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楼主: junshan_yin

[本科专业课] 日本文学史

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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:11:30 | 显示全部楼层
1.奈良時代年表編

奈良時代より以前のころは、まだ日本には文字がなかったため、人々が口頭で神話や伝承を伝え合い、語り合ってきました。そのため、この時代の文学を口承文学(こうしょうぶんがく)という言い方をします。

しかし、奈良時代くらいになると中国から漢字が伝えられ、文学を文字で書き残すことができるようになります。人々は、今まで自分たちが口から口へと伝えられてきた神話や伝承を、文字に書き残すようになったのですね。

奈良時代で覚えておいてほしい文学は、3つあります。では、次の年表を眺めておいてください。

時代 作品と作者(編者)その他 奈良時代
710年 奈良に平城京が作られる。
712年 古事記(こじき) 太安万侶(おおやすのまろ) 日本最古の歴史書
713年 風土記(ふどき) 諸国の地理を記した書物
720年 日本書紀(にほんしょき) 舎人親王(とねりしんのう) 古事記に次ぐ歴史書
759年 万葉集(まんようしゅう) 大伴家持(おおとものやかもち) 日本最古の歌集

2.奈良時代作品紹介編

年表で紹介した作品について、簡単に内容を解説しておきます。
1.古事記(こじき)  
日本最古の歴史書。もともとは、壬申の乱(672年)後に即位した天武天皇(大海人皇子)が、当時皇室や貴族の間に伝えられていた神話,歴史の類を統一,整理しようということで、語り部であった稗田阿礼(ひえだのあれ)に暗誦させたものを、後の元明天皇の命により太安万侶(おおやすのまろ)が記録したものです。
記載された時代は太古の時代から推古天皇の時代まで。内容は神話,歌謡などに重点を置いた
もので、文学性に富み、古代人の生活が素朴に表現されています。
日本の神話でも有名な、イザナギ,イザナミの神による国造りの話や、天照大神(アマテラスオオミカミ)の天岩戸の話、倭建命(ヤマトタケルノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を倒したとされる英雄伝などの話は、この古事記が出典のお話となっています。

2.風土記(ふどき)
地方諸国の産物、山川原野の名称の由来、その地に伝わる神話や説話などを報告させた各地方の地理書。現存の風土記は出雲,播磨,常陸,豊後,肥前の五カ国のもののみ。

3.日本書紀(にほんしょき)
太安万侶(おおやすのまろ)、舎人親王(とねりしんのう)らによって作られた歴史書。
古事記に比べ、史実を客観的に記載、歴史書としてきちんと整えられた体裁を持ちます。

4.万葉集(まんようしゅう)
日本最古の和歌集。約4500首の和歌がおさめられているとされ、大伴家持(おおとものやかもち)らの手によって編集されたと伝えられています。
和歌の作者は、天皇,貴族から農民を含む一般庶民まで全ての階層にわたっており、全体的にありのままの感情を力強く表現した歌(参考:五七調,ますらをぶり)が多いと言われています。
山上憶良(やまのうえのおくら)の貧窮問答歌(ひんきゅうもんとうか)がおさめられているのも、この万葉集です。

☆万葉集の代表的な和歌
茜(あかね)さす紫野(むらさきの)行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖ふる額田王(ぬかたのおおきみ)
春過ぎて夏来る(きたる)らししろたへの衣乾したり天の香具山(あめのかぐやま)持統天皇(じとうてんのう)
憶良(おくら)らは今はまからむ子泣くらむそれその母も吾(わ)を待つらむそ山上憶良(やまのうえのおくら)
春の野に霞(かすみ)たなびきうら悲しこの夕かげにうぐひす鳴くも大伴家持(おおとものやかもち)
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:12:18 | 显示全部楼层
3.平安時代年表編
平安時代初期は、遣隋使,遣唐使などの影響による中国文化の輸入が進んでおり、漢詩文が盛んでした。
しかし、遣唐使の廃止(894年)による国風文化の発達でかな文字が発明され、日本語の表現が自由にできるようになると、その影響で女流作家が多く現れることになります。
ここでは、ひとまず平安時代の主要な作品はこんなものがあるのか~という感じで眺めておいてください。


