、政策不在の権力争い(ほど/しか/だけ)情けないもの(は/が)ない。 2) 漢字は、その(作られる→     )方と性質から見て、(大きい→  )六つ( )分けられます。 (^^)前課の解答(^^) 1) に至るまで(△まで)/になって/されて(受身形) 2) まで/の(「が」も可)/行き届いている(辞書形は未来) -------------------------------------------------------------------------------- 060 *~ かわりに 名詞    :    の      +   かわりに 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小孫:頑張ってるのに日本語が上達しなくて・・・。 良子:あの有名な兎と亀のかけっこの話を知ってる? 小孫:兎が高をくくって、途中で昼寝してしまい、亀に追い越されたっていうあの話? 良子:あなたは進歩が遅いかもしれないけど、そのかわりに着実さがあるわ。それがあなたの大きな取り柄だわ。 ♯ 解説 ♭  「かわる」は漢字で「換わる/替わる/代わる/変わる」と書くように多義語です。「~ かわりに」の用法は大きく分けて、例文1の「~の代理に」、例文2の「~の代理・代替に」、例文3、4の「~けれども」、例文5の「~交換・代償に」という四つの意味に分かれます。どの意味で使われているかは、文脈から理解する以外にありません。この中で注意するのは、交替から対比へと意味が拡大した「AけれどもB」という逆説の表現でしょう。  なお、例文1の代理の用法の時には「名詞+にかわって」(→文型303)の形も使えます。   社長にかわって(・のかわりに)、専務が出席することになった。 § 例文 § 1.この仕事は君の方が適任だ。僕のかわりに君がやってくれないだろうか。 2.「戦時中はご飯のかわりにさつまいもを食べた」という話を母から聞いたことがある。 3.このアパートは駅に近くて便利なかわりに、家賃が高いのが玉に瑕だ。 4.この種の商売は儲けも大きいかわりに、リスクも大きい。 5.先日おごってもらったかわりに、今日は僕がおごるよ。 ★ 例題 ★ 1) 僕が日本語を教え(てあげる/てくれる)(かわりに/にかわって)、君が中国語を教えて(あげないか/くれないか)。 2) この車はガソリン( )食わないかわり( )、スピー ド( )出ない( )が難点だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) から見ると/ほど/は(~ほど~はない→395P) 2) 作られ(方法)/大きく/に(「~を~に分ける」の受身文) -------------------------------------------------------------------------------- 061 ~きっての 名詞(集団・組織を表すもの): ×  + きっての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :日本きっての名勝古跡というと、どこかなあ。 良子:難しい質問だけど、私なら京都の嵐山を挙げるわ。 李 :あそこもいいけど、奈良のひなびた雰囲気も捨てられないなあ。 良子:人によって好きなところは違うってことね。近くでは箱根が一番好きよ。 ♯ 解説 ♭  「きっての」は「~の範囲内で最も優れている」という意味を表します。前に来る語は組織・団体などの名称です。これは最上級を表す比較文型の一種でしから、「この町きっての物知り=この町で一番の物知り」のように「~の中で、一番の~」を使っても表せます。 § 例文 § 1.○○先生は当代きっての日本画家としての誉れが高い。 2.何と言っても、彼女はわが校きっての秀才と言えるだろう。 3.彼はこの町きっての人気者で、何か催し物があると引っ張りだこだ。 4.専務は会社きっての切れ者と噂されている。 5.わが社きっての歌自慢と言えば、李君をおいてほかにいないだろう。 ★ 例題 ★ 1) 村(あっての/きっての)力自慢だったが、東京に来(てみると/てみれば)、上には上がある(のだ/ものだ)と思い知らされた 2) 彼はこの会社きって( )中国通という評判だ( )、果たして本当なん(だ→     )か。 (^^)前課の解答(^^) 1) てあげる/かわりに(交換・代償)/くれないか(→文型182) 2) を(他V)/に/が(自V)/の(→文型354) -------------------------------------------------------------------------------- 062 *~ 気味 名詞: ×    +  気味だ 動詞:[ます]形     気味で             気味の + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小孫:大学入試が近づいているのに、少しも勉強が進まないんだ。それに全然自信が持てないし・・・。 良子:少々、焦り気味のようねえ。そんな時は思い切って山にでも行って、気晴らしした方がいいわよ。 小孫:そんな心境にはとてもなれないよ。それにこの数日、風邪気味で冴えないし・・・。 ♯ 解説 ♭  「気味」は「気味の悪い男が、家の周りをうろうろしている」のように、元々嫌な感触や感情を表す語です。  「~気味」はそれが接尾語化したもので、「(体や心に)少し~と感じる状態」という意味を表しますが、「風邪気味・疲れ気味・下がり気味・上がり気味・遅れ気味…」など、不満やよくないと評価する気持ちを込めて使わる場合がほとんどです。  注意してほしいのは、「疲れがち・下がりがち…」などの類義文型の「~がち」(→文型037)との違いですが、「~がち」は「~する回数や傾向が多い」という意味ですから、用法に違いが生じます。→例題1) § 例文 § 1.就職してからは、邉硬蛔悚韦护い⑸伽贩胜隁菸钉馈 2.ちょっとやせ気味で、目つきの鋭い男でした。 3.彼女は離婚してから、少しヒステリー気味です。 4.どうも工事の進行が遅れ気味だ。もっと現場にハッパをかけてくれ。 5.一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、最近、A歌手の人気も下がり気味だねえ。 ★ 例題 ★ 1) 納期に(迫り/迫られ)と、休日(だけ/すら)返上して働いているので、工員達は疲れ(気味/がち)です。 2) 君は少し(うぬぼれる→      )気味じゃないか。本当の(強い→  )とは、自分を拠り所に(する→   )ながら、うぬぼれでない自信をもつことだよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) きっての/てみると(過去文では「と」)/ものだ(→文型420) 2) の/が(逆説)/だろうか(→文型161) -------------------------------------------------------------------------------- 063 ~嫌いがある 名詞:  の     + 嫌いがある 動詞:原形/ない形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :深刻な顔して、何を考え込んでいるんだい? 良子:妹にいい就職先が見つかるかどうか心配で・・・。 李 :まだ、五月だよ。一年も先の事じゃないか。「来年のことを言うと鬼が笑う」ってさ。 良子:あなたは現実を甘く見る嫌いがあるわね。もう会社まわりしてるクラスメートもいるのよ。 ♯ 解説 ♭  「~嫌いがある」は「~という良くない傾向がある」という意味を表します。ほとんどは人が主語の文ですが、仮にもの・ことが主語になるときも背後に人の責任が存在している場合に使われます。ですから自然現象や、単に回数が多いことを表すときは使われません。その点、同義語に「~がちだ」(→文型037)は、回数・傾向・自然現象まで広範に使えます。どちらも「ともすれば/よく/しばしば」などの副詞と呼応することが多いので、一緒に覚えておきましょう。→例題1)   年の暮れは交通事故が多発しがちだ(・多発する嫌いがある)。   明日の天気は曇りがちになる(×曇る嫌いがある)。 § 例文 § 1.この消費社会は、物を使い捨てにする嫌いがある。 2.彼は協調性はあるが、決断力に欠ける嫌いがある。 3.最近の小説は、内容が浅薄な嫌いがある。(「ナ形」の例) 4.どうも彼は結論だけ言って、丁寧に説明しようとしない嫌いがあるようだ。 5.若者は、その理想主義から、ともすれば過激な行動に走る嫌いがある。 ★ 例題 ★ 1) 君は(もしかすると/ともすると)、独断専行に走り(がちだ/嫌いがある)から、もっと周りに気を配る(ように/みたいに)心がけた方がいい。 2) 日本の企業( )は学歴偏重( )嫌いがあるが、これでは国際競争に(生き残れる→      )まい。 (^^)前課の解答(^^) 1) 迫られ(受身)/すら(→文型100)/気味(~がち:→文型037) 2) うぬぼれ/強さ(→文型097)/し(~ながら:→文型270) -------------------------------------------------------------------------------- 064 *~ きりだ/*~きり~ない 名詞・これ・それ・あれ: ×  +  (っ)きりだ 動詞         :た形     (っ)きり ~ ない                    (っ)きりで ~ ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :給料日の前は辛いよ。二千円しか残っていないから、寝て暮らすしかないよ。 良子:あっ、思い出したわ!この前の二万円貸したきりで、まだ返してもらってないわ。 李 :しまった!口は災いの元だ。 良子:「後悔先にたたず」ということわざもあるわ。 ♯ 解説 ♭  「~きりだ」は名詞・数量、或いは「こ・そ・あ」について、「~だけだ」と同じ意味を表しますが、「非常に僅かだ/とても不足している」といった話者の感情が強調されます。また、動詞の完了形と結びついて「~したきり~ない」という文型を作りますが、「~したのが最後で、その後、ずっと~ない」という意味を表します。この表現は「~したまま~ない」と「まま」(→文型406)を使っても表せますが、「まま」は「~の状態を変えない」という意味ですから、不安や心配や失望の感情は「~したきり~ない」の方が強く現れますし、例文によっては「きり」と「まま」の意味の違いが用法の違いとして現れる場合もあります。→例題1) § 例文 § 1.歳をとって、ひとりっきりで暮らすのは心細いものです。自分しか頼れる者がいませんからねえ。 2.今日は特別に許しますが、これっきりですよ。 3.張君はアメリカに行ったきり、何の音沙汰もなくなった。 4.張先生とは、五年前にお会いしたきりです。 5.彼に声をかけたが、ふんとそっぽを向いたきり、見向きもしなかった。 ★ 例題 ★ 1) その報告書には(じっと/ざっと)目を通した(きり/まま)で、細かい内容(まで/だけ/しか)はよく覚えていません。 2) 彼女は(うつむく→     )きり、何を尋ねても一言( )口を(きく→    )とはしなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) ともすると/がち(Vます形+)/ように(~みたいだ→文型408) 2) に/の/生き残れ(一段動詞+まい→文型398) -------------------------------------------------------------------------------- 065 ~ きりしか~ない/~だけしか~ない 名詞(+格助詞 : ×  +  きりしか ~ ない これ・それ・あれ: ×     だけしか ~ ない 数詞      : ×                          -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :すまんが、給料日まで一万円ほど貸してもらえないかなあ。恩にきるから。 良子:またなの?返せるめどがあるの?やはり、私が財布の紐を握ってて正解だったわ。待ってて。あっ!5千円きりしか残っていないわ。 李 :あ~あ、いつもわが家は火の車か。 ♯ 解説 ♭  「きり」は名詞や数詞、また「こ・そ・あ」と結びついたとき、「だけ」と同じ意味を表しますが、この「きり」「だけ」が「~しか~ない」と結びついたのがこの文型で、限定を表します。話者の「非常に僅かだ/とても不足している」という感情を一層強調する「~しか~ない」と考えていいでしょう。   500円しかない。   500円だけしかない。   500円きりしかない。 § 例文 § 1.僕の手元には、お金はこれだけしかありません。 2.まだその本は見出しだけしか読んでいないから、感想まではちょっと・・・。 3.彼とは一度きりしか会ったことがないんです。 4.田中角栄は小学校きりしか出ていないが、総理大臣にまで上り詰めた。 5.僕は絵を描くことだけしか能がない男ですが、絵は僕にとって命です。 ★ 例題 ★ 1) その件は彼(だけ/にだけ)しか話さなかったはずな(ので/のに)、なぜ君が知っている(んだい/かい)? 2) 今日、学校( )は僕きりしか(来ている→     )けど、まさか休校( )んじゃないだろうなあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) ざっと/きり(~まま→文型406)/まで(→文型403) 2) うつむいた/も/きこう(→文型441) -------------------------------------------------------------------------------- 066 ぎりぎり/すれすれ 名詞: ×  +   ぎりぎり  ・            すれすれ  ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小孫:辛うじて日本語能力試験一級に合格できました。 李 :おめでとう。で、何点だったの? 小孫:あのう、281点です。 李 :合格点ぎりぎりだね。でも、何はともあれよかった。 小孫:でも、僕のクラスには合格点すれすれの279点で涙を飲んだクラスメートがいるんです。 ♯ 解説 ♭  「ぎりぎり」は例文1のように「境界線や限界」、「すれすれ」は「境界線や限界にとても近いところ」を表す語ですが、同時に名詞に直接つく接尾語の用法をもっています。どちらも置き換えられる例が多いのですが、意味上の違いから、下の例のように用法の違いが生じることがあります。それは、「すれすれ」は境界線に接触していないからです。   発車時間すれすれに(・ぎりぎりに)駅に着いた。   鴎が海面すれすれに(×ぎりぎりに)飛ぶ。 § 例文 § 1.これが譲歩できるギリギリの線です。これ以上は無理です。 2.その川下りの遊覧船は岩すれすれのところを通り、実にスリル満点だった。 3.僕の体すれすれ(×ぎりぎり)のところを車が走り去った。 4.みんなやきもきしているのに、待ち合わせ時間ぎりぎり(?すれすれ)になっても、彼は姿を現さなかった。 5.入学願書の提出の締め切り日ぎりぎり(⇔すれすれ)になっても、彼はまだ願書を書き上げていなかった。 ★ 例題 ★ 1) 昨夜の大雨(で/に)川の水(が/を)増水し、道路(すれすれ/そこそこ)に(さえ/まで)達している。 2) 試験の開始時間ぎりぎり( )なって、彼は試験会場( )(駆ける→ )込んできた。 (^^)前課の解答(^^) 1) にだけ/のに(理由の逆説)/んだい(→文型129) 2) に/来ていない/な -------------------------------------------------------------------------------- 067 *~ 切る/*~切れる/*~切れない 動詞:[ます]形  +  切る              切れる              切れない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:あ~あ、やっぱりふられちゃった。でも、彼女のこと、諦め切れないなあ。 佐藤:一度や二度の失恋が何だって言うんだよ。自慢じゃないが、俺なんて失恋歴五回だぞ。 山田:それで悟り切った顔をしてるんだ。 佐藤:おい、それって俺を褒めたつもりかい? ♯ 解説 ♭  「~切る」は元々「噛み切る・叩き切る・焼き切る…」のように切断を意味していますが、終わらせる行為、更に「完全に~する」という意味が派生します。他動詞や「人」が主語になる自動詞(例:走る・歩く・勝つ…)など、動作性動詞につくと行為の完了・完遂を表します。   ビールを一気に飲みきった。   ゴールまで走りきった。  状態性の自動詞や「あきらめる・苦しめる・信じる・軽蔑する…」などの感情・心理を表す動詞につくと極限状態を表します。   腐りきった金権政治を正せ。   親はその子を信じ切っていた。 § 例文 § 1.私は彼女への思いを断ち切ることができない。 2.やった!三年かかったが、ついに原文で源氏物語を読み切ったぞ。 3.わかり切ったことを言うんじゃない。 4.澄み切った青空、なんとさわやかな秋なんだろう。 5.ちょっと彼は自分勝手すぎて、僕はとても付き合いきれませんね。 ★ 例題 ★ 1) 男(っぽく/らしく)、思い(抜いて/切って)彼女に思いを(打ち明けたら/打ち明ければ)どうかしら。当たって砕けろよ。 2) 何があったの( )、彼は(やつれる→     )切った顔( )していた。 (^^)前課の解答(^^) 1) で(原因・理由)/が(自V)/すれすれ/まで(→文型403) 2) に/に(~に達する)/駆け(→文型094) -------------------------------------------------------------------------------- 068 ~際/~間際 名詞: の     + 際に 動詞:[ます]形       際の + 名詞 名詞: ×     + 間際に 動詞:原形         間際だ               間際の + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:夕べのあなたの寝る間際の一言が気になって、なかなか寝つけなかったのよ。 李 :ごめん、ごめん。提案書が書き終わってなかったもんだから、焦りぎみだったんだ。 良子:間際になって慌てるのは、あなたの悪い癖ね。仕事のとばっちりを受けるのは真っ平御免よ。 ♯ 解説 ♭  「~際/~間際」は「~する直前に~」を表す点では共通しています。なかでも「~間際」は特に用法上の制約もなく、ひろく直前を表すことができます。  一方、「~際」は「名詞+の際」の時は「きわ」と読み、それ以外は「ぎわ」と読みますが、「いまわの際」「往生際」「去り際」など、死や別離と関係する慣用的言い方がほとんどです。  注意してほしいのは、漢字「際」を使って「~とき」を表す「~際(さい)」(→文型098)と読む用法があることです。接続の違いに注意してください。   別れ際(ぎわ)に彼女の手を握った。(動詞[ます]形:~する直前に)   別れる際(さい)に彼女の手を握った。(動詞普通形:~するとき) § 例文 § 1.そのマラソン選手は、ゴール間際で倒れた。 2.出発間際になって、彼は突然「行かない」と言い出した。 3.父は死に際(=いまわの際)に、息子たちへの遺言を残した。 4.父は死ぬ間際に、母の手を握って「ありがとう」と言った。 5.昔の武士は、散り際を大切にしたと言われる。 ★ 例題 ★ 1) 試験(まぎわ/ぎわ/さい)になって慌てることがない(ために/ように)、今から勉強し(てある/ておく)(こと/もの)だね。 2) 帰国間際( )なって、現金とパスポートが(紛失する→       )こと( )気がついた。 (^^)前課の解答(^^) 1) らしく(→文型174/→文型450)/切って/打ち明けたら 2) か(疑問句の「か」)/やつれ/を(→文型466) -------------------------------------------------------------------------------- 069 ~極まる/~極まりない/の極みだ 名詞・名詞句: ×  +  極まる ナ形容詞  : ×     極まりない               の極みだ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小学校の同窓会の折りに、6年の時の担任の先生が感極まって泣き出してね。 良子:先生に昔のお礼をちゃんとしたの。カラオケに夢中だったら、失礼極まりないわよ。 李 :そんなことするはずないだろ。先生が僕のことよく覚えてくれていて感激の極みだったよ。 ♯ 解説 ♭  この三つの表現は形は違っていますが、どれも程度が極度であることを表す点で共通です。漢語名詞やナ形容詞の語幹と結びつくことがほとんどで、いいことにも悪いことにも使われます。同義表現に「名詞+の至りだ」(→文型355)がありますが、いいことに使われます。しかし、どちらも文章語ですから、特に改まった場での会話でない限り、口語として使われることはほとんどありません。 § 例文 § 1.酒・麻雀・女遊びと、君の生活は不健康極まりない。 2.どうして自殺なんて!そんなに苦しんでいたのなら、なぜ一言、僕に話してくれなかったのかと、残念極まる。 3.テレビはつけっぱなし電気もつけっぱなし、不経済極まる。 4.不眠不休で子供を看護をした母も、とうとう疲労の極みに達した。 5.女性一人で、真夜中に見知らぬ外国の街を出歩くなんて、危険極まりないことだ。 ★ 例題 ★ 1) 目上の人(について/に対して)「さん」づけもしないで呼び捨てにする(なんか/なんて)、無礼の(極まる/極みだ)。 2) 老人を食い物( )する霊感商法の手口は、詐欺そのもの( )。(卑劣だ→       )極まりない。 (^^)前課の解答(^^) 1) まぎわ/ように(目的→文型153)/ておく/こと(→文型084) 2) に/紛失している(一般動詞の現在形は「~ている」)/に -------------------------------------------------------------------------------- 070 *~くせに/*~くせして 名詞    :    の      +  くせに 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>    くせして -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:一日中、ずっと家にいたくせに、部屋が少しも片づいていないじゃないの?大人のくせに、自分の身のまわりの始末もできないのね。 李 :この掃除機、新しいのに力がないよ。 良子:ちょっと、私の話をはぐらかさないでよ。掃除機のせいにするつもり?いいわけもいいとこね。 ♯ 解説 ♭  「~くせに/~くせして」は逆説「のに」のグループですが、非難・軽蔑・反発の感情を強く表します。「のに」に置き換えることができますが、「のに」は失望・残念・不安などの感情が現れます。また、「くせに」は用法上の制約があって、必ず人が主語で、同一主語文でなければ使えません。→例題1)   僕の部屋は風呂もないのに(×くせに)、家賃が六万円もするんです。  この他、「~にもかかわらず」が「のに」のグループですが、客観的な判断を表しています。つまり、話者の感情の違いによって使い分けられているのです。   あいつは金持ち なのに    <残念・失望> けちだ。           のくせに   <非難・蔑視>           にもかかわらず<客観的判断> § 例文 § 1.弱いくせに、口ばかりが達者な奴だ。 2.事情も知らないくせに、他人のことに口を挟むな。 3.わかってもいないくせして、わかったような口を利くな。 4.マイクを握ったら離そうとしない。下手なくせに好きなんだから困ったもんだ。 5.いつもはオートバイを仱昊丐筏皮い毪袱悚袱泷Rのくせに、見合いとなると神妙にしている。 ★ 例題 ★ 1) 奥さんが必死で働いている(のに/くせに)、彼は家で朝から酒浸りと(なっている/きている)。あれじゃそのうち奥さんに愛想を(つかす/つかされる)よ。 2) 彼は(知る→     )くせに、私( )は(知る→      )ふりをしていた。 (^^)前課の解答(^^) 1) に対して(→文型322)/なんて(→文型274)/極まる 2) に(「~を食い物にする」は慣用語)/で/卑劣 -------------------------------------------------------------------------------- 071 *~くらい/*~頃 数量   : ×  +  ぐらい/ほど/ばかり 名詞   : ×  +  ぐらい/ほど こ・そ・あ: ×  +  くらい 日時・年齢: ×  +  ぐらい/頃 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:6時頃から2時間ぐらいどうだい、一杯?残業続きだから、たまには気分転換でもしようよ。 李 :いいねえ、隣のビルの屋上ビアガーデンはどう?ところで、何人ぐらい集まりそうなの? 山田:5人ほどだよ。いつもの顔ぶれさ。 李 :せっかくだから、課長も誘ってみたら? ♯ 解説 ♭  だいたいの数量を表したいときは「~くらい」を使えば、どんな場合も可能です。読み方は人によって少し異なるのですが、「こ・そ・あ」につくときは「くらい」、それ以外は「ぐらい」と覚えてください。  「10時頃・三月頃…」のような時を表す数詞につく「~頃」の使い方は初級で習ったと思いますが、「終わり頃・若い頃・その頃…」のように数字を含まない名詞・形容詞にいて「~のとき/~の時期」を表します。後者は概数ではないので、「ぐらい」が使えません。  時以外の数量につくときには「ぐらい・ほど・ばかり」のどれも概数表現として使えますが、「10人ぐらい」は9~11人、「10人ほど」は多くても10人(9~10人)、「10人ばかり」はやや多い10~11人といった語感を持っています。 § 例文 § 1.風邪で三日ぐらい(⇔ほど/ばかり)休んだ。 2.それはメロンぐらい(⇔ほど>の大きさでした。 3.一ヶ月ぐらい(⇔ほど/⇔ばかり)帰国しますが、留守中よろしくお願いします。 4.今日、帰りは八時ぐらい(⇔頃>になるよ。 5.買ってあげてもいいけど、その自転車の値段はどのくらい(⇔どれほど)するの? ★ 例題 ★ 1) わずか一年(ぐらい/頃)で、こんなに日本語が上手に話せる(ように/ことに)なる(というのは/とは)驚きましたよ。 2) さすが元電気技師( )( )あって、壊れたテレビをたった30分ぐらい( )修理(する→  )終えた。 (^^)前課の解答(^^) 1) のに/ときている(→文型229)/つかされる(受身) 2) 知っている/に/知らない(→文型378) -------------------------------------------------------------------------------- 072 *~くらい 名詞    :    ×    +  くらい(ぐらい) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> (注:「こ・そ・あ・ど」接続する時を除けば「ぐらい」が普通) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:わざわざ出かけて来たのだから、お茶の一杯ぐらい入れてくれてもいいと思うけど。 小孫:揚げ物の最中だから待ってよ。一口食べれば、僕の料理の腕がどのくらいかわかるよ。 良子:それにしても孫君はまめね。いつも自炊してるの? 小孫:自炊しなけりゃ、僕たち留学生は生活できないよ。 ♯ 解説 ♭  程度を表す「~くらい」の用法ですが、総じて言えるのは低いレベルの例示に多く使われます。「~ほど」(→文型392)も同様に程度を表します。  例えば下の例で「~ほど」を使った場合、「~ぐらい」で表現された「新聞を読むわずかな時間もない」という話者の失望や残念な感情は消え、普通の客観的な程度の例示になります。   忙しくて、例えば新聞を読む時間がないぐらいだ(・ほどだ)。  そして、例文3~5や下例のように、「そんな簡単でささやかなこと」という最低限の程度を例示する文では「ほど」が使えなります。→例題1)   ひらがなぐらい(×ほど)読めますよ。馬鹿にしないでください。   遅れるときは電話ぐらい(×ほど)しなさい。 § 例文 § 1.この一ヶ月というもの、忙しくて新聞を読む暇もないぐらい(⇔ほど)だ。 2. 彼女の清潔癖は、ほとんど病的なぐらい(⇔ほど)だった。 3.転んでちょっとけがをしたぐらいで、大げさに騒ぐな。 4.手紙の一本ぐらいくれてもいいのに、日本に行ってから何の音沙汰もない。 5.食事の前には、手ぐらい洗いなさい。 ★ 例題 ★ 1) 馬鹿(に/を)しないでください。これ(くらい/ほど)のことは、子供に(だって/って)できますよ。 2) その事件が(起こる→    )のは、それは(不気味だ→     )ぐらい(静かだ→     )ある夜のことだった。 (^^)前課の解答(^^) 1) ぐらい/ように(→文型446)/とは(→文型242) 2) だけ(~だけあって→文型132)/で/し(→文型429) -------------------------------------------------------------------------------- 073 *~ぐらい~はない 名詞    :    ×      + ぐらい ~ はない 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> (注:「こ・そ・あ・ど」接続する時を除けば「ぐらい」が普通) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:君と会ってるときは楽しいけど、別れるときぐらい辛いことはないよ。 真理:毎日会えるのは嬉しいけど、会社の方も頑張ってね。 佐藤:ありがとう。でも、会わなきゃ夜が長すぎるよ。ひとりだったら、もうとっくに崩れてるな。 真理:私だって後ろ髪を引かれる思いなのよ。 ♯ 解説 ♭  「~ぐらい~はない」は「他と比べても、それ以上のものはない」という最高の程度を表します。この用例は「~ほど~はない」(→文型395)文型を使って表せます。   自分の家ぐらい(・ほど)いいところはない。   あの人ぐらい(・ほど)自分勝手な人はいない。  しかし、蔑視や嫌悪の感情を含む時は「ぐらい~はない」の方が多く使われます。つまり、驚きや怒りや蔑視などの話者の感情が強く表れるのは「ぐらい~はない」で、「~ほど~はない」は客観的な説明になります。 § 例文 § 1.言葉もわからない外国で、病気をするぐらい不安なことはありません。 2.何もすることがないぐらい、辛いことはない。 3.陰口ぐらい聞いていて嫌なものはない。 4.お前ぐらい馬鹿な奴は見たことがない。 5.見せかけの親切ぐらい、人を傷つけるものはない。 ★ 例題 ★ 1) あの時ぐらい(恥ずかしく/恥ずかしい)思いをしたこと(は/が)なかった。穴があったら入りたいぐらい(だ/だった)よ。 2) あいつ( )( )( )むかつく奴( )いない。顔を見る( )さえ(嫌だ→     )ぐらいだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) に/くらい/だって(「~でも」の口語形→文型198) 2) 起こった/不気味な(ナ形)/静かな(ナ形) -------------------------------------------------------------------------------- 074 ~ぐらいなら、(むしろ)~ 名詞    :  ×      +  ぐらいなら 、(むしろ)~ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> (注:「こ・そ・あ・ど」接続する時を除けば「ぐらい」が普通) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あれっ、また計算が合わないや。 山田:帰って休んだ方がいいよ。疲れがたまってるんだろ。 李 :女房からなんだかんだと小言を言われるぐらいなら、会社にいた方がずっと気楽なんだよ。 山田:そんな思いをするぐらいなら、いっそ結婚しなければよかったのに。 ♯ 解説 ♭  「Aぐらいなら、(むしろ)B」文型は、多くは文末で「~方がいい/方がましだ/~なさい」などと呼応します。そして例文1~4のように、最低の事態Aを条件にして、そのAを強く否定し、対立するBの選択を打ち出す表現です。上の例文は全て「~より、むしろ~」を使って表すことができますが、相手に対する詰問や非難の感情を込めるときは「Aぐらいなら、(むしろ)B」の方が釣り合います。→例題1)   負けて泣く ぐらいなら、  勝つために泣け。         より、むしろ  しかし、例文5のようにAを否定しないで「どちらかと言えばBの方が適切だ」という選択のときは「~ぐらいなら、(むしろ)~」が使えません。 § 例文 § 1.あんな男と結婚するぐらいなら(⇔より)、死んだ方がましだわ。 2.途中で投げ出すぐらいなら(⇔より)、むしろ初めからやらない方がいい。 3.負けて泣くぐらいなら(⇔より)、勝つために泣け。 4.君に金を貸すぐらいなら(⇔より)、どぶに捨てた方がましだ。 5.あの人は学者と言うより(×ぐらいなら)、むしろ評論家と言った方がいいだろう ★ 例題 ★ 1) 今頃になって後悔する(より/ぐらいなら)、どうして(あの/この)時、私の忠告を(聞く/聞こう)としなかったのか。 2) 最近( )は、この種の電気製品は修理( )出す( )( )も、むしろ新品を買った方( )安くつくんだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 恥ずかしい(→文型022)/は/だった(あの時=過去) 2) ぐらい/は/の(名詞句を作る「の」)/嫌な(ナ形) -------------------------------------------------------------------------------- 075 ~ぐるみ 名詞 : ×  + ぐるみ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :バス旅行中の日本人たちが強盗に身ぐるみ剥がれたけれど、命には別状なかったらしいね。 山田:話しがうまくできすぎてて、あれでは哕炇证挨毪撙畏感肖坤纫嗓铯欷皮庋预ら_きができないね。 李 :その点、日本は安全でいいね。安全がただの国は珍しいよ。 ♯ 解説 ♭  接尾語「ぐるみ」は「~を含めて全部・全員」を意味します。そして、「~ぐるみで~する」「~ぐるみの<名詞>」形がよく使われます。   家族ぐるみで旅行する  →  家族ぐるみの旅行  接尾語「毎(ごと)」(→文型088)にも「そのまま全部」を意味する用法がありますが、「毎(ごと)」は名詞を分けられない一単位で一体の物としてとらえています。その違いが下の例です。→例題1)2)   家族ぐるみで旅行する。 (父も母も兄も姉も、そして私も家族全員で)   家族ごと旅行する。(Aさんの家族、Bさんの家族、C・・・が別々に) § 例文 § 1.この夏は家族ぐるみでハワイに行きました。 2.この邸宅は土地ぐるみで二億円だそうだ。 3.街ぐるみのゴミを少なくする邉婴瑒郡蜃啶筏啤⒁荒辘钎触撙瘟郡霚pした。 4.身ぐるみ脱いで置いていけ。そうすれば命だけは助けてやる。 5.会社ぐるみで事故の真相を隠蔽していた。 ★ 例題 ★ 1) 村(ぐるみ/ごと)の選挙違反が(発覚したが/発覚しても)、当事者たちはそれほど悪いことをしたとは(思っている/思っていない)ようだ。 2) 宿泊料・交通費は言う( )( )もなく、サービス料( )ぐるみで一泊二日2万円のお(得だ→   )パック旅行です。 (^^)前課の解答(^^) 1) ぐらいなら/あの(既知・共通情報は「あ」)/聞こう(→441P) 2) で(範囲限定)/に/より/が(「~より~方が~」比較文) --------------------------------------------------------------------------------
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发表于 2004-11-8 18:54:33 | 显示全部楼层
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 楼主| 发表于 2004-11-9 08:05:35 | 显示全部楼层
目录 -------------------------------------------------------------------------------- 001 *~間に/*~間は 002 *~あげく(に)/~果て(に) 003 ~上げる/~上がる 004 ~あっての 005 *~あまり(に) 006 ~あろうことか(あるまいことか) 007 いかに~ても/いかなる~ても 008 ~如何だ/~如何で/~如何によらず 009 *~以上(は) 010 *~一方だ/*~ばかりだ 011 *~一方(で) 012 いわんや~においてをや/~まして~にはなおさらだ 013 *~上で/**~後で 014 ~上(に) 015 ~上は 016 *~うちに/*~ないうちに 017 *~得る/*~得ない 018 *~おかげで/*~おかげだ 019 *御~する/*御~になる 020 *~恐れがある 021 ~落とす/~漏らす 022 ~思いをする/~思いがする/~覚えがある 023 ~折り(に) 024 ~かい(が)あって/~かいもなく/~がい 025 ~がいい/~がよい 026 *~限り(は)/*~ない限り(は) 027 *~限りだ 028 *~限りでは 029 *~かけだ/*~かける/*~かけの 030 ~が最後/~たら最後 031 *~がする 032 ~かそこら/~辺り/~足らず/~余り 033 **~か、それとも~か/*~か、あるいは~か/~か、または~か 034 *~難い 035 ~かたがた 036 ~かたわら 037 *~がちだ 038 ~がてら 039 ~かと言うと/~かと言えば 040 **~かどうか/~か否か 041 *~かと思うと/*~かと思いきや/~かと見ると 042 *~か~ない(かの)うちに/~か~ないかに 043 *~兼ねない 044 *~兼ねる 045 *~かのようだ 046 ~が早いか 047 **~かもしれない/**~だろう 048 ~からある/~からする/~からの 049 *~から言うと/*~から言えば/*~から言って 050 *~からこそ/~ばこそ 051 *~からして 052 *~からすると/*~からすれば 053 *~からと言って/*~からって/~からとて 054 ~から成る 055 *~から~にかけて/*~から~にかけ 056 *~からには/*~からは 057 *(~から)~にわたって/*(~から)~にわたり/*(~から)~にわた 058 **~から~まで/*~から~に至るまで 059 *~から見ると/*~から見れば/*~から見て 060 *~ かわりに 061 きっての 062 *~ 気味  063 ~嫌いがある 064 *~ きりだ/*~きり~ない 065 ~ きりしか~ない/~だけしか~ない 066 ぎりぎり/すれすれ 067 *~ 切る/*~切れる/*~切れない 068 ~際/~間際 069 ~極まる/~極まりない/の極みだ 070 *~くせに/*~くせして 071 *~くらい/*~頃  072 *~くらい 073 *~ぐらい~はない 074 ~ぐらいなら、(むしろ)~ 075 ~ぐるみ 076 *~げ 077 *~こそ 078 ~こそあれ/~こそすれ 079 *~ことか/*~ことだろう 080 *~ことがある/*~こともある 081 **~ことができる 082 *~ことから/*~ところから 083 ~如し/~如く/~如き 084 *~ことだ 085 *~ことだから/~ことだし/~こととて/~こともあって 086 *~ことなく/~ことなしに/~ことなくして~ない 087 *~ことに(は) 088 *~毎に/*~おきに 089 *~ことにする/*~こととする/*~ことにしている 090 *~ことになる/*~こととなる/*~ことになっている/*~こととなっている 091 ことによると~/ことによれば~/ことによったら~ 092 ~ことは~が、~/~には~が、~ 093 *~ことはない/*~こともない 094 ~込む 095 これといって~ない/これといった~ない/これという~ない 096 ~ごろ/~盛り 097 ~さ/~み 098 *~際(に)/~節(に) 099 *~最中に/*~最中は/*~最中だ 100 *~さえ/~すら 101 *~さえ~ば 102 *~(さ)せて(あげる/くれる/もらう) 103 *~(さ)せておく 104 *~(さ)せてしまう 105 *~(さ)せられる 106 *~ざるを得ない 107 **~し、~/**~し、~し~ 108 *~しかない/*~しか~ない 109 ~しき 110 *~次第 111 *~次第だ/*~次第で(は) 112 ~しな/~がけ  113 ~渋る 114 ~始末だ 115 *~上/~面 116 *~末(に)/*~末の 117 **~過ぎる/~過ごす 118 ~ずくめ 119 ~ずじまい 120 **~ずつ 121 *~ず(に)/~ぬ/~ずば/~ずして/~ずとも 122 *~せいだ/*~せいで/~せいか 123 (せめて)~だけでも(いいから)/(せめて)~なりとも 124 *~そうなら  125 ~損なう/~損ねる/~損ずる  126 ~そのもの/~そのものだ/~以外の何ものでもない 127 ~そばから 128 ~そろい/~ぞろい/~そろって 129 ~だい/~かい 130 *~たいものだ/*~たくないものだ 131 *~だけ/*~のみ 132 *~だけあって/*~だけある/*~だけのことはある/~だけの 133 **~だけでなく~も~/*~のみでなく~も/* ~のみならず~も~/~のみか~も~ 134 *~だけでも/*~だけでは~ない 135 *~だけに 136 ~たことにする/~たことになる 137 ~出す/~始める 138 ただ(単に/ひとり) ~ だけだ/のみだ 139 ~たつ/~だつ 140 *~たっけ/*~だっけ 141 ~たて/~たてだ 142 ~たてる 143 *たとえ~ても/*たとい~ても/*いくら~ても/*どんなに~ても 144 *~たところ~した 145 *~たところが ~ した 146 *~たところだ/*~たばかりだ 147 ~たところで~ない 148 *~たとたん(に)/~た矢先に 149 ~だに 150 ~た弾みに/~た拍子に 151 ~度に 152 *~ため(に)/*~ためだ/~ためか ・ 153 **~ため(に)・/*~よう(に) 154 *~たらいい/*~といい/*~ばいい 155 *~だらけ/~まみれ 156 ~たら~で/~ば~で/~なら~で 157 *~たらどう?/*~たらどうですか 158 **~たり~たりする 159 ~たりとも~ない 160 ~たる者/~ともあろう者が/~としたことが 161 *~だろうか 162 *~中に/*~中は/*~中だ  163 *~ついでに 164 ~つく/~づく・ 165 ~つく ・ 166 ~尽くす 167 ~つける/~慣れる/~こなす 168 *~っこない/~っこ 169 *~つつ/*~つつも 170 ~つ~つ 171 *~つつある 172 *~って 173 ~っ放し 174 *~っぽい/~じみる 175 *~つもりだ/*~つもりで/~つもりだった 176 ~であれ/~であろうと 177 *~ていく 178 **~てから/*~て以来/~てこのかた 179 *~てからでないと/*~た後でなければ/~た上でないと 180 ~てからというもの/ここ~というもの 181 *~てくる 182 **~てください/*~てくれ/~てちょうだい/~たまえ 183 *~てしかたがない/*~てしようがない/*~てたまらない/~てかなわない 184 ~てしかるべきだ 185 ~て済む/~で済む 186 ~でなくてなんだろう/~と言わずしてなんだろう 187 *~てならない 188 ~ては~/~ては~ては~ 189 ~ではあるまいし/~ではあるまいに 190 **~てはいけない/*~ては駄目だ/~んじゃない/~なかれ 191 *~てはいられない/~てばかりはいられない 192 *~てはじめて/~てこそ/~てこそはじめて 193 *~ではないか/*~じゃないか 194 *~ではなく~だ/*~ではなくて~だ 195 *~てはならない/*~てはならぬ 196 ~手前 197 *~てみる/~てみせる/~て御覧 198 *~ても/*~でも/*~たって/*~だって 199 名詞・ナ形容詞の語幹:×/<ナ形-[だ]> + でもあり~でもある 200 ~てもいい/~てもかまわない/~てもさしつかえない/~てもよろしい/~てもけっこうだ 201 ~ても仕方がない/~てもしようがない/~てもはじまらない/~てもせんない 202 ~てやまない/~てやまぬ 203 ~時/~と/~ないと 204 ~とあって/~とある 205 ~とあれば/~とあっては 206 ~といい~といい/~といわず~といわず 207 ~という 208 ~と言うか~と言うか/~と言おうか~と言おうか 209 *~ということだ/~とのことだ/~由/~(ん)だって/(付:そうだ) 210 *~と言うと 211 ~というところだ/~といったところだ 212 ~とは ・ /~というのは 213 *~というものだ/*~というものではない 214 ~というものは/~なるものは 215 *~(という)より(も)、むしろ~ 216 ~と言えど(も) 217 *~と言えば/~ってば/~と言えば~ 218 ~といった/~といって~ない/~といった~ない/~という~ない 219 *~と言ったら/~ったら/~と言ったらない/~ったらありゃしない 220 ~と言っても過言ではない 221 *~と言われている/*~と見られている 222 ~と言わんばかり/~とばかり/~とばかり思っていた 223 どうして~ことができようか/どうして~(ら)れようか 224 *どうしても~たい/どうにかして~たい 225 *~とおり(に)/*~どおり(に) 226 *~とか/~とやら/~とかいう/~とやらいう 227 *~とか~とか/~だの~だの/~の~のと 228 ~と~(と)が相まって 229 ~ときたら/~ときては/~ときている 230 *~どころか/*~どころではない 231 *~ところだった 231 *~ところに/*~ところを 233 ~ところによると/~ところによれば/~ところでは 234 ~ところの 235 ~ところまで来る/~ところまで行く 236 *~としたら/*~とすると/*~とすれば 237 *~として(は/も)/*~としての 238 ~として~ない 239 *~としても/~としたって/~とて 240 *~と共に 241 ~となく/~となく~となく 242 ~とは ・ /~とは思ってもみなかった 243 *~とは言え/*~とは言っても/~とは言うものの 244 ~とは限らない/~とは言えない 245 ~とは比べものにならない/~の及ぶところではない/~の足もとにも及ばない 246 ~とまでは言えない/~とまでは行かない 247 ~と見える/~かに見える/~と思える/~かに思える 248 ~とも/~共 249 ~とも/~なくとも/~ずとも 250 ~ど(も)/~ど(も)~ど(も) 251 ~とも~ともつかない 252 ~ともなく/~ともなしに 253 ~と(も)なると/~と(も)なれば/~と(も)なっては 254 ~ないかなあ/~といいなあ/~たらいいなあ 255 *~ないことには 256 *~ないことはない 257 *~ないで/*~なくて 258 *~ないでいる/*~ずにいる/~ずにおる 259 ~ないでおく/~ずにおく/~ずにある 260 ~ないで済む/~ずに済む/~なしで済む 261 *~ないで(は)いられない/*~ずに(は)いられない 262 *~ないではおかない/*~ずにはおかない 263 ~ないでは済まない/~ずには済まない/~なしでは済まない 264 ~ないとも限らない 265 ~ないまでも 266 ~ないものでもない 267 ~ないものはない/~ない<名詞>はない 268 ~直す/~返す 269 *~ながら/~ながらに/~ながらの 270 *~ながら(も) 271 ~なければならない/~なくてはならない/~なきゃなんない/~なくてはいけない 272 ~なしに/~なくして/~なしには~できない/~なくしては~できない 273 *何故なら~からだ/*何故かというと~からだ/*というのは~からだ 274 *~など/*~なんか/*~なんて 275 ~並/~並み 276 ~ならいざ知らず/~ならともかく 277 ~ならでは 278 ~ならまだしも/~からまだしも 279 ~なり(だ/に/の) 280 ~なり 281 ~なり/~なりと(も)/~なり~なり 282 何と言っても~/何と言う~ 283 何となく~/何とはなしに~/何だか~ 284 何ら~ない/何らの~ない 285 ~に~/~に~て/~に~を重ねて 286 *~に当たって/*~に当たり 287 ~にあって 288 ~に合わせて/~合わせる/~合う 289 ~に至って~した/~に至った 290 ~に至っては/~に至ると 291 *~において(は/も)/*~における/*~にて 292 *~に応じて/~に応えて 293 *~に関わる/*~に関わらず/*~に関わりなく 294 *~に限って/*~に限り 296 ~に限らない/~に限ったことではない 297 ~に限る 298 *~にかけては/~に賭けて(も) 299 ~にかこつけて/~を口実に(して) 300 ~に難くない/*~やすい/*~よい 301 ~にかまけて 302 *~にかまわず/*~もかまわず 303 *~にかわって/*~にかわり/~にかえて 304 *~に関して/~に関する/~にまつわる 305 *~に決まっている/*~に違いない/*~に相違ない 306 *~にくい/~づらい 307 *~に比べて/*~と比べて 308 *~に加えて/*~に加え 309 ~に越したことはない 310 *~に際して/*~に際し 311 *~に先立って/*~に先立ち 312 *~に従って/*~に従う  313 *~にしたら/~にすれば/~にしてみれば/ 314 ~にして/~にして~(ら)れない/~にして、はじめて~(ら)れる 315 *~にしては/*それにしては/*~わりに(は)/*そのわりに 316 ~にしても/それにしても  ・ 317 ~にしても ・ 318 *~にしろ/*~にせよ 319 *~にせよ~(ない)にせよ/*~にしろ~(ない)にしろ/*~にしても~ 320 *~に過ぎない 321 *~にそって/*~沿い 322 *~に対して/*~に対する ・ 323 ~に堪える/~に堪えない  324 ~に足る/~に足りない/~に値する/~に恥じない 325 *~について/*~についての 326 ~に次いで/~に次ぐ 327 ~につき 328 *~につけ/*~につけて(も) 329 ~につけ~につけ 330 *~につれて/*~に伴って/*~に伴う 331 *~にとって(は/も)/~にとり 332 ~に(も)なく/~に(も)ない  333 ~になくてはならない/~に欠くことができない 334 ~に上る/~を下らない/~を越す/~や~にとどまらない 335 ~には/~におかれましては 336 *~に(は)/*~(の)に/*~に行く 337 ~には当たらない 338 ~には及ばない/~までもない/~までのこともない 339 *~に反して/~に背いて 340 ~にひきかえ/~に対して・ 341 *~にほかならない/ほかならぬ~ 342 ~に免じて/~に免じ 343 ~にもかかわらず 344 *~に基づいて/~に即して/~に照らして/~を踏まえて 345 ~に(も)まして 346 *~によって ・ 手段・理由・根拠=で 347 *~によって ・ 対応・関係 348 *~によって~(ら)れる 349 ~によらず 350 *~によると/*~によれば/*~では 351 *~抜きで/*~抜きにして 352 *~抜く/~通す/~続ける 353 ~ねば/~ねばならぬ/~ずばなるまい 354 ~の/~こと 355 ~の至りだ 356 *~のではないか/~んじゃないか/*~じゃないだろうか/*~じゃないか 357 *~のは~からだ/*~のは~からで(は)なく、~からだ 358 ~のなんのって/~の~ないのって/~なんてもんじゃない 359 *~のに/*それなのに 360 *~の下で/*~の下に 361 ~はおろか/~は言うに及ばず/~は言うまでもなく 362 *~ばかり~する/*~てばかりだ/*~てばかりいる 363 *~ばかりでなく/*~ばかりか/~にとどまらず 364 ~ばかりに 365 ~ばかりになっている/~ばかりだ/~ばかりの 366 *~はずがない 367 *~はずだ/*~ないはずだ 368 ~はずだった/~はずではなかった 369 (~ば/~なら/~たら/~と)それまでだ 370 ~は~とされる/~は~とみなされる 371 *~はともかく/~はともあれ/~はさておいて 372 *~は別にして/~は除いて 373 ~は無理からぬ/~はもっともだ 374 *~はもちろん/*~は元より 375 *~反面(で) 376 ~びる 377 ~風/~ふうだ/~ふうをする 378 *~ふりをする 379 *~ぶりに/*~ぶりだ/*~ぶりの/~っぷり(ぶり) 380 ~ぶる 381 ~分/~分には 382 *~べきだ/~べし/~べき  383 ~べきだった/~べきではなかった/*~ばよかった 384 *~べきではない/~べからず/~べからざる 385 ~べく~/~べくもない 386 ~べくして 387 ~へと/~へ~へと 388 ~方がいい/~方がましだ 389 ~放題 390 *~ほか(は)ない/*~よりほか~ない/*~よりほかしかたがない 391 ~ぽっち/~ぽっきり 392 *~ほど/*~て~ほどだ/*~ほど~ない 393 *~ほど/*~ば~ほど/~ば~だけ 394 ~ほど(のこと/のもの)ではない/~にもほどがある 395 *~ほど~はない 396 ほんの~/ものの~ 397 ~ま 398 *~まい/~まいと思う/~まいとする 399 ~まくる 400 ~まじ/~にあるまじき/~としてあるまじき 401 ~まして(←ます)/~ませんで/~ませ 402 **~まで/**~までに/**までで <時・場所> 403 *~まで/*~までに/*~までになる<程度> 404 ~まで/~までして/~てまで 405 ~までだ/~までのことだ 406 ~まま/~ままの/~ままに~する 407 見るからに~そうだ 408 ~みたいだ/~みたいな/~みたいに 409 *~向きだ/*~向けの/*~向きがある 410 *~向けだ/*~向けの/*~向けに 411 ~め(目)/~目にあう 412 ~めく 413 ~める/~まる 414 ~もあろうに/~でもなかろうに/~でもあるまいに 415 ~もさることながら 416 ~もそこそこに/~そこそこ 417 *~ものか/~*もんか/*~ものですか/*~もんですか  418 ~ものか/~たらいいものか/~ばいいものか 419 *~ものがある 420 *~ものだ/*~ものではない 421 *~ものだ/*~もんだ 422 *(~た)ものだ/(~た)ものだった 423 *~もので/*~ものだから/*~もんだから/*だって~んだもの 424 *~ものなら/*~もんなら 425 *~ものの/~もんの 426 *~ものを 427 *~も~ば、~も~/*~も~なければ、~も~ない/*~も~なら、~も~ 428 ~や~/~や否や 429 ~やむ/~終わる/~終える 430 やむを得えず/~(の)もやむを得ぬ 431 **~や~や~/*~やら~やら~ 432 *~(の/もの)やら~(の/もの)やら 433 やれ~だ(の)、やれ~だ(の)と/~や~の~ 434 ~故(に) 435 *~よう/*~かた/*~ようがない/~すべがない 436 *~(よ)うか~まいか 437 ~(よ)うが/~(よ)うと/~かろうが/~かろうと 438 ~(よ)うが~まいが/~(よ)うと~まいと 439 ~(よ)うがいとわない/~(よ)うといとわない 440 *~(よ)うではないか/*~(よ)うじゃないか 441 *~(よ)うとする/~(よ)うとしたところに 442 *~ようなら/*~ようだったら 443 *~よう(に)/~ようにと 444 ~(よ)うに/~まいに/~たろうに 445 *~ようにする/*~ようにしている/*~ようにしなさい 446 *~ようになる/*~ようになっている 447 *~(よ)うにも~できない/*~に~できない 448 ~(よ)うものなら 449 よくしたもの(だ/で)/よく言ったもの(だ/で) 450 *~らしい/~(っ)たらしい/~がましい 451 ~わ/~わ~わ 452 *わけ/*わけがわからない 453 *~わけがない 454 *~わけだ 455 *~わけではない/*~わけじゃない 456 *わけ(は/の)ない/*わけなく~する 457 *~わけにはいかない/*~ないわけにはいかない/~こともならず 458 ~をおいてほかに~ない/~を除いて(ほかに)~ない 459 ~を顧みず/~を顧みる~もなく 460 ~を限りに/~を潮に 461 ~を兼ねて 462 ~を皮切りに/~を皮切りにして/~を皮切りとして 463 *~をきっかけに/*~を契機に/~を機に 464 ~を禁じ得ない 465 *~を込めて/*~を込めた 466 *~をしている 467 ~をして~しめる 468 ~を頼りに/~を盾に/~をかさに 469 *~を中心に/*~を中心ににして/*~を中心にとして 470 *~を通して/*~を通じて 471 ~を~として~する/~を~とする 472 *~を問わず/*~を問わない 473 ~を~に控えて/~が~に控えて 474 *~をはじめ(として)/*~をはじめとする 475 ~をピークに(して)/~を境に(して) 476 ~を経て 477 ~を前に(して)/~を目前にして/~に臨んで/~に面して 478 *~をめぐって/*~をめぐり/*~をめぐる/*~をめぐっての 479 ~を目指して/~に向かって 480 ~をもって/~をもってすればを/~をもってしても/~でもって 481 *~を基に/*~を基にして/~が基になって 482 ~をものともせず(に) 483 ~を余儀なくされる/~を余儀なくさせる 484 ~をよそに 485 ~んがため(に) 486 ~んとする 487 ~んばかりだ/~んばかりに/~んばかりの 488 ~ -------------------------------------------------------------------------------- 資料:「よく使う・・・一覧」 1 格助詞の用法 2 会話文型(接続別) 3 口語文型 4 接続詞(機能別) 5 副詞(機能別)
