千字文 1
(引自“774102「千字文(抄)」「GLNからこんにちは」“)
千字文譯解
勅員外散騎侍郎周興嗣次韻 チョクヰングワイサンキジラウシウコウシジヰン
勅員外散騎侍郎は、中国の昔の唐時代の官職名にて、其官の周興嗣が、他の文の韻をふみて作れり。
天地玄黄 テンチゲンクワウ あめつちは くろくきに
天は玄,地は黄にて、玄は赤⒒皮匣皮胜肷胜辍4怂难预咸煳纳咸斓丐紊蚴兢护筏胜辍
宇宙洪荒 ウチウカウクワウ おほそらは おほいにひろし
宇宙とは天地の間にて、洪は大、荒は廣きなり。これは天地間の大きく廣きを示せり。世の廣き也。
日月盈昃 ジツゲツエイショク ひつきは みちかたぶき
盈とは滿つること、昃とは傾くことにて、日は日中より西に傾き、月は缺けて又滿つるなり。
辰宿列張 シンシュクレッチャウ ほしのやどりは つらなりはる
辰は天の十二宮、宿は二十八宿にて共に星の座なり。此辰と宿との日月と共に天に列り懸るをいふ。
寒來暑往 カンライショワウ さむさきたり あつさゆき
寒さ來たれば暑き往き、春夏秋冬の常に循環していつまでも限りなく變ることにて、四時の變移なり。
秋收冬藏 シュウシウトウザウ あきをさめ ふゆかくす
春夏のころに播きし五穀を秋の日に取りをさめ、冬の日には取り入れし穀を倉に入れてかくすなり。
閏餘成歳 ジュンヨセイサイ うるふあまり としをなし
閏は閏月にて陰暦にては四年目に一回閏月あり、此餘りにて一年の日かずを定めしことをいふなり。
律呂調陽 リツリョテウヤウ りつりょ やうをとゝのふ
律呂とは音樂のことなり。中国の昔は音樂の調子にて天地間の陽氣をとゝのへたることをいふなり。
雲騰致雨 ウントウチウ くものぼりて あめをいたし
地上の水氣が空にのぼりて雲となり、空際にて冷氣にあへば雨となりて地上に降り來ることをいふ。
露結爲霜 ロケツヰサウ つゆむすぼりて しもとなる
夏すぎて秋になれば空中の水氣が露となり、それが寒氣にあひて凝り結びて霜となるをいふ。
化被草木 クワヒサウモク くわは くさきにおよぼし
かくも世はよく治まりて、王化が人類に及ぶのみならず、非情の草木までも及び被むることをいふ。
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