時代 作品と作者(編者) その他 平安時代
900年 竹取物語 不明 かぐや姫のお話。日本最古の伝奇物語と言われる。
905年 古今和歌集 紀友則,紀貫之,凡河内躬恒,壬生忠岑日本最古の勅撰和歌集。「たをやめぶり」と呼ばれる歌風が特徴。
935年 土佐日記紀貫之(きのつらゆき) 日本最古の日記文学。紀貫之が、女性のフリをしてかな文字で書いた。
946年 伊勢物語 不明 六歌仙の一人である在原業平が主人公と言われている。歌物語。
974年以降 蜻蛉日記(かげろうにっき) 藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)
983年 宇津保物語(うつほものがたり) 不明 伝奇物語。竹取物語と同ジャンルとだけ覚えておこう。
994年 枕草子 清少納言(せいしょうなごん)三大随筆の一つ。「をかし」の理念で書かれたとされる。
1001年 源氏物語 紫式部(むらさきしきぶ) 日本の古典文学の最高峰とも言われる物語文学。「もののあはれ」の理念で書かれたとされる。
1059年 更級日記(さらしなにっき) 菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)
1106年 今昔物語 (こんじゃくものがたり) 不明 千余編にわたる仏教,世俗説話集。「今は昔…」の書き出しで有名。
1115年 大鏡(おおかがみ) 不明 歴史物語。「四鏡(しきょう)」と呼ばれる4作品の最初の一作で、藤原氏の摂関政治を批判的に描いた。
1187年 千載和歌集(せんざいわかしゅう) 藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい/としなり)
山家集(さんかしゅう) 西行(さいぎょう)



4.平安時代作品紹介編Ⅰ
年表で紹介した作品について、簡単に内容を解説しておきます。
作品ごとの、大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

1.竹取物語(たけとりものがたり)
◆成立:平安時代
◆ジャンル:伝奇物語(でんきものがたり)
◆序文:今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山に交じりて竹を取りつつ、よろづのこと
に使ひけり。

おそらく知らない人を探した方が難しいであろう、「かぐや姫」の物語です。
後に紹介する『源氏物語』の中では「物語の出でき初めの祖(ものがたりのいできはじめのおや)」と評せられており、日本最古のかな書きの物語とも言われます。
おおまかなストーリーは知っている人が多いでしょうから特に紹介しませんが、「不死の薬」や「記憶操作ができる着物」が出てきたり、月の人が空を飛んで現れて、光を放ったら地上人が金縛りにあったりと、現代でいうファンタジー小説に近いものがあります。「伝奇物語」と言われるのもナルホド…という感じですよね(奇妙なものを伝える物語、なわけですから)。

2.古今和歌集(こきんわかしゅう)
◆成立:平安時代
◆日本最古の勅撰和歌集。
◆選者:紀友則(きのとものり),紀貫之(きのつらゆき),凡河内躬恒(おおしこうちのみつね),壬生忠岑(みぶのただみね)
◆特徴:優雅で繊細な歌風の歌が多く、「たをやめぶり」と評される。

「古今和歌集(略して「古今集」とも言う)」の“古”は万葉集から後~平安の昔のことを、そして
“今”は選者たちの時代のことを指しています。つまり、「古今和歌集」とは、万葉集の選に漏れた作品から選者たちの時代までの歌をおさめた歌集…という意味になるわけです。
“勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)”とは、天皇の命により編集された和歌集という意味。
古今和歌集は、醍醐天皇(だいごてんのう)の命により編集されたとされます。
その特徴は、「たをやめぶり」と表現される、優雅で繊細な歌風にあり、掛詞(かけことば),
序詞(じょことば),縁語(えんご),枕詞(まくらことば)といった表現技法が多く使われています。
ここが、万葉集との対比点として良く挙げられるところです。
代表歌人には、選者の四人の六歌仙(ろっかせん)と評された6人の優れた歌人が有名です。
☆六歌仙:在原業平(ありわらのなりひら),小野小町(おののこまち),僧正遍昭(そうじょうへんじょう),文屋康秀(ふんやのやすひで),喜撰法師(きせんほうし),大伴黒主(おおとものくろぬし)
六歌仙の他には、現在学問の神様として知られる菅原道真(すがわらのみちざね)や、清少納言の父親である清原元輔(きよはらのもとすけ)などもいます。