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 楼主| 发表于 2004-11-9 19:30:00 | 显示全部楼层
076 *~げ 形容詞語幹:ー[い]/ー[な]   +  げだ ある   :[ます]形          げな + 名詞                     げに + 動詞          -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:この店はいつも楽しげな家族連れで一杯ね。ところで今日は何を食べさせてくれるの? 李 :ねえ、外にいるあの子、食堂のサンプルを覗き込んでるけど、とても食べたげだよ。 良子:どうしたのかしら。本当にひもじそうだわ。ホームレスなのかしら。 ♯ 解説 ♭  「~げ」は外から見ての推量を表す接尾語で、「すこし~そうな様子だ」という意味を表します。希に「大人げがない」のように名詞や、「意味ありげな態度」のように動詞につくこともあるのですが、ほとんどは形容詞の語幹について、ナ形容詞をつくります。この「~げ」は様態の「そうだ」と置き換えが可能です。→例題1)2)  悲しそうだ・悲しそうな顔  → 悲しげだ・悲しげな顔  不安そうだ・不安そうな様子 → 不安げだ・不安げな様子 § 例文 § 1.お前って、本当にかわいげのない女だな。 2.怪しげな男が家の回りをうろついている。 3.彼は何やら言いたげな様子だったが、結局口を開かなかった。 4.あなたを尋ねて男の人が来ましたが、何かいわくありげでしたよ。 5.手塩にかけて育てた娘が嫁ぐ日、父親はどこか寂しげだった。 ★ 例題 ★ 1) 男はなにやら意味(ある/あり)げ(の/な)笑いを(浮かべて/浮かんで)、僕を見ていた。 2) 彼は「大丈夫だ。俺( )任せろ」と言ったが、みんなは(心配だ→    )げ( )顔を見合わせた。 (^^)前課の解答(^^) 1) ぐるみ/発覚したが(「が」と「ても」の違い)/思っていない 2) まで(までもない→文型338)/×/得な(ナ形) -------------------------------------------------------------------------------- 077 *~こそ 名詞(+格助詞) : ×  +  こそ~ これ・それ・あれ : ×      こそ~が、~ (動詞・形容詞には、「て形」「ます形」「~ば」などと多様に接続) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:新製品の立ち上がりが今ひとつなので、販促(販売促進)キャンペーンを大々的に打つ。君の出番だよ。 李 :前回は思わしくありませんでしたが、今回こそ成果をあげて、皆をあっと言わせますよ。 課長:それでこそわが社のホープだ。最少の費用で最大の効果をあげてほしいからこその君の起用だよ。 ♯ 解説 ♭  「~こそ」は前の語を「正に~だ」と強調する副助詞です。「~こそ」については「名詞・これ・それ・あれ」と接続する形や、例文2、3のように「~こそ~が、~」の形も一番よく使われます。→例題1)  それ以外のものは、「~からこそ/~ばこそ」(→文型050)、「~てこそ」(→文型192)、「~こそあれ/~こそすれ」(→文型078)のように文型を作りますから、別に覚えればいいでしょう。  なお、限定の「~だけ」との混同がよく起こりますが、「君こそ間違っている」と「君だけ間違っている」は意味が異なりますし、「反対しているのは君だけだ」を「反対しているのは君こそだ」とは言えません。 § 例文 § 1.「どうぞよろしくお願いします。」「いいえ、こちらこそ」 2.彼は学校の成績こそ悪いが、素直でいい子ですよ。 3.口にこそ出しませんでしたが、専務のやり方には賛成ではありません。 4.これこそ私が探し求めていたものです。 5.好きこそものの上手なれ。<ことわざ> ★ 例題 ★ 1) 彼は口(だけ/こそ)悪い(が/のに)、根はいたって優しい男なんだよ。むしろ甘言を弄する人間に(だけ/こそ)気をつける(はず/べき)だろう。 2) 今年こそ今年こそと(思う→   )ながら、どうも僕って男は結婚撸ā。⿶{まれない( )か、相も変わらぬ独身暮らしだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) あり/な/浮かべて(他V) 2) に(~を~に任せる)/心配/に -------------------------------------------------------------------------------- 078 ~こそあれ/~こそすれ 動詞:[ます]形  +  こそすれ 名詞: ×     +  こそあれ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:残念だが、昨年始めた新規事業から、年度末をもって撤退することになった。 山田:期待こそあれ、挫折は想像すらしなかっただけに意外です。時、我に利あらずでしたね。 李 :誰もが成り行きを心配しこそすれ、無関心な社員は一人もいませんでしたのに。残念がるでしょうねえ。 ♯ 解説 ♭  「~こそあれ/~こそすれ」は「~けれども/~ても」を強調する逆説の言い方です。改まった場面では年配者が使うことがありますが、今日では古い書面語ですから、読んでわかれば十分です。 § 例文 § 1.仕事には分業こそあれ、上下、貴賎の区別はない。 2.程度の差こそあれ、誰でも出世欲というものは持っている。 3.あなたには感謝こそすれ、恨みを抱くなんてあろうはずがありません。 4.苦労こそあれ、やはり子育ては楽しいものです。 5.盗みこそすれ、非道はせず。 ★ 例題 ★ 1) 彼女は国民的歌手(にとって/として/に対して)、日本人なら知ら(ぬ/ず)人はいないが、名誉、財産(こそあれ/こそすれ)、幸せ少ない女性だった。 2) お恥ず かしいことながら、英語は(読める→   )こそ( )( )、話す方 ( )なると、さっぱり駄目なんです。 (^^)前課の解答(^^) 1) こそ/が/こそ/べき(~はずだ→文型367/~べきだ→文型382) 2) 思い(→文型270)/に(~が~に恵まれる)/の -------------------------------------------------------------------------------- 079 *~ことか/*~ことだろう どんなに + 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>  + ことか どれほど                       ことだろう なんど なんと -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :忙しくて、てんやわんやなのに、あろうことか、うちのかみさん、風邪を引いちまってね。 山田:なんだ、そんなことか。僕はてっきり奥さんが大病で倒れたのかと、本気で心配してたんだぞ。 李 :「なんだ、そんなことか」はないだろう?女房が寝込むとどんなに大変なことかを思い知らされたよ。 ♯ 解説 ♭  「~ことか/~ことだろう」は話し手個人の気持ちを表す感嘆表現で、「どんなに/どれほど/何度/なんと」などの副詞と呼応することが多いのでしょう。文末では「~ことか」「~ことだろう」のどちらを使ってもかまいませんが、会話では「~ことだろう/~ことでしょう」や、「なんと~こと!」のように「だろう」も省略して使うことが多いでしょう。「~ことか」はどちらかといえば、書面語に属します。  感嘆表現には「~ものだ」(→文型421)もありますが、使う場面が異なりますから、併せて参照してください。 § 例文 § 1.君のことをどんなに心配したことか。でも、無事でよかった。 2.何度君に忠告したことか。しかし君はそれに耳を貸そうともしなかった。 3.あれからもう十年か、何と月日の経つのは早いことだろう。 4.いじめを受けて自殺した少年は、どんなに辛く、くやしかったことだろう。 5.あなたのいない毎日が、どれほど寂しかったことか。 ★ 例題 ★ 1) 今までに何度死にたいと思った(の/こと)か。(そんな/あんな)時、いつもこの子が私に生きる勇気を与え(てもらった/てくれた)んです。 2) 君のお父さん( )生きていたら、君の立派に成人した姿を見て、どれ( )( )喜んだこと( )( )( )。 (^^)前課の解答(^^) 1) として(→文型237)/ぬ(→文型121)/こそあれ 2) 読め/すれ/と(~となると→文型253) -------------------------------------------------------------------------------- 080 *~ことがある/*~こともある 動詞:た形      +  ことがある  ・               こともある 動詞:原形・ない形  +  ことがある  ・               こともある -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ちょっと息子のことで残念なことがあってね。 山田:残念って、何が? 李 :息子のサッカー・チームは今まで一度も全国大会まで行ったことはなく、今度こそと応援していたんだが、今一歩のところで負けちゃってね。 山田:うまく行くこともあれば、行かないこともあるさ。 ♯ 解説 ♭  「~ことがある」「~こともある」は前に来る動詞が原形か過去・完了形かで意味が変わてくるので、注意する必要があります。  動詞の過去・完了形(た形/なかった形)と結びついたときは過去の経験を表します。しかし、動詞の原形・ない形と結びつくときは「現在もときどき~している」経験や事実を表します。   彼には会ったことがある。<以前>   彼には会うことがある。 < 今も、ときどき> § 例文 § 1.どこかで見たことがある顔だなあ、えっと、誰だったっけ? 2.○○って何?見たことも聞いたこともないなあ。 3.「猿も木から落ちる」とでも言いましょうか、彼ほどのベテランでも失敗することはあります。 4.言葉遣いを間違うと、相手に誤解されることもあるから、気をつけた方がいい。 5.この子の将来を考えると、心配で夜も眠れないことがある。 ★ 例題 ★ 1) 彼(と/に)は知人の葬式で一度顔を(合わせる/合わせた)きりで、ゆっくり(話す/話した)ことはない。 2) その店には今でも時々(行く→   )ことがあるが、彼にはまだ(会う→  )ことが(ある→   )。 (^^)前課の解答(^^) 1) ことか/そんな(相手の発言を指す「そ」)/てくれた 2) が(従属節中の主語は「が})/ほど/だろう -------------------------------------------------------------------------------- 081 *~ことができる 動詞:原形   +  ことができる (注:する→できる/結婚する→結婚できる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :この夏のボーナスは、期待できそうもないなあ。 山田:うん、会社の売り上げも落ちているし、「減給もやむなし」という声すらあがっているようだしね。 李 :会社に残ることができれば、むしろ、幸せだと思うべきかもしれないね。 山田:ああ、サラリーマンは、つくづく哀しい稼業だよ。 ♯ 解説 ♭  「ことができる」は「能力があってできる/条件があってできる/技能を体得した結果できる」など広く可能を表すことができる文型です。ただし、「~ことができる」や可能形が使われない動詞があるので注意してください。??雨が降ることができる/??雨が降れる。  おかしいですね。つまり「ある・いる・要る・わかる」などの状態動詞や物が主語になる自動詞「光る・壊れる…」などには可能形がないのです。  今も、ときどき その他、「~する」動詞や「お~する」などの敬語形は、それぞれ次のようになります。→例題2)   研究する→研究できる   貸す→お貸しする→お貸しできる § 例文 § 1.自分ができないことを他人に「やれ」と言うべきではない。 2.きれいごとだけでは、生きてゆくことはできない。 3.資金がもう少しありさえすれば、この事業を軌道に仱护毪长趣扦毪韦坤
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 楼主| 发表于 2004-11-10 09:55:06 | 显示全部楼层
101 *~さえ~ば 名詞 : ×          +  さえ ~ ば 格助詞:に・で・と・から・の (注:動詞・形容詞接続の場合については解説部で説明する) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :部長は社長の信任が厚いから、部長さえ説得できれば、ゴー・サインは決まったようなものさ。 山田:購入予約さえあれば、生産に踏み出せるのになあ。いつもあと一歩のところまで行くのに・・・。 李 :部長も見通しさえ立てば、あんなに躊躇しないよ。製品スペックを見直してみようか。 ♯ 解説 ♭  「~さえ~ば」文型は「そのひとつの条件が満たされれば~」という意味で、それが駄目なら他は全て駄目だという判断が常に裏側にあります。なお、この文型は「~すら」が使えませんから注意してください。ここでは次の形を覚えてください。→例題1)2)イ形 :おもしろい→ おもしろくさえあればナ形 :元気だ  → 元気でさえあれば動詞 :飲む → 飲みます → 飲みさえすればする :努力する → 努力さえすれば/努力しさえすればている:飲んでいる→ 飲んでさえいれば/飲んでいさえすれば § 例文 § 1.自分さえよければ、他人はどうなってもいいというのか。 2.あなたさえよければ、私は別にかまいません。 3.多少品質に問題があっても、安くさえあれば何でもいいです。 4.私としては息子に高望みはしていません。元気でいてくれさえすればいいんです。 5.金さえあれば何でもできるという風潮が支配的だ。 ★ 例題 ★ 1) うちの主人は、お酒を飲んでさえ(すれば/いれば/あれば)ご機嫌で、まあ酒さえ(すれば/あれば)幸せな人なんですが、夫の健康が気(に/を)かかります。 2) あなた( )協力して(くれる→     )さえ(する→     )ば、私は百人力です。 (^^)前課の解答(^^) 1) に(移動Vの「に」目的地は)/仱盲皮丹ǎ耄ㄗ裕郑‐ 2) で(×も可)/食べられない(副詞「ろくに~ない」)/が(自V) -------------------------------------------------------------------------------- 102 *~(さ)せて(あげる/くれる/もらう) 動詞の使役形:て形  +  やる/あげる/さしあげる               もらう/いただく               くれる/くださる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :例の試作車に仱椁护皮猡椁盲郡螭坤堡伞⒂∠螭伪·ぼ嚖坤盲郡琛0k売されても僕は買わないな。 木村:自動車部の仲間のよしみで紹介したのに。それじゃあ、僕の顔が丸つぶれじゃないか。 李 :僕のとっておきのブランデー、もう残り少なくなったけど、君に飲ませてやるから、機嫌を直してくれよ。 ♯ 解説 ♭  この文型は動詞の使役形と受給表現が結びついた形で、許容・許可の表現を作ります。会話では例文1~3のように「~(さ)せてください・~(さ)せてもらえませんか・~(さ)せていただけませんか」などの許可の依頼表現が一番よく使われます。        私が ここで 働く。  →あなたが 私を ここで 働かせる。  →     私を ここで 働かせて ください。  なお、例文5のように恩恵の強調を表すこともあります。 § 例文 § 1.少し疲れました。すみませんが、30分ほど休ませていただけませんか。 2.どんなことでもいたします。給料はいくらでもかまいません。私をここで働かせてください。 3.その仕事は私も興味があります。私にも協力させてくださいませんか。 4.今日は急用がありますので、お先に失礼させていただきます。 5.あ~んと口を開けて、お母さんが食べさせてあげる。 ★ 例題 ★ 1) おい、俺にも一言(だけ/さえ)(言って/言わせて)くれ。(言い/言われ)っぱなしじゃ、気がおさまらない。 2) これ( )もちまして、御挨拶( )(代える→    )ていただきます。 (^^)前課の解答(^^) 1) いれば/あれば/に(慣用語「~が気にかかる」) 2) が(従属句中の主語は「が」)/くれ/すれ -------------------------------------------------------------------------------- 103 *~(さ)せておく 動詞の使役形:て形 + おく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:よくもあんなに休まずに仕事ができるな。 佐藤:やりたい奴にはやらせておくさ。我々は一服だ! 李 :彼に任せておいても大丈夫だよ。どうせ、機械が勝手に作って、人間はほんの付属品に過ぎないんだから。 百恵:言わせておけば、好き勝手なことばかり言ってるわねえ。彼が気の毒よ。もういいかげんにしたら。 ♯ 解説 ♭  使役形は行為の強制ですが、消極的強制から、消極的な容認へ、更に放置・放任へと意味は拡大していきます。   兄は妹に部屋を掃除させた。          <強制>   その作品は人々に環境問題の重要さを考えさせた。<誘発>   父は子供たちにやりたいことをやらせた。    <許容・放置・放任>  「~ておく」(→資料。)は事前準備の意味を表すほかに、状態保持や放置・放任の意味も表します。その許容・放置・放任の意味をはっきりさせるのが、この「使役形+ておく」文型です。→例題1) § 例文 § 1.どうせ大した用事じゃないんだ。待たせておけ。 2.反対する奴には反対させておけ。結果よければ全てよしだ。 3.今日は疲れているんだろう。ゆっくり寝させておけ。 4.今は泣きたいだけ泣かせておけばいい。 5.あまりわがままにさせておくと、大きくなってから、ろくな人間にはならないぞ。 ★ 例題 ★ 1) がみがみ(言わないで/言わなくて)、そっとし(ていて/ておいて)やれ。今は ひとりで反省(して/させて)おいた方がいい。 2) (言う→     )たい奴( )は、(言う→    )ておけばいい。君は君の道を行け。 (^^)前課の解答(^^) 1) だけ/言わせて/言われ(受身形&「~っぱなし」→文型173) 2) を(「~をもって」の丁寧語→文型480)/に/代えさせて -------------------------------------------------------------------------------- 104 *~(さ)せてしまう 動詞の使役形: て形 + しまう -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :山田さんが馬鹿なことばっかり言うから、百恵ちゃんをかんかんに怒らせてしまったじゃないか。 佐藤:君がそれとなく注意して、山田さんを黙らせてしまえばよかったのに。 李 :事ここに至っては、なんとかこの場をまるく収めるしかないよ。山田さんには、いつも手を焼くよ。 ♯ 解説 ♭  「~(さ)せてしまう」は「あ~あ残念だ」「あ~あ、失敗した」という感情を込めた不本意の表現です。前に来る動詞は感情や心理、また自然・自発の生理自然現象を表す動詞が多いでしょう。  もし前に来る動詞が意志動詞の時は、会話中の「黙らせてしまえばよかった」のように、「完全に・徹底して~させる」という強制の文ともなりますが、用例としてはあまり多くありません。 § 例文 § 1.待たせてしまったね。ごめん、ごめん。その償いに食事をおごるよ。 2.水をやり忘れて、花を枯れさせてしまた。 3.ちょっとしたミスが、全体の計画を挫折させてしまうことがある。 4.軽い冗談のつもりで言っただけなのに、彼女を怒らせてしまった。 5.ふとした呙韦い郡氦椁⒈摔稳松蚩瘠铯护皮筏蓼盲俊 ★ 例題 ★ 1) 僕が非行(に/を)走った(だけに/ばかりに)、親(を/が)悲しませ(てしまった/ていた/ておいた)。 2) 君( )何もかも(やる→     )しまってごめん。この償いはいつ( )きっとする。 (^^)前課の解答(^^) 1) 言わないで(→文型257)/ておいて/させて 2) 言い(V〔ます〕形+たい)/に(使役文「が→に」)/言わせて -------------------------------------------------------------------------------- 105 *~(さ)せられる 動詞使役形:~(さ)せる   → ~(さ)せられる      :~(さ)す    → ~される -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ <注:「~される」の形は「する」と「~す」で終わる動詞を除く> 山田:人の不始末の尻拭いで、毎日遅くまで残業させられたんじゃたまらないよなあ。 百恵:残業させられる人の身にもなってほしいものだわ。若い独身の女性がこんな時間まで残業してるようじゃあ、いい人に巡り合えないわ。 山田:独身男性がここにも一人いるのをお忘れ? ♯ 解説 ♭  「~(さ)せられる」は「使役の受身」と呼ばれています。使役形には「~(さ)せる」と「~(さ)す」の形がありますから、使役の受身形も二通りあります。意味の上では「~ことを強制される」という強い被害感を表すときと、感情・感覚を表す動詞について「自然に~になる/になってしまう」という自発・誘発を表すときに分かれますが、用例としては自発・誘発の方がはるかに多いでしょう。            私が 歌を 歌う。<使役文>  部長が 私に 歌を 歌わせる。                  歌わす<被役文>  私は 部長に 歌を 歌わせられる。                  歌わされる。 § 例文 § 1.上司に飲めない酒を無理矢理飲まされて、立って歩くこともできなかった。 2.食べたくもないのに食べさせられるのは、ほとんど拷問に近い。 3.父親に雨の中をタバコを買いに行かされた。 4.昨日の空中ブランコは見ていてはらはらさせられた。 5.糠味噌の腐るような部長の歌を何曲も聴かされても、「もう一曲」と拍手しなければならない身の辛さ。 ★ 例題 ★ 1) 小さい妹の世話を(するし/したり)、食事の支度を(するし/したり)、本当にあの子には感心(する/させられる)。 2) あの先生( )はいつも本文( )暗記させられたが、今思えば、それが会話力( )つける一番の近道だった。 (^^)前課の解答(^^) 1) に/ばかりに(→文型364)/を(自Vの使役文)/てしまった 2) に(他Vの使役文)/やらせて/か(「誰か・どこか」などの「か}) -------------------------------------------------------------------------------- 106 *~ざるを得ない 動詞:[ない]形  +  ざるを得ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ <注:「する」→「せざるをえない」。可能形や「ある・わかる」などの状態動詞、「疲れる・困る」などの状態性の動詞にはつかない> 李 :あれだけの証拠を突きつけられたのでは、流石の彼も自分の落ち度を認めざるを得なかったようだ。 山田:ぐうの音も出ないとは正にこのことだね。その直後のリーダーとしての再指名とあっては、彼も名誉挽回のためにも死にもの狂いで頑張らざるを得ないだろう。 李 :部長の人使いのうまさには脱帽するよ。 ♯ 解説 ♭  「~ざるを得ない」は少し硬い言い方ですが、例文1~3のように「(何か事情があって)~するしかない/~しなければならない」という意味を表します。また、例文4、5のように、「諸事情を考えると/いろいろ賛否はあっても~という結論に至る」という婉曲な断定の用例も生じてきます。  どちらの場合でも「そうしたくはないが、しかたなく~」という感情を込めた不本意な選択で、積極的な選択ではありません。類義表現に「~よりほかない」(→文型391)や「~ないわけにはいかない」(→文型457)などがありますが、日常の会話で多く使われるのはこちらの方でしょう。   やらざるを得ない。  =やるしかない/やるよりほかない。  =やらないわけにはいかない。 § 例文 § 1.君がしないなら、僕がやらざるを得ないだろう。 2.風邪気味なので休みたいのだが、社長命令では出社せざるを得ない。 3.したくなくても、せざるを得ないことはあるものだ。 4.今回の原発事故の責任は、単に現場担当者だけでなく、政府にもあると言わざるを得ない。 5.いろいろな医学データーから見て、タバコは癌の原因になると言わざるを得ない。 ★ 例題 ★ 1) (こんな/こんなに)雨が(ひどくては/ひどくて)、野外パーティは中止(せざる/しざる)を得まい。 2) 君一人の責任ではないが、君( )も非があると(言う→   )ざる( )得ないだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) したり(→文型158)/したり/感心させられる(自発・自然) 2) に/を(他Vの使役文「~に~を~させる」)/を(他V) -------------------------------------------------------------------------------- 107 *~し、~/*~し、~し~ 名詞    :  だ      + し、~ 動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーだ>     し、~も~し~ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :体はだるいし、頭も痛いし、今日は会社を休みたい気分だなあ。 良子:たまには年休をとって、のんびりしたら?働き詰めじゃ、体が持たないわよ。 李 :そうしようか。出世の階段を上るためにあくせくするより、自分の時間を大切にしたいし。 ♯ 解説 ♭  「~し」は事物を累加するときに使う接続助詞です。一度しか「~し」が使われていないときにも、同類の何かがあることを暗示しています。多くの場合は副助詞「も」と呼応し「~し、~も~し~」という形で使われますから、そのまま覚えておきましょう。この場合、「~も~ば、~も~」文型(→文型427)と同義表現になります。また、「~し/~し、~し~」が文脈上、原因・理由を表すときは、「~て~て~から/~て~て~ので」と同義表現になります。→例題1)   お金もないし、暇もない。    <添加>    =お金もなければ、暇もない。   お金もないし、暇もないし、家で寝ているしかない。<理由>    =お金もなくて、暇もないから、家で寝ているしかない。 § 例文 § 1.もう時間も遅いことですし、そろそろ失礼いたします。 2.急に残業しろと言われたって、こちらにも都合があるし、困ったなあ。 3.雨も降っているし、風も強いし、最悪の天気だ。 4.彼はスポーツ万能だし、ハンサムだし、女の子にもてないわけがない。 5.瀬戸内地方は気候も温暖だし、魚もうまいし、果物も豊富です。 ★ 例題 ★ 1) どんな場合に(は/も)、賛成者もいるし、反対者(は/も)いる。反対を恐れるのは何(を/も)しないのに等しい。 2) 人( )はそれぞれ事情というものがある( )、余り無理強い(する→  )方がいい。 (^^)前課の解答(^^) 1) こんなに/ひどくては(~ては→文型188)/せざる 2) に/言わ/を -------------------------------------------------------------------------------- 108 *~しかない/*~しか~ない 名詞/数詞   :    ×      +  しかない これ・それ・あれ:    ×         しか ~ ない 格助詞     :    × 動詞      :原形/ている形/て形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :このディジタル・カメラは予定外の買い物だよ。現金が1万円しかないので、カードを使うしかないな。 小平:ママ、僕、お腹が空いたよ。早く何か食べようよ。 良子:今日は外食は取りやめて、お家で食べましょうね。あなたも節約よ。愛しい恋女房の手料理では、まずくても食べるしかないわよね。それとも、カメラ、諦める? ♯ 解説 ♭  「しか~ない」は「だけ」と同じ限定の用法ですが、語感の違いが生じます。「~だけ」は感情を含まない限定ですが、「~しか~ない」は「不足・不満・残念」などの話者の感情が強く現れます。この「~しか~ない」を更に強調したのが「~だけしか~ない」(→文型065)です →例題1)     5000円だけあります。<客観事実>     5000円しかありません。<不足・不満・残念>  動詞と結びつくときは「遊ぶしかない/遊んでしかいない/遊んでいるしかない」、形容詞と結びつくときは「美しくしかない/不幸でしかない」のようになるのですが、形容詞の用例は少ないので取り上げませんでした。 § 例文 § 1.試験まで、泣いても笑っても、あと一週間しかない。 2.これはこの店でしか手に入らない品物ですよ。 3.あなたって人は、自分に都合がいいことしか覚えていないのね。 4.人は過去には戻れない。辛くったって、前に歩くしかないんだよ。 5.進むも地獄、退くも地獄、こうなったら、なるようになれと開き直るしかない。 ★ 例題 ★ 1) 頼れる人は、私には(もう/まだ)あなた(だけ/しか)(いる/いない)んです。 2) この世( )は、その人( )しか(できる→    )ことが一つあると言われている。 (^^)前課の解答(^^) 1) も/も/も 2) に(「~には(こと)がある」文/し/しない(→文型388) -------------------------------------------------------------------------------- 109 ~しき これ・それ・あれ: ×  +  しき                 しきの + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :神社の前の坂道、なんのこれしきと思ったけれど、途中で息切れがして、やむなく自転車を押して登ったよ。 良子:お腹も出てきたし、何か邉婴蚴激幛郡椋垦鷷r代はあんなにスリムだったのに、今は見る影もないわ。 李 :よし、心を入れ替えて、毎朝ジョギングしよう。 良子:三日坊主にならないでね。 ♯ 解説 ♭  「~しき」は希に数詞につきますが、「これ・それ・あれ」と結びつく場合がほとんどです。「~しき~ない」は「~だけしか~ない」に相当し、「~しきの+名詞」は「この程度/その程度/あの程度」や「これぐらい/それぐらい/あれぐらい」を使って表すことができます。用例としては「~しきの+名詞」が一番多いでしょう。どの場合も「(程度や量が)とるに足りない/とても簡単だ/とても僅かだ」という感情が強く現れる表現で、残念・失望・軽蔑・軽視といった気持ちが強く現れます。 § 例文 § 1.それしきのことで、君はもう諦めるのか。 2.だらしないぞ。これしきのことで音を上げるな。 3.汗水たらして働いて、わずかこれしきの給料とは情けなくなる。 4.私にとってそれしきのこと、何でもありません。三日もあれば、やって御覧にいれます。 5.「あれしきのことなら、俺にだってできるよ」「だったら、やってみせてよ。口先だけなら何でも言えるわ」 ★ 例題 ★ 1) 男(のくせに/にもかかわらず)、(あれ/それ)しきのけがで泣いたりする(んじゃない/んじゃないか)。 2) 試合はまだ(始まる→    )ばかりだ。これ( )( )の点なら挽回できる。決して勝負を投げる( )。 (^^)前課の解答(^^) 1) もう/しか/いない 2) に(「~には(こと)がある」文/に(~に~できる)/できない -------------------------------------------------------------------------------- 110 *~次第 動詞:[ます]形 + 次第  ~ する -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:支度はすっかりできたから、小平が帰り次第、出かけましょ。車は大丈夫? 李 :いつでも大丈夫だよ。最近、寝不足気味だから二階で寝てるよ。仙台まで、ちょっと距離があるからねえ。 良子:あなた~、母から電話で、仙台手前のサービスエリアに着き次第、電話をかけてくださいだって。 ♯ 解説 ♭  「~次第」は「~たら、すぐ~」に相当する丁寧な表現で、電話の応対などでよく使われます。改まった会話では「~ 次第」の方が適切です。なお、例文5の「手当たり次第」は慣用語なので、そのまま覚えてください。  文法上注意するのは、「~たら、すぐ~」と「~と、すぐ~」の用法の違いです。条件の「と」と「たら」の違い(→資料・)があるため、「~と、すぐ~」の後件では、「~てください/~なければならない/~ほうがいい」などの意志表現ができませんから、この項の例文はどれも「~と、すぐ~」が使えません。  荷物が ○着いたらすぐ  連絡してください。      ○着き次第、      ×着くとすぐ § 例文 § 1.調査結果がわかり次第、そちらに御報告いたします。 2.犯人を見つけ次第、逮捕せよ。 3.先方から矢のような催促がきてるので、食事が終わり次第、ただちに仕事に取りかかってくれ。 4.今、主人はあいにく留守にしておりますが、帰り次第そちらにお電話させます。 5.夫の浮気を知った妻は怒りの余り、手当たり次第に物を投げつけた。 ★ 例題 ★ 1) 社長の了解が(得られる/得られ)次第、(たちまち/ただちに)この計画(に/を)着手する。 2) 原稿が(書く→   )(上がる→    )次第、至急、編集部に送って(もらう→    )ませんか。 (^^)前課の解答(^^) 1) のくせに(非難→文型070)/それ/んじゃない(禁止→文型190) 2) 始まった(→文型146)/しき/な(禁止命令:V原形+な) -------------------------------------------------------------------------------- 111 *~次第だ/*~次第で 名詞   : ×    +  次第で(は)   ・                次第だ 連体修飾句: ×    +  次第で     ・                次第だ (注:・の時は、「~ような次第/~という次第」 などの形が多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :明日は状況次第で、行き先を変えようか。今は季節がいいから、海でも山でも楽しいよ。 良子:私は紅葉が見たいけど、道がとても込むんでしょうね。こればかりはパパの気力次第ね。 李 :渋滞が長いと小平が飽きるし、その時は紅葉を諦めて、近くのサファリパークへでも行こうや。 ♯ 解説 ♭  「~次第だ」は例文1~3のように「~によって決まる」という意味を表します。例えば「やり方次第で、早くもできれば遅くもできます」は「やり方によって、早くもできれば遅くもできます」と言い換えることができます。しかし、「国によって文化や習慣が違う/人によって考え方が違う」のように、人間の意志を越えたところにある客観事実や現象には「~次第だ」が使えません。つまり、人間の意志で左右できることにだけ、「~次第だ」は使われます。   やり方によって(・次第で)、早くもできれば遅くもできる。   教師によって(×次第で)教え方が違う。  例文4、5の「次第」は「事情・経過」の意味の名詞として使われている用例で、「名詞+次第で」とは接続も違いますから、注意しましょう。 § 例文 § 1.地獄の沙汰も金次第。(俗語) 2.ものは考えようだよ。見方次第では「禍が転じて福となる」かもしれないよ。 3.ものは言いようで角が立つ、言い方次第で好感を持たれることもあれば、反発を招くこともある。 4.ことと次第によっては、社長自らご出馬いただかなければならなくなるかもしれません。 5.・・・につきましては、以上述べたような次第です。 ★ 例題 ★ 1) 君(って/だって)その日の(お/ご)天気次第で、気分がころころ(変える/変わる)人だね。 2) (やる→   )方次第( )、早く( )できれば遅くもできる。 (^^)前課の解答(^^) 1) 得られ/ただちに(「たちまち」は自然現象)/に 2) 書き(→文型003)/上がり/もらえ(依頼) -------------------------------------------------------------------------------- 112 ~しな/~がけ 動詞:[ます]形 + しな(に)           がけ(に) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:彼も隅に置けないよ。ふらりと現れて、帰りしなに百恵ちゃんとデイトの約束をしていたよ。 李 :彼が女に手が早いのは有名だけど、よりにもよって百恵ちゃんにまで手を出すとはねえ。 真理:百恵ちゃんにしたら、彼は遊び相手として手ごろなのよ。最近の若い娘は、意外としたたかなのよ。 ♯ 解説 ♭  接尾語「しな」「がけ」は動詞の[ます]形に接続して、「~するときに、ちょっと~する/~するついでに、ちょっと~する」を意味を表します。時間的には「~する前・~している途中・~した直後」を表せます。  「がけ」は普段語で、電話の応対などではていねいな会話では「しな」の方がいいでしょう。なお、例文5の「行きがけの駄賃」は慣用句なので「しな」が使えませんが、それ以外はどちらも置き換えが可能です。 § 例文 § 1.近くを通りしなに、ちょっとなじみの飲み屋に寄った。 2.寝しなにいっぱい飲むのが、毎日の習慣になっている。 3.彼は起きしなで、まだ寝ぼけているようだ。 4.「病院への行きがけに、お見舞いの花でも買って行くよ」「退屈しのぎに雑誌も持って行ってあげたらどう?」 5.「行きがけの駄賃に、旅館のタオルを失敬したよ」「私も旅館の帰りがけに、記念に下駄をもらっといたわ」 ★ 例題 ★ 1) 部屋(を/に)出しな(に/で)、突然走っ(て来た/て行った)子供とぶつかった。 2) 「その足の傷はどう(する→   )んですか」「バスを(降りる→   )しなに、(つまずく→     )しまいましてね」 (^^)前課の解答(^^) 1) って(~って→文型172/~だって→文型198)/お/変わる(自V) 2) やり(→文型435)/で/も(~も~ば、~も~→文型427) -------------------------------------------------------------------------------- 113 ~渋る 動詞:[ます]形  + 渋る -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平が人参を食べたくないって、渋っているよ。料理の仕方を工夫してみたら? 良子:できるだけ細かく切ったり、すり下ろしたりしてるのよ。今日のはちょっと手抜き。 李 :料理教室で習ってるんだろ。小平と僕が期待してるんだから出し渋らないで、腕を披露したら。 ♯ 解説 ♭  「渋る」は「調子が悪い」とか「嫌がる/ためらう」という意味を表す動詞で、例1のように単独でも使われます。しかし、動詞の[ます]形に接続したときは、例2~5のように「~するのを嫌がる/~するのをためらう」意味を表す補助動詞になります。ですから、「言い渋る≒言うのを嫌がる」とほぼ同義です。 § 例文 § 1.答えを渋るのは、要するに気が進まないと言うことだね。 2.あいつは決まった会費さえ出し渋るけちな奴だ。 3.あの会社は値上げを見込んで、在庫があるのに売り渋っている。 4.このような不況の時代は、誰でも高価なものは買い渋るものだ。 5.女に結婚を迫られたが、男は返事を言い渋った。 ★ 例題 ★ 1) 「(どうにか/どうしても)新しい発想(が/を)浮かば(なくて/ないで)、筆が渋っています」  「気分転換に旅行(を/でも)したらどうですか」 2) 彼はわずか5000円のお金を(出す→   )渋り、クラスの親睦旅行( )すら(行く→    )としなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) を(離れる場所)/に/て来た 2) した/降り/つまずいて(不本意:~てしまう) -------------------------------------------------------------------------------- 114 ~始末だ こ・そ・あ:この/こんな  +  始末だ 動詞   :原形/ない形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 係長:息子にもう少し根性があるといいんだがな。一時間も勉強しないうちに、居眠りを始める始末でね。 李 :うちの子供にも呆れます。忘れ物を注意すれば、今度は落とし物をする始末です。 係長:あっ、しまった!僕も会社に大事な書類を忘れてきた。大人も子供のことは言えないなあ。おーい、お勘定! ♯ 解説 ♭  「始末」という名詞は、例文1のように「処理」、例文2のように「(よくない結果に至った)事情・経過」という意味を表しています。  そこから、「~始末だ」という文型が生まれますが、例文3~5のように「こ・そ・あ」や動詞について「~というよくない結果や事態になった」という意味を表します。後件でいい結果になったことが表せませんから、注意しましょう。  ○受ける大学の全てに不合格になる始末だ。  ×努力して○○大学に合格する始末だ。 § 例文 § 1.お前は自分のやったことの始末も自分でできないのか。全く始末に負えない奴だ。 2.ことの始末は、今まで述べたとおりです。 3.何だ、この始末は!一体、自分の責任をどうとる気だ。 4.あの二人は犬猿の仲で、ちょっとしたことでも、すぐ口論になる始末だ。 5.借金に借金を重ねたあげく、ついには夜逃げまでしでかす始末だ。 ★ 例題 ★ 1) お宅のお嬢さん(に/で)は手を焼いています。いつも男の子を殴っ(て/ては)(泣く/泣かせる)始末です。 2) 最近( )は、遊ぶ金(ほしい→    )に、売春( )走る女子中学生まで出る始末だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) どうしても/が/なくて(→文型257)/でも(=例えば~など) 2) 出し/に/行こう(→文型441) -------------------------------------------------------------------------------- 115 *~上/~面 名詞: ×  +  上             ・           上の  + 名詞 名詞: ×  +  面(が/で/に・・・)   ・           面の  + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :捕鯨禁止条約をどう思う? 佐藤:鯨だけを特別視するのは理屈に合わないよ。日本人は昔から鯨を食べてきたから、生活感覚上も納得できないね。地上の全ての種を保存せよなど、机上の空論だよ。 李 :人類がこれだけはびこるとなると、いずれは恐竜の二の舞だろうなあ。 ♯ 解説 ♭  「~上(じょう)」は、例文1、2のように場所を表す名詞について「~の上で」を表すときと、例文3~5のように抽象名詞について「~の方面/点で」「~の観点から見て」の意味を表すときに分かれます。  類義語に「~面」がありますが、「面」は「良い面を伸ばす/社会の暗い面」のように、事態の一面または一部分を表しています。例文3~5のようにどちらも使える用例もありますが、下のような例では用法の違いも生じます。→例題1)   尊敬している歴史上(×歴史面 )の人物   政界の暗妫ā涟迭上)を暴く。 § 例文 § 1.道路上で遊んではいけませんよ。 2.彼女は船上で、見送りの人の姿が見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。 3.この種の露骨な性描写は、教育上(⇔面で)好ましくない。 4.彼とは仕事面で(⇔上)のつきあいだけで、それ以上の関係ではありません。 5.日本の福祉は財政面で(⇔上)問題があるのはもちろんですが、元々制度面で(⇔上)欠陥があるのです。 ★ 例題 ★ 1) この賞は、学問(上/面で)有益な貢献をした人に(贈る/贈られる)(こと/もの)です。 2) 業務上(知る→   )得た個人情報( )関しては、規則上、口外できない(ことになる→       )。 (^^)前課の解答(^^) 1) に(慣用「~に手を焼く」)/ては(反復→文型188)/泣かせる 2) で(範囲限定)/ほしさ(→文型097)/に(<行為>に走る) -------------------------------------------------------------------------------- 116 *~末(に)/*~末の 名詞: の  +  末(に)  ~ した 動詞:た形     末の  +  名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:両派は長い争いの末にたもとを分かったね。仲を取り持とうとした努力も、水の泡と消えたわけだ。