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本帖最后由 jt002744 于 2009-5-31 18:15 编辑
天声人語2009年05月31日(日)
新緑をゆすって渡る青嵐の季節、インフルエンザという大風に列島はゆすられた。不況風もやまぬ中、様々な風に向かってゆるがぬ5月の言葉から
(1)〔青々とした山気〕翠微 山霭
(2)〔初夏の風〕熏风
拂过新绿吹来熏风的季节,流感的大风横扫日本列岛。在持续的不景气中,虽风雨飘摇却坚强面对是5月的感言吧。
▼ 第五福竜丸が死の灰を浴びて55年がたつ。ささげるピアノ五重奏曲を作曲家の林光さん(77)が完成させた。「核廃絶の希望は何度も裏切られる。しかし、らせんを描くように、現実がすこしずつ希望に近づいていく」
[死の灰] [しのはい] 死の灰を浴びる/受到放射性尘埃沾染.
第五福竜丸受到放射性尘埃污染已渡了55年的岁月。作曲家林光先生(77岁)完成了敬献给核爆的钢琴五重协奏曲。他说:“废除核武器的希望已经反反复复地落空,但是现实如同描绘的螺旋般正向着希望渐渐靠近。”
▼ 広島市の小学6年で被爆3世の富永幸葵(ゆうき)さん(11)が国連本部でスピーチした。「広島の子どもは原爆の恐ろしさを世界に伝える義務があります。広島を見に来てください」。小さき声がオバマ米大統領にも届いてほしい
广岛核爆已历经3代的小学6年级富永幸葵(11岁)在联合国本部发表了感言。“广岛的孩子们有义务向世界传播核爆的可怕威力,请来广岛看看吧。”是用弱小的声音将这种想法传达给奥巴马总统。
▼ 『人間回復の瞬間(とき)』と題する本を鹿児島県の上野正子さん(82)が書いた。ハンセン病のために長く隔離され、それを違憲とした裁判の原告になって、8年前に勝訴した。「あの日を境に私は新しく生まれ変わった。人間の尊厳をかみしめ残された命を生き抜きたい」
鹿児島県的上野正子(82岁)曾以《重返人间之瞬间》为题写过一本书。因麻风病而长期
被隔离,上野正子以违背宪法为由上书法庭,在8年前胜诉。书中写道:“以今日为界我重获新生。细细品味人的尊严坚强地活下去。”
▼名古屋の繁華街にほぼ毎日、フランス人の尼僧が托鉢(たくはつ)に立つ。マルティン・ハックヘーゲルさん(60)は10年前に来日して修行を積んだ。「今の人たち、求めすぎ。日本だけじゃない。世界の問題」
[尼僧] [にそう]尼姑
在名古屋的繁華街,每天都有位法国的尼姑持钵而立。在10年前マルティン・ハックヘーゲル女尼来日本修行。她说:“现在的人们,乞求太多。这并不是日本独有,而是世界性的问题。”
▼ 「寅さん」の物まねで売る原一平さん(71)が、東京演芸協会の副会長になった。夫を36年支え続け、病で声を失った幸子さん(66)は人工発声器で「こ、れ、か、ら、は、ま、わ、り、の、ひ、と、と、け、ん、か、し、な、い、で」。一平さんには唯一の、そして無二の「マドンナ」である。〈六月を奇麗(きれい)な風の吹くことよ〉子規。
物まね:口技
口技艺人原一平先生(71岁)以‘寅先生’而名声大嘲,曾任东京演艺协会副会长。与丈夫相互扶持的36年、因病失声的幸子小姐(66岁)只能用发声器说:“从、今、以、 后、不、要、和、周、围、人、吵、架”。但对于一平先生来说幸子小姐却是独一无二的‘麦当娜’。正如正岡子規的俳句所描绘的那样〈如六月飘送的清风〉。
正岡子規
六月を奇麗な風の吹くことよ
前書に「須磨」とある。したがって、句は明治二十八年七月下旬に、子規が須磨保養院で静養していたときのものだろう。つまり、新暦の「六月」ではない。旧暦から新暦に改暦されたのは、明治六年のことだ。詠まれた時点では二十年少々を経ているわけだが、人々にはまだ旧暦の感覚が根強く残っていたと思われる。戦後間もなくですら、私の田舎では旧暦の行事がいろいろと残っていたほどである。国が暦を換えたからといって、そう簡単に人々にしみついた感覚は変わるわけがない。「六月」と聞けば、大人たちには自然に「水無月」のことと受け取れたに違いない。ましてや、子規は慶応の生まれだ。須磨は海辺の土地だから、水無月ともなればさぞや暑かったろう。しかし、朝方だろうか。そんな土地にも、涼しい風の吹くときもある。それを「奇麗(きれい)な風」と言い止めたところに、斬新な響きがある。いかにも心地よげで、子規の体調の良さも感じられる。「綺麗」とは大ざっぱな言葉ではあるけれど、細やかな形容の言葉を使うよりも、吹く風の様子を大きく捉えることになって、かえってそれこそ心地が良い。蛇足ながら、この「綺麗」は江戸弁ないしは東京弁ではないかと、私は思ってきた。いまの若い人は別だが、関西辺りではあまり使われていなかったような気がする。関西では、口語として「美しい」を使うほうが普通ではなかったろうか。だとすれば、掲句の「綺麗」は都会的な感覚を生かした用法であり、同時代人にはちょっと格好のいい措辞と写っていたのかもしれない。高浜虚子選『子規句集』(岩波文庫)所収。(清水哲男) |
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