3.土佐日記(とさにっき)
◆成立:平安時代
◆作者:紀貫之(きのつらゆき)
◆ジャンル:日記文学
◆序文:男もすなる日記というふものを、女もしてみむとて、するなり。
◆特徴:日本最古のかな書きの日記文学。
作者の紀貫之が、土佐(現在の高知県)の国司としての任期が満ちて、都へ帰るまでの旅路を日記として書き記したもの。この作品が文学史上高い評価を受けている理由の一つに、「かな書きにより思うことを自由に書き記し、日記文学という新しいジャンルを築いた」ことにあります。
国風文化の中で生み出されたかな文字は、当初女性が使う文字という風潮が強く、男性は一般的に漢文でものを書き記していたのですが、漢文は表現上の規制が多く(漢詩などを勉強すると良くわかります)、思ったことを自由に書きにくいという欠点がありました。
そのため紀貫之は、自身を女性のように表現することでかな書きの日記を創り出したのです。
そのことは、序文から見て取ることができますね。
(現代語訳:男の人が書くという日記というものを、女である私も書いてみようと思って、書いた)

4.伊勢物語(いせものがたり)
◆成立:平安時代
◆ジャンル:歌物語
◆特徴:①「昔、男…」という書き出しで始まる話が多い。
②百二十五段(百二十五話)の話の一つ一つに、必ず一種以上の和歌が
詠み込まれている(だから“歌物語”という)。
③主人公は、六歌仙の一人の在原業平ではないか、と言われている。
①成立は平安時代である(他の有名な作品が文中に出ていて、同じ年代のものを選べと聞かれる)
②歌物語というジャンルである(このジャンルでは他にあまり有名なものがない)
③主人公が在原業平らしいくらいを押さえておけば、入試レベルとしては十分な知識といえるでしょう。とはいえ、伊勢物語は文学としての完成度も高く、特に男女の愛情にまつわる話などは中,

5.蜻蛉日記(かげろうにっき)
◆成立:平安時代
◆作者:藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)
ポイントとしては、上に書いたように成立年代と作者を押さえておけばOK。
後、もう一つポイントを挙げるとすれば、この後に紹介する『更級日記(さらしなにっき)/菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)』と混同しないように…というくらいでしょうか。
作品の内容としては、夫の浮気性に悩む作者の、女性としての苦しみや悩みを書き綴ってあり、
自己の苦悩を見つめることによって人生の真実を追究しようとしたことがうかがえるものとなっています。

4.平安時代作品紹介編Ⅱ
年表で紹介した作品について、簡単に内容を解説しておきます。
作品ごとの、大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

6.枕草子
7.源氏物語
参考.「をかし」と「あはれ」の違い
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:12:47 | 显示全部楼层
6.枕草子(まくらのそうし)
◆成立:平安時代
◆作者:清少納言(せいしょうなごん)
◆ジャンル:随筆(ずいひつ)
◆序文:春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の
細くたなびきたる。
◆特徴:身の回りの出来事を、鋭い観察眼と豊かな感受性で書きつづった良作。
特に、当時の宮廷人の美意識を「をかし」の理念で書き表したことで知られる。

三大随筆の一つとしても知られ、平安時代の代表作品の一つですね。
▼「清少納言(せいしょうなごん)」はどんな人物だったか?▲知っている人も多いかもしれませんが、そもそも“清少納言(せいしょうなごん)”という名前は本名ではなく、今でいうところのアダ名みたいなもののようです。その由来は諸説あるようですが、彼女の家が“清原家”だったことから、清原の“清”に“少納言”という官位がつけられて後世に伝えられたようです。
清原家は学者を多く排出した家系として知られ、父親の清原元輔(きよはらのもとすけ)は『後選和歌集』という勅撰和歌集の選者として知られています。元輔の娘として生まれた彼女は、平安時代の女性としてはめずらしく古典的教養の世界に興味を持ち、その知識を深めていきます。当時、古典や漢文は男性に求められた教養であり、その意味で清少納言が男の学問にばかり興味を示すことに元輔たちはあまりいい顔をしていなかったと想像されますが(笑)、学問に優れた彼女は、当時摂関政治により勢力を誇っていた藤原氏の娘である中宮定子(ちゅうぐうていし)にいわゆる家庭教師的な立場として仕え、活躍しました。中宮定子の“中宮”とは当時の女官の官位の一つであり、皇后の次に高い位。要は、天皇陛下の奥方たちのNo.2に仕えたわけですね。