時間とともに利害関係が生まれて、組織をむしばむね。 李 :どんな争いも、終わってみると空しいなあ。公害裁判も長いこと争った末に和議に持ち込まれたけど、患者の多くは亡くなっているし、双方に不満は残ってるよ。 ♯ 解説 ♭  「~末(に 」は「~した結果~した」を表しますが、その過程で色々な困難や問題があったことが暗示している点に特徴があります。  同じ結果を表す「~あげくに」(→文型002)は、必ず悪い結果の発生ですが、「~末に」は悪い結果も良くない結果も表すことができます。これら「~末に」「~あげくに」は人為の事柄で何らかの話者の感情が含まれますから、自然現象そのものや、新聞報道のように客観事実をそのまま伝える文では不自然になります。そのときは「~結果」を使いましょう。  大雨の結果、山崩れが起こった。<自然現象>  裁判の結果、有罪が確定した。 <客観事実の伝達>  その他、「末」は単独の名詞として、「年の末<終わり頃>」「この子は末が楽しみだ<将来>」などの用法があります。 § 例文 § 1.いろいろ考えた末、進学をあきらめることにしました。 2.大恋愛の末の結婚が、なんと一年間で破綻とはねえ。 3.実験に実験を重ねた末に、ついに新薬の開発に成功した。 4.経営会議で協議の末、君を副社長に抜擢することにした。会社再建のため、腕を振るってくれたまえ。 5.別れるの別れないのとすったもんだの末、結局、元のさやに収まった。 ★ 例題 ★ 1) 戦後生き別れ(にした/になった)娘を(捜し求める/探し求めた)末、50年目にしてやっと(巡り会える/巡り会えた)。 2) あいつ( )きたら、人( )さんざん迷惑を(かける→   )末に、礼も(言う→   )ずに出て行った。 (^^)前課の解答(^^) 1) 上/贈られる(「~を~に~する」→「~が~に~られる」)/もの 2) 知り(→文型017)/に/ことになっている(規則→文型090) -------------------------------------------------------------------------------- 117 *~過ぎる/~過ごす 動詞:[ます]形 +  過ぎる   ・             過ごす    ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :しまった、行き過ぎた。 良子:次の交差点を左折と言ったでしょ。 李 :右側のスタンドが気になってね。なんとレギュラーが90円を切ってたよ。 良子:あのトラックをやり過ごしてからUターンしたら?ねえ、右に寄り過ぎないでよ。恐いわ。 ♯ 解説 ♭  補助動詞「~過ぎる」(自動詞)は例文1、2のように、「程度が普通以上だ/過度だ」を表す初級表現で、広範に使われます。  「~過ごす」(他動詞)の形があって、例3~5のように「うっかり(予定された時間・場所や適度を)越えてしまう」という意味の表現になります。しかし接続する動詞は多くありません。「見過ごす・思い過ごす・やり過ごす・聞き過ごす…」のように慣用的に決まった使い方が多いので、語彙として覚えた方がいいでしょう。→例題1) § 例文 § 1.う~ん、食べ過ぎた。お腹がパンクしそうだ。 2.彼の業績はいくら高く評価しても、し過ぎることはないだろう。 3.うつらうつらしているうちに、うっかり仱赀^ごしてしまった。 4.しまった!寝過ごしてしまった。 5.彼が君を恨んでいるなんて、それは君の思い過ごしだよ。 ★ 例題 ★ 1) 今度(だけ/ばかり)はこの失敗を見(過ぎ/過ごし)て(やる/くれる)が、「仏の顔も三度(だけ/ばかり)」だと思え。 2) 考えごとを(する→  )ながら(歩く→     )うちに、自分の家を(通る→   )過ごしてしまった。 (^^)前課の解答(^^) 1) になった/探し求めた/巡り会えた(文末は常に完了形) 2) と(~ときたら→文型229)/に/かけた/言わ(→文型121) -------------------------------------------------------------------------------- 118 ~ずくめ 名詞     : ×     + ずくめ 一部の「ナ形」:<ナ形ー×> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :彼の話はいつも結構ずくめだが、どこまで信用できることやら。彼と一緒に出張してどうだった? 山田:彼のことは別にして、充実した一週間だったよ。仕事の外に、従弟の結婚式に出席できたし・・・。 佐藤:結婚式と言えば、あの氦幛渭瘒猡袭悩敜坤瑜汀G挨槔搐毪取⑺激铯旱坤颏ⅳ堡毪琛 ♯ 解説 ♭  「~ずくめ」は「全て~ばかりだ/全て~一色だ」を表す接尾語で、良いことにも良くないことにも使われます。注意してほしいのは類義語の「だらけ」(→文型155)との違いです。    間違いだらけの作文    間違いずくめの作文  「だらけ」は「間違いがが普通以上にたくさんある」こと、「ずくめ」は「最初から最後まで、全てまちがいばかり」という点にあるでしょう。→例題1)  また、「だらけ」は常に良くないことに使われますから、「楽しいことだらけ/幸せだらけ」という表現はありません。しかし、「~ずくめ」を使って「楽しいことずくめ/幸せずくめ」と言うことができます。 § 例文 § 1.この学校は規則ずくめで、窮屈でしかたがない。 2.楽しいことずくめの毎日なんて、あるはずがないだろ。 3.幸せずくめに見えた彼女にも、人知れぬ悩みがあったんだね。 4.昇進したし、子供も生まれたし、今年はいいことずくめだった。 5.社長の話は、最初から最後まで小言ずくめで、もう聞いててうんざりしたよ。 ★ 例題 ★ 1) (この/こんな)誤字(だらけ/ずくめ)の作文を書いて、君、(恥ずかしい/恥ずかしくない)かい? 2) このところ、何をやっても(失敗→    )ずくめ( )、自分が嫌に(なる→    )ちゃうよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) だけ(→文型131)/過ごし/てやる/だけ 2) し(→文型269)/生歩いている(~うちに→文型016)/通り -------------------------------------------------------------------------------- 119 ~ずじまい 動詞:[ない]形  + ずじまい -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :東京にいらっしゃる間に、一度お会いしたかったのですが、今回も会えずじまいでしたね。 難波:李さん、来月は大阪にいらっしゃるのでしょう。そのとき、どこかおいしい店にお連れしますよ。 李 :ええ、是非。残念なことに、前回行ったときも、本場のお好み焼きを食べずじまいでしたから。 ♯ 解説 ♭  「~ずじまい」は「~ないで」を表す「~ず(に)」と「終わり」を表す「じまい」が結びついた文型で、多くの動詞について「(~しなければならないことを)結局~しないで終わる」という意味の名詞になります。後悔・残念・失望などの感情が強く現れる表現です。  また「~じまい」は一部の名詞や形容詞の語幹について「店じまい・五時じまい・早じまい」のように「<店を/五時に/早く>終わる」を意味することもあります。これは「終わり」の意味の接尾語です。 § 例文 § 1.出さずじまいのラブレター、そっと広げて懐かしむ。 2.「結婚しよう」という一言がとうとう言えずじまいだった。 3.やりたいことは山ほどあったが、結局、何もできずじまいでこの歳になった。 4.軍によって公表されずじまいになっていた開戦の真相が、ひとつ、またひとつと明るみに出てきた。 5.高価な百科事典を買ったものの、結局、読まずじまいで、本棚に飾ってあるだけだ。 ★ 例題 ★ 1) その調査報告書は企業の圧力(に/によって)握りつぶされ、発表(せず/されず)じまい(が/に)終わった。 2) あれほど見たかった映画(だ→   )が、仕事に(追って→     )、結局(見る→  )ずじまいだった。 (^^)前課の解答(^^) 1) こんな/だらけ(「~ずくめ」は全て誤字)/恥ずかしくない 2) 失敗/で/なっ(口語:なってしまう→なっちゃう) -------------------------------------------------------------------------------- 120 *~ずつ 数量詞・少し: + ずつ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:この窓口は凄い行列だね。あまり動いていないし、一時間ぐらいはかかりそうだよ。 李 :てきぱき処理しているのに、時間がかかっているようだ。システムに改善の余地ありだな。 佐藤:ちょっと窓口の数も足りないね。一人に三分ずつかかっても、一時間で二十人の勘定だよ。 ♯ 解説 ♭  「~ずつ」は「少しずつ/わずかずつ」のような例もありますが、ほとんど数量を表す語について、同じ量を均等に分けたり、均等に繰り返す事態を表す副助詞です。  なお、「毎に」(→文型088)と「ずつ」の間違いが多いので、次に違いを取り上げておきます。下例の「二時間毎に」は二時間休んで勉強するという意味の解釈できますが、やはり意味不明の文です。   毎晩、二時間ずつ勉強する。<二時間の勉強を毎晩繰り返す>   毎晩、二時間毎に勉強する。<二時間休んで一回勉強する> § 例文 § 1.毎朝、この錠剤を三粒ずつ服用してください。 2.五人一組のチームを作ります。じゃ、みなさん、五人ずつに分かれてください。 3.病状は少しずつ回復に向かっている。 4.この時計は毎日二分ずつ遅れるんです。 5.「ちりも積もれば山となる」だね。わずかずつでも積み立てた貯金が三十万円になったよ。 ★ 例題 ★ 1) ここに飴が十個(います/あります)。子供が五人(います/あります)。一人(で/に)何個(毎/度/ずつ)配ればいいですか? 2) 言葉は一度( )たくさん(覚える→      )とするより、毎日30分( )( )でも復習した方がよい。 (^^)前課の解答(^^) 1) によって(→文型348)/されず(受身)/に(結果の「に}) 2) だった/追われ(受身:~を追う→~に追われる)/見 -------------------------------------------------------------------------------- 121 *~ず(に)/~ぬ/~ずば/~ずして/~ずとも 動詞:[ない]形  +  ず(に)     ・              ずして             ぬ + 名詞             ずば       ・             ずとも      ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :うちの部長が、この店のすき焼きを食べずして、すき焼きを語ることなかれと言ってましたよ。 難波:そこまでおっしゃられるのでは、食べずに大阪へ帰るわけにはいきませんね。 李 :食い道楽の部長のことですから、きっとうまいに違いありません。じゃ早速、注文しましょうか? ♯ 解説 ♭  「~ず」は「~ない」に相当する古語で、現代でも「~ないで」に相当する「~ず(に)」や、「ず」の連体形「ぬ」は「許されぬことだ」「浮かぬ顔をしているね」のように口語でも使われます。語形は「する→せず/せぬ」「来る→こず/こぬ」、その他は「行く→行かない→行かず/行かぬ」となります。   食事をしないで会社に行った。=食事をせず(に)会社に行った。  「~なければ」に相当する「~ずば」や、「~ず(に)」の強調形「~ずして」はことわざや決まった言い方に残っているだけですから、読んでわかれば十分です。 § 例文 § 1.彼は脇目もふらずに、研究に打ち込んでいる。 2.二人の間には、知らず知らずのうちに、愛が芽生えていた。 3.「雉も鳴かずば撃たれまいに」とは、自分の置かれた状況を考えずに、よけいな発言をし、自ら災いを招くことのたとえだ。 4.浮かぬ顔をしてるけど、何かあったの? 5.これは君のあずかり知らぬことだ。知らずともよい。 ★ 例題 ★ 1) 勉強も(しず/せず)に遊んで(だけ/ばかり)いる(と/とき)、また来年も浪人するわよ。 2) 警察から何を(聞く→    )ても、知ら( )存 ぜ( )で押し通せ。 (^^)前課の解答(^^) 1) あります/います/に(割合の「に」)/ずつ 2) に(割合:一度にたくさん)/覚えよう(→文型441)/ずつ -------------------------------------------------------------------------------- 122 *~せいだ/*~せいで/*~せいか 名詞    :    の      +   せいだ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>      せいで                       せいか (注:「~せいにする」という慣用的言い方がある→解説) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :自分の思い通りにならないのを、世の中や部下のせいにするようになったら終わりだよね。そう思わない? 百恵:それって、社長の歳のせいもあるんじゃない? 李 :今期の減益は為替差損のせいだけど、経営陣の見通しの甘さにこそ責任があると思うねえ。それにしても、何もかも担当者のせいにされては気の毒だよ。 ♯ 解説 ♭  「~せいで」は例文1~3のように、「~(の)原因・理由で~」を表しますが、常に後件で悪い結果を表します。同じ原因・理由の表現「~おかげで」(→文型018)は、常に後件で良い結果を表しますから、正反対の表現となります。どちらにも使える中立の表現が「~ために」(→文型152)です。  また、例文4の「気のせい」は「錯覚」を意味する慣用語ですが、「~せいか」と不確かさを表す「か」がつくと、「断定的できないが、たぶん~(の)せいで」という語感になります。「~せいで/~おかげで/~ために」はすでに起こったことを表す「ので」系表現(→資料、)で、文末で推量・意志表現はできませんから注意しましょう。  なお、例文5のように「~せいだ」の形や、単独で「せい」が使われるとき、「過失/過ち/(悪い結果になった)責任」の意味となります。 § 例文 § 1.このところ邉硬蛔悚韦护い⑻逯丐
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 楼主| 发表于 2004-11-11 14:49:11 | 显示全部楼层
126 ~そのもの/~そのものだ/~以外の何ものでもない 名詞・ナ形容詞の語幹: ×   +  そのもの                    そのものだ                    以外の何ものでもない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:裏の空き地に、大きな冷蔵庫が捨ててあって危ないわ。この前も子供が閉じこめられた事故があったばかりなのに、役所の怠慢そのものじゃないかしら。 李 :自分が何もしないで、役所の責任だけを追及するのは納税者の横暴以外の何ものでもないよ。 良子:住民の鏡そのものね。じゃ、あなた、何とかして? ♯ 解説 ♭  「そのもの」は名詞と接続するときは、前に来る語を強調して「他の何物でもなく、正しくそれ自身」という意味を表す名詞になります。「~以外の何ものでもない」はそのもっと強調した表現になります。  また、ナ形容詞につくときは、「真剣そのもの・元気そのもの・窮屈そのもの・幸せそのもの・正直そのもの・熱心そのもの…」のように、「非常に~だ」という程度強調の表現になります。 § 例文 § 1.彼は真面目そのものだ。ただ、ちょっと融通が利かないところがあるけれど。 2.彼は金八先生顔負けの熱血教師そのものだ。 3.コンピューターそのものは、使う人がいなければ、何も生み出さない。 4.「若いときの苦労は買ってでもせよ」と言われるが、苦労そのものに価値はない。 5.あの二人の関係は純愛以外の何ものでもない。 ★ 例題 ★ 1) 祖父は95歳な(ので/のに)、富士山に歩いて登れる(んだから/のに)、元気その(もの/こと)だ。 2) 気骨があると言う( )、何と言うか、あの老人の(頑固だ→    )は明治の男( )( )ものだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) せい/損ねて(「仱暾`る」は間違って他の電車に仱耄筏蓼盲縗 2) を(通過地び「~を」)/曲がり/に -------------------------------------------------------------------------------- 127 ~そばから 動詞:原形 + そばから -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:稼ぐそばから奥さんが使ってしまい、いつまでもその日暮らしだと、彼の嘆くこと嘆くこと・・・。 佐藤:でも、彼もよくないですよ。給料が入るそばから、競輪・競馬場通いですから。似たもの夫婦ですよ。 山田:二人で使ってるんじゃ、世話ないや。「目くそ、鼻くそを笑う」といった類だね。 ♯ 解説 ♭  「~そばから」は完了形(「た」形)と接続する例も希にありますが、ほとんど動詞の原形に接続して「~すると、すぐ~」という意味を表します。「~と、すぐ~」に属する「~なり」(→文型280)、「~や否や」(→文型428)、「~が早いか」(→文型046)や「~とたんに」(→文型148)などと同義表現ですが、同一場面で反復される事象に使われるのが特徴で、以下のような一回限りの出来事に使うと不自然になります。この文型は「~そばから、すぐ繰り返して~」と副詞を入れて作文するようにするといいでしょう。→例題1)  君たちは私が教えるそばから(×が早いか)忘れていく。  泥棒は警官を見るが早いか(×そばから)逃げ出した。 § 例文 § 1.もうこの子ったら、作るそばから食べちゃうんだから。 2.歳を取ると物覚えが悪くなり、聞くそばから忘れてしまう。 3.私が飲み干すそばから、またなみなみと酒がつがれた。 4.消すそばから落書きがされて、これじゃまるでいたちごっこだ。 5.私が注意するそばから、ほら、また間違って。 ★ 例題 ★ 1) いくら洗濯し(たら/ても)、子供たちは洗う(が早いか/や否や/そばから)服を汚し(てしまう/ている/ておく)。 2) 君たち( )はあきれるよ。私が(教える→     )そばから忘れていき、次の日になると何一つ(覚えている→       )( )きている。 (^^)前課の解答(^^) 1) のに(理由の逆説)/んだから(理由の順接)/もの 2) か(→文型208)/頑固さ(ナ形から名詞へ)/その -------------------------------------------------------------------------------- 128 ~そろい/~ぞろい/~そろって 名詞: ×  +  そろい/ぞろい   ・           そろって      ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:このディナーセット、素敵ね。手の届かない金額じゃないけど、置くところに困りそうだわ。 李 :どうせなら、お揃いのコーヒーカップも買わないか。あれっ、一そろいで5000円もするの? 良子:父と子そろっておっちょこちょいだし、いい物を買ってもすぐ割っちゃうから、やっぱりあきらめるわ。 ♯ 解説 ♭  動詞「揃う」から生まれた接尾語で、名詞に直接接続して、「全部整う/全て~だ」という意味を表し、接尾語「~揃い」は「ひと(一)そろい」以外は「~ぞろい」と読みます。  「~揃(そろ)って」は「(二人揃って/夫婦揃って/兄弟揃って…)どこへ行くの?」のように、「一緒になって」を意味することが多いのですが、例文4の例のように「どちらも」を表すときもあります。なお、「不揃いのリンゴ ・不揃いな歯並び 」のように「不揃い」という言い方もあるので覚えておきましょう。 § 例文 § 1.A航空のスチュワーデスは、実に美人ぞろいだなあ。 2.さすが中国を代表する書家の作品展だけあって、傑作ぞろいですねえ。 3.三つぞろいのスーツを一着買ったものの、着ていく機会がとんとない。 4.A教授の家の子は兄弟そろって秀才だが、遺伝だろうか。 5.味といい配膳の美しさといい手頃な値段といい、この店の料理は三拍子そろっているね。 ★ 例題 ★ 1) お前ら(といえば/ときたら)、何の役にも(立つ/立たない)ぼんくら(そろい/ぞろい)だ。 2) 結婚( )先立って、二人揃ってデパート( )家具 を一そろい(買う→   )に行きました。 (^^)前課の解答(^^) 1) ても(条件の逆説)/そばから(反復性のこと)/てしまう 2) に(感情Vの理由)/教える/覚えていない/と(→文型229) -------------------------------------------------------------------------------- 129 ~だい/~かい 名詞    : ×        +  かい  動詞・形容詞:普通形 <ナ形ー×>     だい (注:名詞・ナ形と接続するとき「~なんだい/~だい」の両形) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今夜あたり、横浜のベイ・ブリッジを見に行かないかい?今夜は満月だし、風もないようだし。 良子:橋もいいけど、中華街も魅力ね。しばらく行ってないし、それに烏龍茶や中華の食材も買いたいわ。 李 :よし、決まりだ。じゃ、久しぶりに家族そろって中華のフルコースを食べるというのはどうだい? ♯ 解説 ♭  「~だい/~かい」は「~(です)か/~(ます)か」に相当する男性専用の終助詞で、女性語はどちらも「~(な)の?」です。両者の違いは、「~かい」は疑問詞を含まない質問文の文末で使われ、「~だい」は疑問詞を含む質問文の文末で使われることでしょう。→例題1)2)  また「~のかい?」「~んだい?」など形もありますが、「~んですか」と同じで、事実は知った上で、事情・理由などの説明を求める文型です。   ほしいかい?ほしければあげるよ。<ほしいかどうか不明>   ほしいのかい?正直に言いなよ。 <ほしそうな顔や態度を見て> § 例文 § 1.ずいぶん歩いたけど、足はどうだい?痛くないかい? 2.君の彼氏はどんな人(なん)だい?いい人かい? 3.どういう風の吹き回しだい?突然訪ねてくるなんて、珍しいこともあるもんだ。 4.その言い方は少し失礼じゃないかい?いつからそんなに偉くなったんだい? 5.「こんな損害を出しておいて、ごめんで済む問題とでも思っているのかい?」「じゃ、どうしろと言うんだい」 ★ 例題 ★ 1) どこが失礼なん(だい/かい)?僕が君にどんな失礼なことを(言う/言った)と言うん(だい/かい)? 2) どうして(食べる→     )としないん( )い?おいしくないの( )い? (^^)前課の解答(^^) 1) ときたら(→文型229)/立たない/ぞろい 2) に(→文型311)/へ(「に」も可)/買い(移動の目的) -------------------------------------------------------------------------------- 130 *~たいものだ/*~たくないものだ 動詞:[ます]形 + たいものだ            たくないものだ 動詞: て形  + ほしいものだ           ほしくないものだ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :たまには国内旅行でぱーっと豪遊したいものだ。外国旅行には飽き飽きしたよ。 山田:羨ましいなあ。僕なんか香港に行ったきりだよ。少しは君にあやかりたいものだ。 李 :人件費が高くて大変なんだろうけど、国内旅行は、もう少し安くなってもらいたいものだなあ。 ♯ 解説 ♭  「~たい」と「~たいものだ」(その否定は「~たくないものだ」)の一番大きな違いは、「~たいものだ」は今の希望ではなく、長い間ずっと持っている願望に使われることです。  今日は何かおいしいものが  ○ 食べたいなあ。(今の一時的感情」)  × 食べたいものだなあ。  いつか自分の家を  ○ 持ちたいものだ。(長年の夢)  ○ 持ちたい。(今の一時的感情) § 例文 § 1.歳はとっても、心の若さだけは保ち続けたいものだ。 2.仕事、仕事に追われる毎日から離れて、一ヶ月ほどのんびりしたいものだ。 3.もう一度、あの夢に燃えた時代に戻りたいものだ。 4.望むらくは、戦争と差別のない世界になってほしいものだ。 5.出世のためとあれば、友人でさえ踏み台にする。あんな彼みたいな人間にだけは、なりたくないものだ。 ★ 例題 ★ 1) 誰だって汚い仕事には(就きたい/就きたくない)ものだ。しかし、誰かがそれをしている(からこそ/からには)、この社会は成り立っている(の/こと)だ。 2) 命を捨てても(惜しい→     )(ようだ→   )燃える恋愛がして(みる→  )たいものだわ。 (^^)前課の解答(^^) 1) だい/言った/だい 2) 食べよう(「~ようとする」の否定形→文型441)/だ/か -------------------------------------------------------------------------------- 131 *~だけ/*~のみ 名詞(+格助詞):  ×        +   だけ  ・ 動詞・形容詞  :普通形<ナ形ーな>    のみ  ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :やるだけやったんだから、後は試験結果の発表を待つのみだよ。今日は好きなだけ飲みな。 小孫:でも、もし落ちたらと思うと、やっぱり心配で。 李 :その時はその時だよ。「天は人の道を閉ざさず」さ。 良子:あれだけがんばったんだから、きっと合格するわよ。さあ、冷めないうちに召し上がれ。 ♯ 解説 ♭  限定「だけ」の書き言葉が「のみ」で、例えば例文1、2の「~だけ」は「~のみ」に置き換えることができます。例文3は「~だけ」が程度を表す例で、「これだけ=これほど=ここまで」は同義なので、形を正確に覚えてください。  例文4、5は肯定では「~ば、その全て~」、否定では「~ても、その全て~」を表す慣用文型です。よく使われるのは以下の形です。   ほしければほしいだけ、どうぞ。   食べられるだけ、どうぞ。   食べたいだけ、どうぞ。   言うだけ無駄さ。  なお、「~のみ」は限定する用法があるだけで、例文3~5や上例のような「~だけ」の慣用文型では使えません。 § 例文 § 1.このことは君にだけ(⇔のみ)話すよ。 2.口約束だけ(⇔のみ)では信じられないね。 3.これだけ(⇔これほど/⇔こんなに/⇔ここまで)言っても、お前はまだわからないのか。 4.さあさあ遠慮なく、この苺、ほしいだけ持って行ってください。 5.その客は文句を言うだけ言って、帰って行ったよ。 ★ 例題 ★ 1) できる(だけ/のみ)やってみますが、もし期日(まで/までに)間に合わなくても、怒らない(でいただけ/でいただき)ませんか。 2) 彼( )なんかお金を貸す( )( )無駄よ。あの人はお金があればある( )( )、全部使ってしまうんだから。 (^^)前課の解答(^^) 1) 就きたくない/からこそ(→文型050)/の(~からこそ~んだ) 2) 惜しくない/ような(+N=燃える恋愛)/み -------------------------------------------------------------------------------- 132 *~だけあって/*~だけの/*~だけのことはある 名詞    :   ×       +   だけあって    ・ 動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーな>     だけある                       だけのことはある                       だけの+名詞    ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:ガイドブックで紹介されるだけあって、店も多いし、大変な人出ねえ。迷子になりそうだわ。 李 :迷子になったら、ここで落ち合おう。日曜日とあって、僕らみたいな観光客も多いなあ。 良子:それに、産地直売だけのことはあって、何もかもめちゃ安よ。買いたいものが多くて、目移りするわ。 ♯ 解説 ♭  「~だけの」は「~にふさわしい/~に相応する程度の」を表し、例えば「~するだけの<価値・能力・効果/量・意味・もの・金…>」の形を作ります。意味は文脈で異なりますが、例文1は「~のに必要な~」、例文2は「~のにふさわしい~」という意味になるでしょう。  ここから「~だけのことはあって」と、その短い形の「~だけあって」という文型が派生しますが、「~にふさわしい価値があって」という感嘆・賛辞を表す文型となります。「~だけのことはある/~だけある」は、例文5のように文末で助動詞として使われます。この用法は副詞「さすが」と呼応し、「さすが~だけあって/だけのことはある」のように使われることが多いでしょう。 § 例文 § 1.もちろんほしいことはほしいんですが、それを買うだけのお金がないんですよ。 2.買う買わないは別として、一見するだけの価値はある。 3.時間をかけた作品だけあって、さすがに見事なものだ。 4.京都はさすが長い歴史をもった古都だけあって、名所古跡には事欠かない。 5.この不況にもびくともしないとは、さすが大企業だけのことはある。 ★ 例題 ★ 1) さすが名菓(にとって/として)(知っている/知られている)だけあって、その名(を/に)恥じない味だ。 2) 警視庁きって( )辣腕刑事と言われている( )( )のことはあって、外の刑事( )は目の付け所が違う。 (^^)前課の解答(^^) 1) だけ/までに(→文型402)/でいただけ(可能形を使うと依頼) 2) に/だけ/だけ(解説参照) -------------------------------------------------------------------------------- 133 *~だけでなく~も/* ~のみならず~も 名詞(+格助詞):   ×       + だけでなく~も~ 動詞・形容詞  :普通形 <ナ形ーな>   のみでなく~も~                      のみならず~も~                      のみか~も~      -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ナイフを鞄にいつも入れて持ち歩いている中学生が、四人に一人はいるって書いてあるけど、こうなると親や学校だけでなく、社会全体でも取り組む問題だなあ。 良子:うちの小平だって、外で何してることやら。まさか喝あげなんてしていないでしょうねえ。 李 :念のために、鞄の中を調べておけよ。 ♯ 解説 ♭  「~だけでなく~も~」は「~に限定できない。それ以外にも~」という意味を表しますが、その改まった言い方として「~のみならず~も~/~のみか~も~」文型があります。しかし、「~のみならず~も~」は文語なので、会話で使うと硬い印象になります。  また「~ばかりでなく~も~/~ばかりか~も~」(→文型363)なども同じ意味の用法で、自由に置き換えることができます。 § 例文 § 1.彼は優しいだけでなく、勇気もある好青年です。 2.その方法は効率的なだけでなく、経済的でもある。 3.彼女は英語のみか、フランス語・ロシア語もぺらぺらです。 4.殴った方だけでなく殴られた方にも問題はあったはずです。けんかの一方だけしかるのは不公平です。 5.口先のみでなく、実際に行動しろ。不言実行あるのみだ。 ★ 例題 ★ 1) 「人間の頭脳は目指す(べき/べく)目的が(与えられれば/与えられなければ)、活性化しない(だけ/のみ)ならず、退化(さえ/こそ)する」と脳学会で発表された。 2) タイのバーツ( )端( )発した金融危機は、近隣諸国のみ( )日本( )まで波及した。 (^^)前課の解答(^^) 1) として(→文型237)/知られている/に(→文型324) 2) の(→文型061)/だけ/と(「AはBと違う/AはBと同じだ」) -------------------------------------------------------------------------------- 134 *~だけでも/*~だけでは~ない 名詞(+格助詞):   ×       +  だけでも 動詞・形容詞  :普通形 <ナ形ーな>    だけでは~ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :列車の出発時間までに、まだ二時間もあるなあ。 良子:市場にでも行かない?見ているだけでも楽しいわ。 李 :それだけでは、ちょっと物足りないなあ。そうだ、せっかく港町に来たんだし、海鮮でも食べようよ。 良子:ついでに一杯飲もうって魂胆ね。図星でしょう。 李 :はっは、ばれたか。 ♯ 解説 ♭  「~でも」「~では」には元々条件の用法がありますが、それが限定の「だけ」と結びついたのがこの文型です。「~だけでは」は文末が肯定となり、「~だけでは」は文末が否定になることに注意すればいいでしょう。→例題1)2)   私一人でも(→だけでも)できます。   私一人では(→だけでも)できません  「せめて~だけでも」(→文型123)の形で依頼や希望を述べる場合がありますが、別項で取り上げてあります。 § 例文 § 1.全額とは言わないが、利子だけでも払ってくれ。 2.見ているだけではつまらないよ。君もやってみたら? 3.そのような生物兵器が実際に使われるとしたら、想像しただけでも身の毛がよだつ。 4.戦前の日本は、天皇制を批判しただけでも監獄にぶち込まれたものだ。 5.才能があるだけでは成功できず、また成功しただけでは幸せになれないのが人生というものだ。 ★ 例題 ★ 1) 三食きちんと食べて(いく/いける)(だけでも/だけでは)、幸せと思わ(ないでは/なくては)ならないよ。 2) (負ける→    )(悔しい→    )がっているだけでは、あのチーム( )は(勝てる→     )ぞ。 (^^)前課の解答(^^) 1) べき(→文型382)/与えられなければ/のみ/さえ(→文型100) 2) に/を(慣用語「~に端を発する」)/か/に(~まで→文型404) -------------------------------------------------------------------------------- 135 *~だけに 名詞    : ×       +   だけに  動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今回の総選挙は、○○党にとっては、後がないだけに、絶体絶命のピンチだね。 山田:与党なのか野党なのか、旗幟も不鮮明になって、従来の支持層も分解しているだけに、苦戦は免れないね。 李 :いずれにしても、政治への失望と無関心が蔓延していることが、日本社会の一番の問題だろうなあ。 ♯ 解説 ♭  「~だけに」には二つの用法があります。一つは「~だけあって」(→文型132)と同じ「~にふさわしい価値があって」という感嘆・賛辞の表現で、例えば例文1、2の「~だけに」は「~だけあって」で置き換えられます。  もう一つは「~だから、なおさら~」という理由を表す表現で、客観事実Aの理由で、一層Bであると相関関係を強調します。これが「~だけに」特有の用法ですが、この場合は「~だけあって」が使えません。→例題1)   新聞記者だけに(・だけあって)、政界の裏にも詳しい。   女の子だけに(×だけあって)、夜道の一人歩きはしない方がいい。 § 例文 § 1.スポーツマンだけに(⇔だけあって)、体格が立派だ。 2.老舗だけに(⇔だけあって)、店構えに風格がある。 3.女の子だけに、一人で外国旅行に行かせるのは心配だ。 4.合格するとは思っていなかっただけに、合格通知を受け取ったときの喜びはひとしおだった。 5.世間の恐さを知らないだけに、彼は思ったことが平気で言えるのだ。 ★ 例題 ★ 1) 銀行(をめぐる/に対する)風当たりが強い折り(だけに/だけあって)、関係者は発言にくれぐれも注意して(もらいたい/あげたい)。 2) うちの子は(生まれつく→     )体が弱く、それだけ( )、親元から離すこと( )不安があるんです。 (^^)前課の解答(^^) 1) いける/だけでも/なくては(→文型271) 2) 負けて/悔し(イ形の語幹+がる)/勝てない -------------------------------------------------------------------------------- 136 ~た─长趣摔工耄咯ことになる 動詞:た形 +  ことにする          ことになる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:君の対応に問題なしとはしないよ。しかし今回だけはなかったことにしておこう。 山田:ありがとうございます。 李 : 部長には、「相手の方針変更でやむを得ず」ということにしておいたらどうでしょうか。 課長:君も悪知恵が働くねえ。 ♯ 解説 ♭  「~ことにする/~ことになる」は動詞の原形と結びつくか、完了形(「た」形)と結びつくかで意味が異なってきます。  「原形+ことにする」(→文型089)は「~することに決める」、「原形+ことになる」(→文型090)は「~することに決まる/~必然的結果になる」という意味を表します。一方、「~したことにする」は「(実際はそうではないが、)~したと考える」の意味で、現実はそうではなかったことを、仮に「そうである」とみなす場合に使われます。「~したことになる」は「(実際はそうではないが、)一般にそのように考えられている/考えることができる」という意味の客観表現になります。→例題1)2)   出席したことにする。<~とみなす>   出席したことになる。<一般に~とみなされる> § 例文 § 1.説明不足の点はあるが、これでこの課は終わったことにする。 2.今の話は聞かなかったことにするが、発言には注意した方がよろしい。 3.今のカンニングは見なかったことにするが、もう一度したら許さない。 4.汚いわねえ。これじゃ掃除をしたことにならないわよ。 5.表向きは研修費として使われたことになっているが、実は幹部連中の遊興費なんだよ。 ★ 例題 ★ 1) 大学(を/から)(卒業する/卒業した)こと(にしている/になっている)が、実を言うと中途退学なんだ。 2) これ( )10課までが一通り(終わる→    )ことに( )( )ので、明日、試験をすることにします。 (^^)前課の解答(^^) 1) に対する(→文型322/→文型478)/だけに/もらいたい 2) 生まれついて(「生まれつき」とも言う)/に/に -------------------------------------------------------------------------------- 137 ~出す/~始める 動詞:[ます]形  +  出す              始める -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:ねえ、ねえ、課長が昨日、若い女性と新宿を歩いてたっていうもっぱらの噂、知ってた? 李 :田舎から孫娘が出てきて、語学学校に通い始めると聞いていたけど・・・。 佐藤:でも何だか臭いなあ。田中さんが声をかけたら、課長、突然慌て出したとか言ってたよ。 ♯ 解説 ♭  「~始める」は動作動詞について「食べ始める/読み始める…」のように動作の開始を表しますが、「~出す」も自然現象や感情・生理などを表す動詞についたり、「今にも~出しそうだ/~出さんばかりだ」の形で現象の発生や開始を表します。  「~出す」しか使えない動詞として、感情・生理を表す「泣く・笑う・怒る・はにかむ・照れる・慌てる…」や、音の発生を表す「鳴る・とどろく・響く…」などがあります。これらの無意志性の動詞には「~始める」が使えません。逆に、同じ開始でも「~出す」は自然・突発性の強い表現で人為的・意志的なことではありませんから、「~始める」のように後件で「~しなさい/~てください/~つもりだ」などの意志表現が使えません。どちらも使える場合も、「雨が降り始める」は「しだいに/だんだんと」、「雨が降り出す」は「突然/急に」というような語感の差を生みます。→例題1)  なお、「~出す」は開始以外に、「引き出す/取り出す…」<外への移動>、「作り出す・考え出す・編み出す…」<創出>を表す複合動詞も作ります。 § 例文 § 1.制限時間は1時間です。すぐ書き始めてください。 2.突然何を言い出すのかと思ったら、何だそんなことか。 3.後ろの席のみんなが急に騒ぎ出したので、私は思わず振り向いた。 4.気になり出すと、もう居ても立ってもいられなくなった。 5.洪水で川の水が溢れ出したとの情報を聞いて、周辺の住民は次々と避難し始めた。 ★ 例題 ★ 1) 市長がその事故のいきさつを(話す/話し)始めると、傍聴席の市民は「先ず、責任の所在を明らかに(する/しろ)」と騒ぎ(出した/始めた)。 2) 雨が(降る→   )(出す→   )(そうだ→    )嫌な雲行きだなあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) を/卒業した/になっている 2) で(時間・期間の限定)/終わった/なる -------------------------------------------------------------------------------- 138 ただ(単に/ひとり) ~ だけだ/のみだ ただ ~ 名詞(+格助詞):    ×     +  だけだ 単に   動詞・ 形容詞  :普通形 <ナ形ーな>   のみだ ひとり -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:厳しいことを言うようだが、このパンフレットはただ見た目がよいだけという印象だな。 李 :人事を尽くしたのですから、後はただ天命を待つのみです。客先にも配布済みですし・・・。 課長:ちと大げさだな。でも確かに最近の消費者は、中身より見た目で選ぶ傾向があるからなあ。 ♯ 解説 ♭  これらの副詞は文末で「~だけだ/~のみだ」と呼応して、事物を一定の範囲内に限定します。「ただ」と「単に」は例文1~5のどの例にでも使えますが、「ただ」は「他のことを考えず、ひたすら/一心に~する」という意味を持っています。一方、「単に」は単なる限定です。   ただ金儲けだけ考えている。<=専念>   単に金儲けだけ考えている。<=限定>  この中で「ひとり」という副詞は、例文5のように「人」または擬人化できる対象にしか使えません。ですから、例文1~4では「ひとり」は使えません。多くは「ひとりAだけではなくBも~だ」の形で使われます。→例題1) § 例文 § 1.私はただ彼に忠告しただけで、悪気などさらさらありませんでした。 2.単に知識があるだけでは、実際の役には立たない。 3.私はただ心の命ずるところに従うのみだ。 4.それは単に今までの作品を模倣しただけで、なんの創造性もない。 5.これはひとりわが国だけの問題ではなく、アジアの安全保障に関わる問題だ。 ★ 例題 ★ 1) この件(について/にとって)反対している(の/こと)は、ひとり私(のみだ/のみではない)。 2) 彼を(怒る→     )のは拙かったが、僕は(思う→    )ことを、ただ(言う→    )だけだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 話し/しろ(命令形)/出した 2) 降り/出し/そうな(様態の「そうだ」の連体形) -------------------------------------------------------------------------------- 139 ~たつ/~だつ 自動詞:[ます]形 + たつ 名詞 : ×    + だつ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:株が大暴落したわよ。テレビに映ってた人達、殺気立ってたわ。 李 :一本調子に上げてきたから、一旦崩れ出すと、市場全体が浮き足立つのさ。この低迷は長引くよ。 良子:色めき立ったり、落ち込んだり忙しいことね。まあ、株式投資なんて、私たちには縁のない世界だけど。 ♯ 解説 ♭  自動詞「~たつ」は動詞の[ます]形と結びついて、「降り立つ・切り立つ・旅立つ・飛び立つ…」や、例文1~3のように「激しく~する/非常に~する」という意味を表す複合動詞を作ります。その例として、「いきり立つ・勇み立つ・色めき立つ・気負い立つ・奮い立つ…」などがあります。  「~だつ」は動詞「立つ」から生まれた接尾語で、名詞について名詞を動詞化しますが、例文4のように出発を表す場合と、例文5のように通常以上の事態やその発生を表す場合があります。後者の例として「苛立つ・泡立つ・浮き足立つ・目立つ・鳥肌立つ」などがありますが、多くは慣用的に使い方が決まっていますから、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.煮え立った湯をかぶって大やけどをした。 2.いきり立った群肖稀⑹紫喙氽·搜氦筏堡俊 3.男は燃え立つ火の中に飛び込み、中にいた子供を救った。 4.子供はいずれ親元から巣立つもの、暖かくわが子の旅立ちを見送ってやろうよ。 5.彼の能力は際だっているが、チームワークに必要な協調性に欠けるようだ。 ★ 例題 ★ 1) 華があると言うか、(何と/どう)言うか、彼女はどこ に(いたら/いても)目(たつ/だつ)ねえ。 2) ヒットラーの演説は、人を(煽る→    )たて、(奮う→   )立たせる魔力の(如く→  )ものがあったと言われている。 (^^)前課の解答(^^) 1) について/の(=人)/のみではない(「~のみだ」の否定形) 2) 怒らせた(使役形&完了)/思った(完了)/言った(完了) -------------------------------------------------------------------------------- 140 *~たっけ/*~だっけ 名詞    :  だ / だった     +  っけ 動詞・形容詞:た形<ナ形ーだ/だった> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:えーっ、そんなこと頼まれていたっけ? 百恵:この頃、忘れっぽいのね。痴呆症が始まったの? 山田:冗談がきついよ。何を買って来る約束だったっけ? 百恵:ブランド物の旅行用かばんよ。 山田:あれっ、そんな約束したっけ? 百恵:あきれた人ね。人の話を上の空で聞いてるからよ。 ♯ 解説 ♭  終助詞「~たっけ/~だっけ/~だったっけ」は過去回想の表現です。多くの場合、例文1~3のように「一度聞いたことがあるようなんですが、確か~でしたね?」という気持ちで相手に尋ねるときに使われます。しかし、もしそれが独り言だったり、詠嘆が込められたりしていれば、例文4、5のように過去の回想そのものになります。  会話では、例えば「今度の試験はいつだったっけ」を例にとると、最後を「け↑」のように上げれば質問、「け↓」のように下げれば独り言・自問となるでしょう。 § 例文 § 1.今度の試験、範囲はどこからどこまでだったっけ? 2.あなたのお名前はなんとおっしゃいましたっけ? 3.君んち、確か八百屋だっけ? 4.あれからもう20年だねえ。子供の頃、よく君とけんかしたっけなあ! 5.そういえば、そんなこともあったっけ!懐かしいなあ。 ★ 例題 ★ 1) 売れない前座歌手時代が長くてね、これまで何度も歌を(やめる/やめよう)と(思う/思った)ことも(ある/あった)っけなあ!でも、やめなくてよかったよ。 2) 彼、どこの(誰だ→    )っけ?どこか( )会った覚えがあるんだが、(思う→   )出せないんだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 何と(→文型208)/いても(条件の逆説)/だつ 2) 煽り/奮い/如き(→文型083) -------------------------------------------------------------------------------- 141 ~たて/~たてだ 動詞:[ます]形  +  たてだ             たてが             たての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あ~っ、うまい!湯上がりのビールは最高だ!あと一本、飲みたいなあ。 良子:この料理はできたてがおいしいのよ。ビールを飲んでばかりいないで、熱いうちに召し上がれ。李  :うん、これはうまい!とても習いたてとは思えない。 良子:お世辞を言ったって、もうビールは出ないわよ。 ♯ 解説 ♭  「~たて」は動詞の[ます]形について、「~したばかりの<時・状態・もの>」を表す名詞を作りますが、「産みたての卵・炊きたてのご飯・入学したて・入れたてのお茶・入りたての社員・採れたての果物…」のように、常に新しさ・新鮮さなどのプラス面を強調するのが特徴です。「~たて」の用例は「~したばかり」(→文型148)で置き換えられますが、「~したばかり」は動作や事態の終了して時間がたっていない状態を表すだけです。逆に言えば、「~たて」には新しさや新鮮さを表さない動詞にはつかないことで、例えば、「食べたて・寝たて・壊したて…」などの用法はありません。  また、類義語に「~あがり」(→文型003)がありますが、一部の自動詞について「~した完成品」を表します。意味の違いに注意してください。→例題1)  できたての料理   <まだ暖かくておいしい>  できたばかりの料理 <少し前にできた>  料理のでき上がり  <完成> § 例文 § 1.牛乳は搾りたてが一番おいしいよ。 2.日本に留学したてのころは、言葉がわからなくて困りました。 3.焼き芋、石焼き芋、焼きたてのほやほや。 4.ペンキ塗りたてですから、触らないでください。 5.あのふたりは結婚したての熱々で、こちらはすっかり当てられっぱなしだよ。 ★ 例題 ★ 1) お~い、みんな、やっと学校新聞が刷り(あがった/あげた)よ。刷り(たて/あがり)だから、まだインクのにおい(が/を)するよ。 2) 医者に(なる→    )たて( )頃は、手術室で血を見て、貧血を(起こす→    )こともあった。 (^^)前課の解答(^^) 1) やめよう/思った(~ことがある→文型080)/あった 2) だった(過去回想)/で/思い -------------------------------------------------------------------------------- 142 ~たてる 他動詞:[ます]形 + たてる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :どうしたんだい?さっきから会社の不満ばかり言いたてているけど、課長に嫌みでも言われたの? 山田:今年の冬のボーナス、いくらだか知ってるか?あの金額を見たら、とても冷静ではいられないよ。 李 :出るだけでもましだと思った方がいいよ。みんなが仕事する気をなくしたら、それこそ会社は倒産だよ。 ♯ 解説 ♭  「~立てる」は動詞の[ます]形について、例文1、2のように「突き立てる・埋め立てる・組み立てる・積み立てる…」などのように原義に近い意味の複合動詞や、例文3~5のように「激しく~する」という意味の程度強調の複合動詞を作ります。後者の例としては、「煽りたてる・言い立てる・追い立てる・駆り立てる・せき立てる・責めたてる・攻めたてる・吠えたてる・ほめたてる…」などがありますが、「~立てる」の前につく動詞はほぼ決まっていますから、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.この一帯は東京湾をごみで埋め立ててできた埋め立て地だ。 2.その雑誌は民主主義の旗手として、戦後の出版界に不滅の金字塔をうち立てた。 3.彼が新人賞を取った頃は口々に褒め立てた人々が、落ち目になると、てのひらを返したように冷たくなった。 4.ちょっとしたことで、すぐ騒ぎ立てる最近のテレビ報道には問題が多い。 5.自分の責任は棚に上げて、部下の失敗を責めたてた。 ★ 例題 ★ 1) 飾り(尽くした/切った/たてた)部屋よりも、シンプル(な/で)清楚な部屋の方(が/は)僕は好きだ。 2) 新聞で(盛んだ→    )汚職事件の事を(書く→  )立てているが、当人は平然と(する→    )。 (^^)前課の解答(^^) 1) 上がった(助詞「が」に注意→文型003)/たて/が(→文型031) 2) なり/の/起こした(→文型080) -------------------------------------------------------------------------------- 143 *たとえ~ても/*いくら~ても/*どんなに~ても たとえ/たとい ~ 名詞    : で      + も いくら       動詞・形容詞:て形 <ナ形ーで> どんなに どんな+名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :たとえ山田君から誉められても、適当に割り引いて聞かないとね。その日の気分でころころ変わる人だよ。 百恵:でも淡白で、どんなときでも後を引かないからいいわ。いつまでもねちねちしてる誰かさんとは大違いよ。 李 :それって、俺のこと?でも、くよくよしない彼の性格が羨ましいよ。明日は明日の風が吹くって感じだ。 ♯ 解説 ♭  「たとえ~ても」は仮定条件の逆説で、まだ起こっていないことを条件にしています。「たとえ~ても」と「たとい~ても」は意味も用法も同じですが、話し言葉では「たとえ~ても」がほとんどです。  一方、「いくら~ても」「どんなに~ても」は既定条件の逆説で、もう起こったことを条件にしています。そのため、以下のような違いが現れます。   たとえ読んでも、わからない。<まだ読んでいないが、わからないだろう>   いくら読んでも、わからない。<もう何度も読んだが、わからなかった>  なお、「いくら」と「どんなに」は違いがあって、「いくら」は「何度も・何回も」という回数から程度まで広く使えますが、「どんなに」は程度しか表さないので、用法としては「いくら」よりも狭くなります。→例題1) § 例文 § 1.たとえ何億の金があっても、死に直面したきには、何の意味もない。 2.たとえ冗談でも、言っていいことと悪いことがある。 3.いくらお金があっても、使い方を知らなければ、ただの紙切れに過ぎないよ。 4.愛しているよ。たとえ死んでも、君を離さない。 5.どんなに時代が変わっても、変わらぬものもあるんだ。 ★ 例題 ★ 1) (いくら/どんなに)電話しても、彼につながらなかったんだ。まさか、部屋で死んでる(なんか/なんて)ことはない(だろう/かもしれない)ね。 2) たとえ冷血漢と(言う→     )ても、(貸す→     )金は返してもらう( )が俺の商売だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) たてた/で/が(比較文「~より~の方が~」) 2) 盛んに(ナ形)/書き/している(眼前の事実は「~ている」形) -------------------------------------------------------------------------------- 144 *~た─趣长怼筏