▼「枕草子」とはどんな作品なのか?▲
「枕草子」は、清少納言が宮廷生活の中で心に残ったできごとなどを、感じたままに書きつづったものであると言われています。感じたままに書きつづるというのは実はとても大変な作業であり、それが後世に残る名作としての力を持ったということから、清少納言の文筆能力は相当高かったのでしょうね。
作品は約300の章段で構成されており、内容的には主に次の3つにわけられるようです。
類纂的章段(るいさんてきしょうだん),,,,,,「ものづくし」の段とも言われ、自然や人の世の出来事を特色によって集め表現したもの。
随想的章段(ずいそうてきしょうだん),,,,,,自然や人の世の出来事の美的世界を描いたもの。
回想的章段(かいそうてきしょうだん),,,,,,宮仕え生活を回想しながら描いたもの。
「枕草子」の中で最も重要視されている美的感覚「をかし」は、当時の宮廷人が感覚的に理解していたものを的確に言葉で表現したとされ、この作品の内容上の特色として特に知られています。(※「をかし」,,,,,口語訳では「しみじみとした趣がある。風情がある」などと訳されます。)

7.源氏物語(げんじものがたり)
◆成立:平安時代
◆作者:紫式部(むらさきしきぶ)
◆ジャンル:物語文学。今で言う小説。
◆序文:いづれの御時にか、女御,更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごと
なききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
◆特徴:世界最古の長編小説と言われ、全54巻からなる大作。構想が雄大で特に人間関係や心理描写が精緻であることで知られ、作品全体に渡って流れる「もののあはれ」の情趣は、枕草子の「をかし」の理念とよく対比される。
こちらも、「枕草子」と並んで必ず覚えておくべき平安文学の一つ。
これは、「枕草子」の方が一話一話が短くわかれており出題しやすいこと、テーマがわかりやすいこと、表現が「源氏物語」に比べて比較的平易であることなどがあるのでしょうね。
▼「紫式部(むらさきしきぶ)」とはどんな人だったのか?▲
「紫式部(むらさきしきぶ)」も、これは本名ではありません。一説によると、(1)「源氏物語」のヒロインの“紫の上”の“紫”に、(2)父や兄の官位である“式部丞(しきぶのじょう)”を組み合わせたものだ、と言われています。彼女も清少納言同様、学者肌の家系に生まれ、文学,学問に恵まれた環境の中で育ちました。生きた時代も清少納言と同時期であり、中宮彰子(ちゅうぐうしょうし)に仕えることになります。「源氏物語」は宮中に出仕(≒今で言う就職)する前から書いていたようですが、これが宮中の女官たちの間で大ヒットし、紫式部はその名を広く知られるようになりました。
その教養の深さ,女官としての立場などから、当時清少納言のライバルと目されていたようです。
▼「源氏物語」とはどんな作品だったのか?▲
「源氏物語」を読んだことがなくても、主人公「光源氏(ひかるげんじ)」の名前を知っているという人は意外と多いのではないでしょうか。作中では、輝くばかりに美しいと表現されており、そこから=光る君となり、そこに天皇陛下から賜った源氏という姓により“光源氏”と呼ばれるようになったようです。
光源氏の母親は、「源氏物語」の冒頭で述べられている通り、天皇陛下に仕えた女官の中でも身分が低い方でした。そんな身分の低い女性が、たまたま天皇陛下の目にとまり、寵愛され、子どもが出来てしまったわけです。源氏の母親(=桐壺更衣:彼女を寵愛した天皇が桐壺帝といい、更衣とは女官の官位の一つからそう呼ばれた)は、天皇陛下の周りにいた、たくさんの女官たちの恨みを買うことになってしまい(逆恨みですが)、心労のあまり若くして病死してしまいます。
幼くして母親と死別した光源氏は、以後自分の母親の影を追い続けて、数多くの女性たちと関係を持ちました。現代人の感覚からすると、マザコン(笑)で女性にだらしのない人物に見えてしまう部分がありますが、それでもなお愛すべき人物として伝えられるのは、女性に対しての一途さと、晩年の苦悩に垣間見える後悔の姿からなのでしょうか(むろん、イイ男だったということも大きく影響しているのでしょうが)。
「源氏物語」という作品の魅力は、私がここでクドクドとお伝えするよりも実際に読んだ方が良くわかる。
とはいえ、原作の古典を中,高校生の方が読もうとしても、十中八九挫折するでしょう(笑)。かくいう私も、高校時代にチャレンジしましたが、光源氏が生まれる前で挫折しました(恥)。
そこで私がオススメするのは、「あさきゆめみし」です。「源氏物語」を原作としたマンガの中で最もオススメのこの一作!