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 楼主| 发表于 2004-11-15 13:42:09 | 显示全部楼层
151 ~度に 名詞: の  +  度に 動詞:原形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:君んとこに行く度に、大歓迎を受けて悪いなあ。それに、良子さんも見る度にますます垢抜けてきたな。 李 :俺とお前の仲だろう。取ってつけたみたいなお世辞はやめろよ。でも、お前も来る度に株が上がってるぞ。 山田:それはうれしいな。近所でもぴか一のケーキを、いつもお土産にしてるからかなあ。 ♯ 解説 ♭  「~度に」は例文1~3のように、多くは「~とき、いつも/毎回~する」という意味を表します。この場合、「~と、いつも」「~と、決まって」とほぼ同義表現で、「~度に」は毎回の反復を強調した表現になるでしょう。  春になる    度に    と、いつも    と、決まって  蓮華の花が咲いた。  違いが現れるのは「~度に」が例文4、5のように「ますます~になる」と「~につれて」(→文型330)と同じく変化を表す表現として使われるときで、この場合は「~と、いつも」「~と、決まって」が使えません。→例題1) § 例文 § 1.この写真を眺める度に、昔のことが思い出される。 2.日ごろから復習をしていないから、試験の度に大慌てするんだよ。 3.私の家はJR中央線の側にあって、電車が通る度に家が揺れます。 4.彼は試合を重ねる度に腕を上げている。 5.「君は結婚してから、会う度に美しくなるねえ」「まあ、あなたこそ、会う度に口が上手になるわ」 ★ 例題 ★ 1) 最近の上海の(変え/変わり)ようは凄い。行く(といつも/度に)、町の様子が変わっ(てくる/ていく)。 2) 大雨( )度にこの川は水( )溢れ、道路まで(水浸し→    )なる。 (^^)前課の解答(^^) 1) に(移動・進入の目的地は「に」)/弾み/に(到達地) 2) を/よけた/切り(~損なう→文型125)/に(対象) -------------------------------------------------------------------------------- 152 *~ため(に) ・/*~ためか/*~ためだ 名詞    :   の       +  ため(に) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>     ためか                      ためだ (注:動詞の多くは「た形」か「~ている形」となる)  -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :お前のために、みんなが散々な目にあったんだぞ。 山田:えっ?僕が何かしたっけ? 李 :A商店への製品の納期は今日だったんじゃないか。 山田:しまった!すっかり忘れてた。 李 :「取引停止だ」って大変な剣幕だったんだ。それをなだめたり、すかしたり、冷や汗ものだったよ。 ♯ 解説 ♭  「~ため(に)」は原因・理由を表すときと目的を表すときがあります。ここで取り上げるのは原因・理由の「~ため(に)」で、因果関係を客観的に説明するとき使われる表現です。「~ため(に)」が原因・理由を表すか目的を表すかは、名詞に接続したときは文脈から理解するしかありませんが、「ある・いる・できる・わかる」などの状態動詞や形容詞、例文3のように「~すぎる」と接続した「~ために」は原因・理由を表します。一般動詞の場合、「完了形(「た」形)+ために」は原因・理由を、「原形+ために」は目的を表します。   家を買うために貯金している。   家を買ったために、ローンの支払いに追われている。  なお、助詞「か」のついた「~ためか」は「たぶん~の理由で」という不確かさを表す表現になります。類義表現に「~おかげで」(→文型018)や「~せいで」(→文型122)については各項を参照してください。 § 例文 § 1.台風のために多くの被害が出た。 2.働きすぎのためか、最近、肩こりがひどくなった。 3.楊貴妃は美しすぎるために、数奇な生涯をたどることになった。 4.入試に失敗したのは、面接試験の準備を怠ったためだと思う。 5.人の保証人になったために、借金のかたに自分の家まで人手に渡す羽目に陥った。 ★ 例題 ★ 1) 世界各地で大雨などの異常気象(による/に関する)被害が発生しているが、専門家は「これらは地球温暖化の(ため/おかげ)ではないか」(を/と)指摘している。 2) ただ今、新宿駅構内( )人身事故( )(発生する→     )ため、山手線は全線不通となっております。 (^^)前課の解答(^^) 1) 変わり(~よう→文型435)/度に/ていく(→文型177) 2) の/が(自V)/水浸しに(N+になる) -------------------------------------------------------------------------------- 153 *~ため(に)・/*~よう(に) 名詞:   の     +  ため(に/には/にも) 動詞:原形 /ない形     ための  +  名詞                よう(に) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :じゃあ、みんなで乾杯しよう。 真理:何のために乾杯するの? 山田:お酒を飲むのに、いちいち何のためもないもんだ。楽しけりゃいいのさ。じゃんじゃんやろう。 百恵:とにかく、日本中の酒飲みのために、乾杯! 李 :山田、お前、酒癖が悪いから、適当にしとけよ。 ♯ 解説 ♭  目的表現で難しいのは「ために」と「ように」の使い分けですが、前後同一主語文で、前件が意志性動詞(他動詞や、一部の人が主語になる自動詞)の時だけが「~ために」で、それ以外はすべて「~ように」です。→例題1)2)   日本語を勉強するために、辞書を買った。            <同一主語文・前件意志動詞>   息子が日本語を勉強するように、私は辞書を買った。            <前後異主語文・前件意志動詞>   日本語が話せるように、毎日テープで練習している。            <同一主語文・前件無意志動詞>   (私が)わかるように、(あなたが)話してください。            <前後異主語文・前件無意志動詞>  異主語文や、前に可能形や「わかる」、自動詞(人が主語になる意志性自動詞を除く)や否定形(「~ない」)が来るときは「~ように」を使えばいいでしょう。 § 例文 § 1.病気を治すために、治療を続けている。(他動詞) 2.病気が治るように、治療を続けている。(自動詞) 3.人は食べるために生きるのか、生きるために食べるのか? 4.念のために言っておくが、くれぐれもこちらの動きを相手に悟られないように、極秘で行動せよ。 5.万一の時のために、また、その時になって慌てないように、非常持ちだし用バッグを枕元に置いて寝ている。 ★ 例題 ★ 1) 後で後悔しない(ため/よう)、若いうちに学べ。勉強 は自分の(ために/ように)する(こと/もの)だ。 2) 広範な選挙民の支持を得る( )( )には、老人や子供にも理解できる( )( )に、(わかる→   )やすい言葉( )語りかけることだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) による(理由→文型346)/ため(~おかげ→文型018)/と 2) で/が/発生した -------------------------------------------------------------------------------- 154 *~たらいい/*~といい/*~ばいい 動詞:た形<~た/~なかった>  +  らいい 動詞:辞書形/ない形       +   といい 動詞:仮定形<~ば/~なければ> +  ばいい -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :山田ったら、またこんなに酔っぱらって。 真理:これじゃ、酒を飲んでいるのか、酒に飲まれているのか、わからないわねえ。 山田:う~い、何をごちゃごちゃ言ってるんだ。う~い。 百恵:こんなに悪酔いするほど、飲まなければいいのに。 李 :僕が何とかするから、ふたりは帰るといいよ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型はどれも「~するのが適当だ/~するのが妥当だ」という意味を表します。相手に勧告したり提案したりするときによく使われる表現で、疑問詞と一緒に使われるときは、「どうしたらいいでしょうか?/いつ行けばいいですか?」のように相手の意見を求める表現になります。ただ口調によっては、例文5のように「勝手にしろ」と相手を突き放した言い方にもなりますし、非難の感情を表すこともあるでしょう。  形の似た文型に希望・願望を表す「~たらいいなあ/~といいなあ」(→文型254)がありますから、混合しないようにしましょう。 § 例文 § 1.無理をすると病気の回復が長引くよ。しばらく休暇でもとり、ゆっくり静養するといい。 2.やりたければ、やればいい。やりたくなければ、やらなければいい。どうするかは、君自身で決めたらいい。 3.こういった問題は、どこで相談したらいいでしょうか。 4.どうすればいいか、ここは腰を落ちつけて、みんなで考えようじゃないか。 5.行きたければ、一人で行ったらいい。お好きにどうぞ。 ★ 例題 ★ 1) この仕事は今月中(に/は)(終われば/終わっても)いいのだから、急ぐには(至らない/及ばない)。 2) 息子が高校を辞めて寿司職人( )(なる→  )たいと申しているんです( )、どうしたらよろしいものでしょうか。 (^^)前課の解答(^^) 1) よう/ために/もの(~ことだ→文型084/~ものだ→文型420) 2) ため/よう/わかり(→文型300)/で(方法) -------------------------------------------------------------------------------- 155 *~だらけ/~まみれ 名詞: ×  +   だらけ  ・            まみれ  ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:雨には降られるし、おまけに道が舗装されていないしで、車が泥まみれになってしまったよ。 李 :山田君、駐車場で車を洗ってましたよ。泥だらけになっても、車に触ってられれば幸福みたいですねえ。 課長:山田君も哕灓筏破¥欷郡坤恧Δ恕 李 :デスクワークより、彼の性に合っているんですよ。 ♯ 解説 ♭  「~だらけ」は名詞に直接ついて「~が多い/~がいっぱいだ」という意味を表す接尾語で、常に不快・汚い・過度だといったマイナスの印象を表しています。いいことには「~がいっぱいだ」を使うといいでしょう。   おいしいそうな料理がいっぱいだ(×だらけだ)。  「~だらけ」と「~まみれ」の違いについて言えば、「~まみれ」は汚い物が表面に付着した場合、つまり付着物にしか使えませんが、「~だらけ」はそれ以外の場合にも使えることでしょう。   間違いだらけ(×まみれ)の作文   欠点だらけ(×まみれ)の人間   血だらけ(・まみれ)の手 § 例文 § 1.そんなしわだらけ(×まみれ)のワイシャツを着て、みっともないったらありゃしない。 2.その男は、血だらけ(⇔まみれ)になって、そこに倒れていた。 3.汚い部屋ねえ。ほこりまみれ(⇔だらけ)じゃないの。 4.借金だらけ(×まみれ)で、首が回りません。 5.どこで何があったのか、彼は体中傷だらけ(×まみれ)で帰ってきた。 ★ 例題 ★ 1) 民族問題(は/が)分からないこと(だらけ/まみれ)で、解決の糸口(しか/すら)つかめないのが実状だ。 2) 確かに俺は欠点( )( )( )の人間だが、友人を裏切る(ようだ→  )真似は決して(する→    )。 (^^)前課の解答(^^) 1) に(~中→文型162)/終われば/及ばない(不必要→文型000) 2) に(N+になる)/なり(V〔ます〕形+たい)/が(前置き) -------------------------------------------------------------------------------- 156 ~たら~で/~ば~で/~なら~で  ~ たら  +  動詞・形容詞:た形   +  で  ~ ば             ない形  ~ なら            原形 (注:名詞・ナ形の時は「~なら~で」がよく使われる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :このままじゃ、いつまで経っても、この2DKの社宅から抜け出せないなあ。何でも金、金の世の中か。 良子:お金って、あればあったで悩みも増えるものよ。小平ひとりだし、贅沢を言わなければやっていけるわ。 李 :なければないで、また困るものさ。やはりお金は、ないよりあった方がいいよ。 ♯ 解説 ♭  「AたらAで/AばAで/AならAで」のように同語を反復して、「~の場合は、必然的に~という結果になる」または「~の場合は、当然~するべきだ」という意味を表します。よく使われる基本的な形を載せておきます。  <動詞>  ~たら~たで、~  ~なかったら~なかったで、~  ~ば~たで、~  ~なければ~ないで、~  ~たなら~たで、~  ~するなら~するで、~  ~ないなら~ないで、~  <イ形>  ~ければ~いで、~  ~くなければ~くないで、~ § 例文 § 1.もし失敗したら失敗したで、その時また考えればいいさ。 2.反対なら反対で、きちんとした論拠を示すべきだ。 3.厳しくすればしたで音を上げるし、甘くすればしたでつけあがるし、最近の学生は扱いにくい。 4.プロになったらなったで、厳しい競争があるものさ。 5.欲しいんだったら欲しいで、やせ我慢せずに言ったらどうだい? ★ 例題 ★ 1) 「話によると、あの子、名門中学に(合格した/合格し)そうよ」「あんな秀才(だらけ/ぞろい)の受験校だと、入ったら(入る/入った)で、苦労すると思うよ。」 2) 彼が協力を拒む( )( )拒む( )、それもまたやむを得ない。その時は我々の力( )やるのみだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) は/だらけ/すら(→文型100) 2) だらけ/ような/しない(陳述副詞「決して~ない」) -------------------------------------------------------------------------------- 157 *~たらどうですか/~てはどうですか 動詞:た形 + らどう?/らどうですか/らどうでしょう?         らいかが?/らいかがですか/らいかがでしょうか 動詞:て形 + はどう?/はどうですか/はどうでしょう?         はいかが/はいかがですか/はいかがでしょう? -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:今度のA社との商談、李君に任せてはどうだ? 課長:お言葉ですが、今回ばかりは佐藤が適任かと思います。何事にも適材適所というものもございますし。 部長:李君のやり方に問題があるのなら、はっきり注意したらどうだ。君も彼を高く買っていたんじゃないのか。 課長:デリケートな商談には、彼は不向きと考えます。 ♯ 解説 ♭  「~たらどうですか/~てはどうですか」は、相手にどうしたらいいかを提案する表現です。「いかが」系は「どう」系よりも丁寧な言い方で、「~ですか」を「~でしょうか」にすればもっと丁寧になります。もっとも短い形は「~たら?」、もっとも丁寧な言い方は「~たらいかがでしょうか」になります。  しかし、例文4、5のような例や、発話時のイントネーションでは、どの表現も詰問の語感が生じます。中でも「~たらいいじゃないですか」は、「どうしてそうしないのか」といった詰問・非難の語感が強く現れます。 § 例文 § 1.みなさん、お疲れの御様子、もうお休みになったらいかがでしょうか。 2.さあさあ、遠慮せずにもっと召し上がったら? 3.まだ雨も降っていますし、もう少しごゆっくりなさってはいかがですか。 4.人にすぐ聞くんじゃなくて、少しは自分で調べたらどうなんだ? 5.好き嫌いばかり言わないで、食べたらどうなの? ★ 例題 ★ 1) これ(ほど/まで)言っ(たら/ても)わからないなら、自分の好きなように(すれば/したら)どうだ。 2) この件( )関しては、法律( )詳しい田中さんに、御(相談する→  )なさったらいかがですか。 (^^)前課の解答(^^) 1) 合格した(「~によると」=伝聞)/ぞろい(→文型128)/入った 2) なら/で/で(手段・方法の「で」) -------------------------------------------------------------------------------- 158 *~たり~たりする 名詞    : だった       +  り ~ たりする  ・ 動詞・形容詞: た形<ナ形ーだった> りする      ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今日は踏んだり蹴ったりだったよ。 良子:いつになく不機嫌だと思ったら、何かあったのね。 李 :満員電車の中で痴漢に間違えられたり、定期を落としたり、朝から全くついてなかった。 良子:どう、気分直しにビールでも飲む? 李 :いやあ、それは願ったりかなったりだ。 ♯ 解説 ♭  「~たり~たりする」は例示で、複数の事例の中からいくつかの事例を取り上げるときに使われます。同類の語を並べるときもあれば、反対の語を並べるときもありますし、肯定と否定を並べることもあります。また、同類の物の中から話者が重要と思う例を取り出す場合、「~たりする」のように単独でも使われます。   泣いたり笑ったり(同類語)   行ったり来たり(反対語)   来たり来なかったり(肯定・否定)  このほかにも「願ったりかなったり・似たり寄ったり・踏んだり蹴ったり」などの慣用的な言い方がありますから調べておきましょう。 § 例文 § 1.立ったり座ったりして、さっきから落ちつかないけど、  何かあったの? 2.社員食堂の定食は、和食だったり中華だったりと実に多彩だ。 3.店によって値段は高かったり安かったりするけど、味の方はどの店も似たり寄ったりだね。 4.未成年者がタバコを吸ったりしてはいけません。 5.その程度のけがで死んだりすることはないから、大げさに騒ぐな。 ★ 例題 ★ 1) 彼はいい加減な(の/こと)を言ったりする(ように/ような)人間(だ/ではない)。 2) この前の香港旅行( )は、(飲む→    )だり(食う→    )たり、十分に香港の味を満喫したよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) ほど/ても/したら(「~すればどう」の形はない) 2) に(→文型304)/に/相談(敬語「お~なさる」→文型019) -------------------------------------------------------------------------------- 159 ~たりとも~ない 名詞・数詞: ×  +  たりとも ~ ない                     な (注:否定形の他に、禁止表現「動詞の原形+な」もよく現れる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:今の取り組み体制では、期限内に終わらせる自信はありません。 部長:ところで君達、昼飯から戻ってきたのは何時だった?これからは一分たりとも無駄にしないことだ。 山田:おいおい、佐藤、そんなに落ち込むなよ。一睡たりともするなって言われなかっただけ、まだましだよ。 ♯ 解説 ♭  「~たりとも」は文末で否定の表現と呼応して「~であっても、決して~ない」という全面否定を表します。強い「~も~ない」に相当すると考えればいいでしょう。前に来る語は「一」と結びついた数詞が多く、また文末で禁止の「~な」と呼応することも多いでしょう。なお、下の例はどれも同じ意味を表しています。  ほんとうの商人は、一円    たりとも    であっても    であろうと    も、決して  粗末にしたりはしない。 § 例文 § 1.私は母に「御飯の一粒たりとも無駄にするな」と厳しく叱られたことがある。 2.一瞬たりとも彼から目を離すな。動きがあれば報告せよ。 3.油断大敵、小敵たりとも侮るなかれ。 4.一刻たりとも時間を浪費するな。今は一秒一刻を争う事態なのだ。 5.女・子供たりとも見逃すな。不審な行動をするものがいたら、連行せよ。 ★ 例題 ★ 1) 彼は刑事の取り調べ(について/に対して)、一言(なりとも/たりとも)語ら(ぬ/ず)、完全黙秘を貫いた。 2) 沖縄の反戦地主達は、「一坪たり( )( )米軍に(渡す→    )な」を合い言葉( )している。 (^^)前課の解答(^^) 1) こと(内容は「こと」)/ような/ではない 2) で/飲ん/食べ -------------------------------------------------------------------------------- 160 ~たる者/~ともあろう者が/~としたことが 名詞(人・組織): ×  + たる者     ・                ともあろう者が  ・                としたことが   ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:今朝、課長ともあろう者が、混んだ電車の中で、競艇新聞を広げていたのよ。 佐藤:当社の課長たる者、せめて一般新聞にしてほしいとは思わない? 百恵:それって社長の台詞みたい。失礼だけど、一介の平社員たるあなたの口から聞くとは思わなかったわ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は「<人や国・会社など擬人化できる対象>は当然~であるべきだ」という社会的常識・評価を共通の認識にしています。  「~たる者」はほとんどの場合、「~なければならない/べきだ」と呼応し、当然あるべき姿はどうかという判断を後件で表します。「ともあろう者が」は、「当然そうあるべきなのに、実際はそれに反して~」と矛盾した事態を述べる表現で、非難・批判・疑問を強く表します。  一方、「~としたことが」は自分を含めて「~がそんな過ちをするはずがないのに、どうして~んだろう?」と不注意や思慮不足の結果、予想しなかった過ちを犯したときに使われます。 § 例文 § 1.仮にも医者たる者は、「医は仁術」と心得るべきだ。 2.教師たる者、生徒のお手本にならなければならない。 3.政治家ともあろう者が、金儲けのために目の色を変えるとは何事か! 4.警察官ともあろう者が、暴力団に捜査情報を流していたとは、許し難いことだ。 5.私としたことが、どうしてこんなミスをしたんだろう。 ★ 例題 ★ 1) 日頃、何事にも慎重な彼(としたことが/たる者/ともあろう者が)、このようなミスをする(とは/というのは)、全く予想(しか/だに)できないことだった。 2) 信用第一の銀行( )( )あろう者( )、焦げ付き債権の事実を(隠す→    )続けていた。 (^^)前課の解答(^^) 1) に対して(→文型322)/たりとも/ず(→文型121) 2) たりとも/渡す(禁止)/に(慣用語「~を合い言葉にする」) -------------------------------------------------------------------------------- 161 *~だろうか 名詞    : ×        +  だろうか 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>   でしょうか -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :最善を尽くしたけど、客先は喜んでくれてるのだろうか?顧客満足度が、当社の評価基準だからね。 山田: 要求仕様はかろうじてクリアしたけど、心配だよ。 佐藤:ぎりぎりの予算の中で、できることは全てしたよ。それで認めてもらえないなんてことがあるだろうか。 山田:そうあってほしいけどね。でもねえ・・・。 ♯ 解説 ♭  「~だろうか」は、例文1のように普通に質問を表すことも、例2のように「~だろ(う)?」の形で確認・念押しする用法もあります。しかし、「~だろうか」にはそれ以外にも、例3~5のように、「~だろうか?いや、たぶん~ないだろう」という意味の反語表現の用法があります。その場合、「果たして~だろうか?」のように副詞と呼応した形で現れることが多でしょう。  これよりも強い反語表現に「~ものか」(→文型417)がありますが、推量の気持ちをいっさい含まない「いや、絶対~ない」と断定する表現になります。   彼にできるだろうか? ≒たぶんできないだろう   彼にできるものか。  ≒絶対できない § 例文 § 1.彼は一体どうして、あんなに怒ったんだろうか?(疑問) 2.ね、やはり僕が言った通りになっただろ(う)。(確認) 3.ひとつも欠点のない人間なんて、果たして存在するだろうか。(反語) 4.彼の話をそのまま信じていいだろうか。(反語) 5.自分の子どもがかわいくないなんて親が、どこの世界にいるだろうか。(反語) ★ 例題 ★ 1) 国家の浮沈(に関わる/に関する)ような大事を、(果たして/やはり)首相ひとりの判断に任せていい(こと/もの)(だろう/だろうか)? 2) 「地球連邦だって?そんなの、絵に描いた餅( )過ぎないよ」「そうとばかり(言う→    )だろう( )」 (^^)前課の解答(^^) 1) としたことが/とは(→文型242)/だに(→文型149) 2) とも/が/隠し(V〔ます〕形+続ける) -------------------------------------------------------------------------------- 162 *~中に/*~中は/*~中だ 動作名詞   : ×  +  中だ 期間を表す名詞: ×     中に 状態を表す名詞: ×     中は                中を -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :お話中を申し訳ございませんが、部長にお電話がかかっております。 部長: ありがとう。「はい、もしもし、部長の白石ですが。あっ、○○様でございましたか。・・・」 課長:今、新しい企画を検討中だ。すまんが、今日中にこの書類を仕上げておいてくれ。 ♯ 解説 ♭  「~中」にはいくつかの用法があります。一番よく使われる「~中」は動作名詞(「営業・会議・工事・試験・修理・調査・食事・仕事・話し・お取り込み・アルバイト…」)につくときで、「~ちゅう」と読み、「~の最中/~ているところだ」と同義表現になります。  次によく使われるのは、特定の期間を表す名詞(「午前・*今日・今週・今月・*今年・*明日・来週・来月・来年…」)や、状態を表す名詞(「在米・不在・失業・在学・在職…」)につくときで、「~の間(は/に)」(→文型001)に置き換えられる表現になります。人によって多少異なりますが、*印を除いて「ちゅう」と読みます。  その他、「一晩・一日・一年・夜・夜中…」につくときは「じゅう」と読み、「~の間ずっと~」の意味になります。 § 例文 § 1.試験中は、隣の人と話しをしてはいけません。 2.工事中につき、足下にご注意ください。 3.この原稿を午前中に書き上げないと、締め切りに間に合わなくなる。 4.私の不在中に会社からの書類が届いたら、電子メールで送ってくれ。 5.一年中あれこれと仕事に追われ、「貧乏暇なし」ですよ。 ★ 例題 ★ 1) 在日(中/間)は、色々お世話(になりまして/をしまして)、お礼の(申す/申し)ようもございません。 2) 栅松辘吩Uございませんが、ただ今課長は会議中( )ございますので、少々お(待つ→   )(いただく→     )ませんか。 (^^)前課の解答(^^) 1) に関わる(→文型293)/果たして/もの(→文型420)/だろうか 2) に(~に過ぎない→文型320)/言える(可能形)/か -------------------------------------------------------------------------------- 163 *~ついでに 名詞:  の     +   ついでに 動詞:原形/た形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:出張のついでに、時間を作って中国の御両親に会ってこいよ。これでお土産でも買ってってくれ。 李 :お心遣いありがとうございます。今回は御好意に甘えさせていただきます。 課長:仕事の方もしっかり頼むよ。 李 :はい、アフターサービスのよさを印象づけてきます。 ♯ 解説 ♭  「ついで」は「機会」を意味する名詞で、この「AついでにB」文型は主たる 行為Aをする機会を利用して、付帯行為(+α)Bをするという意味を表します。「AするついでにBする」「AしたついでにBした」と作文するといいでしょう。  この「~ついでに」は「~がてら」(→文型000)と類義文型ですが、「~がてら」は同時進行なので、下図のような用法上の違いがあります。     図あり   また、例文4のように副詞として使われることも、例文5のように名詞として単独で使われることもあります。 § 例文 § 1.買い物に出かけたついでに、李君の家に寄ってきた。 2.出張で京都支社に行くついでに、大阪まで足を延ばして、友人に会ってくるつもりだ。 3.部長のところに行くの?だったら、そのついでにこの書類も持って行ってくれない? 4.ついでに社長のお耳に入れたいことがございます。 5.東京に来るついでがおありでしたら、是非、私のうちにお立ち寄りください。 ★ 例題 ★ 1) あなた、洗濯の(ついでに/がてら)、お風呂の掃除も(ていて/ておいて)ね。(その/この)ついでに○○も頼むわ。 2) 伊豆まで来たんだし、ついでに伊東あたり( )温泉( )一泊して、骨休めをして(行く→    )よ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 中/になりまして/申し(~ようがない→文型435) 2) で/待ち(→文型019)/いただけ(可能形を使うと依頼) -------------------------------------------------------------------------------- 164 ~つく/~づく・ 擬音語・擬態語の語幹: ×  +  つく 名詞        : ×  +  づく(一部例外あり) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:高い山が紅葉してきたわねえ。一ヶ月もしないうちに東京の紅葉も色づくわね。 李 :「秋来たりなば冬遠からじ」だね。 良子:あれ?それって「冬来たりなば春遠からじ」だったんじゃないかしら。 李 :いちいち揚げ足を取るなよ。むかつくなあ。 ♯ 解説 ♭  補助動詞「~つく」は多くの畳語形式の擬音語・擬態語の語幹について、「ぎらぎら→ぎらつく/がたがた→がたつく」のように自動詞を作ります。これらは「ぎらつく=ぎらぎらする/がたつく=がたがたする」のように「~する」を使っても表せます。多くの擬音語・擬態語につくので、応用度の高い接尾語です。→例題1)  また「~づく」は名詞について、「片づく・気づく・勢いづく・色気づく・怖じ気付く・傷つく・調子づく・たてつく…」のように「そのような事態や傾向になる」という意味の自動詞を作ったり、「ゴルフづく・小説づく・客づく…」のように「頻繁に~する/盛んに~する」という意味の自動詞を作りますが、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.変な男が家の回りをうろついていて、気味が悪いわ。 2.新婚早々だし、言いたくはないんだけど、そんなに人前でいちゃつかないでくれよ。 3.彼女のことが頭の中でちらついて、勉強どころではない。 4.海外に進出した企業がその土地に根づくには、色々苦労がある。 5.さあ、勝負しようじゃないか。それとも、今になって怖じ気づいたのか。 ★ 例題 ★ 1) あいつ(ときたら/と言うと)、(おだてると/おだてれば)すぐ調子(つく/づく)。 2) ネオンも(きらきら→   )つき出した( )、夜の歌舞伎町でも(ぶらぶら→   )ついて帰らないか。 (^^)前課の解答(^^) 1) ついでに/ておいて(事前動作の「ておく」)/その 2) で(「の」も可)/に/行こう(→文型440) -------------------------------------------------------------------------------- 165 ~つく ・ 動詞:[ます]形  + つく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :競馬でとった五万円を飲んじゃった。すっかり酔っちゃってさ、家まで帰りつくのがやっとだったよ。 良子:悪銭身につかずとはよく言ったものね。 李 :やはり一番落ちつけるところは、わが家だなあ。悪いが、ふとんを引いてくれ。すぐ寝るよ。 良子:その前に、お風呂に入って酔いを覚ましたら? ♯ 解説 ♭  補助動詞「つく」は動詞の[ます]形について、到着・密着・定着などの意味を表します。漢字を使うと「着く・就く・付く」と書くように多義になります。<到着>行き着く・追いつく・帰り着く・泳ぎ着く・たどり着く…<密着>噛みつく・しがみつく・抱きつく・吸いつく・すがりつく・食いつく…<定着>落ちつく・染みつく・住みつく・考えつく・錆びつく…<完全に~した事態>凍てつく・焦げつく・焼けつく・凍りつく… § 例文 § 1.足が棒のようになって、やっとふもとにたどり着いた。 2.単なる思いつきのプランじゃ駄目だよ。 3.インクが服に染みついて、いくら洗っても落ちないわ。 4.余りに悲惨な光景に、私の心は氷のように冷たく凍りついた。 5.焼けつくような太陽が、さんさんと頭上に輝いていた。 ★ 例題 ★ 1) 旅は帰るところがある(から/ので)楽しいんだ。落ちつく場所もない流浪の旅の(どこ/だれ)が楽しいと言える(だろうか/だろう)。 2) 足下( )(すがる→    )ついて泣いた娘の姿が、今も目に(焼く→  )ついて離れない。 (^^)前課の解答(^^) 1) ときたら(→文型229)/おだてると(→文型203)/づく 2) きら/し(理由の「し」→文型107)/ぶら -------------------------------------------------------------------------------- 166 ~尽くす 動詞:[ます]形 +  尽くす -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 社長:若いときには飲む・打つ・買うの三道楽をし尽くしたが、その報いで親の死に目にも会えず、後悔したよ。家の財産も食いつぶし、残ったのは借金だけ。 専務:戦時中は、明日がどうなるかもわからない日々でしたから、私も投げやりなところがありました。 社長:当時のことを思い出すと、今でも胸が痛むよ。 ♯ 解説 ♭  「尽くす」は「ある限りのものや力を全て出す」という意味の動詞で、例文1、2や「全力を尽くす/手段を尽くす/国に尽くす」のように単独でも使われます。そこから補助動詞として「残らず全部~してしまう」という意味を表すようになります。  類義文型に動作の完了を表す「~終わる」「~切る」がありますが、そこには以下のような違いがあります。  料理を   食べ終えた。 <~が終わった>   食べ切った。 <完全に~した>   食べ尽くした。<残らず全部~した>  目標の完遂を強調したいときは「~切る」、残らず全部(数量)を強調したければ「~尽くす」が基本的使い分けとなります。そのため例文3~5のような例には「~切る」が使えません。→例題1) § 例文 § 1.八方手を尽くして探しましたが、ついに彼を見つけだすことはできませんでした。 2.それは筆舌に尽くし難い美しさだった。 3.もう意見は出尽くしたようだ。そろそろ結論を出そうじゃないか。 4.あり金全部を使い尽くして、今夜の飯代もない始末だ。 5.当時の苦労は、ちょっと一言では語り尽くせません。 ★ 例題 ★ 1) 優勝は逃した(ものの/ものを)、自分(について/として)は持てる力を出し(切った/尽くした)ので、後悔はありません。 2) 彼は元政治記者だけに、政界の裏( )裏 ( )( )(知る→    )尽くしている。 (^^)前課の解答(^^) 1) から(強調「~から~んだ」)/どこ/だろうか(反語→文型161) 2) に/すがり/焼き -------------------------------------------------------------------------------- 167 ~つける/~慣れる/~こなす 動詞:[ます]形 +  つける   ・            慣れる   ・            こなす   ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:やりつけた仕事でも、慣れによる油断は禁物だよ。「慣れても狎れるな」だよ。 李 :「猿も木から落ちる」ということですか。 部長:自分が何でもやりこなせるようになったと過信したとき、とんでもない失敗をしでかすものなのさ。 李 :心しておきます。 ♯ 解説 ♭  他動詞「つける」は「張り付ける・植えつける…」<接着>から、「叱りつける・決めつける…」<強意>、「聞きつける・かぎつける…」<感覚>まで広く複合動詞を作ります。ここでは「~つける」が「~することに慣れている」という意味を表す用例を取り上げますが、この「~つける」は「日頃からたびたび~している」<習慣性の反復行為> を表します。  「~慣れる」は「日本の生活に慣れる」の表現でわかるように、対象に自分の方から順応することです。自然や生活・社会・風土などの環境は、人の方が対象に順応しなければならないことですから、「住み慣れた町」のように「~慣れる」しか使えません。「やりつけた仕事・やり慣れた仕事」のようにどちらも使える場合、動作に注目したのが「~つける」で、対象に注目したのが「~慣れる」です。  一方「~こなす」は、「(難しいことに習熟した結果)上手に~する」という人間の習得能力・技術面に注目した表現です。意味から使い分けしましょう。→例題1) § 例文 § 1.ここらではあまり見慣れない(×つけない)人ですね。 2.ここは通いつけ(×慣れ)の店なので、つけがきく。 3.やりつけない(⇔慣れない)ことをしたもんで、今日は体の節々が痛くなりました。 4.凄いもんだねえ。モンゴルの子ども達は、裸馬を自由自在に仱辘长胜筏疲ā翍Tれて/×つけて)いる。 5.彼は数カ国語を使いこなせる(×慣れる/×つける)、まあ一種の天才だ。 ★ 例題 ★ 1) 彼女は上手に和服を着(つけて/こなして)いるが、普段から着(つけて/こなして)いるに(違いない/過ぎない)。 2) 作業( )は、やはり(使う→   )慣れたパソコン( )限るよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) ものの/として/切った(出し尽くした=「もう余力はない」) 2) の/まで(「裏の裏まで」は慣用的言い方)/知り -------------------------------------------------------------------------------- 168 *~っこない/~っこ 動詞:[ます]形 + っこない             っこ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:人間の科学技術って凄いわね。火星を人間が住める星に変えるって計画も、夢じゃないわ。 李 :できっこないと思っていたことが、知らない間にできるようになっているんだからね。 良子:でも、クローン人間を作るようになったら、恐いものがあるわ。 ♯ 解説 ♭  「~っこ 」は動詞の[ます]形と結びついて、例文1~3のように「~っこない」の形で「絶対に~ない」を表す口語の用法があり、男女を問わず日常会話ではよく使われます。「~はずがない」(→文型366)や「~わけがない」(→文型453)とほぼ同義表現です。   彼にできっこない=彼にできるはずがない=彼のできるわけがない。  このほかにも「~っこ」には例文4のように「お互いに~する」という用法があり、例として「教えっこ・取りっこ・恨みっこ…」などの語を作ります。また、例文5のように「~比べ/~競争」を意味する「かけっこ・にらめっこ・鬼ごっこ…」などの慣用語を作りますが、これらは語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.守れっこない約束は、最初からしないことだ。 2.「ばれたらまずいぞ」「大丈夫。誰がしたかなんて、わかりっこないから」 3.たくさん作っても食べられっこないし、無駄になるよ。 5.腹のさぐり合いはやめて、お互い隠しっこなしで、本音の話をしないか。 4.にらっめっこしましょ、あっぷっぷ。 ★ 例題 ★ 1) 君が逆立ちし(たって/たっけ)、彼には(勝ち/勝て)っこない。やる(だけ/のみ)損だから、やめときな。 2) 「(恨む→    )っこなしで、別れましょうね」なんて女性から(言った→    )ら、男はどんな気持ち( )なるかなあ? (^^)前課の解答(^^) 1) こなして/つけて/違いない(→文型305/→文型320) 2) に(~には→文型336)/使い/に(~に限る→文型297) -------------------------------------------------------------------------------- 169 *~つつ/*~つつも 動詞 :[ます]形  +  つつ              つつも -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :社長は業務改革を推進しつつ、財務体質の強化にも手を打ったよ。守りに関しては完璧だ。 山田:リストラの手腕もさることながら、若手を起用しての攻めの体質作りも、銀行筋から評価されているね。 李 :必要だとは知りつつも、なかなか抜本的な対策を講じられない会社も多いねえ。 ♯ 解説 ♭  「~つつ」には動詞の[ます]形と結びついて、例文1、2のように「~けれども、同時に~/~のに、同時に~」に相当する逆説をあらわすときと、例文3~5のように同時進行動作を表すことがあります。「~つつ」がどちらを表しているかは、文脈から理解するしかありませんが、「~つつも」の形は常に逆説です。これらの「~つつ」は「~ながら」を使って表せる表現で、口語ではほとんど「~ながら」が使われます。  注意してほしいのは、「~ながら」と違って「~つつ」は、動詞の「ます形」としか結びつかず、名詞や形容詞と結びつく用法がないことです。→例題1)   悪いと知りながら(・つつ)、つい・・・   若いながら(×つつ)しっかりしている。   女ながら(×つつ)男より力がある。 § 例文 § 1.悪いと知りつつ、つい落とし物の財布を自分のポケットにしまい込んだ。 2.親というものは、厳しく子どもをしかりつつも、心の中では愛しくてたまらないものなのです。 3.今は将来の再起を期しつつ、この逆境に耐えるしかない。 4.妻は航海の無事を祈りつつ、夫の船出を見送った。 5.お二人の末永いお幸せを念じつつ、これで筆を置きます。 ★ 例題 ★ 1) 昨年の最下位(という/とする)屈辱から立ち上がり、優勝の栄冠を勝ち取ったのは、敵(つつ/ながら)立派であり、敬服(に値する/に堪える)。 2) タバコが体( )悪いことは百も(承知する→    )つつ、どうしても(やめる→     )ない。 (^^)前課の解答(^^) 1) たって(=ても/~たっけ→文型140)/勝て/だけ(→文型131) 2) 恨み/言われ(受身文「~から~られる」)/に(N+になる) -------------------------------------------------------------------------------- 170 ~つ~つ 動詞A:[ます]形 + つ  動詞B:[ます]形 + つ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :どうしたの?目が兎みたいに赤いよ。 佐藤:謝ろうかどうしようかと、彼女の家の前を行きつ戻りつしているうちに、東の空が白んできちゃってね。 李 :君たち二人はどうなってるの。いつも二人で順番に振りつ振られつじゃないの。 佐藤:そろそろ年貢を納めて、プロポーズしようかなあ。 ♯ 解説 ♭  「~つ~つ」は「~たり~たり」(→文型158)とほぼ同じ意味を表しますが、同一場面・同じ時間帯の中で起こっていることを表すのが特徴で、下のような例には使えません。   昨日の日曜日は漫画を読んだり、洗濯をしたりしてのんびり過ごした。   人生、泣いたり笑ったり、いろいろあるものだ。  これらは異なる場面を例示しているからです。逆に「~つ~つ」文型は、どれも「~たり~たり」を使って表せます。   抜きつ抜かれつの接戦 →抜いたり抜かれたりの接戦 § 例文 § 1.昨日のマラソンは、実に手に汗を握る抜きつ抜かれつの大接戦でしたねえ。 2.人間は持ちつ持たれつの関係ですよ。 4.雲間から富士山が見えつ隠れつしていた。 5.追いつ追われつ、彼ら二人はすばらしい勉強面のライバルです。 7.気のおけない仲間達と、差しつ差されつ飲む酒の味は格別だ。 ★ 例題 ★ 1) 地図を片手(に/で)、行きつ(来/戻り)つして探したが、(やっと/とうとう)彼の家は見つからなかった。 2) まるで木の葉の( )( )に、小舟が波間で(浮く→   )つ(沈む→    )つしている。 (^^)前課の解答(^^) 1) という(→文型207)/ながら/に値する(→文型324) 2) に(→文型336)/承知し/やめられ(可能形) -------------------------------------------------------------------------------- 171 *~つつある 動詞:[ます]形  + つつある -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :日本の海外協力に対する地道な努力は、世界的に認められつつあるね。 良子:私も地域の国際交流の催しに参加したり、海外旅行したりして、個人レベルで国際化を進めつつあるのよ。 李 :君も中国語を学ばない?ご希望とあれば個人授業を喜んで引き受けさせてもらうよ。 ♯ 解説 ♭  「~つつある」は動詞の[ます]形と結びついて、眼前で正に進行中の動作を表します。「刻一刻と/日々/ますます」など状況変化を伝える語と結びつくことが多いでしょう。多くは「年々増えつつある・増えている」「回復に向かいつつある・回復に向かっている」のように「~ている」に置き換えられます。しかし、この表現の特徴は、例文5の「消える/死ぬ/崩れる…」のような瞬間動詞について、スローモーションの映像のように、その進行を表せることです。これは他の表現に代えることができない「~つつある」の独自の世界です。例えば、下の「死ぬ」ような瞬間動詞(多くが自動詞)と結びついたとき、「ている」形は死んだ状態を表しますが、「~つつある」は死が近づく百分の一秒の世界が現せます。   死んでいる。 <死んだ状態>   死につつある <刻一刻と死が迫っている> § 例文 § 1.地球人口は、年々増えつつある。 2.病状は回復に向かいつつあるので、ご安心ください。 3.今わがチームは劣勢を挽回し、優勢に転じつつある。 4.元気そうに見えた彼ではあったが、彼の体は癌にむしばまれつつあった。 5.まさに風前の灯火、さしもの帝国にも終わりの日が刻一刻と迫りつつあった。 ★ 例題 ★ 1) 若者の間(に/で)は、一つの会社に一生勤める(ことだ/ものだ)という考え方は次第に(変わり/変え)つつある。 2) 中国経済は驚く(べし→   )スピードで(発展する→     )つつあり、それにつれて国民の生活水準も急速に(上向く→     )つつある。 (^^)前課の解答(^^) 1) に/戻りつ(慣用語「行きつ戻りつ」)/とうとう(「やっと」は実現) 2) よう(比喩・比況:まるで~ようだ)/浮き/沈み -------------------------------------------------------------------------------- 172 *~って 名詞    :    ×     +   って 動詞・形容詞:普通形<ナ形 ーだ> (注:広く句と結びつく口語で、各種引用を表す→解説) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:真理さん、もう帰っちゃったって?ことによると怒らせてしまったのかな? 百恵:ずいぶん長いこと待ってらしたわよ。散々待たせておいて、怒らせたかなって言い草はないんじゃないの? 佐藤:俺って、完全につきに見放されてるみたいだ。人身事故で、電車の中に一時間も閉じこめられていたんだ。 ♯ 解説 ♭  「~って」は例文1~3のように、「~と/~という/~というのは/~とは」の全てを表せる便利な格助詞で、話し言葉で広範に使われます。  また、例文4のように、「えっ?今、~と言ったのか?」という意味の聞き返し(再確認)の終助詞用法があり、この「~って」は文末に現れます。更に例文5のように、多くは「~んだって」(→文型209)の形で伝聞の意味も表します。 § 例文 § 1.劉君が帰国したって(⇔というのは)、本当ですか。 2.福田さんって(⇔という)方から、お電話が・・・。 3.本日休業って(⇔と)書いてあったが、どうしたんだろう? 4.えっ?何だって?俺には関係ないって?ふざけるなよ、この話を最初に切りだしたのは、お前じゃないか。 5.聞くところによると、近く人事異動があるんだって(⇔そうだ)。 ★ 例題 ★ 1) 「手紙」って(<というのは/という>)、中国語ではトイレットペーパーって(<というのは/という>)意味なんだって(<という/そうだ>)。 2) えっ、今何と(言う→   )んだ?給料を(上げる→    )だって?半人前のくせ( )、十年早いよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) で(範囲限定)/ものだ(≒べきだ→文型420)/変わり(自V) 2) べき(→文型382)/発展し/上向き -------------------------------------------------------------------------------- 173 ~っ放し 動詞:[ます]形  +  っ放しだ             っ放しで             っ放しの  + 名詞             っ放しにする -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:最近、佐藤は真理さんにお熱みたいだね。昨日、飲みに行ったんだろ?噂だと近々結婚するらしいけど。 李 :ああ、でも、彼と飲みに行ったりするんじゃなかったよ。のろけ話を聞かされっ放しで、当方被害甚大さ。 百恵:ふっふ。でも、彼ったら彼女に押されっ放しだって、もっぱらの噂よ。彼女に頭が上がらないんだって。 ♯ 解説 ♭  「~っ放し」は放置・放任の表現で、動詞の[ます]形と結びついて、「~したまま、放っておく」という意味を表します。「~したまま」(→文型406)を使っても表せますが、「~っ放し」はいい意味で使われることはなく、よくない評価にたっている点に特徴があります。もう一点注意してほしいのは、「~まま」は「~ないまま/N+まま」の形もありますが、「~っ放し」には名詞や否定形と結びつく形はないことです。→例題1)  五時間も座ったまま(・座りっ放し)だったので、腰が痛い。  今日は座ったまま(×座りっ放しで)話します。 § 例文 § 1.あいつは俺から金を借りっ放しで、催促しても返そうとしない。 2.水道の水は出しっ放しにしないで、必ず蛇口を閉めること。 3.何だ、このあり様は。部屋中、散らかしっ放しじゃないか。 4.靴は脱ぎっ放しにするんじゃありませんよ。きちんとそろえておきなさい。 5.このままやられっ放しじゃ、腹の虫が治まらない。 ★ 例題 ★ 1) 仕事もやり(まま/っ放し)、後かたづけもしない(まま/っ放し)帰るなんて、無責任(極みだ/極まる)。 2) 日本( )は、子供の教育を母親に(任せる→    )っ放し( )している父親がほとんどだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) というのは/という/そうだ 2) 言った/上げろ(命令形)/に(~くせに→文型070) -------------------------------------------------------------------------------- 174 *~っぽい/~じみる 名詞 :  ×       + っぽい   ・ 形容詞:ー[い]/ー[な] 動詞 :[ます]形 名詞 :  ×       + じみる   ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あれっ、いつも若づくりの隣の部長、今日はずいぶん年寄りじみた格好をしているね。 山田:今日くらいで年相応だよ。若さは外見ではなくて精神だと言ったら、嫌みっぽく聞こえるかい? 李 :ところで、あの部長の秘書、急に色っぽくなったと思わないかい。恋人でもできたのかな。 ♯ 解説 ♭  接尾語「~っぽい」はいろいろな語について、「~の傾向が強い」「~の要素が多い」という意味を表す形容詞を作ります。また、接尾語「~じみる」は「~の要素・傾向が内部まで染み着いている」という意味を表す自動詞を作ります。  「~っぽい」も「~じみる」も「本来はそうあってはいけないのに~だ」という悪い評価に立っている点で共通していますが、「~っぽい」はそのときその場の外見からの印象が多く、本来の姿に戻せるものが多いでしょう。一方、「~じみる」はより深くその内面に染み着いた本質、つまりもう元には戻らないもので、嫌悪感・軽蔑の感情が更に強く表れます。なお、「~じみる」は限られた語にしかつきませんから、「汗じみる・油じみる・年寄りじみる・子供じみる・貧乏じみる・所帯じみる…」など、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.僕はね、少し男っぽいぐらいのボーイッシュな女性にひかれるんだ。 2.なんだいこのスープ、水っぽくて飲めたもんじゃない。 3.彼は飽きっぽい性格で、何をやっても三日坊主だ。 4.汗じみた服に、油じみた手、そんな男らしい労働者の姿が、私にはまぶしく見えた。 5.彼の考え方は、理想と現実の区別もつかず、子供じみている。 ★ 例題 ★ 1) 学園のマドンナだった彼女も、結婚して10年(ともすると/ともなると)、所帯(じみて/っぽくなって)(いった/きた)ね。 2) その犯人は(白い→    )っぽいセーター( )、(きざだ→     )っぽい髪型をしていました。 (^^)前課の解答(^^) 1) っ放し/まま/極まる(→文型069) 2) で(範囲限定)/任せ/に(N+にする) -------------------------------------------------------------------------------- 175 *~つもりだ/*~つもりで/~つもりだった 名詞     :   の        +  つもりだ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>     つもりで                      つもりだった -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:コート、いつ買ってくれるつもりなの? 李 :定価で買う気にはなれないし、特売になったらね。 良子:特売になるのは春先よ。それじゃ、何のために買うのかわからないじゃないの。 李 :コートを買ったつもりで、貯金するというのはどうだい?今年は古いのでがまんしなよ。 ♯ 解説 ♭  「~つもり」は初級文型で、辞書形・「ない」形と結びつくときは意図・意志を表しますが、「~つもりだった」と完了形になると、例文2のように実際には実現しなかった意図、または意図に反する事態の発生を表します。   行くつもりだ。  <=行く予定>   行くつもりだった。<=実際は行かなかった>  この「~つもり」は、それ以外に動詞の完了形(「た」形)や形容詞・名詞と結びつく用法があって、例文3~5のように「実際はそうではないが、自分だけがそう思う」という意味を表します。頭の中での仮定・思いこみを表す用法です。 § 例文 § 1.「卒業後、どうするつもり?」「数年は国に帰らないつもりだ」 2.このことは君には話さないつもりだったが、この際だから話しておこう。実は・・・ 3.死んだつもりでやれば、なんだってできる。 4.自分では一人前のつもりでいるようだが、私から見ればまだ半人前のひよっこだ。 5.父は自分ではまだ若いつもりでいるけど、階段を上るときは息切れがしています。 ★ 例題 ★ 1) その件は彼には先日(伝える/伝えた)つもりだったんだが、(何が/何か)手違いが(ある/あった)んだろうか。 2) 軽い冗談( )つもり(だ→   )のに、彼はそれを本気にして(怒る→    )出した。 (^^)前課の解答(^^) 1) ともなると(→文型253)/じみて/きた(変化→文型181) 2) 白/に(累加の「に」→文型285)/きざ --------------------------------------------------------------------------------
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 楼主| 发表于 2004-11-16 09:49:30 | 显示全部楼层
176 ~であれ/~であろうと 名詞・ー格助詞 :      + であれ         ・ ナ形容詞    :<ー×>    であろうと 疑問詞や副詞など:        であれ~であれ     ・                  であろうと~であろうと -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今度の連休に中国へ行くんだって?中国は広いから、どこへ行くか迷ったんじゃない? 真理:ええ、でも、たとえ一時間であろうと無駄にしないよう予定を詰め込んじゃったから、超過密なの。 李 :寝る時間もないようなスケジュールであれ、行けさえすれば幸せなんだろ、君の中国語を試す時だからね。 ♯ 解説 ♭  「~であれ/~であろうと」は「~でも/~であっても」を意味する点で同じです。「AであれBであれ」また「AであろうとBであろうと」と繰り返されると、「A、Bのどちらの場合でも」という意味を表すようになります。    学生だ   ・ 学生でも    学生である ・ 学生であれ/学生であっても/学生であろうと  「である」は文語的・論文調の「だ」に相当しますから、名詞のほかにも広範な語と結びつきます。「元気だ/きれいだ」(ナ形容詞)、「私にだ/私とだ」(名詞+格助詞の形)、「ゆっくりだ/少しだ」(副詞)など、この「だ」は全て「である」で置き換えられ、この文型は この「~である」の形から作られます。 § 例文 § 1.誰であれ、欠点の一つや二つは持っています。 2.いかなる天才であれ、人知れぬ努力はしているものだ。 3.彼ときたら、ビールであれウイスキーであれ、およそ酒と名のつくものには目がない。 4.たとえ困難であろうと、やると決めたからには途中で投げ出すような真似はしない。 5.学生であろうと教師であろうと、学問の前には平等でなければならない。 ★ 例題 ★ 1) 本当にお腹が空いた時は、一杯の粥(であれ/であれば)、何物(にもまして/にもかかわらず)おいしい(ことだ/ものだ)。 2) そのことを私( )であれ、事前( )話してくれていたら、こんな失敗は(避けた→      )のに。 (^^)前課の解答(^^) 1) 伝えた/何か(「何が」と「何か」の違いに注意)/あった 2) の/だった/怒り(→文型137) -------------------------------------------------------------------------------- 177 *~ていく 動詞 :て形  + いく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :君が手当たり次第に買い込むから、どんどん荷物が重くなっていくよ。手が抜けそうだよ。 良子:買い物で、日頃のストレスを発散させているのよ。 李 :そんな身勝手なことを言ってると、二人の間に見えない溝が、だんだんできていくんじゃないかい? 良子:ストレスの原因の半分は、あなたにあるのよ。 ♯ 解説 ♭  「行く」から生まれる補助動詞の用法で、「本を持って行く」のように本来の移動動詞として使われる他に、例文2、4のように継続、例文3のように変化の進行、例文5のように消滅を表す用法が派生します。  「~ていく」の特徴は、常に現在から未来への継続・変化です。反対に過去から現在への継続・変化は「~てくる」で表します。→例題1)  なお、継続の「~ていく/~てくる」の前にくる動詞は「パンを食べる・酒を飲む…」のような目に見える動詞ではなく、「生きる・暮らす・続ける・育てる…」のような外形ではとらえられない継続動詞です。そして、「疲れる・慣れる・増える・~なる…」や可能形など状態性の動詞が前に来るときは変化を、「死ぬ・消える・滅ぶ…」などの現象を表す動詞につくときは消滅を表します。 § 例文 § 1.疲れたし、ここで少し休んでいかないか。 2.これから先、どうやって生きていけばいいんだろう。 3.最近の日本経済は悪くなっていくばかりですねえ。 4.「住めば都」さ。だから、これからもこの国で暮らしていくつもりだ。 5.炭坑の町の灯が、一つまた一つと消えていった。 ★ 例題 ★ 1) ことばの学習は一夜漬けではできません。少し(度/毎/ずつ)積み上げ(てくる/ていく/ている)しかない(もの/こと)なんです。 2) 生者必滅・会者定離、人の世は絶えず(変わる→   )いく。そして、川の水の(如し→    )、一時も同じところに留まることは(ある→   )。 (^^)前課の解答(^^) 1) であれ/にもまして(→文型345)/ものだ(一般→文型420) 2) に/に/避けられた(可能形) -------------------------------------------------------------------------------- 178 *~てから/*~て以来/~てこのかた これ・それ・あれ: ×  +  から 動詞      :て形     以来 (注:「~以来」は「N(結婚・卒業・・・)+以来」の形もある) 動詞      :て形  +  このかた 期間を表す数詞 : × -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :自慢じゃないが、結婚してこのかた、無断外泊したことは一度もないよ。でも、食生活が安定したおかげか、それ以来、太り気味でね。 山田:模範亭主ってことかな、それともかかあ天下? 李 :お好きなように解釈を。太ったのは、一平が生まれてから、タバコをやめたせいもあるけどね。 ♯ 解説 ♭  「~てから」は制約もなく広範に使うことができる初級文型です。「~て以来/~てこのかた」は「~てから、ずっと~」の意味を表しますが、後件で継続状態か継続動作しか表すことができません。そのため、下例のように続けて連続して行った行為や、新しく発生した事態を表すことができません。   食事をしてから(×て以来)歯を磨く。       <連続行為>   結婚してから(×て以来)、5年目に子供が産まれた。<新事態発生>  類義表現に「~た┽幛恰梗ā男
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 楼主| 发表于 2004-11-17 15:32:29 | 显示全部楼层
201 ~ても仕方がない/~てもはじまらない 動詞・形容詞:て形<ナ形ーで>  +  も仕方がない                     もしようがない                     もはじまらない                     もせんな(詮無)い (注:口語では「ても→たって/でも→だって」となることが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:一平、こっちに来なさい。何よ、この模擬テストの成績は。こんな点じゃ、行ける高校なんてないわよ。 李 :そんなに怒っても仕方がないじゃないか。まだ、中 二だから、今からがんばれば間に合うよ。なあ、一平。 良子:あなたがそんなに甘いから駄目なのよ。父親らしく叱るときは、きちんと叱ってよ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は形は違いますが、どれも「~ても<役に立たない/無意味だ/手遅れだ/無駄だ>」という意味を表します。口語では「~ても」が「~たって」(→文型198)になることが多いでしょう。→例題2)  「~てもはじまらない」はもともと「~ても元には戻れない」、「~てもせんない」は「~ても効果がない」と言う意味ですが、「~てもしかたがない/~てもしようがない」と用法上の大きな違いは見られません。  注意してほしいのは、「も」がない「~てしかたがない/~てしようがない」(→文型183)の形は「非常に~だ」という程度の文型になることです。→例題1) § 例文 § 1.どうにもならないことを、悩んでもしようがないさ。 2.もうばれているんだから、隠したってはじまらないよ。 3.どうしても必要なものだから、多少高くたって仕方がない。買うしかないよ。 4.議論はどこまでも平行線だ。これ以上は続けても仕方があるまい。 5.今更言ってもせんないことだが、もう少し早くそのことに気づいてさえいたら。 ★ 例題 ★ 1) 受験(中/最中)の娘のことが心配(で/しても)仕方がないが、私がここで心配(で/しても)仕方がないことだ。 2) (泣く→    )たって(騒ぐ→    )だってせんないことだ。もう取り返しが(つく→     )。 (^^)前課の解答(^^) 1) なくても/ように/やらせて(使役文)/やろう(→文型440) 2) で/吸って/禁煙に(N+になる) -------------------------------------------------------------------------------- 202 ~てやまない/~てやまぬ 動詞:て形  + やまない          やまぬ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :うちの部長、今度、子会社に社長として出向するらしいよ。社長だったら、思う存分に腕を振えるよな。 佐藤:人柄といい仕事ぶりといい、私の尊敬してやまない方だったので、お別れするのがとても残念だよ。 李 :残念なことは残念だが、またいつか御一緒できるさ。 佐藤:そうだね。近いうちに送別会を開こうよ。 ♯ 解説 ♭  「や(止/停)む」は「雨が降り止んだ」のように使われる動詞です。この「~てやまない/~てやまぬ」は「止む」の否定形「止まない」から作られていて、「ずっと~ている」「永遠に~する」という話者のひたすら思い続けている感情を表すようになります。この文型は今日では書面語に属するもので、前につく動詞もある程度限られています。口語では「ずっと~している/~し続けている」を使えばいいでしょう。   彼は私が 尊敬してやまない(≒ずっと尊敬している)政治家だ   私が愛してやまない(≒ 愛し続けている)祖国 § 例文 § 1.先生の一日も早い御健康の回復を念願してやみません。 2.彼が求めてやまぬ権力とは、果たしてどれほどの価値があるものなのか。 3.御結婚おめでとうございます。お二人の末永いお幸せを願ってやみません。 4.どこまでも社長の座を争ってやまぬ二人は、ますます亀裂を深めていった。 5.オリンピックにおける諸君の活躍を期待してやまない。 ★ 例題 ★ 1) 自殺(する/した)あの歌手は、うちの娘も憧れ(てたまらなかった/てやまなかった)若者達のヒーロー(です/でした)。 2) 大使館に(閉じこめる→     )ている人質の方々が無事(救出する→    )ことを(祈る→    )やみません。 (^^)前課の解答(^^) 1) 中(接続注意:~中→文型162/~最中→文型099)/で/しても 2) 泣いた(~ても→たって)/騒いだ(~でも→だって)/つかない -------------------------------------------------------------------------------- 203 *~と/*~ないと/*~とき 名詞    :  の               + 時  ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> 名詞    :  だ/でない          + と   ・ 動詞・形容詞:原形/ない形<ナ形ーだ/でない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:あなた、急がないと遅刻するわよ。 李 :おい、茶封筒に入った書類を知らないか。昨日帰った時、確かに机の上に置いたんだが。困ったなあ。 良子:あなたって人は、出かける前になると、いつもこうね。もしかして、これじゃないの? 李 :あっ、それだ!急がなくちゃ、じゃ行って来るよ。 ♯ 解説 ♭  条件「~と」と「~時」は、接続の形以外にも用法上の大きな違いをもっています。例えば、「~時」は後件で以前・同時・以後の事態をどれも表すことができます。  食事をする時、手を洗う(以前)         はしを使う(同時)  食事をした時、後片づけする(以後)  しかし、「~と」は「~した時(=~した後で)、~する」事態を表せるだけです。もし、「食事をすると<手を洗う/はしを使う>」のように使うと、意味上は「食事をした後で<手を洗う/はしを使う>」となり、おかしな文になります。そのほか、「~と」(→ 資料・)は後件で必然的に発生する事態や習慣的事柄に使われること、また意志表現が文末で使えないなどの制限があります。 § 例文 § 1.父は死ぬ時(×死ぬと)遺言を残した。 2.彼女は笑うと(⇔笑ったとき)、えくぼができます。 3.もう少し安いと(×安いとき)買えるけど、この値段だと(×値段のとき)ちょっと手が出ない。 4.さあ、買った買った。今買わないと(×とき)損するよ。 5.彼は口がうまいから、気をつけないと(×とき)騙されるよ。 ★ 例題 ★ 1) 外国に(行った時/行くと)、注意しなさいよ。生水を(飲む時/飲むと)、病気(にする/になる)からね。 2) 若いうちに勉強し(ておく→    )と、後に(なる→    )後悔することになるよ。そう(だ→   )と、この私の二の舞に(なる→   )兼ねない。 (^^)前課の解答(^^) 1) 自殺した/てやまなかった/でした(三問とも時制に注意) 2) 閉じこめられ(受身文)/救出される(受身文)/祈って -------------------------------------------------------------------------------- 204 ~とあって/~とある 名詞    : × / だ      +  とあって ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>    とある  ・ (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略することが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :大き目のテントを買ってきたよ。大は小を兼ねるし。 良子:里帰りの道すがらだけど、小平は久しぶりのキャンプとあって大喜びよ。 李 :一平に会えるとあって、ご両親も楽しみにされてるようだね。手紙にも「早く一平の顔が見たい」とあるけど、目に入れても痛くないほど可愛い初孫だからねえ。 ♯ 解説 ♭  「ある」は事物の存在や、「~てある」(→資料。)の形で人為動作の結果、残っている状態を表したりします。この「ある」が「と」と結びついたのが「~とあって」で、「~という事態なので」という意味を表します。これは「~ので」系(→資料、)に属するする原因・理由の表現で、すでに起こったことを表しますから、文末で「~でしょう/~かもしれない/~つもりだ/~たい/~(よ)う」などの意志・推量表現が使えません。  なお、「~とある」という形は、例文5のように「~と書いてある/~と書かれている」という意味を表します。   手紙に「来年、帰国する」とあった(・と書いてあった)。 § 例文 § 1.夏休みが始まるとあって、子ども達はうれしそうだ。 2.まもなく大学入試とあって、学生たちの表情にも緊張の色が隠せない。 3.優勝した横綱を一目見たいとあって、駅前は押すな押すなの人だかりだった。 4.土地や家屋の値下がりが続いているとあって、不動産業者は四苦八苦している。 5.立て札に「芝生内に立ち入るべからず」とある。 ★ 例題 ★ 1) (もうすぐ/早速)正月(とあって/とあれば)、人々の足どりもせわしく(して/なって)きた。 2) 年( )一度のお祭り( )あって、街には露店が並び、大変な(にぎわう→      )ようだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 行った時/飲むと/になる 2) ておかない/なって(=~てから)/でない/なり(→文型043) -------------------------------------------------------------------------------- 205 ~とあれば/~とあっては 名詞    :  ×  / だ     + とあれば 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ> とあっては ~ ない (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略することが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:ねえ、折り入ってあなたにお願いがあるんだけど。 李 :あなたの頼みとあれば、たとえ火の中、水の中・・・。それで、何、折り入っての頼みとは? 良子:じゃ、言うけど、私、働きに出てもいいかしら? 李 :えっ?突然、何を言い出すんだい。 良子:一平の教育資金もいるし、広い部屋にも移りたいし。 ♯ 解説 ♭  「~とあれば/~とあっては」は「~(の)であれば」という意味の条件の表現で、書面語です。会話では「たら/なら」を使えばいいでしょう。   あなたのためとあれば、私は死ぬことだってできます。   → あなたのためなら、私は死ぬことだってできます。   → あなたのためだったら、私は死ぬことだってできます。  なお、「~とあれば」は広く使えますが、「~とあっては」は常に文末で「~しないわけにはいかない/~するほかない/~しかない」などの否定表現と呼応します。→例題1)   あなたのためとあれば(・とあっては)、協力しないわけにはいきません。   あなたのためとあれば(×とあっては)、喜んでいたしましょう。 § 例文 § 1.あなたのためとあれば、私は死ぬことだってできます。 2.必要とあれば、いかなる援助もいたしましょう。 3.この子の命が助かるとあれば、私は自分の命を投げ出したって惜しくない。 4.この妥協案すらのめないとあっては、交渉の決裂は避けられまい。 5.スポンサーが反対だとあっては、この企画はあきらめるしかない。 ★ 例題 ★ 1) 電話(で/が)済む(とあれば/とあって)、わざわざ行く(までもない/しかない)だろう。 2) 住民の賛同( )(得られる→    )とあっては、ごみ処理場の建設は(あきらめる→     )ざるを得ない。 (^^)前課の解答(^^) 1) もうすぐ(「早速」は行為)/とあって/なって 2) に/と/にぎわい(様態の「ようだ」ではない→文型435) -------------------------------------------------------------------------------- 206 ~といい~といい/~といわず~といわず 名詞A:× + といい   + 名詞B:× + といい         といわず            といわず -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :君の着てるドレス、色といい柄といい申し分ないね。 良子: どうせ誉めるなら、ドレスといいモデルといい申し分ないと言うの!肝心のことを忘れてるわ。 李 :「馬子にも衣装」って言葉があったよね。 良子:あなた、何が言いたいの? 李 :いやいや、こちらの話し。触らぬ神に祟りなし。 ♯ 解説 ♭  「~といい~といい/~といわず~といわず」はA・Bを例示することで「AもBも、全部~」ということを表しています。両者の違いは次のような例で現れます。   手と言い足と言い血だらけだった。  <手足の至る所>   手と言わず足と言わず血だらけだった。<手足だけでなく体の至る所>  つまり、「AといいBといい」は取り上げたA・Bに焦点があり、「AといわずBといわず」は「A・Bを含めて、他のCもD…も」全体に焦点があるということになります。→例題1) § 例文 § 1.この陶器は、その渋い色といい素朴な形といい、実にすばらしい。 2.君といい妻といい、どうして女はそんなに現実的なんだろうねえ。 3.彼女は容姿といい知性といい、申し分のない女性だ。 4.山といわず野といわず、一面雪におおわれた。 5.彼は昼といわず夜といわず、つきっきりで妻の看病をした。 ★ 例題 ★ 1) 彼はウイスキー(といい/といわず)ビール(といい/といわず)、酒であれば、何に(も/でも)目がない。 2) 学歴(という→    )将来性(という→    )、願ってもない(相手→    )のに、どこが(気に入る→     )の?ほかに好きな人でもいるの? (^^)前課の解答(^^) 1) で(方法)/とあれば/までもない(不必要→文型338) 2) が(可能文)/得られない/あきらめ(~ざるを得ない→文型106) -------------------------------------------------------------------------------- 207 ~という/~という~ 名詞・句:× + という + 名詞   ・ 名詞A :× + という + 名詞A  ・ 数詞  :× + という + 名詞   ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :辛い方がいいという御希望だったから、台所にあった香辛料という香辛料を全部入れてみたよ。 小平:パパ、このカレーライス、変な味がするよ。 李 :わさびもついでに入れたけど、いけなかったかな? 良子:あなたは中華と名のつく料理は何でも上手だけど、レパートリーから一歩外れると、めちゃくちゃね。 ♯ 解説 ♭  「~という」は例文1のように名詞を修飾し「~の名で呼ぶ」という意味や、会話中の「辛い方がいいという御希望」のように内容を説明する用法があります。  また、「AというA」と同じ名詞を繰り返すと、例文2、3のように「例外なく全てのA」という強調表現になります。例えば、「全ての家」と言うよりも「家という家」と言った方がはるかに強い表現です。もう一つは例文4、5のように、「(数詞)というA」の形で、数量を強調する強い「~も」に相当する用法があります。 § 例文 § 1.あの田中という奴は、煮ても焼いても食えぬ奴だ。 2.今日という今日は、もう堪忍袋の緒が切れた。 3.激しい炎は、家という家をことごとく焼き尽くした。 4.香港返還の日、何千何万という群肖⑹证耸证斯欷颏猡盲谱YR行進をした。 5.一千万円という大金を、ぽんと寄付する人がいるとは、驚いたなあ。 ★ 例題 ★ 1) その地方では十二月の末(ともなると/ともすると)、山(といい/という)山は一面の雪に(覆った/覆われた)。 2) 広島に(投下した→     )原爆は、何十万人という人命を一瞬のうち( )奪い去った。そして、し派淠埭斡辘颍ń丹盲俊     。 (^^)前課の解答(^^) 1) といわず(~だけでなく、何でも~)/といわず/でも 2) といい/といい/相手な(N+なのに)/気に入らない -------------------------------------------------------------------------------- 208 ~と言うか~と言うか/~と言おうか~と言おうか 名詞    :     ×       + と言うか~と言うか 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ >   と言うか、何と言うか                      と言おうか~と言おうか                      と言おうか、何と言おうか (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略することが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今度入った新入社員、どう思う? 百恵:人づきあいが上手と言うか、調子がいいと言うか、確かに如才のない若者達ね。 山田:周りにあわせるのがうまいと言おうか、自分の意見がないと言おうか、何となく頼りない気もするなあ。 李 :まさか、君の口からそんな言葉を聞くとはねえ。 ♯ 解説 ♭  「Aと言うかBと言うか/Aと言おうかBと言おうか」は「Aと言っていいのか、それともBと言っていいのか、よくわかりませんが、~」という意味を表します。どちらも、どう表現したらいいのか、よくわからないときに使われる文型です。  これらの他にも、「Aと言ったらいいか、Bと言ったらいいか/Aと言ったらいいか、何と言ったらいいか」、或いは「Aと言えばいいか、Bと言えばいいか/Aと言えばいいか、何と言えばいいか」などの形も使われますが、どれも同義文型です。 § 例文 § 1.彼は単純と言うか素朴と言うか、とにかく一本気な性格だ。 2.霧と言うか霞と言うか、その竹林は白いもやに包まれていた。 3.よく気がつくと言うか何と言うか、彼女は実に細やかな方です。 4.彼は頭が切れると言おうか、才気走ると言おうか、確かに優秀ではあるが、問題がないわけでもないね。 5.優しいと言おうか何と言おうか、まあ、人がいいのが彼の取り柄ですね。 ★ 例題 ★ 1) 悔しいと言うか何と言うか、あの時(しか/ほど)惨めな気持ち(になる/になった)こと(は/が)ない。 2) 彼女は暖かみがあると言おう( )、愛嬌があると(言う→    )( )、男性からの人気は抜群です。 (^^)前課の解答(^^) 1) ともなると(→文型253)/という/覆われた(他Vの受身文) 2) 投下された(受身文)/に/降らせた(自Vの使役文:~が→~を) -------------------------------------------------------------------------------- 209 *~ということだ/~とのことだ/~由 名詞     :    だ      +  そうだ 動詞・形容詞 :普通形<ナ形ーだ>     ということだ 各種助詞・副詞:    ×         とのことだ                       (との)由 (注:広く句と結びつく。口語形として「~(ん)だって」がある) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今年の新入社員は、変わったのが多いらしいよ。多様な人材を採るよう、採用基準を手直ししたそうだ。 山田:僕らが新人類だと言われていた頃が懐かしいね。今じゃ新新人類とか言うんだって。次は異星人かな? 百恵:お気楽言ってられるのも、配属されるまでよ。この課にも一人配属されるということよ。 ♯ 解説 ♭  「~ということだ/~とのことだ」は他から聞いたことを客観的に引用しそのまま伝える伝聞の表現で、新聞・テレビなど報道で広く使われています。前は命令形でも意向形でも何でもそのまま引用できます。  一方、伝聞の「~そうだ」は終止形にしかつきませんし、用法上の制約があって、例文4のように、「(~だろう)とのことだ/(~に・で・を・から…)とのことだ」のように推量の助動詞・助詞・副詞などと結びつく表現はできませんし、例文5のように「~そうだった」という過去形もありません。さらに、順接の「~そうで/~そうだから」は使えますが、「~そうだが~/~そうなのに~」などの逆説で文を続けることもできないなどの制約があります。→例題1)  なお、手紙でよく使われる「~(との)由」は「~とのことだ」に相当する書面語で、「~んだって」は口語専用の表現です。 § 例文 § 1.天気予報によると、明日は雨が降るんだって(⇔そうだ)。 2.○○大学に合格なされたとのこと(⇔そうで)、本当におめでとうございます。 3.御子息の医科大学への御入学がお決まりになった由(⇔とのこと/⇔そうで)、心からお祝い申し上げます。 4.社長から午前中に連絡をとのことでした(×そうでした)。 5.景気は秋あたりには回復に向かうだろうということだ(×そうだ)。 ★ 例題 ★ 1) 田中さんは十時(まで/までに)来る(そうだった/とのことだった)が、(来る/来)そうもないねえ。 2) 気象庁の予報( )は、今年は(寒い→   )(なる→   )そうだから、そろそろ冬着を出そうかしら。 (^^)前課の解答(^^) 1) ほど/になった(あの時=過去)/は(~ほど~はない→文型395) 2) か/言おう(形の問題)/か -------------------------------------------------------------------------------- 210 *~と言うと 名詞    :   ×         +  と言うと 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ> (注:広く句と結びつく。相手の言葉を受けて使うことが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今度遊びに来ない?僕の手料理をごちそうするよ。ところで君が中華料理で食べたい物と言うと何? 山田:食べたいものと言うと、北京ダックにフカヒレのスープだな。君の腕前はなかなかのものらしいしね。 李 :作ったことないので弱ったなあ。まあいいか、何とかやってみるよ。ただし、材料費は君持ちだよ。 ♯ 解説 ♭  「~と言うと」は話題提示で、「~に関して語ると<≒は>」という意味を表します。相手が話したことを、すぐ次に取り上げ、それを話題として連続して展開していくのが特徴です。   「昨日の地震には驚いたよ」   「うん、地震というと、縦揺れの時が一番危ないそうだ」  「~と言えば」(→文型217)も話題提示なのですが、思い出したり心に浮かんだことを新しく話題にすることが多いでしょう。「~と言うと」と「~と言えば」の一番の違いは、「~と言うと」には例文5のような聞き返しの用法がありますが、「~と言えば」にはないことです。→例題1)2)   「あの店の娘さんはかわいいなあ」   「あの店と言うと(×と言えば)、駅前のそば屋のこと?」<聞き返し> § 例文 § 1.じ锉砑垽伪兢妊预Δ取⒋_か教室の机の上にあったようだけど。 2.この仕事が任せられる者と言うと、彼しかいないね。 3.京都と言うと、やはり舞妓を思い出しますね。 4.怖いと言うと、昔は「地震・雷・火事・親父」なんてよく言ったものだが、今では親父は怖くなくなった。 5.「高橋さんから、お電話がありました。」  「高橋さんと言うと、三井商事の高橋さん?」 ★ 例題 ★ 1) 地震(と言うと/と言えば)、(その/あの)神戸の被 災地は今頃(どうして/どうなって)いるんだろう。 2) 「彼( )は本当に頭に来るなあ」  「頭に来ると言う( )?彼( )何かあったの?」 (^^)前課の解答(^^) 1) までに(→文型402)/とのことだった/来(様態「そうだ」) 2) で(伝聞の「~では」=~によると)/寒く/なる(伝聞「そうだ」) -------------------------------------------------------------------------------- 211 ~というところだ/~といったところだ 名詞・数詞 :    ×     +  というところだ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>    といったところだ                     ってところだ<口> (注:広く句と結びつき、およその数量・程度を表す) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:ねえねえ、このワンピースはお買い得だわ。買おうかしら。ねえ、あなたどう思う? 李 :見た目はいいけど、こんな安物はすぐに飽きるよ。二、三回着たらおしまいってところだな。 良子:「安物買いの銭失い」といったところかしら。じゃあ、もっと高いの、買ってもらおうっと!いいでしょ? ♯ 解説 ♭  形式名詞「ところ」には程度を表す場合があって、そこから作られた「~というところだ/~といったところだ」は「~と言ってもさしつかえないだろう/だいたい~程度と言えるだろう」という自己の状況判断や評価を表します。口語では「~ってところだ」が多く用います。なお、下の例はどれも同義と考えていいでしょう。   二人の力はほとんど同等だと思う。  →二人の力は同等といったところだ。  →二人の力は同等といってもさしつかえない。 § 例文 § 1.この車は高くても五百万円といったところだろう。 2.両者の勢力は伯仲していて、ほぼ互角ってところだ。 3.君の成績は、合格ラインすれすれというところかな。 4.彼は指導者というより、全体のまとめ役といったところだ。 5.最悪の事態は脱したというところだが、まだまだ予断を許さない。 ★ 例題 ★ 1) この調子で進めば、(年内に/年内は)工事(が/を)完成するのは、ほぼ間違いない(というものだ/というところだ)。 2) 彼の財力( )もってすれば、次期首相の座( )左右することも、不可能ではないといった( )( )( )だろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) と言えば/あの(過去の時を指す)/どうなって(主語が「被災地」) 2) に(~に頭に来る)/と(聞き返し)/と -------------------------------------------------------------------------------- 212 ~というのは/~とは ・ 名詞    :    ×       +  というのは 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>    とは                       って<口> ((注:広く句と結びつく。口語形は全て「~って」となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :仕事って先輩から盗むものだと教えられてきたけど、最近の新入社員は欲がないねえ。 山田:欲がないわけじゃあないよ。会社というのは給料をもらえばいい所で、生涯をかける所ではないんだよ。 真理:確かにそうね。でも、何に生涯をかけたらいいのかもわからないのが実状じゃないかしら。 ♯ 解説 ♭  「~というのは」(口語形は「~って」)の用法は、大きく二つに分けることができます。ひとつは例文1、2のように物事や語の意味・内容を説明するもので、文末には「~ことだ/~意味だ/~略だ」などが多く現れます。これは「~とは」を使っても表せます。  しかし、「~とは」は断定的で、また驚き・失望・感嘆を伴うのが特徴なので、微妙な使い分けが生じます。例えば、例文3、4のように「~というのは」が伝聞内容を引用したり、例文5のように婉曲な言い回しのときは「~とは」が使えません。この婉曲表現の時は「~かもしれない/~ようだ/~でしょうか」などの推量表現が文末に現れることが多いでしょう。  なお、「~とは」には別の用法もあるので、「~とは」(→文型242 )も併せて参照してください。→例題1) § 例文 § 1.週刊誌というのは(⇔とは)、週一回発行される雑誌のことだ。 2.「手紙」というのは(⇔とは)、中国語でトイレットペーパーという意味だってこと、君、知ってた? 3.この投資が危険だというのは(×とは)、何かわけがあってのことでしょうか。 4.李さんが学校を辞めるというのは(×とは)、本当ですか。 5.結婚というのは(×とは)、いわば恋愛の墓場のようなものですかねえ。 ★ 例題 ★ 1) 夢(とは/というのは)、心の中で思い描いている間(が/は)一番いい(の/こと)かもしれませんねえ。 2) あなたが(見る→    )という( )は、もしかしてUFOじゃないんです( )。 (^^)前課の解答(^^) 1) 年内に(~以前に)/が(自V)/というところだ 2) を(~をもってすれば→文型480)/を(他V)/ところ -------------------------------------------------------------------------------- 213 *~というものだ/*~というものではない 名詞    :    ×     + というものだ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>   というものではない                    ってもんだ<口>                    ってもんじゃない<口> (注:口語では多く「~という→って」「~もの→もん」となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:慣れてきたらしく、ずいぶん早くなったな。だが、早く済ませればいいというものではないぞ。 山田:似たような仕事でも、何から何まで同じというものでもありませんからね。 課長:そうだ。臨機応変に一通りこなせるようになってこそ、独り立ちしたというものだ。甘くはないよ。 ♯ 解説 ♭  「~というものだ」「~というものではない」は形式名詞「もの」が作る慣用文型で、それぞれ「正に~だ/一般に~だ」「決して~ではない/一般に~ではない」という断定や一般論を表します。この話し言葉が「~ってもんだ」、「~ってもんじゃない」です。  断定か一般論かは文脈から理解するしかないでしょうが、会話では口調によっても変わってきます。例えば例文5の「弁償すれば済むってもんじゃない」は静かな口調で話せば「一般にそうではない」になりますし、強く叱るような口調で言えば「決してそうあってはならない」という批判や非難にもなるでしょう。 § 例文 § 1.儲けを独り占めしようなんて、虫が良すぎるってもんだ。 2.合格おめでとう。努力したかいがあったというものだ。 3.同じ仕事をしているのに、女性の方が給料が低いのは不公平というものです。 4.何でも自分の思い通りになると思ったら、大間違いってもんだ。 5.弁償すれば済むってもんじゃない。金には換えられないものもある。 ★ 例題 ★ 1) 結婚って(こと/もの)は、愛情(さえ/すら)あればいいって(こと/もん)じゃないんだよ。 2) 学校の成績も大切だ( )、勉強だけできればいいという( )( )(でもない→    )かろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) というのは/が(「~は~が~」文と同じ)/の(→文型354) 2) 見た/の(→文型354)/か -------------------------------------------------------------------------------- 214 ~というものは/~なるものは 名詞: ×  +  というものは           ってものは<口>           ってもんは<口>           なるものは (注:口語では多く「~という→って」「~もの→もん」となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今までの日本人にとって、会社というものは一種の擬似家族のようなものだったんじゃないかなあ。 百恵:日本型経営なるものがそれね。 李 :給料をもらって働く会社の仕事だけが仕事じゃないんじゃないかって、最近、考えるようになったんだ。 佐藤:じゃ、仕事というのは、一体、何だろうねえ。 ♯ 解説 ♭  「~というものは」は「一般に~は、~である」という話題提示の用法となります。口語では「~ってものは」が使われ、書面語として「~なるもの」があります。前に来る語は抽象的意味の名詞が多く、後件ではその内容説明文がきますが、一般論を表すのが特徴なので、文末には「~ものだ/~ものではない」といった表現が多く現れます。   人の一生というものは、はかないものだ。   人間というものは、逆境によって鍛えられるものだ。  これらの文例は「~というのは」(→文型213)も使えるのですが、「の」は個人的感想や意見となり、「もの」は一般論・普遍事実を伝える特徴がありますから、一般論を述べるときは「~というものは」がいいでしょう。 § 例文 § 1.人間というものは一人では何もできない、そんな弱い存在なのだ。 2.愛ってものは、ガラス細工みたいに壊れやすいものさ。 3.どんな親にとっても、子供というものはかけがえのない宝物だ。 4.真の友情なるものは、金で買えるものではない。 5.夫婦ってもんは元々他人なんだから、努力しなければ、  うまくやっていけないものなんだ。 ★ 例題 ★ 1) 歴史という(の/もの)は、いつも勝者(につれて/によって/について)(書いて/書かれて)きた。 2) 夫婦なるものは、(喜ぶ→   )も(苦しむ→   )も共に(分け合う→      )ねばならない。 (^^)前課の解答(^^) 1) もの(→文型214)/さえ(~さえ~ば→文型101)/もん 2) が(逆説)/もの/でもな(~ない→なかろう=~ないだろう) -------------------------------------------------------------------------------- 215 ~と言うより、むしろ~/~より、むしろ~ 名詞    :    ×      + より(も)、むしろ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> 名詞    :    ×      + と言うより(も)、むしろ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ> (注:口語では「~と言う→って言う/って」となることが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 旧友:今度の人事は栄転というより、むしろ左遷だ。笑ってやってくれ、この出世レースからの落伍者を。 李 :何を言う。明日は我が身だ。笑うなんてできないよ。 旧友:その君の言葉が身にしみるよ。 李 :いつも誰かと競争しなくちゃなんない世の中の方が、むしろ狂ってるんだよ。 ♯ 解説 ♭  「A(という)より、むしろB」は「(AとBと比べたとき)どちらかといえばBと言う方が適切だ」を意味する比較文型です。「むしろ」を省略しても意味は通じます。この文型はAを必ずしも否定していないのが特徴です。   美しいというより、可愛い人だね。  同類の比較文型に「~ぐらいなら、むしろ~」(→文型 074)がありますが、これは積極的にAを否定しBを選択する文型です。→例題1) § 例文 § 1.僕は刺身より、むしろ天ぷらの方が好きだなあ。 2.この状況では進むより、むしろ退いて、相手の出方をみた方がいい。 3.彼は天才って言うより、むしろ狂人だね。 4.あの人は学者と言うよりも、むしろ評論家と言った方がふさわしい。 5.くやしいと言うより、むしろ自分自身が情けないと言った方が今の気持ちに近いかな。 ★ 例題 ★ 1) 彼女は美人(と言う/と言った)(より/ぐらいなら)、むしろチャーミング(の/な)女性と言った方がぴったりだね。 