★をかしとあはれの違いについて★
上でも解説しましたが、「枕草子」と「源氏物語」はその美的感覚,理念について次のような対比をされています。
「枕草子」:“をかし”の文学
「源氏物語」:“あはれ”の文学
“をかし”と“あはれ”は、口語訳してしまうとどちらも「しみじみとした趣がある」「風情がある」というように訳されてしまいますが、言葉の奥に秘められた意味には次のような違いがあるんですね。
“をかし”,,,,,,対象を客観的,批判的に観察し、とらえた結果に対して優れていると判断される
ものを賞美する気持ち。
“あはれ”,,,,,,嬉しいにつけ、悲しいにつけ、心の底に深くわき起こるしみじみとした感動。

ちょっと乱暴なわけ方ですが、“をかし”は理性的,理論的に感じた美しさ,素晴らしさを表現するのに対し、“あはれ”は理屈でなく感動したことを表現する言葉である…と考えるとわかりやすいでしょうか。
実際に、「枕草子」の序文などを見てみると、春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。とあります。「春の夜明けは、だんだんと(夜が明けて)白くなっていく山の端が…(略)素晴らしいのよ」というように、理論的に春の夜明けのどこが美しいかを語っているわけですね。逆に、「源氏物語」はどこがどうと例は挙げられませんが、光源氏を中心とした人間関係の愛憎劇を通して人を愛することの素晴らしさ、悲しさなどを書きつづったもので、その卓抜した心理描写の中に当時の宮廷世界の美しさを表現していると考えられるわけです。“をかし”も“あはれ”も、どちらも平安貴族の代表的な美的感覚,理念であったわけですが、このように異なる切り口から自分の文学世界を展開していったところに、「枕草子」と「源氏物語」、「清少納言」と「紫式部」が比較される理由が見られるということになります。

4.平安時代作品紹介編Ⅲ
年表で紹介した作品について、簡単に内容を解説しておきます。
作品ごとの、大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

8.更級日記(さらしなにっき)
◆成立:平安時代
◆作者:菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)
受験テクニックとしては、「蜻蛉日記」の作者である藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)と混同しないように…というくらいで十分でしょう。
更級日記について、簡単に内容に触れておきましょう。
この作品は、作者の菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が、少女時代から老境までの約40年間の人生を回想した日記文学です。
物語の世界にあこがれた夢多き少女が、両親の生きざまや結婚生活など、厳しい社会生活を通していくうちに世の中に幻滅し、仏にすがり来世を願うまでをつづっています。
9.今昔物語集(こんじゃくものがたり)
◆成立:平安時代
◆ジャンル:説話集(せつわしゅう)
◆特徴:総数1000余にのぼる説話が収められており、各説話は最初が「今は昔」
ではじまるという特徴を持つ。
書名の「今昔」は、出だしが「今は昔」ではじまることに由来するのは、一目瞭然ですね。
「今昔物語“集”」の“集”を書かず、「今昔物語」とする言い方もわりと一般的ですが、正確には「今昔物語集」の方が正しいそうです。
余談ですが、今昔物語の巻二九ノ一八に“羅生門の上の層に登りて死人を見たる盗人の語”という話がありますが、これを基にしたお話が芥川龍之介の「羅生門」だったりします。
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:13:22 | 显示全部楼层
10.大鏡(おおかがみ)
◆成立:平安時代
◆ジャンル:歴史物語
◆特徴:1.当時の藤原氏の摂関政治を批判的に描いたことで知られる。
2.同時代の歴史物語である「栄花物語(えいがものがたり)」と良く比較される。(「栄花物語」は藤原道長の栄華をたたえた物語で、摂関政治に肯定的な内容である)
3.「大鏡」を含め、「今鏡(いまかがみ)」「水鏡(みずかがみ)」「増鏡(ますかがみ)」という四つの歴史物語をあわせて“四鏡(しきょう)”という。
大鏡についても、高校入試レベルではそれほど多くを知っておく必要はないかな、という気がします。
出題傾向としては、
1.他の平安時代の作品を古文で出題しておいて、「同じ時代のものを選べ」という問題。
2.「大鏡」あるいは「栄花物語」を出題し、これと反対の特徴を持つ作品を答えよ、という問題。などが多いでしょうか。
『「四鏡」を成立年代順に並び替えなさい』、という問題ですね。
「四鏡」は、上の入試でのポイントの3.で書いていますが、「大鏡」「今鏡」「水鏡」「増鏡」の“鏡”が付く歴史物語四部作を指します。