2) 彼の場合、できないと言う( )( )、むしろ(やる→    )としないと言った方( )正確だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) もの/によって(「によって」受身文(→文型348)/書かれて 2) 喜び/苦しみ/分け合わ(~ねばならない→文型353) -------------------------------------------------------------------------------- 216 ~と言えど(も) 名詞    :  × / だ     +  と言えど(も) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ> (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略することが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :大工仕事だって、小平もやらせればちゃんとできるじゃないか。子供と言えども馬鹿にできないな。 良子:でも、あなたも老いたりと言えど、昔とった杵柄というところね。見直したわ。 李 :まだ三十歳そこそこの僕に、「老いたり」はないぜ。おい、小平、そこの釘と金槌をとってくれ。 ♯ 解説 ♭  「~と言えども」は書面語で、「~ても/~であっても/~と言っても」を表す「~ても」系の逆説表現です。この表現は「たとえ/いくら/いかに/いかなる~と言えども」のように副詞と呼応させて使うことが多いでしょう。そして、この文型は「~ても、例外なく全て~」という強い語感を持っています。   子供と言えども、馬鹿にはできない。  →子供でも、馬鹿にはできない。  →子供といっても、馬鹿にはできない。 § 例文 § 1.当たらずと言えども遠からず。(慣用表現) 2.一粒の米と言えども、粗末にしてはいけない。 3.いかなる人と言えども、許可のない者を通すわけにはいかない。 4.いかに親しき仲と言えど、わきまえるべき礼儀はある。 5.いかなる困難が待ちかまえていると言えども、わが決心は微動だにせず。 ★ 例題 ★ 1) 「風邪は万病の元」。軽い風邪(と言えば/と言えども)、(用心する/用心した)(に過ぎない/に越したことはない)。 2) 景気の先行き( )まだ不安があると言えども、手をこまねいて、嵐の(通る→    )過ぎる( )を待っている( )( )では、わが社の活路は開けない。 (^^)前課の解答(^^) 1) と言う/より/な(ナ形) 2) より/やろう(~(よ)うとする→文型441)/が -------------------------------------------------------------------------------- 217 *~と言えば/~ってば/~と言えば~ 名詞    :    ×        +  と言えば 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>     ってば<口> (注:広く句と結びつく。相手の言葉を受けて使うことが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :経費削減と言えば聞こえはいいけど、人材育成への投資は惜しむべきではないよ。 佐藤:人材と言えば、後発の当社がここまで発展できたのは、人を重視する経営をしてきたからだよね。 李 :目先の損得しか見えないとしたらおしまいだよ。それに社員がやる気をなくしてしまうよ。 ♯ 解説 ♭  「~と言えば」(口語形が「~ってば」)は話題提示で、「~に関して語ると<≒は>」という意味で使われる点は「~と言うと」(→文型210)と共通します。しかし、「~と言えば」はその場の話題から何かを突然思いだしたたり、思いついた別のことを新しい話題として持ち出すときに使います。  どちらも使える例も多いのですが、「~と言えないこともないが、しかし~」という意味を表す「Aと言えばAだが、~」という形があって、この用法は「~と言うと」にはありません。この「Aと言えばA」は相手の見解に婉曲に疑問を付け加えるときに使われる表現で、「美しいと言えば美しいが・美しいことは美しいが」のように「AことはAだが、~」(→文型092)を使っても表せます。(→例題1) § 例文 § 1.1945年と言えば、日本が敗戦した年ですね。 2.李君と言えば、卒業して建設会社に勤めたはずだが。 3.○○○○市と言えば、治安が悪く、凶悪犯罪も多発していると聞いていますが。 4.確かに彼は勉強ができると言えばできるが、特に秀才というわけではない。 5.この病院は設備といい医者といい申し分ないが、入院費が高いことが、不満と言えば不満だ。 ★ 例題 ★ 1) 麻雀という(の/こと)は遊び(と言うと/と言えば)遊びだが、金を賭ければ博打(この/その)ものだね。 2) 平田君って( )、いつ(だ→   )かな、一度一緒に(旅行する→  )ことがあったなあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) と言えども/用心する/に越したことはない(→文型309) 2) に/通り/の(→文型354)/だけ(~だけでは→文型134) -------------------------------------------------------------------------------- 218 ~といった/~といって~ない/~といった~ない 二つ以上の名詞を並列: ×  + といった+名詞     ・ 疑問詞・これ    : ×  + といって~ない     ・                  といった+名詞 ~ない                  という +名詞 ~ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :僕はこれといった特技がないなあ。強いてあげれば二カ国語が話せることと、料理作りだけど・・・。 良子:私もよ。お茶、お花といった習いごとは一通りしたけど、どれもみな月並みだし・・・。 李 :君は仕事をしながら子育てもしているのだから、立派なものだよ。それに人並み以上の節約家だよ。 ♯ 解説 ♭  「~といった」は「A、B(AやB)といった+N」のように二つ以上の事柄を例示して「~などの/~のような」という意味を表します。→例題1)   味噌や醤油といった(・などの)調味料  その他、「これ」や疑問詞と結びついて「これといって~ない/これといった~ない」のように文末で否定表現と呼応して、「特に取り上げるほどの~はない」という意味を表します。この文型は一般に「~といって+用言(動詞・形容詞)~ない」「~といった+名詞~ない/~という+名詞~ない」という形を取ります。   これといった趣味もない。   これといってやりたいことはない。 § 例文 § 1.彼女には、絵画や音楽といった芸術面の才能がある。 2.これという名案も出ないまま、会議の時間だけけが過ぎ  ていった。 3.これといってすることもなく、一日ぶらぶらしていた。 4.別にこれといった用事はなかったんだけど、ちょっと君  の顔が見たくなって、寄ってみたんだ。 5.誰といって特別につきあっている男性はいないわ。 ★ 例題 ★ 1) (どこ/誰/いつ)といって、行きたい所は(ある/ない)が、機会があればチベット、ネパール、ブータン(という/といった)地域に行って、のんびりしたいね。 2) 彼は( )( )といった取り柄も(ある→   )けど、あなたより諏gな人(だ→    )ことは確かだわ。 (^^)前課の解答(^^) 1) の(→文型212)/と言えば/その(~そのもの→文型126) 2) ば/だった/旅行した(~したことがある→文型080) -------------------------------------------------------------------------------- 219 *~と言ったら/~ったら/~ったらありゃしない 名詞    :    ×    + といったら      ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>  ったら<口>                   といったらない    ・                   ったらない<口>                   ったらありゃしない<口>      -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:この十月に佐藤と結婚するんだって?おめでとう!羨ましいったらありゃしない。 真理:山田さんったら、よく言うわね。いつかの彼女とうまくいってるんでしょ。 山田:それが、彼女ったら外にも彼がいてさ、ばかばかしいったらないよ。僕はいつも損な役回りの道化役さ。 ♯ 解説 ♭  「~と言ったら」(口語形は「~ったら」)は話題提示で、「~と言うと」(→文型210)や「~と言えば」(→文型217)と同じく「~に関して語ると <≒は>」という意味を表しますが、感動・感嘆・驚き・失望など話者の感情を強く打ち出すのが特徴です。  ここから例文3、4のように「~と言ったらない/~と言ったらありゃしない/~ったらありゃしない」などの形で名詞・形容詞・感情を表す動詞について、「言葉で表せないほど~だ/最高に~だ」という驚きや感情を強く強調する程度表現や、例文5のように「Aと言ったらA」という形で「絶対~だ/する」を強意の表現が生まれます。「~と言ったら」は感情強調の話題提示と言えるでしょう。→例題1) § 例文 § 1.そのときの悔しさと言ったら、もう口では表せません。 2.その女性の美しさと言ったら、まるでこの世の人とは思えないほどだったよ。 3.何よこれ。この部屋の汚いと言ったらありゃしないわ。まるで足の踏み場もないじゃないの。 4.毎日が同じことの繰り返しで、退屈ったらないよ。 5.行かないと言ったら絶対に行かない。もう、私の気持ちは変わらないわ。 ★ 例題 ★ 1) その時の彼の(驚く/驚き)よう(と言ったら/と言うと)なかったよ。もう目を白à筏疲丹护疲─郡琛 2) いやだと言ったら絶対に( )( )よ。(死ぬ→   )だって、あんな男と結婚する( )はいやよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) どこ/ない/といった 2) これ/ない/である(「だ」には連体用法がない) -------------------------------------------------------------------------------- 220 ~と言っても過言ではない 名詞    :   × / だ    + と言っても言い過ぎではない 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>   と言っても過言ではない (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略されないことが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :銀行やゼネコンで経営が行き詰まるところが出てきた現状は、制度疲労だと言っても過言ではないな。 佐藤: 消費税の引き上げが、消費を長い低迷の淵に突き落としたんじゃないだろうか。 百恵:そうね。今や、どこが業界で最初に倒れるかが、最大の関心事だと言っても言い過ぎではないわね。 ♯ 解説 ♭  「~と言っても過言ではない」は「~と言って(も)いい/~と言うことができる」と基本的に同義ですが、語感とすれば、「~と言っても、少しの誇張もない。いや、正にそのものである」という強い口調になることでしょう。以下のような類義文型がありますが、これらの中ではこの文型が一番強い断定口調になります。   彼こそ 天才だと言っても過言ではない。       天才そのものだ。      (→文型126)       天才でなくてなんだろう。  (→文型186)       天才と言わずしてなんだろう。(→文型186)       天才にほかならない。    (→文型341) § 例文 § 1.愛こそ力だと言っても言い過ぎではない。 2.彼の芸は素人の域を越えていて、すでに玄人芸と言っても過言ではない。 3.彼はこの分野の第一人者だと言っても過言ではない。 4.この発明は従来の常識を破る画期的なものだと言っても過言ではない。 5.直接手を下さなくても、言葉で人を自殺に追い込むことは犯罪と言っても言い過ぎではない。 ★ 例題 ★ 1) この一戦(で/に)勝てる(や否や/か否か)は、諸君の奮闘(次第/如何)にかかっていると言っても過言ではない。 2) 逆境の中( )こそ、その人の本当の真価が(問う→      )と言っても言い過ぎ(だ→     )。 (^^)前課の解答(^^) 1) 驚き(→文型435)/と言ったら/させて(使役文) 2) いや/死ん(~でも=だって→文型198)/の(→文型354) -------------------------------------------------------------------------------- 221 *~と言われている/*~と見られている 名詞・名詞句:  × / だ     +  と言われている ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>    と見られている ・ (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略されないことが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:当社は業界で万年三位と言われているが、ここらでなんとか順位を上げたいものだ。 課長:しかし、世間から不動のトップだと見られている会社にだって、いくつか弱みはあります。そこを突けば、当社がトップになる可能性も十分あると思います。 部長:二位を飛ばしてのトップとは、威勢がいいな。 ♯ 解説 ♭  「見る」という動詞は「判断する・推定する」という意味も持っていて、例えば、「この国の将来をどう見ますか」のように使います。  これらの文型は広く引用句と結びつき、「~と言われている」は「多くの人が広く~と言っている」、「~と見られている」は「多くの人が広く~と考えている」という意味を表します。新聞やテレビなどの報道で多く使われる表現で、定説や一般評価を表す文型と言ってもいいでしょう。ちなみに、この受身形「~られる」は客観的に事実を伝える「~られる」です。 § 例文 § 1.彼は将来、首相になる人物と見られている。 2.日本人は働き蜂だと言われていたが、最近の若い人はそうでもないねえ。 3.二一世紀の前半には、地球人口は百億人を越すと見られている。 4.先進国の経済成長は、もう頭打ちだと言われている。 5.彼は子供の頃は天才歌手と言われていたが、今ではブラウン管からも姿を消した。 ★ 例題 ★ 1) 歴史(は/が)繰り返す(と言っている/と言われている)が、全く同じことの繰り返しでは(あろう/あるまい)。 2) あの事件( )起こるまでは、日本は世界( )一番治安がいい国だと(見る→    )ていた。 (^^)前課の解答(^^) 1) に/か否か(→文型040/→文型428)/如何(→文型008) 2) で/問われる(受身文:~を問う→~が問われる)/ではない -------------------------------------------------------------------------------- 222 ~と言わんばかり/~とばかり 名詞    :   × / だ    + と言わんばかりに ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>   と言わんばかりの                      とばかり(に)                      とばかり思う ・ (注:広く句と結びつく。「~だ」は省略されないことが多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:最近の山口さん、どうしたの?何だか目が空ろで、おどおどしていて元気がないわね。 山田:本当だね。つい最近までは、もっと年俸を上げろとばかりにしゃにむに仕事をしていたのに。 李 :課長から会社を辞めろと言わんばかりに海外勤務を言い渡されたらしいよ。 ♯ 解説 ♭  この文型中の「~んばかり」(→文型487)は動詞の「ない形」と結びついて、「今にも~しそうだ」と同じ意味を表します。   今にも泣き出しそうな顔 = 泣き出さんばかりの顔  ここから「~と言わんばかり」が生まれていますから、「今にも言いそうだ」、つまり、「(実際にはそう言っていないが)今にも~しそうな様子・態度・表情で」という意味を表します。「~とばかりに」はその省略形です。  注意してほしいのは、例文5のように「~とばかり思っていた」の形で前に来る語や句を強調する文型を作ることがあります。この「~とばかり」は省略しても意味は変わりません。形は同じでも、上の「~と(言わん)ばかり」とは全く異なる文型です。 § 例文 § 1.死ねと言わんばかりに(⇔とばかりに)殴りつけた。 2.顔も見たくないとばかりに(⇔と言わんばかりに)、彼女は顔を背けると、部屋を出て行った。 3.黙れと言わんばかりの(⇔とばかりの)顔で、彼は私をにらみつけた。 4.「いい気味だ。ざまを見ろ」とばかりに(⇔と言わんばかりに)、彼は私を笑った。 5.え?試験は今日なの?僕は明日だとばかり思っていたよ。 ★ 例題 ★ 1) 最初(は/に)冗談で言ってる(とばかり/と言わんばかり)思っ(ている/ていた)が、実は彼は本気だった。 2) 彼はそれを口に入れるか(入れる→     )うちに、まずい( )ばかり( )吐き出した。 (^^)前課の解答(^^) 1) は/と言われている/あるまい(=ないだろう→文型398) 2) が(自V)/で(範囲限定)/見られていた -------------------------------------------------------------------------------- 223 どうして~ことができようか/どうして~(ら)れようか どうして ~ 動詞:原形  +  ことができようか                  ことができるだろうか        動詞:て形  +  ていられようか (注:可能形が使われる場合は「~(ら)れようか」の形になる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今日は風が強いなあ。まだ七月だというのに気の早い台風でも来るんだろうか? 良子:テレビでは上陸する恐れはないと言っていたけど。 李 :そんな予報を、どうして信じることができるだろうか?科学が万能ってわけではないよ。この雲行きでは、台風が首都圏を直撃する可能性は無視できないよ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は形の上では質問文ですが、意味上は反語表現で、「いや、決して~できないだろう」という意味を表します。文末には「~できようか/~できるだろうか/~(ら)れるだろうか/~(ら)れようか」など各種の可能表現が現れます。→例題1)2)  こんな重労働がどうして子供にできようか。(=できるはずがない)  初級では意向形として習った「~(よ)う」の形は未然形と言われ、意志も・推量も表しますので、注意しましょう。また「ある/いる/できる/わかる/要る」という五つの状態動詞の未然形「~(よ)う」は常に推量を表します。例えば「できよう=できるだろう」「あろう=あるだろう」と同じ意味です。 § 例文 § 1.どうしてあの日のことを忘れることができようか。 2.友が困っているのを、どうして見て見ぬふりをしていられようか。 3.この背信行為を、どうして怒らずにいられようか。 4.その国で暮らしてみないで、どうしてその国のことがわかるなんてことがあり得ようか。 5.この世は聖人君子ばかりじゃないし、きれい事だけでどうして生きていけようか。 ★ 例題 ★ 1) あんな嘘つきの言う(こと/の)が、どうして(信じよう/信じられよう)か。(信じられる/信じられない)はずがない。 2) 泥棒が一人も(いる→   )(ようだ→   )国が、どうしてこの世に(ある→   )得ようか。 (^^)前課の解答(^^) 1) は/とばかり/ていた(過去文) 2) 入れない(~か~ないうちに→文型042)/と/に -------------------------------------------------------------------------------- 224 *どうしても~たい/*どうにかして~たい どうしても   ~ 動詞:[ます]形  + たい     ・ 何としても                たいものだ どうにかして ~  動詞:[ます]形  + たい      ・ 何とかして                たいものだ (注:文末には意向形や依頼も使われる→解説) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :昨日のボクシング、両者とも何とかして主導権を取ろうと激しい打ち合いで、手に汗を握ったよ。 良子:そのタイトルマッチは、どうしても見たかったようね。でも、殴り合いを見て喜ぶ男の人の気が知れないわ。 李 :えっ?ボクシングを、単なる殴り合いだなんて言ってもらっちゃ困るなあ。 ♯ 解説 ♭  「どうしても/何としても」は「どんなことがあっても、必ず~」、「どうにかして/なんとかして」は「何とか方法を見つけて、できれば~」という意味を表します。一般に文末では「~たい」と呼応しますが、それ以外にも「~てください/~(よ)うと思う/~ませんか」などの希望や勧誘を表す文型が使われます。→例題1)  なお、副詞の「どうしても」は「どうしても~ない」と否定形と呼応して、「どんな手段を用いても~ない」という意味を表すことがあります。→例題2) § 例文 § 1.この仕事だけはどうしても自分の力でやり遂げたい。 2.「どうしても彼女と結婚したいの?」「ええ、彼女以外の女性は考えられません」 3.何としてもあなたのお力をお借りしたいんですが、何とかならないでしょうか。 4.どうにかしてこの苦境を切り抜け、この会社を建て直したいものだ。 5.何とかしてこの子を立派な医者にしたいと思っている。 ★ 例題 ★ 1) (どうにかして/どうしても)若者は結論を急ぎ(たい/たがる)(嫌い/恐れ)がある。 2) 何とかして日本語が(上手だ→   )話せるように(なる→   )たいのだが、どうしても(上達する→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) こと(内容→文型354)/信じられよう/信じられる 2) いない/ような/あり(~得る→文型017) -------------------------------------------------------------------------------- 225 *~とおり(に)/*~どおり(に) 名詞:  の    +  とおり(に) 動詞:原形/た形     とおりの + 名詞 名詞:  ×    +  どおり              どおりの + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:言われたとおりに仕事をしてても、何かとケチをつけられるし、女も三十過ぎると会社にいづらくなるわ。 百恵:日本の企業は、まだまだ昔通りの男性中心社会だものね。でも、女は度胸って開き直ってればいいのよ。 佐藤: 普通は「女は愛嬌、男は度胸」じゃなかったっけ? 百恵:そうとも言うわね。でも、それは一昔前の話よ。 ♯ 解説 ♭  「通(とお)り」から作られた文型で、「~と同じように/~そのまま」という意味を表します。名詞に直接つくのは接尾語の用法で、「考えどおり/基本どおり/希望どおり/計画どおり/指示どおり/マニュアルどおり/文字どおり/元どおり/予想通り…」のように「どおり」と読みます。この「Nどおり」は、「噂のとおり美しい・噂どおり美しい」のように「N のとおり」と言うこともできます。また、動詞につく「~とおり」は「~ように」や「~まま」(⇔文型406)を使っても表せます。   見たとおりに(・ように/ままに)話す。  それ他、「~とおり」は例文5のように数字について種類・方法も表します。 § 例文 § 1.君の考えどおりに(⇔考えのとおりに)すればいいんだよ。 2.私の命ずるとおりに(⇔命令どおりに)していれば、問題はない。 3.予想したとおり(⇔予想どおり)の結果になった。 4.この世の中、何でも自分の思いどおりに(⇔思ったとおりに)なると思うな。 5.この問題には二通りの解き方があります。 ★ 例題 ★ 1) 主観を挟ま(ないで/なくて)、(見た/見る)とおり(聞いた/聞く)とおりを話しなさい。 2) お客様の御希望( )どおりの髪型( )いたしましたが、( )気に召していただけたでしょうか。 (^^)前課の解答(^^) 1) どうしても/たがる(第三者・不特定の感情)/嫌い(→文型063) 2) 上手に/なり/上達しない --------------------------------------------------------------------------------
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发表于 2004-11-17 15:40:45 | 显示全部楼层
内容は多いね、お疲れ様でした、続いてください、
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 楼主| 发表于 2004-11-18 15:07:25 | 显示全部楼层
226 *~とか/~とやら/~とかいう/~とやらいう 名詞    :  ×         +  とか 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>    とかいう + 名詞                       とやら                       とやらいう + 名詞 (注:広く句と結びつく。伝聞の場合は「~だ」は省略しない) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:若気の至りとまでは言わんが、君は自己主張が強すぎる。もっと周りと歩調を合わせたらどうだ? 李 :「出る杭は打たれる」とか言う言葉が日本にはあるそうですが、その種の事なかれ主義は、もはやこの世界には通用しないのではないでしょうか。 課長:和の心がないと、世の中はうまくいかないものだ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型は広く引用句と結びつき、伝聞や不確かな情報を引用する用法です。なお、「と→とか→とやら」と進むほど不確実になってきます。   山田さんという人  (確実な情報)   山田さんとかいう人 (少し不確実)   山田さんとやらいう人(不確実)  実際はこうした曖昧な表現を使って責任を回避する態度をとることもあり、その方が多いかも知れません。また、この「~とか/~とやら」には終助詞の用法もあり、多くは例文1のように伝聞の「~そうだ」と同じ意味を表します。→例題1) § 例文 § 1.天気予報では、明日は雪になるとやら。 2.六時には着くとか言っていたが、もう七時だよ。 3.今頃になって来られなくなったとやら言ってきたが、いつもながら彼のいい加減さには困ったものだ。 4.よく店に来ていた、え~っと、銀行に勤めている何とか言う人、しばらく顔を見せないね。 5.日銀の介入がありそうだとか言う情報が流れ、金融市場は様子見の状況だ。 ★ 例題 ★ 1) 彼の話(によって/によると)、晴れた日は自宅から富 士山が(見る/見える)(と/とか)。 2) 彼女は今、沖縄の石垣島( )( )いう島( )暮ら していると、風の便りに(聞く→   )ことがある。 (^^)前課の解答(^^) ・ ないで(「~ないで」か「~なくて」か→文型257)/見た/聞いた ・ ×/に(謙譲語=にいたす)/お(敬語:お気に召す=気に入る) -------------------------------------------------------------------------------- 227 *~とか~とか/~だの~だの/~の~のと 名詞    :  × / だ      +  とか ~ とか 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ>     の ~ のと 名詞    :  ×          +  だの ~ だの 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> (注:「~だの~だの」は「~とか~とか」の口語形) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :どうも日本は、外国人にとって「開かれた社会」だとは思えないなあ? 良子:商社とか航空会社とか、外国人を採用する企業も増えてるけど、まだまだね。 李 :入管はアジアからの留学生に対しては高圧的だしね。 良子:日本人としては耳が痛い話だわ。 ♯ 解説 ♭  これらは形は違いますが、いくつかある中から代表例を取り上げて提示する点で共通しています。一番中立的なのが「~とか~とか」で、話し言葉・書き言葉のどちらにも使われます。「~だの~だの」は話し言葉で、話者の感情が多く現れ、不満や非難の感情が込められることが多いでしょう。  なお、「~の~のと(言って)」は発話の内容を引用するときにだけ使える文型で、例文1のような一般的な例示には使えません。    部屋が狭い とか 家賃が高い とか、   文句ばかり言っている。          だの       だの(と)          の        のと  例示の「~やら~やら」(→文型431)も似た意味を表しますが、副助詞「~とか」が代表例を取り出すのに反し、「~やら」は「そのほかにも色々」を強調します。→例題1) § 例文 § 1.タイとかマレーシアとか、東南アジアの国々の経済発展はめざましい。 2.彼は裏ではあなたのやり方を、強引だとか非民主的だとか言って批判しています。 3.これがいいだの、あれがいいだのとなかなか決まらず、  妻の買い物につきあうと疲れてしまう。 4.生きるの死ぬのと、大げさに騒いでいる。 5.何のかんのと言って、結局やろうとしない。 ★ 例題 ★ 1) テレビ(だけ/ばかり)見てい(なくて/ないで)、少しは家の手伝い(とか/やら)、勉強(とか/やら)したらどう? 2) あの二人は別れる( )別れない( )と夫婦喧嘩が絶えないが、半ばレクレーションみたい( )ものさ。 (^^)前課の解答(^^) 1) によると/見える/とか 2) とか/で(動作の場所)/聞いた(→文型080) -------------------------------------------------------------------------------- 228 ~と~(と)が相まって 名詞A:× + と  +  名詞B:× +  (と)が相まって -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:今回のプロジェクトは、当社始まって以来の大成功だったね。 李 :時流をとらえた企画と我々のチームワークとが相まって、はじめて実現できた成果だよ。 佐藤:僕はつきもあったと思うよ。うまくいく時は、何でもこんなもんだよ。 ♯ 解説 ♭  「AとBとが相まって」は「AとBが一つになって~」や「AとBの相互結合の結果、~」という意味を表します。後件は必ずいい結果の発生ですので、悪い結果には使えません。悪い結果の場合は動詞「からむ」を使うといいでしょう。× 色と欲とが相まって、この殺人事件は起こった。○ 色と欲とがからんで、この殺人事件は起こった。 § 例文 § 1.いい素材と技とが相まってこそ、おいしい料理は生まれる。 2.好天と子供の日が相まって、行楽地は大変な人出だ。 3.都心に近いのと環境の良さが相まって、その土地は高価格でも飛ぶように売れている。 4.自己に対する厳しさと他人に対する思いやりが相まってこそ、真のリーダーと言える。 5.東の文化と西の文化が相まって、長安は国際色豊かな雰囲気を漂わせていた。 ★ 例題 ★ 1) 天才は才能(と/に)努力(を/が)相まって(生む/生まれる)と言われる。 2) 古来の神道( )新しく伝来した仏教( )相まって、日本人は独特の宗教観を持つ( )至った。 (^^)前課の解答(^^) 1) ばかり(→文型362)/ないで(→文型257)/とか/とか 2) の/の/な(「~みたいだ」はナ形) -------------------------------------------------------------------------------- 229 ~ときたら/~ときては/~ときている 名詞    :   ×        +  ときたら  ・                       ときては 名詞    :   ×        +  ときている ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/だ> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平ときたら、僕に叱られて、さっきまで泣いてたかと思ったら、もう笑ってるよ。 良子:とても立ち直りが早いのよ。悪く言えば気まぐれなのね。誰に似たのかしら? 李 :気まぐれさでは君にはかなわないよ。君ときたら、気まぐれな上に、わがままときている。 ♯ 解説 ♭  「~ときたら/~ときては」は話題提示で、「~と言うと」(→文型210)、「~と言えば」(→文型217)や「~と言ったら」(⇔文型219)と同じく「~に関して語ると <≒は>」という意味を表しますが、相手に対する非難・批判・不満・怒りや、自分に向けられるときは自嘲などの感情を込めた表現を作るのが特徴です。  その助動詞用法が「~ときている」で、やはり、非難や・怒り・不満などの感情を強く含んでいる断定の助動詞「だ」に相当します。そのため会話では「~ときたら~ときている」のように使われることが多く、一緒に覚えた方が便利でしょう。  注意してほしいのは「~ときたら」と「~と言ったら」(⇔文型219)の用法上の違いですが、「そのおいしさと言ったら、ほっぺたがおちそうだった」のように、後件でいい事態を表すときは「~と言ったら」を使わなければなりません。→例題1) § 例文 § 1.最近の新入社員ときたら、不平不満ばかり言って少しも働かない。 2.あいつときたら、何にでも口を挟みたがる。 3.あ~あ、俺ときたら、どうしてこんなに馬鹿なんだ。 4.最近の若者ときたら、目上に対する言葉の使い方ひとつ知らないときている。 5.うちの部長ときては、まったく融通の利かない石頭ときている。 ★ 例題 ★ 1) 彼(と言ったら/ときたら)口先(ばかりで/ばかりに)、自分の発言に責任をとった例しが(ある/ない)ときている。 2) この子( )きたら頭は悪い( )、おまけに愚図( )きている。 (^^)前課の解答(^^) 1) と/が/生まれる(自V) 2) と/が/に(~に至る→文型289) -------------------------------------------------------------------------------- 230 *~どころか/*~どころではない 名詞    :    ×       +  どころか 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/な>    どころではない                       どころじゃない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:ものはとりようだよ。「災い転じて福となす」とも言うしね。僕は君のチャレンジ精神を買うよ。 李 :課に御迷惑をおかけしたのに、叱られるどころか励ましていただき感激です。 課長:君一人で背負い込むべきではない。それどころか、これは会社全体として考えるべき大きな課題だよ。 ♯ 解説 ♭  「AどころかB」は相手が予想していること<A>と事実は大きく違って実際は<B>だと述べる用法です。「事実はAの正反対でB」を表したり、「程度はA以上でB」を表したりします。この助動詞の用法が「~どころではない」です。実際の会話では、相手が先に言ったことを受けて、それを否定して話を続けるときに使われます。  「彼女は独身ですか」  「いいえ、独身どころか、三人の子持ちですよ」<正反対に>  「彼は漢字が読めるんですか」  「いいえ、漢字どころか、ひらがなも読めません」<程度はもっとひどくて> § 例文 § 1.喉が痛くて、食事どころか水を飲むのも辛いんだ。 2.「○○先生ってやさしいの?」  「やさしいどころじゃないよ。鬼みたいな人だ」 3.そこは安全かって?安全などころか置き引き・スリ・強盗など日常茶飯事だよ。 4.君に金を貸すどころか僕自身が借金で首が回らないんだ。 5.「彼女のことを知ってるかい?」  「知ってるどころか僕の妻だよ」 ★ 例題 ★ 1) 彼のためにした(ので/のに)、感謝される(ところが/どころか)、逆に(恨んで/恨まれて)しまった。 2) (左遷する→    )て気落ちしていない( )って?気落ちどころ( )、むしろ僕は喜んでいますよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) ときたら/ばかりで(→文型362/~ばかりに→文型364)/ない 2) と/し(~し~し、それに→文型107)/と -------------------------------------------------------------------------------- 231 *~ところだった もう少しで    ~  動詞:原形  +  ところだった 危うく すんでのところで (注:「~したところだった」の形も希にある) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:いいところに帰ってきたわ。買い物に出かけるところだったのよ。早く普段着に着替えて。 李 :会社から帰ってきたばかりなのに、何だよ。 良子:近くのスーパーで、魚やお肉の大安売りがあるの。いい物は早く行かないとなくなっちゃうの、急いで。 李 :何かと思ったら、買い出しの手伝いかい? ♯ 解説 ♭  「ところ」は「~するところ/~しているところ/~したところ/~しようとするところ/~しようとしたところ」などの形で動詞と接続して「時」や「場面」を表します。  しかし、「~ところだった」の形があり、多くは動詞の原形と接続して、「そうなるかもしれない寸前の事態だった」という意味を表します。最悪の事態になる寸前だったことを表す場合が多いでしょう。副詞「もう少しで/危うく/すんでのところで」と呼応することが多いので、一緒に覚えておきましょう。  なお、この「~ところだった」は、以下のように「~そうになった」を使っても表せます。   危うく階段から 落ちるところだった。           落ちそうになった。 § 例文 § 1.あっ、危ない!危うく車にひかれるところだった。 2.すんでのところで、対向車と衝突するところだった。 3.やばい、先公が来たぞ。タバコを隠せ。やれやれ、もう少しで見つかるところだった。 4.君が私のアリバイを証明してくれなければ、私は犯人にされるところだった。 5.もう少し手当が遅れていたら、君は死ぬところだったんだよ。 ★ 例題 ★ 1) あの時あなたに助け(ていただかなければ/てくださらなければ)、私たち一家は路頭(で/に)迷うところ(です/でした)。ご恩は一生忘れません。 2) 甘い言葉に(騙す→    )て、もう少しで偽物を(買う→     )ところ(だ→   )。 (^^)前課の解答(^^) 1) のに(理由の逆説)/どころか/恨まれて(受身文:彼に恨まれる) 2) 左遷され(受身文)/か(疑問句の「か」)/か -------------------------------------------------------------------------------- 232 *~ところに/*~ところを 名詞     :    の     +  ところに ・ 動詞・イ形容詞: 普通形/ている形    ところを ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あの地震は、明け方、住民がまだ眠っているところを襲ったんだそうだ。 良子:慌てて布団から飛び起きた人も多かったでしょうね。 李 :しばらくは大阪支社に電話しても通じなくてね。みんながやきもきしているところに、インターネット経由で現地の情報が入ってきたんだ。 ♯ 解説 ♭  時や場面を表す「ところ」は「に/で/へ/を」など助詞と一緒に使われます。例えば、「~ところに」は「ちょうど~の時に」と同じ意味で、後件では「行く・来る・~がある・~が起こる」などが使われます。助詞は後ろに来る動詞によって決まります。  難しいのは「~ところを」の用法です。「AところをB」の用例のほとんどは、Aが進行中の場面で、それを中断する予想外の事態が発生したことを表すもので、逆説の「~のに」に近い用法になります。意味から言えば、「~時だったが、(吡激
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 楼主| 发表于 2004-11-19 09:20:38 | 显示全部楼层
251 ~とも~ともつかない 名詞A: × + とも + 名詞B: × + ともつかない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:この魚はドジョウともウナギともつかない格好してるけど、何と言う魚なの? 李 :ああ、これは田ウナギだよ。中国からの輸入品だと思うよ。赤とも茶色ともつかない変わった色だろ。 良子:買っちゃったけど、あなた、料理できる? 李 :おちゃのこさいさいさ。田舎風味で作ってみるよ。 ♯ 解説 ♭  動詞「付く」は「目に付く/気が付く/見当がつく…」の用例のように、「~が五感に達する」という意味も持っていて、その否定形「つかない」ですから、「わからない」の意味になります。そこから派生したのが「AともBともつかない」という文型で、「AなのかBなのか、わからない/AなのかBなのか、はっきりしない」という意味で使われます。   賛成とも反対ともつかない。  =賛成なのか反対なのか、はっきりしない。 § 例文 § 1.海のものとも、山のものともつかぬ変な奴だ。 2.真剣に議論しているときに、賛成とも反対ともつかない無責任な発言は慎んでほしい。 3.パンダという動物は、狸とも熊ともつかない動物だね。 4.男とも女ともつかぬような、妙な人種が増えました。 5.朝飯とも昼飯ともつかない食事が終わって、彼らはまた遊びに行った。 ★ 例題 ★ 1) 鯨というのは魚(でも/とも)獣(でも/とも)つかない生き物ですが、地上最大の哺乳類との(こと/もの)です。 2) この陶器は有名な陶工の作となっている( )、(残念だ→    )ながら、本物とも偽物とも私には見分けが(つく→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) ども/見えず(→文型121)/ものだ(→文型420)/てみる 2) 幸せだった(「あの頃」は過去)/呼べど/叫べど -------------------------------------------------------------------------------- 252 ~と(も)なく/~と(も)なしに 疑問詞(+格助詞): ×  +  と(も)なく 動詞       :原形     と(も)なしに -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:近所に中国帰国者の方が引っ越してきたの。 李 :言葉で困ってるだろうなあ。 良子:ええ、でも子供たちって二カ月もしないうちに話せるようになって、今では親の通訳をしてるんだって。 李 :子供というのは、語学の天才だね。誰から習うともなく言葉を覚えてしまうんだから。 ♯ 解説 ♭  「~と(も)なく/~と(も)なしに」は疑問詞(疑問詞+助詞)につくときは、「<いつ・どこで・誰が・何を>かよくわからないが、~」という不確かさを表します。また、感覚・知覚・思惟などを表す動詞 を反復し、「見るともなく見る/聞くともなく聞く」のように「~しようというつもりはなく、ただ、なんとなく~する」という無意識で行われた動作を表します。日本語の不作為・無意識の行為を表す代表がこの「~ともなく/~ともなしに」だと言えるでしょう。 § 例文 § 1.彼は夕焼けの空を見るともなく、ただぼんやりと見つめていた。 2.電車の中で聞くともなしに隣の女子高校生たちの話を聞いていたが、余りのどぎつさに唖然とした。 3.読むともなく週刊誌をめくっていると、なんと昔なじみのA君のことが載っているではないか。 4.どこからともなくいい匂いがしてきた。 5.誰言うとなく、彼のことを阿Qと呼ぶようになった。 ★ 例題 ★ 1) (聴く/聴いた)ともなしに(聴いた/聴いていた)有線放送から、昔懐かしい歌が(流して/流れて)きた。 2) 彼は誰に語る( )もなく「さようなら」とつぶやく( )、まるで風の(如し→   )、どこ( )ともなく去って行った。 (^^)前課の解答(^^) 1) とも/とも/こと(~とのことだ→文型209) 2) が(逆説)/残念(逆説「~ながら」→文型270)/つかない -------------------------------------------------------------------------------- 253 ~と(も)なると/~と(も)なっては 名詞    : ×       +  と(も)なると  動詞・形容詞:普通形 <ナ形ー×> と(も)なれば                     と(も)なっては~ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:年末ともなると、何かと気ぜわしいな。ボーナスもいいけど、右から左へ飛んでいくだけだしなあ。 真理:でも、課長ともなれば、ボーナスもドカンと出るんでしょう。羨ましいですわ。 課長:家のローンもあるし、この歳ともなると老後の心配もしないわけにはいかないし、楽じゃないんだよ。 ♯ 解説 ♭  「~と(も)なると/~と(も)なれば」は「~という状況・場合になると」という意味を表し、後件でどんな結論になるかを述べます。「~と(も)なると」は当然の結果という気持ちが現れます。一方、「~と(も)なれば」には推量の気持ちが含まれていて、文末で「~だろう」などの推量の表現が多く現れます。  「と(も)なっては~ない」は例文4、5のように常に後件で良くない結果になることを強調するのが特徴で、文末で否定形か否定の意味を表す語と呼応します。失望、残念といった感情が強く現れる表現でしょう。→例題1) § 例文 § 1.ゴールデンウイークともなると、観光地は人で溢れる。 2.安楽死問題ともなれば、様々な問題があり、一朝一夕に答えは出せません。 3.口では勇ましいことを言っていながら、いざ実行となると、しり込みしてしまう者が続出する始末だ。 4.今となっては、もう手の打ちようがないですねえ。 5.校内暴力もこれほどとなっては、もはや教師だけでは手に負えません。 ★ 例題 ★ 1) 彼は人には面倒な仕事を(する/させる)くせに、いざ自分がやる(となると/となっては)(嫌だ/嫌がる)。 2) 現代医学( )もってしても(治せる→    )難病とも( )( )と、ご両親の心痛は察するに余りある。 (^^)前課の解答(^^) 1) 聞く/聞いていた(過去・継続)/流れて(自V) 2) と/と(→文型203)/如く(→文型083)/へ -------------------------------------------------------------------------------- 254 ~ないかなあ/~といいなあ/~たらなあ 動詞・形容詞:ない形<ナ形ーでない>  +  かなあ 動詞・形容詞:原形<ナ形ーだ>     +  と(いい)なあ 動詞・形容詞:た形<ナ形ーだった>   +  ら(いい)なあ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:この夏に、南の島に遊びに行けたらいいなあ!バリ島だとか海南島だとか。でも先立つものがないわね。 李 :業績は文句ないんだから、ボーナスを大盤振る舞いしてくれるといいんだがなあ! 良子:あなた、組合の執行委員でしょ。もっと組合幹部らしく戦う姿勢を示してくれないかなあ。 ♯ 解説 ♭  「~と(いい)なあ/~たら(いい)なあ」も「~ないかなあ」も感嘆を込めた願望の表現を作ります。願望の表現は他にも「~たいなあ/~ほしいなあ」などいろいろありますので、以下の例文を参照してください。なお、「~なあ」は感嘆・詠嘆の感情を表す終助詞です。   早く試験が 終わってほしいなあ         終わらないかなあ         終わるといいなあ         終わったらいいなあ         終わったらいいがなあ § 例文 § 1.もうちょっと、値段が安くならないかなあ。ねえ、サービスしてよ。 2.一億円とは言わないが、せめて百万円でもいいから、宝くじが当たらないかなあ。 3.一戸建ての家とまでは言わないが、せめて、中古マンションでも買えるといいなあ。 4.しばらく彼とは会っていないが、元気だといいがなあ。 5.もう一度、人生を一からやり直せたらいいなあ。 ★ 例題 ★ 1) 「苦労し(ないで/なくて)、金が(儲ける/儲かる)方法がないかなあ」「あったら僕が(教えてほしい/教えたい)よ」 2) (暑い→    )たまらない。(早い→   )秋に(なる→    )らいいのになあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) させる(使役文)/となると/嫌がる(三人称の感情:「~がる」) 2) を(~をもってしても→文型480)/治せない/なる -------------------------------------------------------------------------------- 255 *~ないことには 名詞    :    でない    + ことには ~ ない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:片ひじをついて食事をしては駄目。それからお味噌汁のお椀は、ちゃんと左手でもって。 小平:昨日、パパだって同じことしてたよ。ママってパパにだけは甘いんだぁ。 良子:パパに協力してもらわないことには、小平のしつけもできないわ。帰ってきたら言わなきゃ。 ♯ 解説 ♭  「~ないことには~ない」は「もし~なければ、~ ない」という意味を表し、文末では「~(ら)れない」(可能形の否定)や、よくない事態が起こる可能性を意味する「~する恐れがある」(→文型020)や「~兼ねない」(→文型043)などと呼応します。「~しなければ不可能だ」「~しなければ悪い結果となる」という恐れ・心配の感情が強く現れる表現です。  注意してほしいのは、「~なければ」はどんな場合でも使えますが、「~ないことには」は否定判断を表すことができるだけで、文末で肯定表現や「~つもりだ/~なければならない」などの意志表現ができないことです。   急がなければ(×ないことには)、もう少しここでゆっくりしませんか。   急がなければ(・ ないことには)、間に合わなくなる。 § 例文 § 1.急がないことには、終電に間に合わなくなる。 2.勉強にせよ、クラブ活動にせよ、楽しくないことには子供たちはついてきてくれませんよ。 3.この食中毒の原因が何かは、専門家でないことにはわからないでしょう。 4.実際に見て確かめないことには、真偽のほどはわからない。 5.精密検査をしてみないことには、悪性腫瘍かどうかの判断はつかない。 ★ 例題 ★ 1) 今ここ(で/に)手を打って(おく/おかない)ことには、事態はもっと悪化する(はずだ/に違いない)。 2) 実際に暮らし(てみる→   )ことには、その国の(いい→   )も(悪い→    )もわからない。 (^^)前課の解答(^^) 1) ないで(→文型257)/儲かる(自V)/教えてほしい 2) 暑くて(→文型183)/早く(イ形の連用形)/なった -------------------------------------------------------------------------------- 256 *~ないことはない 名詞    :    でない     +  ことはない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない>    こともない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ドリアンは食べられないことはないけど,あまり口に合わないな。どちらかと言えばマンゴの方がいいよ。 良子:店先に並んでいると、どちらにしようか迷わないこともないけど、私はドリアンを買ってしまうわ。 李 :いずれにしたって、たまに食べるからおいしいので、しょっちゅうだと飽きちゃうね。 ♯ 解説 ♭  多くは「~ないことはないが、~」の形で使われ、「~ことは否定しないが、いろいろ問題が残されている」という意味を表します。これは一種の断定を避けた婉曲表現と言えるでしょう。形から言うと、「AことはA」(→文型092)と次のような関係があります。→例題1)   おいしいことはおいしい → おいしくないことはない   きれいなことはきれいだ → きれいでないことはない   食べることは食べる   → 食べないことはない § 例文 § 1.その価格なら、買えないこともない。 2.納豆は食べられないことはないんですが、あまりおいしいとは思いませんねえ。 3.行ってみたくないこともないが、お金を払ってまで行きたいとは思わないねえ。 4.やってやれないことはありませんが、あまり気が進みません。 5.君に協力しないこともないが、ただし、いくつか条件がある。 ★ 例題 ★ 1) (確か/確かに)彼女は歌唱力が(ある/ない)ことはあるが、大惺埭堡工毪嗓Δ话菠àⅳ耄胜ぃ─长趣猡胜ぁ 2) 子供の成長はうれしい( )はうれしい( )、親離れする姿を見て、(寂しい→     )こともない。 (^^)前課の解答(^^) 1) で/おかない/に違いない(→文型305/「はず」は期待→文型367) 2) てみない/よさ(イ形→N)/悪さ(イ形→N) -------------------------------------------------------------------------------- 257 *~ないで/*~なくて/*~ず(に) 動詞:[ない]形  +  ないで              なくて              ず(に) (注:「する→せず/来る→こず」となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :せめて一ヶ月、何も考えず、何もせず、ただぼんやりと過ごせたらいいなあ。 良子:老人ホームでの話しだけど、お年寄り達が「ここの暮らしは衣食住には困らないが、何の生き甲斐も見いだせなくて、それが死ぬより辛い」と口々に言ってたわ。 李 :う~ん、考えさせられる話しだなあ。 ♯ 解説 ♭  日本語の動詞の否定形は「~ないで」と「~なくて」の二つの形があります。そして、「~ずに」(→文型121)は「~ないで」に相当します。  日本語の「て形」を意味から見ると、「~、そして~」(並立)、「~、それから、~」(順序)、「~、それで~」(理由)の大きく三つに分かれますが、「~、そして~」と「~、それから、~」に対応するのが「~ないで=~ずに」、「~、それで~」に対応するのが「~なくて」と言えるでしょう。この「~なくて」は状態や感情の自然発生を表す「~て」系の理由表現(→資料、)なので、文末で「~つもりだ/~たい」などの意志表現が使えません。→例題1)2)   朝御飯を 食べないで、会社に行った。 <それから:順序>        食べなくて、困っている。  <それで:理由> § 例文 § 1.雨が降っているのに、傘もささないで(⇔ずに/×なくて)歩いている。 2.これぐらいのことで挫けたりしないで(⇔せずに/×しなくて)、さあ、元気を出して。 3.彼は脇目もふらず(⇔ないで/×なくて)、勉強に打ち込んだ。 4.アルバイトが見つからなくて(×ないで)困っている。 5.そうしたい気持ちは山々ですが、市の予算が足りなくて(×ないで)、そこまで手が回らないんです。 ★ 例題 ★ 1) 夜遅い(のに/けれど)、いくら待っ(たら/ても)娘からの連絡が(ないで/なくて)、心配している。 2) 大学( )卒業しても、定職にも(つく→  )ずに遊んでいる青年達が最近(増える→    )きた。 (^^)前課の解答(^^) 1) 確かに(「確か」は推量)/ある(→文型092)/ない 2) に(「~には~が、~」→文型092)/が/寂しくない -------------------------------------------------------------------------------- 258 *~ないでいる/*~ずにいる 動詞:[ない]形  +  ないでいる             ずにいる             ないでおる              ずにおる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :山田、お前もそろそろ潮時じゃないか。いつまでも結論を出さずにいると、彼女に逃げられちゃうぞ。 真理:そうよ、思い切ってプロポーズしなさいよ。 山田:僕の給料でやっていけるかどうかって、どうしても踏ん切りがつかないでいるんだ。 李 :「案ずるより生むが易し」さ。なんとかなるものさ。 ♯ 解説 ♭  「~ないでいる/~ずにいる」は、「~しない状態を続ける」という意味を表します。ここでは例文5の「~ておる」について説明します。この「~ておる」は「~ております」の形で使われるときは、丁寧な謙遜語になります。しかし、そのまま「~ておる」の形で使うと、目上の人が目下の人に対して使う尊大語となります。これは「~ないでおる」のように「ない形」と結びついたときも同じです。ですから、みなさんは「~ております」だけ使うようにした方がいいでしょう。   はい、知っています。 (普通)   はい、知っております。(丁寧)   ああ、知っておる。  (尊大) § 例文 § 1.そんなに食べないでいると、体を壊してしまうよ。 2.はい、息を止めて。そのまま動かないでいてください。  はい、終わりました。(レントゲン検査) 3.今日述べたことは、努々、忘れずにいてほしい。 4.どうやらスランプのようで、アイディアも浮かばず、筆も進まず、何も書けずにいるんです。 5.伝統工芸の火を絶やさずにおるには、どうしても後継者養成のための国の援助を必要としておる。 ★ 例題 ★ 1) 悩みを胸に(しまう/しまった)まま、口に(出して/出さずに)いると、かえって辛くなる(ことだ/ものだ)よ。 2) 今まで君には(話す→    )でいたんだが、実は今年( )会社( )辞める予定なんだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) のに(理由の逆説)/ても(条件の逆説)/なくて(理由) 2) を/つか/増えて(変化→文型181) -------------------------------------------------------------------------------- 259 ~ないでおく/~ずにおく/~ずにある 動詞:[ない]形  +  ないでおく  ・              ずにおく              ずにある    ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:ね、この話、佐藤さんにはまだ言わないでおいてね。びっくりさせてやりたいの。 李 :それはいいけど。でも、君のうきうきした態度を見たら、彼だって気づかずにはいないよ。 真理:でも、妊娠したなんて言うと、また彼のことだから、大騒ぎするに決まっているもの。 ♯ 解説 ♭  「~ないでおく/~ずにおく」は動詞の「ない形」と「~ておく」(→資料。)が結びついた文型で、「意図的に~しないでそのままの状態にしておく」という意味を表します。  なお、現在口語ではあまり使われなくなりましたが、例文3、4のように「~てある」と動詞の「ない形」が結びついた「~ずにある」文型があり、「まだ~しない状態が続いている」という意味を表します。これらの文型は「~ている/~ておく/~てある」の用法と不可分なので、資料。を参照してください。 § 例文 § 1.この机の上は、このまま触らずにおいてくれ。 2.このことは、君が成人するまで知らせないでおくつもりだったんだが、この際だから話そう。 3.私が困っているときは助けずにおいて、自分が困ったら助けてくれとは、ちょっと虫が良すぎないか。 4.彼女に何度も恋文を書いたが、どれも出さずにある。 5.学生時代に思い描いた夢は、今も変わらずにある。 ★ 例題 ★ 1) 外国語は使わない(でいる/でおく)と忘れる(こと/もの)だから、忘れない(である/でおく)には、少しずつでもその言葉に触れておく(こと/もの)だ。 2) まもなく息子も(帰る→    )来るし、鍵は(かける→     )(おく→   )たって大丈夫だよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) しまった(~まま→文型406)/出さずに/ものだ(→文型420) 2) 話さない/で(期限)/を -------------------------------------------------------------------------------- 260 ~ないで済む/~ずに済む/~なしで済む 名詞: ×     +  なしで済む 動詞:[ない]形  +  ないで済む             ずに済む -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:私が頭を下げて済むなら、この頭、何度下げてもかまわないが、今度ばかりはそれで済みそうにない。 課長:先方は、そんなに態度を硬化させているのですか。 部長:ああ、ことによったら裁判ざたにもなり兼ねない。 李 :なんとか穏便に済ませる方法はないのでしょうか。 課長:せめて訴訟にならずに済めばいいのだが。 ♯ 解説 ♭  この「済む」という動詞は、「終わる・完了する」という意味の他に、「足りる・解決する」という意味も持っています。後者の意味で使われるのが「~ないで済む/~ずに済む/~なしで済む」で、「~なくても問題はない」「~なくても足りる」という意味を表します。  「~て済む/~で済む」(→文型185)の項も併せて参照してください。 § 例文 § 1.駐車違反で散々しぼられたが、罰金なしで済んだ。 2.今年は暖冬で、ストーブなしで済みました。 3.けがも軽くて済み、大事に至らずに済んだのは何よりでした。 4.これほどの不始末をしでかしながら、首にならないで済んだだけでもありがたいと思え。 5.自ら望んで引き受けたことではないし、やらずに済むなら、それに越したことはない。 ★ 例題 ★ 1) 検査の(結果/始末)、軽い胃潰瘍とわかったので、どうやら手術(なしで/ないで)(済む/済み)そうだ。 2) 日頃から復習( )( )していれば、試験の前になって(慌てる→ )ずに済む( )( )を。 (^^)前課の解答(^^) 1) でいる/もの(→文型420)/でおく/こと(→文型084) 2) 帰って/かけないで(「かけずに」も可)/おい(~ても=たって) -------------------------------------------------------------------------------- 261 *~ないではいられない/*~ずにはいられない 動詞:[ない]形  +  ないで(は)いられない             ずに(は)いられない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:ねえ、私たちの老後、どうなるのかしら?年金もどうなるかわからないし、心配せずにいられないわ。 李 :取り越し苦労はしない方がいいよ。 佐藤:とは言っても、ある程度蓄えがないと、いざというとき困るからね。ところで、この長者番付を見たかい?この世の不公平を恨まないではいられなくなるよ。 ♯ 解説 ♭  「~ないではいられない/~ずにはいられない」は「~ないでいる/~ずにいる」の可能形(否定)が使われて、「自分の心が抑制できず、自然にそうなってしまう」という意味を表しています。文法的には自発・自然の文型に属しますが、「~てはいられない」(→文型191)も併せて参照してください。  なお、「~ざるを得ない」(→文型106)も自発・自然の感情を表すことがありますが、「そうしたくないが、そうなってしまう」という不本意の意味を表しています。一方、「~ずにはいられない」は自然にわき上がる感情です。   彼に対しては    不信感を抱かずにはいられない。    不信感を抱かざるを得ない。 § 例文 § 1.亡くなった妻のことを思い出さずにはいられない。 2.彼は一旦思い立ったら、すぐにせずにはいられない性分だ。 3.たまには仕事を忘れて、のんびり息抜きをしないではいられないですよ。 4.私の著作を改ざんし、自分の名前で発表するなんて、これが怒らずにいられましょうか。 5.赤提灯の灯を見ると、飲まないではいられなくなって、  足が勝手に動き出すんです。 ★ 例題 ★ 1) 盲目(ながら/つつ)も東大(を/に)合格した彼に、私は感動を覚えずには(いられなかった/おかなかった)。 2) 悪いこととは(知る→    )つつ、娘の日記を(読む→   )ないでは(いる→    )なかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) 結果/なしで(N+なしで)/済み(様態の「~そうだ」) 2) さえ(→文型101)/慌て/もの(~ば~ものを→文型426) -------------------------------------------------------------------------------- 262 *~ないではおかない/*~ずにはおかない 動詞:[ない]形  +  ないではおかない              ずにはおかない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:お隣の奥さんって凄いわよ。小二の子どもを毎晩十時まで勉強させないではおかないらしいのよ。 李 :お前だって大したものさ。毎晩疲れて帰って来る俺に、家事を手伝わせずにはおかないじやないか。 良子:もしそんなことを外で言ったら、ただじゃおかないわよ。帰って来る家はないと思いなさい。 ♯ 解説 ♭  「~ないではおかない/~ずにはおかない」は動作動詞に付くと、例文1、2のように「~しなければ、自分の気が済まない/必ず~てやる」という強い決意を表します。また、心理・感情を表す動詞に付くと、例文3~5のように「必然的に/思わず~させてしまう」という自然・自発の感情を表します。  この文型は動詞の使役形と結びつくことも多く、強制的に或いは自然にある状況・心理状態に追い込むことを表します。その場合、「~ないではいられない/~ずにはいられない」(→文型261)と主語が好対照の文型になります。   その映画は私を感動させずにはおかなかった。(映画は・私)   私はその映画に感動せずにはいられなかった。(私は・映画) § 例文 § 1.あいつは生意気な奴だ。一度、あいつの鼻っ柱をへし折ってやらないではおかない。 2.彼らがこのような内政干渉をつづけるなら、我々はいかなる手段をもってしても、撃退せずにはおかない。 3.大臣のその一言は、波紋を呼ばずにはおかなかった。 4.彼の言動は、私を不安にさせずにはおかなかった。 5.その子の学校に対する抗議自殺は、大人達を反省させずにはおかなかった。 ★ 例題 ★ 1) A紙が我々に根も葉もない中傷を加えた(以上/からこそ)、謝罪(しない/させない)では(いられない/おかない)。 2) 彼女の献身的( )母親を看護する姿は、見る人を(感動する→    )ずには(おく→     )。 (^^)前課の解答(^^) 1) ながら(逆説→文型270)/に/いられなかった 2) 知り(逆説の「~つつ」→文型169)/読ま/いられ -------------------------------------------------------------------------------- 263 ~ないでは済まない/~ずには済まない/~なしでは済まない 動詞:[ない]形 +  ないでは済まない             ずには済まない 名詞:  ×    +  なしでは済まない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:この前の約束、どうしたの。私、ずっと待っていたのよ。一杯おごっていただかないでは済まないわよ。 山田:あーあ、会社でも失敗しちゃって、始末書なしでは済まないだろうっていうのに・・・。 李 :お前、厄年じゃないのか。どうだい今晩あたり、厄払いに一杯。 ♯ 解説 ♭  「~ないでは済まない/~ずには済まない/~なしでは済まない」は、どれも「~しなければ、問題は解決しない」「~しなければ、許されない」という意味を表します。「~なければならない」と基本的には同じ意味と考えていいでしょう。  類義文型に「~ざるを得ない」(→文型106)がありますが、意味上次のような違いが生じます。   謝らないでは済まない ≒ 謝らなければならない   謝らざるを得ない   ≒ 謝るしかない § 例文 § 1.このことは、君が直接、彼に謝らないでは済まないぞ。 2.人から借りた金を、返せないでは済まないよ。 3.これだけの被害者を出したとあっては、刑事責任を問われずには済まないだろう。 4.潔く自分の非を認めなさい。知らぬ存ぜぬでは済まされない。 5.君も料理人の端くれなんだから、客から注文された品を作れませんでは済まないよ。 ★ 例題 ★ 1) どこかで妥協(する/しない)ことには、交渉は決裂(せずには済まない/せざるを得ない)。円満解決にはこちらも一歩譲歩せずには(済むまい/いられまい)。 2) 部下の失敗で(ある→    )と、上司としての君が責任を(問われる→   )には(済む→   )よ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 以上(=からには→文型009)/させない/おかない 2) に(「~的」はナ形)/感動させ/おかなかった -------------------------------------------------------------------------------- 264 ~ないとも限らない 名詞    :    でない     +   とも限らない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:小平のことだけど、この成績では公立高校の入試に失敗しないとも限らないって、先生から言われたの。 李 :滑りどめに、私立も受けておいた方が良さそうだなあ。しかし私立に行くとなると、お金もかかるなあ。 良子:それで当たらないとも限らないと思って、宝くじ十枚買ってみたんだけど・・・。 ♯ 解説 ♭  「~ないとも限らない」は「もしかしたら~かもしれない」と同じ意味ですが、「そうなる可能性はとても低いが、しかし~」という懐疑的語感を持つ表現です。よくない事態の発生の可能性を述べるときは、ほぼ「~恐れがある」(→文型020)や「~兼ねない」(→文型043)と同義語となりますが、接続には注意しましょう。   失敗しないとも限らない。(ない形+)≒ 失敗する恐れがある。  (原形+)≒ 失敗し兼ねない。    ([ます]形+) § 例文 § 1.滅多なことを言うと、やぶ蛇にならないとも限らない。 2.いつ何が起こらないとも限らないから、生命保険には入っておいた方がいい。 3.他社に知られないとも限らない。このことは内密に進めよう。 4.このまま円安を放置しておくと、最悪の事態にならないとも限らない。 5.一見ピンチに見える中に、チャンスが潜んでいないとも限らない。「災いを転じて福となす」って言うだろ? ★ 例題 ★ 1) A国・B国(と/に)続く核実験で、世界は再び核軍拡(に/を)(走る/走らない)とも限らない。 2) 火事に(なる→     )とも限らないから、ストーブは(つける→   )っ放し( )しないでね。 (^^)前課の解答(^^) 1) しない(→文型255)/せざるを得ない(→文型106)/済むまい 2) あろう(~(よ)うと→文型437)/問われず/済まない -------------------------------------------------------------------------------- 265 ~ないまでも 名詞    : でない      +  までも 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :若手歌手の中で最高だとまでは言わないまでも、この歌手はかなりいい線いってると思うな。 山田:CDを買い込むほど熱を上げているとは知らなかったよ。気だけはまだ若いんだね。 李 :「気だけは」とは失敬な奴だなあ。頭にはこないまでも、気分を害したよ。 ♯ 解説 ♭  「~ないまでも」は「その程度までに達していなくても」という意味を表す逆接表現になります。文脈によって、例文1~3のように、「~ないけれども、かなり~だ」を意味を表したり、例文4、5のように「~なくても、せめて~」を表したりします。後者の場合、文末には「~たい/~てください/~てほしい/~たらどうですか/~なさい」などの希望や要求の表現が多く現れます。  その他、「~とは言わないまでも」の形が多く使われますが、「~とまでは言えないが/~とまでは行かないが」(→文型246)と類義表現になります。 § 例文 § 1.十分とは言えないないまでも、あなたにはそれ相当のお礼をしたつもりです。 2.美人とは言わないまでも、チャーミングな娘さんだ。 3.彼が首终撙扦ⅳ毪长趣隙隙à扦胜い蓼扦狻⑹邪司砰g違いはない。 4.全額でないまでも、せめて利子ぐらいは払ってくれ。 5.勝てないまでも、一発殴り返してやらねば気が収まらなかったんだ。 ★ 例題 ★ 1) 毎日とは(言う/言わない)までも、週(で/に)一回(ほど/ぐらい)は掃除をしなさい。 2) A君、静かに!真面目( )授業を(受ける→    )までも、回りの学生の邪魔だけは(する→   )な。 (^^)前課の解答(^^) 1) と{「と」はそれで全て、「に」は更に添加)/に/走らない 2) ならない/つけ(~っ放し→文型173)/に(N+にする) -------------------------------------------------------------------------------- 266 ~ないものでもない 動詞:ない形  + ものでもない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :駅の付近で、歩きながらたばこを吸う人が多いね。 山田:僕たち愛煙家には、長い通勤時間の間ずっとタバコが吸えないというのは、死ぬほど辛いものなんだ。駅構内も至る所が禁煙ときているときているからねえ。 李 :同情できないものでもないけど、嫌煙権は時代の流れだよ。それに吸いがらのポイ捨てはよくないね。 ♯ 解説 ♭  「~ないものでもない」は婉曲表現で、漠然とした可能性を表し、文脈によって「状況によっては~そうなるかもしれない/そうしてもいい」などの意味を表します。意味は「~ないこともない」と共通していますが、「こと」は自分に属する個別的・内在的事態で、「もの」は自分の外に存在する一般的・外在的事態ですから、下の例では理由が自分自身にあるのか、周囲の事情にあるのかの違いが生じます。→例題1)   歌わないこともないが、僕は歌が下手だから <個人的理由>   歌わないものでもないが、周りに迷惑だから <周囲の事情> § 例文 § 1.どうしてもとおっしゃるなら、やらないものでもありませんが、もっと適任者がいるんじゃないでしょうか。 2.食事だけなら、つき合ってあげないものでもないわ。 3.その子が置かれた家庭環境を考えれば、非行に走ったのも理解できないものでもない。 4.相手に譲歩する気があれば、再交渉に応じないものでもない。 5.それは手に入らないものでもないが、非売品だから入手するには困難が伴うよ。 ★ 例題 ★ 1) それ相当の報酬(すら/さえ)払って(くれれ/あげれ)ば、引き受けない(こと/もの)でもないんだが。 2) 頑張れば家が(買える→    )ものでもない( )、ローンに(追う→    )生活はまっぴらだね。 (^^)前課の解答(^^) 1) 言わない/に(割合の「に」)/ぐらい(最低限→文型072) 2) に(ナ形)/受けない/する(禁止命令:V原形+な) -------------------------------------------------------------------------------- 267 ~ないものはない/~ない<名詞>はない 名詞    : でない         + ものはない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない>    名詞 + はない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :鯨を一度食べてみたいなあ。 良子:子どもの頃はまだ食卓に上っていたけど、今じゃ専門店でしか食べられないわ。頭のてっぺんから尻尾の先まで、利用できないものはないらしいわよ。 李 :人間が食べないものはないみたいだね。広東では、四つ足はテーブル以外何でも食べるなんて言うよ。 ♯ 解説 ♭  「~ないものはない/~ない<名詞>はない」は二重否定になっていて、「全て~できる/ある/である」を意味する強調表現になります。「~ない<名詞>は<何一つ/誰一人/一時も・・・>ない/いない」などの形が多いでしょう。そして、「できないものはない」は「何でもできる」よりも、はるかに強い語感になります。   知らない漢字はない ≧ 漢字は全て知っている § 例文 § 1.およそ薬と名の付くもので、危険でないものはない。 2.秋葉原に行けば、電気製品で手に入らないものはないと言っていいだろう。 3.この世に自然の創造物でないものは何ひとつとしてない。 4.知らない漢字はないと彼は豪語しているが、果たして本当かなあ? 5.自分の子どもが可愛くない親など誰一人としていない。 ★ 例題 ★ 1) 彼は温泉好きで、日本の温泉(で/に)行ったことが(ある/ない)(もの/ところ)はないと自慢していた。 2) 中華料理( )(食べられる→      )ものはないが、あの蛇料理だけは、ちょっと食べるの( )勇気が要った。 (^^)前課の解答(^^) 1) さえ(「~すら~ば」の形はない→文型101)/くれれ/もの 2) 買えない/が(逆説)/追われる -------------------------------------------------------------------------------- 268 ~直す/~返す 動詞:[ます]形  +  直す  ・              返す   ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :もう一度生まれ直せるなら、どちらになりたい?女それとも男? 良子:また女に生まれて、あなたと結婚したいわ。 李 :やけにうれしいことを言ってくれるなあ。小平は? 小平:男でも女でもいいけど、試験のない国に生まれたい。   こんな毎日をまた繰り返すかと思うとぞっとするよ。 ♯ 解説 ♭  「~直す」は例文1~3のように、一度した行為の結果に間違いや不満な点があり、正しい状態に改善・修正することです。一方、「~返す」は例文4、5のように、逆方向・元の状態に戻す反転行為が主たる用法です。例えば「読み返す」は読む行為の繰り返すだけですが、「読み直す」は分からないところがあったのでもう一度考えながら読むと言う意味の違いとなります。下の例もかなり大きな意味上の違いが生じる例です。→例題1)   私は言い直した。<発言訂正>   私は相手に言い返した。<反論> § 例文 § 1.この番組は生放送ですから、やり直しがききません。 2.ほう、もう英語で手紙が書けるのか。ちょっと見直したねえ。(「見直す」には慣用的意味もある) 3.顔を洗って出直してこい。 4.もう死んだかと思っていたら、息を吹き返した。 5.やられたら、やり返せ。殴られたら、殴り返せ。「目には目を、歯には歯を」だ。 ★ 例題 ★ 1) 「もう一度、計画を(立て/立てる)(返そう/直そう)じゃないか」「うん、そうする(だけ/しかない)な」 2) この作文は間違いが(多い→   )過ぎて、これでは(直す →    )ようもない。もう一度、(書く→   )直して来なさい。 (^^)前課の解答(^^) 1) で(範囲限定)/ない/ところ 2) で(範囲限定)/食べられない/に(目的・場合→文型336) -------------------------------------------------------------------------------- 269 *~ながら ・/~ながらに/~ながらの 名詞: ×   +  ながら 動詞:[ます]形     ながらに              ながらの+名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小学生達が「今日は塾はやめて、ゲームセンターに行こうよ」って笑いながら話し合ってるのを聞いたよ。 良子:共働きしながら、ようやくの思いで子どもを塾に通わせてる御両親もいらっしゃるのでしょうにね。 李 :「親の心、子知らず」ってよく言われるけど、いつものことながら、親子関係は難しいと思うなあ。 ♯ 解説 ♭  「AながらB」は、ABのどちらもが動作性の動詞のときは同時進行の並行動作を表します。この「~ながら」は「~つつ」(→文型169)を使うことができます。   テレビを見ながら〔・見つつ)、ご飯を食べている。  それ以外に、「~ながら(に)/~ながらのN」の形で主に名詞や一部の動詞にもついて、「Aのままの状態でB」を表すことがあり、この場合、前件Aが後件Bが起こったときの状態・状況説明となっています。この「~ながら」は「生まれながらに/涙ながらに/昔ながらの/いつもながら/生きながらに」などですが、慣用表現として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.あなた、食事をしながら新聞を読むのはやめて。 2.ゴーと音をたてながら、電車が通り過ぎて行った。 3.彼は生まれながらに目が見えなかったが、世界でも指折りのギター奏者となった。 4.いつもながらの鮮やかなお手並みですなあ。 5.昔、王が死んだとき、多くの奴隷たちや妻たちは生きながらに葬られたと言う。 ★ 例題 ★ 1) 中国残留孤児の方々が、日本の土を踏んだ喜びを涙(つつ/ながら)に語っていた。それを(見ると/見て)、 私は涙を禁じ(得た/得なかった)。 2) そのボクサーは、何度( )挫折から(はう→   )上がる→   )ながら、ついにチャンピオンの座を手にした。 (^^)前課の解答(^^) 1) 立て/直そう(~(よ)うじゃないか→文型440)/しかない 2) 多(→文型117)/直し(~ようがない→文型435)/書き -------------------------------------------------------------------------------- 270 *~ながら(も) 名詞 : ×       +  ながら(も ) 動詞 :[ます]形/ない形 形容詞:普通形 <ナ形ー×> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :会社で人からかかあ天下と笑われながらも、これでようやく俺も一国一城の主になれたぞ。 良子:女の子がもう一人ほしいし、毎月のローンも大変なんだから、これからも節約節約よ。 李 :念願のマイホームを手に入れたのはうれしいことながら、ローンのことを考えると先が思いやられるよ。 ♯ 解説 ♭  この「~ながら」は各種の語について「~けれども、同時に~」や「~のに」に相当する逆説表現を作ります。状態動詞(「ある/いる/できる/わかる/要る」)や名詞・形容詞や動詞の「ない形」につくもののは、ほとんど逆説の用法になると考えていいでしょう。しかし、動作動詞につくときは、同時並行の「~ながら」か、逆説の「~ながら」か文脈から理解する必要があります。   ビールを飲みながら、テレビを見ている。      <平行動作>   一人で10本もビールを飲みながら、まだ注文している。<逆説>  注意してほしいのは、動詞の[ます]形につくときは「~つつ」が使えますが、「~つつ」は動詞の「ない形」や名詞・形容詞とは接続できないことです。→例題1) § 例文 § 1.こんな失敗をするなんて、我ながら情けなくなる。 2.「狭いながらも楽しいわが家」って歌があったね。 3.親に勧められ、嫌々ながらおつきあいを始めた方でしたが、知らず知らずのうちに好きになっていました。 4.及ばずながら、私でよければお力になりましょう。 5.不自由な体ながらも、一生懸命に生きていこうとしている彼女の姿に、私は感動を覚えた。 ★ 例題 ★ 1) 私があなたにし(てあげられる/てもらえる)ことは、残念(ながら/つつ)、ここ(まで/から)です。 2) 公務員で(ある→    )ながら、企業からの高額接待を受け、しかもそのお返しに情報を提供するような( )( )が許されていい( )( )か。 (^^)前課の解答(^^) 1) ながら/見て(原因・理由)/得なかった(→文型464) 2) も/はい(→文型003)/上がり -------------------------------------------------------------------------------- 271 *~なければならない/*~なくてはならない 名詞・ナ形容詞:で<ナ形ーで>  +  なければならない 動詞・イ形容詞:[ない]形        なくてはならない                      なければいけない                      なくてはいけない (注:口語形は「~なければ→~なきゃ」「~なくては→なくちゃ」) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :つき合いたいんだけど、今日は結婚記念日だから、早く帰らなくちゃならないんだ。 山田:今日おごるつもりだったけど、それじゃ仕方ないな。 李 :えっ?おごる?だったら一時間ぐらいつき合うよ。 山田:駄目駄目、君は帰らなくちゃいけないよ。僕のせいで家庭争議なんてことになると困るからね。 ♯ 解説 ♭  「~なければならない/~なくてはならない」は周囲の事情や、法律・規則などの外在条件から下す判断です。名詞や形容詞または状態性の動詞と結びつくときは当然・必要・必然を表し、動作性の動詞と結びつく場合は義務や責任を表します。  一方、「~なければいけない/~なくてはいけない」は、自分の責任で判断し、相手に要求する表現で、意味上は命令の「~しなさい」に近い表現になります。  注意してほしいのは、自分がしなければならないことや、自分自身に言い聞かせるときは、この「~なければならない/~なくてはならない」を使わなければならないことです。なお、「~なきゃならない/~なくちゃならない」と「~なきゃいけない/~なくちゃいけない」は口語、「~ねばならぬ」(→文型353)は書面語です。 § 例文 § 1.男は男らしくなければならず、女は女らしくなければならぬと言われてきた。 2.裁判所は国家権力から独立し、政治に対しては中立でなければならない。 3.政府は国民の福祉に貢献しなければならぬ存在だ。 4.一平、もう遅いし、早く寝なきゃいけないよ。 5.お父さんが入院したんだって?こんなときこそ、長男の君がしっかりしなくちゃいけないよ。 ★ 例題 ★ 1) 人がしている(からには/からって)、君がそうし(ては/なくては)ならないってことは(ある/ない)よ。 2) (守る→   )なければならないよき伝統( )( )も、旧悪として断罪する風潮には(賛成する→    )兼ねる。 (^^)前課の解答(^^) 1) てあげられる/ながら/まで(これだけ=ここまで) 2) あり/こと/もの(反語「~ものか」→文型417) -------------------------------------------------------------------------------- 272 ~なしに/~なくして/~なしには~ない 名詞: ×  +  なしに           ・           なくして           なしには  ~ ない    ・           なくしては ~ ない (注:動詞の時は「~ことなしに/~ことなくして」等の形となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平を抱いてる時の君は、幸せそうな顔をしてるなあ。小平の寝顔を見ながら何を考えてるの? 良子:この子が大きな病気や事故なしに育ってほしいなあ、幸せな一生を送ってくれるといいなあなんて。 李 :そんなことを考えてるとは、想像すらしなかったよ。やはり母親の愛なしには子供は大きくなれないね。 ♯ 解説 ♭  「~なしに/~なくして/~なしには~ない」は通常は名詞に直接接続するのですが、たまに「~がなしには」や「~もなしに」の形が現れることもあります。動詞のときは例文5のように「~すること<なしに/なしには/なくして>」(→文型086)のように「こと」を使って名詞句を作れば使えます。  「~なしに」は「~しないで/~せずに」に相当し、文末で肯定表現と呼応します。「~なくして(は)/~なしには」は、どちらも「~しなければ」を相当し、文末で否定表現(ほとんどは可能形「~(ら)れない」)と呼応します。   許可なしに図書館の本を持ち出した。   許可なしには図書館の本を持ち出せない。 § 例文 § 1.災害は予告(も)なしにやってくる。 2.あなたなしには、私は生きてはいけません。 3.周到な準備なくして事を始めると、必ず失敗する。 4.経済的自立なしには、個人も、また国家の独立もあり得ない。 5.苦労することなしに金儲けをしようなんて、ちょっと虫が良すぎるんじゃないか。 ★ 例題 ★ 1) 皆様の御支援(ないで/なくして)、この厳しい選挙戦には勝ち(切れ/抜け/尽くせ)ません。皆様の(清き/清く)一票を是非とも私に。 2) 親(と言う→      )ども、断り(ない→   )に、僕の部屋 ( )入らないでくれ。 (^^)前課の解答(^^) 1) からって(=からと言って→文型053)/なくては/ない 2) 守ら/さえ(「まで」も可→文型100)/賛成し(→文型044) -------------------------------------------------------------------------------- 273 *何故なら~からだ/*というのは~からだ 何故なら        名詞    :   だ       +   からだ 何故かと言うと      動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーだ> 何故かと言えば ~ と言うのは       名詞    :   の       +   ためだ   どうしてかと言うと 動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :君のパソコン嫌いは、最初につまずいたからだと思うな。教えてやるから、一から勉強し直さないかい? 良子:遠慮しとくわ。夫婦で教え合うのは難しいわ。何故かというと、お互いに遠慮がないからよ。 李 :君にはインターネットをマスターしてほしいんだ。というのも世界がパッと広がるからさ。 ♯ 解説 ♭  これらは先に事実を述べて、その後で理由を述べる表現です。「なぜなら~からだ」は硬い学術的表現で、「なぜかというと/どうしてかというと~からだ」も何か重大な出来事の理由説明に使われますから、日常会話では「それは/というのは~からだ」を使うといいでしょう。   今お金がない。というのは(・それは/?何故かというと)給料前だからだ。  また、「~からだ」のかわりに、理由の「~ためだ」(→文型152)が使われることもありますが、「~ためだ」は客観的に因果関係を述べる文型ですから、新聞や報道で使われることが多くなります。 § 例文 § 1.今度の会議には欠席させてもらう。というのは娘の結婚式とぶつかっているからなんだ。 2.日本経済は心配ない。何故なら製造業が健在だからだ。 3.やりたいことをやれ。何故なら人生は一度しかないからだ。 4.僕はこんなことではあきらめない。それというのも僕にはやり遂げる自信があるからだ。 5.そんなにがっかりすることはない。というのはチャンスはまた必ず巡ってくるからだ。 ★ 例題 ★ 1) 君は(行った/行かない)方がいい。それは相手が君と会うの(が/を)(嫌だ/嫌がっている)からだ。 2) この鉄道建設は(中断する→     )たままだ。というのも資金不足( )(陥る→     )からだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) なくして/抜け(→文型352)/清き(イ形の古い連体形) 2) と言え(~と言えども→文型216)/なしに/に -------------------------------------------------------------------------------- 274 *~など/*~なんか/*~なんて 名詞・格助詞: ×  +  など               なんか               なんて 動詞・形容詞: ×  +  など               なんて -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:これ、女性ならではの斬新な提案だね。 真理:あら、ありがとう。お世辞でもそう言っていただけたらうれしいわ。もっとも、「豚もおだてりゃ木に登る」なんて言われそうだけど。 山田:おいおい、僕はお世辞なんか言ってないよ。ただ、会社が採用してくれるかどうか、話は別だけどね。 ♯ 解説 ♭  「~など」の口語形が「~なんか」「~なんて」と言うことができますが、「~なんか/~なんて」は相手や対象を軽視・軽蔑する感情、自分に対しては謙遜・自虐という感情が強く表れるのが特徴です。  用法から見てみると、前が名詞の時はどれも使えますが、動詞・形容詞の後には「~なんか」は使えません。また「~なんて」には「~など/なんか+格助詞(が/を/に/で/と/へ)」のように後ろに格助詞が来る用法がありません。また「~なんて」には「~なんて+名詞(人・こと・物)」の用法がありますが、「~など/~なんか」にはありません。→例題1)   お前なんか(・など/・ なんか)死んでしまえ!   重要な会議に遅刻するなんて(・など/×なんか)、許せない。   例えば、推理小説なんか(・など/×なんて)が好きですね。   田中さんなんて(×など/×なんか)人は知らない。 § 例文 § 1.ハワイやバリ島なんか(⇔など/×なんて)が、日本人に人気がありますね。 2.お歳暮には、例えばビール券なんか(⇔など/×なんて)を送ると喜ばれますよ。 3.学生が教師に対して暴力をふるうなんて(⇔など/×なんか)、もってのほかだ。 4.あなたの顔なんか(⇔など/なんて)見たくもないわ。 5.知らないなんて(×など/×なんか)ことは言わせないぞ。 ★ 例題 ★ 1) 「今まで嘘なんか(つく/ついた)ことが(ある/ない)」(なんか/なんて)嘘を平気でつく奴がいる。 2) 私なんて、どこ( )だっているよう( )平凡なただ( )サラリーマンに過ぎません。 (^^)前課の解答(^^) 1) 行かない/を/嫌がっている 2) 中断された/に/陥った -------------------------------------------------------------------------------- 275 ~並/~並み 名詞: ×  +  並(だ/に/の+名詞)           並み(だ/に/の+名詞) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:大連で回転寿司を食べてみたいわ。香港で見たときも驚いたけど、味は日本並なのかしら? 李 :捨てたもんじゃないよ。お寿司は柔道並に国際化してるよ。日本の寿司職人が直接指導に当たったそうだが、先達には並々ならぬ苦労があったはずだよ。 良子:そういえば、カラオケも日本発の文化輸出ね。 ♯ 解説 ♭  「並」は例文1のように単独でも使われ、「普通の/平均的な」と言う意味を表しますし、「並みの」「並々ならぬ」「並外れた」などの慣用表現を持っています。  そこから名詞に直接接続する接尾語の用法が生まれ、「男並み/世間並み/人並み/課長並み/例年並み…」などのように、「~とほとんど同程度」という意味を表すようになります。注意するのは「十人並」と言う表現で、これは「普通の人と同程度」を表します。  これ以外に並んだ状態を表す場合があり、例としては「軒並み/家並み/歯並み」などですが、これらは前につく語が限られていますので、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.彼の力は並外れて優れているというわけではない。言うならば十人並だね。 2.せめて人並みの生活がしたいものだ。 3.古代においては、奴隷たちは家畜並に扱われ、売買の対象でもあった。 4.月並みの表現で申し訳ありませんが、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。 5.車両故障があったため、電車は軒並みに遅れている。 ★ 例題 ★ 1) この旅館は設備がいいとは(限らない/言えない)が、サービス(にかけては/にわたっては)一流旅館(的/並)だ。 2) 物の(豊かだ→    )という点( )( )言えば日本は先進国並になったと(言う→    )のですが、・・・。 (^^)前課の解答(^^) 1) ついた(~した・ことがある→文型080)/ない/なんて 2) に(~に~いる)/ような/の(ただのN=普通のN/平凡なN) --------------------------------------------------------------------------------
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 楼主| 发表于 2004-11-20 09:51:51 | 显示全部楼层