11.山家集(さんかしゅう)
◆成立:平安時代
◆作者:西行(さいぎょう)
◆ジャンル:個人歌集
作者の西行と、成立年代の平安時代をおさえておけば十分ではないかと思います。
作者の西行は、もともと鳥羽上皇に仕えていた武士でしたが、23歳という若さで出家し、その後の生涯を旅のうちに過ごした人物として知られています。
「山家集」に収められた歌は、清澄で飾り気のない心の感動を歌っているとされ、自然を愛し、旅に一生を送った西行の人間性がうかがわれるものといわれます。

5.鎌倉,室町時代年表編
鎌倉,室町時代は、いわゆる「武士の時代」です。
平安時代末期の、平家,源氏の源平合戦から、鎌倉幕府の成立、足利氏の台頭~室町幕府の成立まで、この時代は戦乱の絶え間ない
殺伐とした時代でした。
そうした時代背景から、鎌倉,室町時代の文学は、大きく次のようなポイントがあげられます。

1)戦乱の激化,長期化から、現実の世の中はどんどん荒れていってしまった。そのため、あの世,来世へのあこがれなどから仏教が民間へ広がり始め、仏教的無常観(この世のものは一つとして同じものはなく、変化し続けている。永久不変のものが存在しない世の中では、人生の栄華をどれほど誇ったところで、いつか人は死ぬ。人生ははかなく、むなしいものなのだろう…というような考え方)を根底に持った文学が出現した。

2)一方で、戦乱を通して武士の生き様を描いたいわゆる「軍記物語」も出現した。
作品や作者についての解説は、次以降のページで行います。
ここでは、ひとまず鎌倉,室町時代の主要な作品はこんなものがあるのか~という感じで眺めておいてください。


時代 作品と作者(編者) その他 鎌倉時代
1210年?
新古今和歌集
(しんこきんわかしゅう)
藤原定家(ふじわらのていか,
さだいえ)
勅撰和歌集の一つ。
多彩な表現技法が使われた歌が多いことで知られる。万葉集,古今和歌集とセットで覚えておくこと。
1212年?
方丈記
(ほうじょうき)
鴨長明(かものちょうめい,ながあきら)
三大随筆の一つ。人生の無常をテーマに書かれた。
1213年?
金槐和歌集
(きんかいわかしゅう)
源実朝(みなもとのさねとも)
出題率はそれほど高くない。
作者が鎌倉3代将軍であることだけ
覚えておこう。
1213年?
宇治拾遺物語
(うじしゅういものがたり)
不明
「今昔物語集」と同ジャンルで鎌倉時代の作品とだけ覚えておけば十分。
1219年
平家物語
不明
「軍記物語」の中で最も出題率が高い。琵琶法師が語り伝えたことでも知られる。
1235年?
小倉百人一首
1262年?
歎異抄
(たんにしょう)
唯円(ゆいえん)
親鸞(しんらん)の話を弟子の唯円が書き記したもの。親鸞は“浄土真宗”の開祖であることは覚えておこう。
1280年?
十六夜物語
(いざよいものがたり)
1330年?
徒然草
(つれづれぐさ)
吉田兼好(よしだけんこう)
もしくは
兼好法師(けんこうほうし)
三大随筆の一つ。仏教的無常観を基調とし、人間生活に対して筆者の視点からの批評,感想などが書き綴られている。
室町時代
1371年?
太平記
高校入試レベルでの出題率は低いが、平家物語と同じく「軍記物語」の一つであることは頭の隅に入れておくと良い。
1400年?
風姿花伝
(ふうしかでん)
世阿弥(ぜあみ)
国語での出題率は高くないが、世阿弥は“能楽(のうがく)”の大成者として歴史上重要な人物なのでおさえておくこと。
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:13:50 | 显示全部楼层
6.鎌倉,室町時代作品紹介編Ⅰ

年表で紹介した作品について、簡単に内容を解説しておきます。
作品ごとの、大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

1.新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)
◆成立:鎌倉時代
◆ジャンル:勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)
◆選者:藤原定家(ふじわらのていか/さだいえ)
藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい/としなり)
西行(さいぎょう)など
◆特徴:古代和歌の最高極致を示しているとされ、従来の掛詞(かけことば),
縁語(えんご),序詞(じょことば)の他、本歌取り(ほんかどり)や
体言止めなど、さまざまな表現技法が駆使された技巧的な歌が多い。
余韻,余情を持たせた華麗な世界観を有し、「幽玄(ゆうげん)」という
芸術観の源流として、文学史上重要な作品の一つとされている。

高校では、古文でも文学史でも大変重要な作品に位置づけられるのですが、中学ではそれほど…
という感じでしょうか。
もちろん、光村図書の教科書では中3でも代表的な歌が載っていますから、無視することはできませんが、
どちらかというと「万葉集」や「古今和歌集」の方が出題率は高いかな、という気がします。
ひとまず、中学レベルでは
①成立年代:鎌倉時代
②選者:藤原定家
③特徴:表現技法を駆使し、余韻,余情を持たせた歌が多い。
というくらいのことを覚えておけば十分でしょう。
逆に、高校生で古文を習っている人は、新古今和歌集に掲載されている和歌は、さまざまな表現技法を
凝らしたものが多く、古文の学習上とても重要なものとなっています。
文学観も大変特徴的で、覚えるべきことがたくさんある超重要文学作品であるといえます。
2.方丈記(ほうじょうき)
◆成立:鎌倉時代
◆ジャンル:随筆
◆作者:鴨長明(かものちょうめい/ながあきら)
◆序文:ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかた
は、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世中にある人
と栖(すみか)と、またかくのごとし。
◆特徴:無常観(むじょうかん…世の中は常に同じであるものは一つとしてない、
永遠に続くものなど何もないのだ、という考え方)を基本として書かれた、
自己を深く見つめた随筆。

三大随筆の一つとして知られる、鎌倉時代の代表作品の一つ。
他の三大随筆の「枕草子」「徒然草」に比べると、中学~高校入試レベルではちょっと目立たないかな?
という感じですが、それでも重要な作品の一つには違いありません。
三大随筆は、三作セットで覚えておきましょう。
◆『方丈記』と鴨長明について
『方丈記』の作者である鴨長明は、もともと下鴨神社(しもがもじんじゃ)の神官の家の生まれです。
若い頃は琵琶や和歌など、芸道に精進したらしく、『千載和歌集(せんざいわかしゅう)』という勅撰和歌集
にも歌を収めていますし、後鳥羽上皇の恩顧を受けて和歌所(勅撰和歌集を編纂する際に臨時に置かれた
役所のようなもの)にいたこともありました。
ところが、長明はもともと神社の家柄の出身ですから、神官になろうともしていたようなのですが、
結局その望みは絶たれてしまいます。その後、彼は上皇に和歌15首を奉ると和歌所から姿を消し、そのまま
出家してしまいました。(なぜ神官の家柄なのに出家…仏門に入るのだ!と思うのは私だけ?)
以後は、隠者としての生活を送りますが、出家しながらも世俗での出世に未練があったらしく、源実朝
の歌の相手役を志して失敗するなどの後日談も残されています。
『方丈記』は、鴨長明のそうしたさまざまな人生経験を一つの随筆としてまとめあげた作品なのです。
3.宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)
◆成立:鎌倉時代
◆ジャンル:説話集
◆特徴:今昔物語集と同様、「今は昔」などの書き出しで始まる197の説話が収められて
いるが、その内80余話は『今昔物語集』と同様のものである。
仏教説話のほかに、「鬼に瘤(こぶ)とらるる事」、「雀報恩事(すずめほうおんの
こと)」など、現代にも伝わる民間説話なども収められている。
『宇治拾遺物語』は、中学~高校入試レベルでは正直出題率は低いです。
出題傾向を見てみると、
①『宇治拾遺物語』と同じジャンルの作品を選べ。(→答えは『今昔物語集』が多い)
②『宇治拾遺物語』と成立年代が同じ作品を選べ。
というものが圧倒的。よって、成立年代とジャンルを確実におさえておけば十分かと思います。
(もちろん、作品名は当然覚えてくださいね)
6.鎌倉,室町時代作品紹介編Ⅱ

年表で紹介した作品について、簡単に内容を解説しておきます。
作品ごとの、大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

4.平家物語(へいけものがたり)
◆成立:鎌倉時代
◆ジャンル:軍記物語(ぐんきものがたり)
◆序文:祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常(しょぎょうむじょう)の響きあり。
娑羅雙樹(しゃらそうじゅ)の花の色、盛者必衰(じょうしゃひっすい)の理(ことわり)を
あらはす。おごれる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし。たけき者も遂には
滅びぬ……(略)。
◆特徴:平安期に藤原氏を追い落とし、一時期は隆盛を極めながら短い間に没落していった
平家一門の栄枯盛衰を描いた物語。琵琶法師(びわほうし)が語り伝えたという
ことでも有名である。