276 ~ならいざ知らず/~ならともかく 名詞・名詞句(ーの): × +  ならいざ知らず                 はいざ知らず                 ならともかく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :中高生の言葉がよく聞き取れなくて。どこの国の人かなと思って聞いていたら、日本人だったりして。 良子:本人達はナウいと思ってるのよ。でも、小さい子供ならいざ知らず、舌足らずな話し方はいただけないわ。 李 :外国語ならともかく、母国語の発音は大切にしてほしいものだな。テレビの悪い影響かなあ。 ♯ 解説 ♭  「~ならいざ知らず/~はいざ知らず」は「~がどうかは知らないが/~の場合は可能かも知れないが」という意味を表し、後件ではそれと対立する事柄を述べます。この「なら」は「君はできる→君ならできる」のように強い「は」に相当する用法なので、「~ならいざ知らず」の方が「~はいざ知らず」より強い語調となります。  「~ならともかく」も「~の場合は別にして」という意味の用法があり、意味の違いはありますが、多くの場合、「~ ならいざしらず」と同じ文脈のなかで使うことができます。この文型については「~はともかく」(→文型371)を併せてご参照ください。 § 例文 § 1.専門家ならいざ知らず、素人ではこの機械を修理することはできないよ。 2.できないのならいざ知らず、できるのにしようとしない。 3.仙人ならいざ知らず、生身の人間が霞だけ食って生きていけるかい。きれいごともいい加減にしろ。 4.君ならともかく、僕はそんな愚かなまねはしないね。 5.子供ならともかく、今だに親のすねかじりとは・・・。 ★ 例題 ★ 1) 君自身が(やれる/やれない)ことならいざ知らず、自分がやれないことを人に(する/しろ)と言う(べきだ/べきではない)。 2) 外の人( )( )ともかく、親友( )信じてきた君にまで(裏切る→   )とは思ってもみなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) とは言えない(→文型244)/にかけては(→文型298)/並 2) 豊かさ(ナ形→N)/から(~から言えば→文型049)/言える -------------------------------------------------------------------------------- 277 ~ならでは 名詞: ×  +  ならでは           ならではの + 名詞           ならではだ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:今回の大売り出しのための品ぞろえは、当社ならではのものです。お客様の高い評価は間違いなしです。 部長:これだけ海外の有名ブランドが勢ぞろいするとは。国際化時代ならではのラインアップだ。 課長:やはり、李君ならではですよ。この企画を彼に任せた部長の人を見る目はさすがですね。 ♯ 解説 ♭  「~ならでは」は「~だけが持つ特有の」という意味を表し、必ず高い評価と賛嘆の言葉が続きます。文例とすれば「~ならではのN」の形が多いでしょう。この表現は「~でなければできない」や「~であってはじめてできる/~であってこそできる」を使うことができますが、「~ならでは」が一番よく使われています。   この店ならではの味  →この店特有の味  →この店でなければ出せない味  →この店であってはじめて出せる味  →この店であってこそ出せる味 § 例文 § 1.彼女にはベテランならではの演技力と華がある。 2.澄み切った海、潮の香り、南国の島ならではだねえ。 3.その店ならではの特徴と、きめ細かいサービスが競争に勝ち残るための決め手となるだろう。 4.札幌の雪祭りを見に行きましたが、北国ならではの風情がありました。 5.これだけ多彩な料理と豊かな風味が味わえるのは、中華料理の本場ならではですねえ。 ★ 例題 ★ 1) 郷土料理というのは、素朴ながら(も/に)、その土地(ならでは/ならこそ)の味わい(に/で)魅力がある。 2) う~ん、凄い。立体映像( )( )では( )迫力に体が(吸い込まれる→      )そうになったよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) やれる/しろ(命令形)/べきではない(→文型384) 2) なら/と(内容の取り上げ)/裏切られる(受身文:~を裏切る→) -------------------------------------------------------------------------------- 278 ~ならまだしも/~からまだしも 名詞    :  ×        +  ならまだしも ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> 名詞    :  だ        +  からまだしも ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーだ> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 係長:女のくせに、気がきかないなあ。忙しいのならまだしも、みんなにお茶の一杯ぐらい出したらどうだ。 百恵:女のくせになんていう言い方は、セクハラものですよ。セクハラ対策セミナーで習いませんでしたぁ? 係長:口だけは一人前だな。かわいげのない奴だ。 百恵:私だからまだしも、ほかの女性なら告訴しますよ。 ♯ 解説 ♭  「まだしも」は「(十分とは言えないが、)まだましだ/まだ少しはいい」という意味で、「~ならまだしも」は「~ならまだいいが、~/~なら、まだ許せるが、~」という意味の文型をつくります。  また、「まだしも」は「~からまだしも」のように「~から、まだよかったが、~」という意味の理由を表す文型も作りますが、これは「~からまだよかったようなものの、~」という連語を使っても表せます。この二つの文型はどちらも非難や叱責を表す表現となります。 § 例文 § 1.注意されて謝るならまだしも、逆に開き直っている。 2.酒を飲むだけならまだしも、うちの主人は酔うと暴力をふるうんです。 3.単なる冗談ならまだしも、彼の話にはいつも刺がある。 4.私がその場にいたからまだしも、いなかったらお客とけんかになっていたところだぞ。 5.小さい事故で済んだからまだしも、一歩間違ったら大災害になるところだった。 ★ 例題 ★ 1) 「お金だけ(だから/なら)まだしも、パスポート(さえ/まで)盗まれたよ」「命があった(から/なら)まだしもだよ」 2) 一人二人( )( )まだしも、大勢( )会社に押しかけてきて、話し合い( )( )( )ではなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) も(→文型270)/ならでは/に(~に<こと>がある) 2) なら/の/吸い込まれ(様態の「そうだ」) -------------------------------------------------------------------------------- 279 ~なりだ/~なりに/~なりの 名詞: ×  +  なりだ           なりに ~ する           なりの + 名詞 (注:動詞接続の慣用語「言いなり」という語を作る) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:子持ちで共働きなんだから、たまにはあなたなりに家のことぐらいしてくれたらどう? 李 :お風呂を洗ってるし、食事も作ってるじゃないか。会社で恐妻家って言われてるぐらい君の言いなりだよ。 良子:その程度で、家事やってるって顔をしてもらいたくないわ。見てご覧なさい、この山のような洗濯物を。 ♯ 解説 ♭  接尾語「~なり」は多くの意味を持っています。ここでは名詞について、「~にふさわしい/~それ相応の」という意味を表す用法を主として取り上げました。  このほかに「弓なり・鈴なり・身なり・山なり…」や「曲がりなりに・なりふり構わず…」など外形・外見を表す熟語を作りますが、付く語が限られているので、語彙として覚えた方がいいでしょう。更に「人の言いなりになる」のように動詞につく例もあり、「~まま」(→文型406)と同じ意味を表しますが、これも「言いなり」という語を覚えておけばいいでしょう。 § 例文 § 1.人の言いなり放題になるのではなくて、自分なりの意見を持って行動せよ。 2.葬式にはそれなりに決まった礼服があるんですから、身なりには気をつけなさいよ。 3.子供には、子供なりの悩みもあれば意見もある。 4.彼は有能とは言えないが、彼なりに一生懸命やっている。 5.私なりに努力もし、曲がりなりにも今日まで勤め上げてまいりました。 ★ 例題 ★ 1) 誰でもその人(だけ/なり)の夢もあり、その人(だけ/なり)に大切な(こと/もの)を持っている。 2) プロにはプロ( )( )の苦労がある。何事( )趣味で(やる→ )うちが、一番気楽なのさ。 (^^)前課の解答(^^) 1) なら/まで(「~まで」か「~さえ」か→文型404)/から 2) なら/で(数量の限定)/どころ(~どころではない→文型230) -------------------------------------------------------------------------------- 280 ~なり ・ 動詞:原形  + なり ・ 動詞:た形  + なり ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:もう係長のセクハラには耐えられません。善処をお願いします。 課長:おいおい、顔を見るなり会社への抗議かい? 百恵:詳細はこの文書をお読みください。失礼します。 課長:彼女はこれを僕に渡すなり、何も言わずに出て行ったけど、係長と何かあったのか? ♯ 解説 ♭  接続助詞「~なり」は「~するなり、~」と原形に接続するときは、例文1、2のように「~するや否や」(→文型428)や「~か~ないうちに」(→文型042)などと同じ「~すると、すぐ」を表します。ただし、この「~なり」は同一主語文でしか使えない制約があります。→例題1)   私が窓を開けるや否や(×なり)、虫が飛び込んできた。<異種語文>   彼女はうつむくや否や(・なり)、泣き出した。    <同一主語文>  「~したなり~」と完了形(「た」形)につくときは、例文3~5のように「~したまま」(文型406)と同じ「~した状態で」という意味を表します。→例題2)   彼女はうつむいたなり(・うつむいたまま)、泣き続けた。 § 例文 § 1.その手紙を読むなり彼は顔面蒼白になった。 2.彼は「勝手にしろ」と言うなり、部屋を出ていった。 3.主人は朝早く出かけたなり、この時間になっても帰ってきません。 4.娘が部屋に閉じこもったなり、いくら呼んでも出て来ないの。学校で何かあったのかしら。 5.彼は腕を組んだなり、黙って何かを考え続けていた。 ★ 例題 ★ 1) 私(が/は)ドアを開ける(なり/や否や)、警官たちはどやどやと土足の(なり/まま)部屋になだれ込んだ。 2) 彼女は何を聞いても、顔を(背ける→    )なり、一言( )口を(開く→    )とはしなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) なり/なり/もの 2) なり/も/やっている(~うちに/~うちが→文型016) -------------------------------------------------------------------------------- 281 ~なり(と) ・/~なり~なり/~でも 名詞・疑問詞:   ×     +  なり(と/とも) 動詞・形容詞:原形<ナ形ー×>    なり ~ なり                    でも -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ぼんやり立ってないで、ほかの人の仕事を手伝うなりしたらどう?仕事はチームワークなんだから。 山田:全くその通り。 百恵:けなすなり何なりと御自由に。でも山田さん、あなたにだけは、そんなこと言われたくないわ。 李 :何だか、最近の百恵ちゃん、妙に怒りっぽいね。 ♯ 解説 ♭  「~なり/~なりと(も)」は「例えば~でも」と例示する副助詞です。例えば、「お茶なり(と)いかがですか」は「お茶をいかがですか」と限定するより、はるかに丁寧になります。また、「どこへなりと/いつなりと/どれなりと」のように疑問詞につくと、「どこへでも/いつでも/どれでも」と同じ意味を表します。これらの「なり」は丁寧な「でも」と考えていいでしょう。  なお、「~なり~なり」と重ねて使われると、「例えば~か~かを選んで」という選択を示す用法になります。文法上注意してほしいのは「~とか~とか」(⇔文型226)との違いです。「~とか~とか」は同じ例示でも選択ではありませんから、「お茶なりコーヒーなり、好きなものをどうぞ」とは言えますが、「お茶とかコーヒーとか、好きなものをどうぞ」とは言えません。→例題1) § 例文 § 1.御用の際は何なりとお申し付けください。 2.娘の海外留学については、私も父親として心配で経験者の方に相談するなりしたものです。 3.そんなに食べないでいると体に毒ですよ。せめて味噌汁なりとも召し上がれ。 4.焼いて食うなり煮て食うなり、好きなようにしろ。 5.ファックスでなり電話でなり、ご連絡くだされば、いつでもお伺いします。 ★ 例題 ★ 1) 君にあげた(からには/からといって)、人にやる(とか/なり)捨てる(とか/なり)、それは君の勝手だ。 2) どこへ( )( )と行くがいい。もう親でも(ない→    )ば子でも( )( )。 (^^)前課の解答(^^) 1) が(従属句の主語=が)/や否や(異主語)/まま(→文型406) 2) 背けた(=~したまま)/も/開こう(→文型441) -------------------------------------------------------------------------------- 282 何と言っても~/何と言う~ 何と言っても ~ に限る/に越したことはない  ・          ほど~はない 何と言う   ~ だろう/ことだろう      ・          んだ/ことか -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :何と言っても、家族ほど大切なものはないと思うよ。 山田:会社も国も、いざとなったら当てにはならないって言いたいんだね。 百恵:何という過激な御発言! 李 :そうさ、会社や国が面倒を見てくれるって考える日本人の方がおかしいんだよ。 ♯ 解説 ♭  これらは文法的機能を持つ陳述副詞で、形も似ていて混同しやすいものなので、ここで取り上げました。  「何と言っても~」は「いろいろ取り上げる例はあるが、その中で一番いいのは、~」という意味を表すもので、後件には「~に限る」(→文型297)、「~に越したことはない」(→文型309)や「~ほど~はない」(→文型395)などの最高程度や最前の選択を表す表現と呼応します。  一方、「何と言う~」は、驚き・感嘆・失望などの感情を強調する語で、後件では「~だろう」「~んだ」「~ことだろ/~ことか」(→文型079)などと呼応します。 § 例文 § 1.何と言っても、人命ほど尊いものはないでしょう。 2.「百聞は一見にしかず」と言うじゃないか。何と言っても自分の目で見て確かめるに越したことはないよ。 3.おいしい料理は数々あるが、何と言ってもお袋の味が一番だ。 4.お前という奴は、何と言う親不孝者なんだ。 5.何と言ううまい餃子なんだ。他の店のとは月とすっぽんだ。 ★ 例題 ★ 1) 君は、何と言う愚か(な/の)まねをして(くれた/もらった)んだ。我々の今までの苦労が台無し(にして/になって)しまったじゃないか。 2) 何と言っても、母親( )( )子供の( )( )に 自己犠牲的になれる存在は(ある→    )だろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) からには(~からには→文型056)/なり/なり 2) なり(「でも」も可)/知なければ(→文型427)/ない -------------------------------------------------------------------------------- 283 何となく~/何とはなしに~/何だか~ 何となく    ~     ・ 何とはなしに 何だか     ~     ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今度の会社の人事、何となく割り切れないなあ。 山田:社長の身内が副社長に昇進したこと? 百恵:同感。身びいきが過ぎる気がするわ。それに、女性が管理職になかなかなれないのも腑に落ちないわ。 李 :口では国際化とか何とか言っていても、何だか体質的には何も変わっていないみたいに感じるよ。 ♯ 解説 ♭  「何となく/何とはなしに」は理由がはっきりしないが引き起こされる感情や感覚、或いは無意識のうちに起こった行為や現象のときに使われる副詞です。「何だか」は疑問を表す「か」が付いているように、理由がはっきりしないが引き起こされる感情や感覚に使われますが、何か疑念を抱くときに使う副詞です。語感の違いはありますが、どちらも使える場合があります。   何となく落ちつかない。(漠然)   何だか落ちつかない。 (疑念)  しかし、意味上、「何だか」が使えない用例も出てきます。→例題1)   何となく(×何だか)一日が過ぎた。 § 例文 § 1.聞くともなく聞いていたが、おもしろい話なので、私もつい何となく、身を仱瓿訾筏皮筏蓼盲俊 2.隠していても、何とはなしに態度に出るものだし、何となくわかるものさ。 3.話し合っているうちに、何となく私が責任者を引き受ける羽目になった。 4.何だか胸騒ぎがする。妻の身に何かあったのではなかろうか。 5.何だか幽霊でも出そうな気味の悪い場所だね。 ★ 例題 ★ 1) 卒業(してから/した後で)、彼とは(何となく/何だ か)行き来も(ない→   )なり、音信も途絶えた。 2) 何だか急に(暗い→   )なってきたが、まさか雨 が(降る→   )出すんじゃあ( )( )だろうな。 (^^)前課の解答(^^) 1) な(ナ形)/くれた/になって 2) ほど(~ほど~はない→文型395)/ために(目的)/ない -------------------------------------------------------------------------------- 284 何ら~ない/何らの~ない 何ら      ~  はない 何らの+名詞     もない            も ~ ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:課長、佐藤さんから、課主催の新入社員歓迎レセプションについての連絡を受けられましたか? 課長:えっ?僕は何らの連絡も受けていないよ。 真理:おかしいわ。課長のご都合さえよければ、来週の金曜日にしようと話し合っていたのに。 課長:じゃ、その日で何ら問題はないと彼に伝えてくれ。 ♯ 解説 ♭  「何ら/何らの」は常に文末で否定形(「ない」形)と呼応して、「何一つ~ない」「少しも~ない」と同じ意味を表します。この「何ら」は話者の否定や拒絶の感情が強く出る副詞ですから、話者と無関係な客観現象の説明に使うと不自然になります。   私とは全然(○少しも/○何ら)関係がない。   最近は全然(○少しも/×何ら)雨が降らない。  類義表現についてみると、「全然~ない」は制約がありませんが、「少しも~ない」は数量や程度を問題にするときに使うものなので、用法に制約があります。   ずいぶん探したが、その品は全然(×少しも/×何ら)売っていない。 § 例文 § 1.彼と付きあっても、何ら得るところはない。 2.原告の証言には何らの疑いを差しはさむ余地もない。 3.天に誓って、私には何ら恥じるところはない。 4.最近の彼の作品はマンネリ気味だね。従来の作品と何ら変わり映えがしない。 5.みんな彼女にお熱のようだけど、僕は何らの興味もわかないね。 ★ 例題 ★ 1) 「便りのないのはいい知らせ」と言うが、(それにしては/それにしても)、タイに(行く/行った)きり五年も何ら音さたが(ある/ない)のは、ちょっとおかしい。 2) あなたは自分と何らの関わりも( )( )他人( )ため( )、どうしてそんなに真剣になれるんですか? (^^)前課の解答(^^) 1) てから(→文型178/~した・後で→文型013)/何となく/なく 2) 暗く(イ形+なる)/降り(~出す→文型137)/ない -------------------------------------------------------------------------------- 285 ~に~/~に~て/~に~を重ねて 動詞A:[ます]形  + に + 動詞A:て形                      た形 + 名詞 名詞A: × + に + 名詞B 名詞A: × + に + 名詞A: × + を重ねて -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :昨夜は山田と飲みに飲んで、気がついたら駅のベンチに寝ていてね。電車がなくなっていたら大事だった。 良子:もう若くないのですから、気をつけてくださいよ。よりによって、ドライブの前日に深酒だなんて。 李 :残業続きで無理に無理を重ねていたから、つい飲みたくなってね。今日の哕灓暇铯盲皮欷琛 ♯ 解説 ♭  副助詞「に」は列挙・累加する表現で、名詞につくときは「~に加えて」と考えるといいでしょう。「と」と「に」を比較すると、「に」は密着し累加されるのですが、「と」は単なる並列です。従って、人の服装を表すときは例文1のように「AにB」の形が使われます。また、パンの上にバターを塗ったトーストは、「パンにバター」であって、「パンとバター」ではありません。  この他に「~に~を重ねて」のように同じ名詞を繰り返したり、或いは「~に~て」のように、同じ動詞を繰り返して、「~して、また~する」という動作が激しく行われたことを表す程度の累加表現を作ります。動作の反復だけを言うのなら「~ては~ては」(→文型188)がありますが、例えば、「書いては破り、破ってはまた書き」と「書きに書いて」を比べたとき、「~ては~ては」は反復に、「~に~て」は程度の激しさに焦点があります。 § 例文 § 1.その男は违俯`ンズに白いセーターを着ていた。 2.「鬼に金棒」という慣用語は、これ以上強いものはないというたとえです。 3.待ちに待った息子の帰国の日が、いよいよ近づいた。 4.飛行機の出発の刻限が近づいているのに、成田に向かう途中で渋滞に巻き込まれ、私は焦りに焦った。 5.苦労に苦労を重ねて勝ち取った今の地位を、手放してなるものか。 ★ 例題 ★ 1) 長年(にわたって/にかけて)研究(に/と)研究を重ね、実用化に成功した(の/こと)がこの製品だ。 2) (走る→   )に走って、やっと駅に(着く→   )ときには、電車はもう(出る→   )後だった。 (^^)前課の解答(^^) 1) それにしても(→文型316)/行った(~きり→文型064)/ない 2) ない/の(目的:N+のために)/に -------------------------------------------------------------------------------- 286 *~に当たって/*~に当たり 名詞: ×  +  に当たって(は) 動詞:原形     に当たり           に当たっての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:部屋ももう契約済みだし、新生活を始めるに当たって、そろそろ必要なものをそろえなくてはね。 真理:家財道具から妻としての心得まで、「嫁ぐに当たって」と母が書いてくれたメモがあるの。 佐藤:どれどれ、見せて。さすが年の功だね。はっは、「人前では夫を立てなさい」って一項が特にいい。 ♯ 解説 ♭  「~に当たって」は「~する前に」のグループに属します。しかし、話者が具体的行動がはじまる、その直前と感じる場合に使われますから、「私は結婚する前に証券会社に勤めていました」のような例では使えません。一方、「~するまえに」は以前でさえあれば、一年前のことでも、もっと前のことでも使えます。→例題1)  これ以外にも、以前を表す類義文型に「~に際して」(→文型310)や「~に先だって」(→文型311)がありますから、各項を参照してください。         図あり   § 例文 § 1.開会に当たり、一言ご挨拶を述べさせていただきます。 2.競技大会開催に当たっての注意をしたいと思う。 3.卒業に当たって、みんなで記念文集でも作りませんか。 4.アパートに入居するに当たり、隣近所に挨拶回りをするのは日本の習慣です。 5.この高層ビルの設計に当たっては、震度八の地震にも耐えられるよう検討に検討を重ねました。 ★ 例題 ★ 1) もし近くにお越し(に当たって/に際して/の際)は、(きっと/ぜひ)私どもの家にも、お(立ち寄って/立ち寄り)ください。 2) 就職( )当たっては、今( )( )の学生気分をきっぱり捨てて、社会人としての自覚を持つ( )( )に。 (^^)前課の解答(^^) 1) にわたって(→文型057)/に/の(=物) 2) 走り/着いた(時制に注意)/出た(「~した後」の形) -------------------------------------------------------------------------------- 287 ~にあって 名詞: ×  +  にあって      ・           にあっては           にあっても     ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:この会社創立以来の非常時にあっても取り乱さないのだから、本当にうちの部長は肝がすわっている。 佐藤:それにひきかえ他の幹部連中ときたら、責任逃れをしたり、右往左往したり。 山田:当社にあって、このような事態に対応できるのは、やはりあの部長をおいてほかにないよ。 ♯ 解説 ♭  「~にあって」は動作が行われる状況・時・場面を表し、格助詞「で」や「~において」(→文型291)に置き換えることができます。しかし、この「~にあって」は「~において」より用法に制約があります。  例えば以下の用例ですが、「~にあって」は「自らの身が~に在って」という意味なので、上例のように特定の場所を客観的に叙述するときは使えません。下例ではどちらも使えますが、「~において」は客観的立場に立った叙述で、「~にあって」は話者自身が現代という時代に生きていて、その実感を述べる表現です。   今日講堂で(・において/×にあって)、全校討論会が開かれます。   現代では(・においては/・にあっては)、男女平等は時代の趨勢です。 § 例文 § 1.いかなる苦境にあっても、希望を見失わないことだ。 2.この不況下にあって、大学生の就職難は一段と厳しさを増してきた。 3.今重要なのは、この状況にあって誰の責任かを論ずることではなく、協力してどう活路を開くかにある。 4.あの老人こそ、野にあって政界を裏で操る戦後政治の护扦ⅳ搿 5.いつどこにあっても、僕は君のことを見守っているよ。 ★ 例題 ★ 1) ストレス(による/における)病気というのは、この現代(にあって/によって)は避け(にくい/がたい)現象だろう。 2) 戦時下( )あって、議会は力を失い、軍部の権限は(強い→   )まる一方( )あった。 (^^)前課の解答(^^) 1) の際/是非(依頼・希望は「是非」)/立ち寄り(敬語→文型019) 2) に/まで/よう(~ように→文型443) -------------------------------------------------------------------------------- 288 ~に合わせて/~合わせる/~合う 名詞:   ×   +  に合わせて  ・ 動詞:[ます]形  +  合う     ・             合わせる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:みんな示し合わせたように黙り込んでいるが、意見はないのか。 佐藤:会社の新方針に合わせて宣伝企画を練り直すのは、今からではとても間に合いません。 李 :出演者のことや、いろんな問題が絡み合っていて、その折り合いがつきません。放映は三日後です。 ♯ 解説 ♭  他動詞「合わせる」から発生したのが「~に合わせて」で、「~に調和させて/~に一致させて」という意味を表します。この文型は「~に応じて」(⇔文型292)や「~に沿って」(⇔文型321)と類義文型になります。   お客様の御希望に合わせて(・に応じて/・に沿って)・・・  これ以外に、自動詞「合う」は「話し合う/押し合う/殴り合う/愛し合う/助け合う…」のように、相互行為を表す多くの複合動詞を作ります。他動詞「合わせる」も、「組み合わせる/混ぜ合わせる」や「打ち合わせる/待ち合わせる」のように、事物や行為や内容を一致させる意味の複合動詞を作ります。 § 例文 § 1.さあ、みんな、リズムに合わせて手を叩きましょう。 2.カラオケの伴奏に合わせて歌うのは、慣れないうちはうまくいかないものだ。 3.身長や体型などに合わせて、服装をデザインする。 4.料理の取り合わせも各種ございまして、御予算に合わせて、お好きなコースをお選びいただけます。 5.君はいつも上司の意見に合わせて、それに付和雷同しているが、今日はもっと本音で話し合おうじゃないか。 ★ 例題 ★ 1) 待ち(合わせ/合い)は、東京駅九時に(する/しよう)。皆、その時間(に応じて/に合わせて)来てくれ。 2) いつも大勢( )合わせて、仲間外れになる( )を(避けたい→     )がる傾向が日本人にはある。 (^^)前課の解答(^^) 1) による(原因→文型346)/にあって/がたい(不可能→文型034) 2) に/強(~まる→文型413)/で(だった→であった) -------------------------------------------------------------------------------- 289 ~に至って~した/~に至った 名詞: ×  + に至った       ・ 動詞:原形    に至って  ~ した ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :昨日はうちの坊主が、夕食時間になっても学校から戻らず、九時を過ぎるに至ってようやく帰宅してね。 百恵:誘拐でもされたかと心配だったでしょう。最近は物騒な事件がいろいろ起こっているから。 李 :もはや警察に連絡するしかないと覚悟を決めたら、玄関が開いてね。とたんに気が抜けたよ。 ♯ 解説 ♭  「~に至る」は「~になる」を更に強調した表現で、変化の結果、最終的にある状況・事態に達するという意味を表します。   深夜に至っても会議は続いた。  →深夜になっても会議は続いた。  ここから派生する「~に至って~した」文型は、「Aという状況になって、ついに/やっとBした」という意味を表しますが、多くは「状況Aに迫られ嫌々Bした」ことに対する失望や不満や怒り感情が現れます。  注意してほしいのは「~に至って~した」と「~に至っては~ない」(→文型290)の文末の違いです。これについては次の項を参照してください。→例題1)2) § 例文 § 1.日本経済は1950年代の前半には、戦前並の水準に回復するに至った。 2.試行錯誤を繰り返し、改良に改良を重ねながら、ついにコンピューターは実用化されるに至った。 3.学生達も受験を目前にするに至って、やっとやる気になった。 4.いじめによる自殺が社会問題化するに至って、やっと文部省は重い腰を上げた。 5.A銀行が倒産するに至って、人々は事態の深刻さに気づいた。 ★ 例題 ★ 1) 妻にまで(去る/去られる)に及んで、(やっと/ついに)自分の愚かさを悟るに(達した/至った)。 2) 最近( )なって、画面上の作品の著作権問題がクローズアップ(する→  )( )至った。 (^^)前課の解答(^^) 1) 合わせ/しよう/合わせて(~に応じて→文型292) 2) に/の/避けた(感情形容詞の語幹+~がる) -------------------------------------------------------------------------------- 290 ~に至っては/~に至ると 名詞:×   +  に至っては ~ ない 動詞:原形     に至ると           に至っても -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:株式投資も病膏肓に至ると、身を滅ぼし兼ねないよ。   何でも限度があろうというものさ。 李 :株価がここまで下落するに至っても、彼はまだあきらめていないらしいが、何か成算でもあるのかな? 山田:彼も「もうはまだなり、まだはもうなり」なんて口走るに至ってはおしまいだよ。 ♯ 解説 ♭  「~に至る」と「~になる」はほとんど同じ意味で、「ここに至っては」のような慣用表現以外は、入れ替えが可能です。  「~に至っては/~に至ると」は「~の状況・段階になってしまうと、もう~」と最終事態になったことを表します。そのため、多くの用例は文末で否定的事態(多くは「~ない」と呼応)になったことを表します。   貧しい農民になると(・に至ると/・ に至っては)食べ物すらない。  「~に至っても」は「~になっても、まだ/やはり~」を表す逆説表現になり、残念・仕方がない・憤りという感情が強調されます。 § 例文 § 1.孫に至っては、祖母の年齢どころか名前さえ知らない。 2.癌も全身に転移するに至ると、もはや打つ手はない。 3.別居するに至っては、離婚はもはや時間の問題だ。 4.A国の核実験は近隣諸国はもちろんのこと、日本に至っては全く寝耳に水で、予想だにしないことだった。 5.血清によるエイズの伝染が立証されるに至っても、厚生省はその責任を認めようとはしなかった。 ★ 例題 ★ 1) こう事故が(多発する/多発した)に至って(は/も)、原発の安全性に疑問を(抱き/抱か)ざるを得ない。 2) 首相が交代しても景気は好転(する→   )ず、株価に至って( )、ついに××円の大台を(大きい→   )割り込んだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 去られる(受身文)/やっと/至った(「達する」は数量) 2) に/される(~をクローズアップする→受身文)/に -------------------------------------------------------------------------------- 291 *~において(は/も)/*~における/*~にて 名詞: ×  +  において(は/も)           における + 名詞           にて -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :人生において一番大切なものは何なのだろう?あれもこれもで、ひとつには絞り切れないなあ。 良子:私は健康だと思うけど。次は家族、その次はお金、あれあれ、次々に出てきて頭がこんがらがってしまうわ。 李 :結論が出そうもないから、この件はこれにて一件落着にしようか。ところで今夜は何食べるの? ♯ 解説 ♭  「~において」は動作が行われる場所・場面・状況を表し、格助詞の「で」で置き換えられますが、全てが「で」の用法と対応しているのではありません。なお、格助詞「で」は元々「にて」が変化したものですが、今日では書面語です。   学校で(・において)勉強する。  <場所>   外交で(・において)腕をふるう。 <場面>   その時点で(・において)決める。 <状況>   手紙で(×において)知らせる。  <方法>   会社は5時で(×において)終わる。<刻限>   癌で(×において)死んだ。    <理由>   石で(×において)造られた家。  <材料>   全部で(×において)いくらですか。<限定> § 例文 § 1.日本社会において最重視されるのは、「和」と言えよう。 2.二一世紀においても、おそらく戦争と貧困はこの地球上からなくならないだろう。 3.国際経済における基本原則は市場を通じた公正な競争だ。 4.中国は古代において、紙・羅針盤・印刷・火薬など、人類史に残る四大発明を成し遂げた。 5.このまま人口増が続けば、遠くない将来において、食料・エネルギーの危機が現実のものとなるだろう。 ★ 例題 ★ 1) 彼は仕事の上(で/に)は厳しい人だが、私生活(にかけて/において)は、(良き/良く)パパである。 2) 社会( )おける女性の地位の向上は、今後一層進むだろう( )、また、そう(ある→   )べきだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) 多発する/は/抱か(~ざるを得ない→文型106) 2) せ(する→しない=せず)/は/大きく -------------------------------------------------------------------------------- 292 *~に応じて/~に応えて 名詞: ×  +   に応じて/に応じ     ・            に応じた + 名詞            に応えて/に応え     ・            に応えた + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:今日は餃子パーティの日ね。 李 :材料は人数に応じて買えばいいよ。さあ、みんなの期待に応えて、家伝の餃子をごちそうしなくちゃ。 良子:買う物はいつもの通りでいいわね。 李 :ああ、ある物を買ってくればいいよ。状況に応じていろいろ工夫をこらすのが、料理の醍醐味なんだよ。 ♯ 解説 ♭  動詞「応じる」は「回答する・呼応する・対応する・適応する」などの意味を持った語で、「力には力で応じる/募集に応じる/招きに応じる…」のように使われます。一方、「応〔答)える」は「回答・呼応・報いる」などの意味を表します。  例えば、例文1~3の「~に応じて」は対応・適応を表していますが、この場合、「~に応えて」が使えません。「~に応えて」の用例の多くは例文4、5のように「期待・声援・恩義に報いる」の意味で使われていて、この場合は「~に応じて」が使えません。どちらもが使えるのは、「政府の呼びかけに応じて(・応えて)」のように、他からの働き掛けに呼応して、こちらも行動を起こす場合です。→例題1) § 例文 § 1.気候や風土に応じた(×に応えた)食文化が育つ。 2.健康のためには、体力に応じて(×に応えた)邉婴工毪长趣笄肖恰ⅰo理をすると逆効果です。 3.社員の能力や業績に応じた(×に応えた)給料を支払う。 4.このような時こそ、先生のご恩に応え(×に応じ)、私たち教え子が協力すべきではなかろうか。 5.地元の声援に応えて(×に応じて)、そのA高野球チームは、ついに念願の甲子園出場を果たした。 ★ 例題 ★ 1) 御予算に(応じて/応えて)、御予約を承っ(ております/ている)ので、遠慮なくお(申しつけ/申しつけて)ください。 2) 経営者( )( )者は常に時代を先取りし、そのニーズ( )(応える→  )なくてはならない。 (^^)前課の解答(^^) 1) で(=において)/において(=で)/良き(イ形の古い連体形) 2) に/し(~し、それに~→文型107)/ある(~べきだ→文型382) -------------------------------------------------------------------------------- 293 *~に関わらず/*~に関わる 名詞   : ×  + に関わる    ・ ~か~か : ×    に関わらず   ・ ~かどうか: ×    に関わりなく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今朝、電車が遅れるという車内放送があったら、みんなあちこちで携帯電話を取り出していたよ。 良子:周りが迷惑してるかどうかお構いなしに、車内で大声でしゃべるのはいただけないわ。 李 :わかるけど、今じゃビジネスかプライベートかに関わらず、携帯電話は必需品になっているんだ。 ♯ 解説 ♭  「~に関(かか)わる」は「~に関係する/~に影響する」という意味の語ですから、「~に関わらず/~に関わりなく」は「~に関係なく/~に影響されずに」という意味を表します。学習者が混同しやすいのは類形文型の逆説の「~にもかかわらず」(→文型343)です。全く意味が異なりますので注意しましょう。    晴雨にかかわらず、決行します。   <≒雨かどうかに関係なく>    雨にもかかわらず、外で遊んでいる。 <≒雨なのに> § 例文 § 1.命に関わるような病気じゃないから、安心してくれ。 2.こと米の自由化問題は、わが国の食糧自給政策に関わるもので、工業製品と同一視するのは間違いだ。 3.国籍・年齢・性別に関わらず、有能な人材は登用する。 4.会社の業績の良し悪しに関わりなく、最低限の生活ができる賃金は保障してもらいたい。 5.君が反対かどうかに関わらず、組織の大勢は既に決している。 ★ 例題 ★ 1) これは国家の存亡(に関わる/に関する)大事であり、野党(として/にとって)は、行政府の権限如何(にかかわらず/にもかかわらず)、臨時国会開催を要求する。 2) あなたが賛成する( )(する→    )かに(関わる→    )なく、私たちはこの方針でやります。 (^^)前課の解答(^^) 1) 応じて/ております(謙譲語)/申し付け(敬語形→文型019) 2) たる(~たる者→文型160)/に/応え(→文型271) -------------------------------------------------------------------------------- 294 *~に限って/*~に限り 名詞:×  + に限って         に限り -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :女性同伴に限り半額にサービスっていうのは、男女平等に反すると思わない? 百恵:そういう所に限って、案外高くつくのよ。美人同伴に限りなんて言うなら、私も行ってみたいけどさ。 山田:ずいぶん背負ってるね。少しお持ちしましょうか? 百恵:それ、どういう意味? ♯ 解説 ♭  動詞「限る」から生まれた文型で、「~だけ(特別に/絶対/決して)」と言う意味を表します。意味は限定の「~だけ」同じですが、「~だけ」より強い語感となります。そして、「~に限って~ない」のように文末で否定の意味や否定形(「~ない」形)と呼応して、「~だけは決して~ない」という意味を表します。   今日だけ(・に限って)特別に許します。   彼だけは(・に限って)そんな失敗をするはずがない。 § 例文 § 1.彼って忙しいときに限って、会社を休むんだね。 2.うちの子に限って、そんな悪いことをするはずがない。 3.当駅では朝夕の通勤時間帯に限りまして、禁煙タイムとなっておりますので、御協力をお願いいたします。 4.本日に限り、先着五十名様にコーヒーを無料サービスいたします。 5.「能ある鷹は爪を隠す」と言うが、力のない者に限って自分の力を見せびらかすものなのだ。 ★ 例題 ★ 1) 努力(する/しない)者(に限って/に限らず)、失敗 したとき、人のせいに(したい/したがる)ものさ。 2) いつも(早い→    )来る彼が、今日に限ってこ んなに遅い( )は、何( )あったのではないか。 (^^)前課の解答(^^) 1) に関わる/として(→文型237)/にかかわらず 2) か/しない/関わり -------------------------------------------------------------------------------- 295 *~に限らず 名詞・疑問詞: ×  +  に限らず               に限らず ~も/まで/さえ ~ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あの会社は、今や「わが世の春」って感じだね。 山田:幹部に限らず平社員まで、この世の栄華を謳歌しているように見えるよ。少しはあやかりたいものだ。 佐藤:「おごる平家は久しからずや」さ。今時、どの会社に限らず、企業の寿命は三十年と言うからなあ。 山田:企業もまた、この消費社会の消耗品ってことか。 ♯ 解説 ♭  「~に限らず」は「~だけでなく、そのほか~も~」という意味を表します。同義文型は多くあり、「~だけでなく/~のみならず」(→文型133)や「~ばかりでなく/~ばかりか/~にとどまらず 」(→文型363)などに置き換えができます。  また、例文3のように疑問詞につくときは「どんな人に限らず=どんな人によらず」のように「~によらず」(→文型349)と置き換えが可能です。   子供 に限らず   大人も~      のみならず      ばかりか      にとどまらず § 例文 § 1.外国人に限らず、日本人にとっても敬語は難しい。 2.君に限らず、女性は男性より逆境に強いようだ。 3.何事に限らず、信賞必罰、公明正大であることこそ、人事哂盲捂Iだ。 4.最近では欧米に限らず日本でも、セクハラ問題は企業にとって無視できないものとなっている。 5.ヨーロッパに限らず、アジアにも地域拡大経済圏構想を追求する声は高まりつつある。 ★ 例題 ★ 1) 老人(に限り/に限らず)、社会的弱者(によって/にとって/として)、この競争社会は生き(にくい/難い)。 2) 公共の場に(限る→   )ず、喫茶店など私的( )場でも禁煙の動きが(強まる→    )つつある。 (^^)前課の解答(^^) 1) しない/に限って/したがる(第三者の感情・希望) 2) 早く/と(~とは→文型242)/か -------------------------------------------------------------------------------- 296 ~に限らない/~に限ったことではない 名詞: ×  +  に限らない           に限ったことではない           に限ったことじゃない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :最近の援助交際とかに限ったことではないけど、若い人の性のモラルの乱れはひどいようだねえ。 百恵:何も若い人に限らないわよ。高校の先生がテレクラ通いだなんて、はっきり言って買春じゃない。 李 :学校で不まじめだとは限らないけど、子供を預ける気には到底なれないな。娘だったら特にね。 ♯ 解説 ♭  どちらも「~だけではなく、そのほかにもある」という意味を表しますが、「~に限ったことではない」は「~に限らない」よりも強調された表現になりますから、「決して・絶対」などの副詞と呼応させるときはぴったりします。  なお、この文型は名詞としか接続できない制約があるので、通常の会話では「~だけではない」を使えばいいでしょう。また、類型文型に「~とは限らない」(→文型244)がありますが、「全てがそうではなく、例外もある」という意味ですから、用法が異なります。→例題1)   生活が大変なのは君に限らない(×とは限らない)。   金持ちが誰でも幸せとは限らない(×に限らない)。 § 例文 § 1.後継者不足で悩んでいるのは、農家に限らない。 2.いじめや校内暴力は、何も日本一国に限ったことではない。 3.老後の生活に不安を感じているのは、君に限らないよ。 4.彼が人の意見に耳を傾けないのは、今日に限ったことじゃない。 5.あなたに限ったことじゃないけれど、男の人ってどうしてそんなに見栄や面子に拘るの? ★ 例題 ★ 1) 学校嫌いは不登校の子供たち(に限らない/とは限らない)。まじめに(見る/見える)子供達の方が、むしろ爆発寸前にまで(追いつめて/追いつめられて)いる。 2) 辛くて汚い仕事を(嫌だ→  )がる( )は、現代の若者に限ったことでは(ない→   )かろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) に限らず/にとって(→文型331)/にくい(→文型306) 2) 限ら/な「~的」はナ形)/強まり(~つつある→文型171) -------------------------------------------------------------------------------- 297 ~に限る 名詞    :    ×        + に限る 動詞・形容詞:原形<ナ形ー×>/ない形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :やばい!右折できるのは路線バスに限るって書いてあるのに、うっかり見落として曲がっちゃった。 良子:警官がいなければ、何をやってもいいなんて考えないでね。交通法規を守って安全哕灓工毪讼蓼毪铩 李 :日本は交通標識がやたら多くて、見きれないよ。標識は瞬間に判断できる簡単なものに限るよ。 ♯ 解説 ♭  「~に限る」は例文1、2のように「~だけだ」と同じ限定の意味を表します。更にそこから派生して、例文3~5のように「~(の)が一番いい」という話者の判断や印象を表すようになります。後者は「~に越したことはない」(→文型309)と同じ意味を表しますが、「~に越したことはない」は相手に対する勧告の表現で、ほとんど「~した方がいい」(→文型388)と同じ意味を表しています。一方、「~に限る」は自分の印象や感想ですから、使い分けが必要な場合も生じます。→例題1)   何と言っても、やはり歌は演歌に限る(?に越したことはない)よ。   遅れてはいけないから、早めに出かけるに越したことはない(△に限る)。 § 例文 § 1.貸しマンション・1DK。ただし、女性に限る。 2.一人当たりの予算は、二万円に限られている。 3.疲れたときは何も考えず、ゆっくり休むに限ります。 4.接客サービスが似たり寄ったりなら、ホテルは安いに限るよ。 5.無理はしないに限る。無理はきっとどこかで破綻するからね。 ★ 例題 ★ 1) (何と/いくら)言っても、夏は冷たいビールに(越したことはない/限る)よ。いやあ、うまい!生き返る(そうだ/ようだ/らしい)。 2) 嘘は(言う→     )に限る。さもないと嘘を隠す( )( )に、嘘( )嘘を重ねることになる。 (^^)前課の解答(^^) 1) に限らない/見える(自V)/追い詰められて(受身文) 2) 嫌(第三者の感情)/の/な(なかろう=ないだろう) -------------------------------------------------------------------------------- 298 *~にかけては/~に賭けて(も) 名詞: ×  +  にかけては         ・           にかけても           にかけましては           にかけちゃ           に賭けて(も)       ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :餃子づくりにかけては、僕の右に出る奴は、そうざらにはいないよ。まあ中華料理なら自信があるがね。 良子:うぬぼれにかけてはじゃないの? 李 :先日も玄人はだしだって、Aホテルの主任コックにほめられたんだよ。会社を辞めて、うちに来いってね。 良子:はっは、「井の中の蛙、大海を知らず」ってとこね。 ♯ 解説 ♭  「~にかけては」は「~に関しては/~の分野では」の意味ですが、必ず述部で「自信がある/一番~だ/非常に優れている」など優れた点を取り上げるのが特徴で、自分の能力を誇ったり、相手の能力を賞賛するときに使う文型です。  一方、同音の「賭ける」という動詞があって、そこから「~にかけても」という文型が生まれます。これは「命・名誉・威信・信用・面子・面目・~の名…」などについて、述部では決意・誓約を表します。この二つは意味は全く異なりますが、平仮名で書いたときは同形・同音になりますから、注意しましょう。→例題1) § 例文 § 1.あの人は野生動物の生態研究にかけては、知る人ぞ知る第一人者だ。 2.あなたを愛することにかけては、私は他の誰にも負けない。 3.中国語にかけましては、いささか自信がございます。 4.命にかけても、あなたをお守りいたします。 5.会社の信用にかけても、そのような裏談合はしていないと断言します。 ★ 例題 ★ 1) 国家の威信にかけて(は/も)、この度のようなテロ事件(にかけて/に対して)は、毅然たる態度(に/で)臨むと、首相は政府声明を発表した。 2) わが社( )あって、部下の統率力にかけて( )、ま た企画力にかけて( )、彼( )及ぶ者はいない。 (^^)前課の解答(^^) 1) 何と/限る/ようだ(身体感覚は「~ようだ」)) 2) 言わない/ため(目的)/に(→文型285) -------------------------------------------------------------------------------- 299 ~にかこつけて/~を口実に(して) 名詞: ×  +  にかこつけて           にかこつける           を口実に(して)           を口実にする -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :確かに昨日は午前様だったけど、人の弱みにかこつけて、家事を全部押し付けるのはいかがなものか? 良子:弱みと感じるのは、ほかにも後ろめたいところがあるからじゃないの?香水のにおいもしてたわよ。 李 :今日は旗色が悪いや。さーてと、何か口実にすることないかな?仕事にでもかこつけて逃げ出すか。 ♯ 解説 ♭  動詞「かこつける」は「口実にする」と同義で、どちらも「~を(嘘の/表向きの)理由に~する」という意味を表します。簡単に言えば、嘘の理由を言ったり、無理に理由をこじつけることです。→例題1)   病気を理由に欠席した。  →病気を口実にして欠席した。  →病気にかこつけて欠席した。  類似表現に「~ を大義名分に」がありますが、「開発を大義名分に自然環境を破壊する」や「革命を大義名分にテロ行為をする」のように、社会的・政治的な行為に使うことが多いでしょう。 § 例文 § 1.病気にかこつけて、学校をずる休みした。 2.彼は職場のつき合いにかこつけては、毎晩のようにお目当てのホステスのいる店に通っている。 3.彼はいつも何かにかこつけて、嫌な仕事を他人に押しつける。 4.出張を口実に浮気旅行をしていたなんて、もし妻に知られたら、それこそただでは済まない。 5.今度は何を口実にする気だい?ネタも切れたんじゃないの? ★ 例題 ★ 1) 君の言っているのは、何もかもこじつけだ。(要するに/ただし)接待に(口実に/かこつけて)、会社の金を自分の遊興費に当てていた(だけ/きり)じゃないか。 2) (ある→    )ことか、安全保障( )口実にして、憲法改正を(図る→   )としている政治家がいる。 (^^)前課の解答(^^) 1) も/に対して(→文型322)/で 2) に(~にあって→文型287)/も/も/に -------------------------------------------------------------------------------- 300 ~に難くない/*~やすい/*~よい 動詞:ます形  +  やすい   ・            よい 名詞: ×   +  に難くない ・ 動詞:原形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :あの国の現在の孤立と苦境は、察するに難くないよ。でも、起こるべくして起こったことだ。 山田:君に言わせれば、当然の報いというわけかい。それでは、どうすべきだったと言うんだい? 李 :過去を詮索してもはじまらないよ。でも必死で打開策を模索していることだけは想像するに難くないよ。 ♯ 解説 ♭  「~やすい」は対象の性質を客観的に表す表現で、「書きやすいペン・折れやすいペン」のように、いい場合にも悪い場合にも使えます。しかし、「~よい」は「折れやすいペン→×折れいいペン」のように、「良い・快適だ・楽だ」など常に良い評価にしか使われません。この対義語が「~にくい」(→文型306)です。  一方、「~に難くない」は心理・思考面を表す動詞「想像する/察する/理解する/同情する…」や名詞に接続し、容易に推察できるという意味を表します。同情や共感が表れる表現です。ですから、例文4、5のような客観事実を述べる文では「~に難くない」は使えません。この対義語が「~難い」(→文型034)です。→例題1)  理解しやすい内容  <内容が平明>  理解に難くない内容 <同情・共感> § 例文 § 1.豊かな社会に憧れる開発途上国の人々の気持ちは、理解するに難くない。 2.カルト教団に息子・娘を奪われた親たちの嘆きは、察するに難くない。 3.祖国が民族に別れて争う悲劇は、想像に難くない。 4.この小説はわかりやすい言葉で書かれているから、外国人にも読みやすい。 5.社会施設も整っていて環境も良く、住み良い街ですね。 ★ 例題 ★ 1) あの鬼社長が、料理を作るのが趣味だった(なんか/なんて)、(想像する/想像し)(に難くない/難い)ね。 2) 子供の心は(傷つく→    )やすいから、子供の前( )言い争いを(する→   )りしない方がいい。 (^^)前課の解答(^^) 1) 要するに/かこつけて/だけ(~した・きり→文型064) --------------------------------------------------------------------------------
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