中学レベルでもきちんとおさえておいて欲しい作品の一つ。
文学史だけでなく、古文の出題でも比較的よく使われる作品ですので、光村図書など教科書で習っている
人は、内容もそれなりにおさえておいた方が良いでしょう。
平家物語は、その内容をおよそ3部の構成にわけることができ、それぞれ主人公が異なります。
第1部:平清盛(たいらのきよもり)が主人公。
平清盛といえば、平家一門の中でも太政大臣まで登りつめた、歴史上の重要人物の一人ですね。
第1部は、彼を主人公とし平家一門の栄華を中心としたお話になります。
第2部:木曽(源)義仲が主人公。
木曽(源)義仲は、中学校の歴史ではあまりスポットライトが当てられる人物ではありませんが、
武人としては大変優秀な人物で、平家一門を都から追い出した、ある意味歴史を動かした人物と
いえます。ただ、言動や立ち居振る舞いに都の貴族の考え方に合わない粗野な部分があり、
最終的には味方にまで見放された悲しい男でもありました。ちなみに、義仲に最後まで付き添った
女性に、巴御前(ともえごぜん)という人物がいます。聞いたことあります?
第3部:源義経(みなもとのよしつね)が主人公
歴史好きの人なら聞いたことがあるでしょう、一谷から壇ノ浦の合戦の部分が収められています。
最終的に、兄の頼朝(鎌倉幕府の初代将軍ですね)に裏切られ、悲劇の道を歩まされるくだりも
収められており、「判官都落(はんがんのみやこおち)」などは有名なエピソードの一つですね。
冒頭文にある、「諸行無常,盛者必衰」の仏教的な価値観が、これらの3主人公の生涯を通してはっきりと
あらわされているのが特徴です。
(平清盛は太政大臣まで登りつめながら源氏に破れ死亡、木曽義仲は平家を都から追い出し一時期は
将軍の位まで授けられながら最後は味方に見放され死亡、源義経も平家を滅ぼす活躍を見せながら
兄の頼朝とうまくいかず、権力争いに破れ死亡…と“盛りをむかえた者も必ず衰える”という
思想がそのまま当てはまっているわけです)
また、文学作品としての特徴はこれだけでなく、平家滅亡~鎌倉幕府の成立までの流れとして、
王朝的な貴族世界(→平家は武門の出身でありながら貴族を目指した)を打破し、自らの生きる道を
力強く切り開く東国武士(→源氏)の行動的な姿と現実的な倫理とを、多くの合戦を通して生き生きと
描いていることも重要です(=だから軍記物語)。
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:14:11 | 显示全部楼层
5.徒然草(つれづれぐさ)
◆成立:鎌倉時代
◆ジャンル:随筆
◆作者:兼好法師(けんこうほうし)
もしくは吉田兼好(よしだけんこう)※基本的にはどちらでも良い。
◆序文:つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を
そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
◆特徴:仏教的無常観を中心とし、人間生活のさまざまなことに対する批評,感想,
伝聞などが述べられている。

三大随筆の一つとして知られる、鎌倉時代の代表作品の一つ。
他の三大随筆の「枕草子」とともに高校入試の古典文学史分野ではかなりの高出題率となる重要作品です。
「枕草子」「方丈記」と一緒に、三作セットで覚えておきましょう。
◆『徒然草』と吉田兼好について
作者の吉田兼好は、本名を卜部(うらべ)兼好といいます。
卜部氏は神祇官に奉仕し、平安朝以来、京都の吉田神社の社務を継いでいました。
(吉田兼好の“吉田”はここに由来しています)
19歳の頃、六位の蔵人として天皇側近に奉仕し、この時期にさまざまな知識を得ました。
その後官を辞して出家した兼好は、以後隠遁生活を送ることとなります。
『徒然草』は、その当時の超知識人,教養人であった吉田兼好の代表作であり、その人生体験,学問から
得た自然や人生の観察,批評,論説などを筆の進むままにまかせて自由に書いたものであり、内容的には
他に類を見ないほどの多様性を持った作品であるとされています。
6.風姿花伝(ふうしかでん)
◆成立:室町時代
◆ジャンル:能楽書
◆作者:世阿弥(ぜあみ)
◆特徴:父観阿弥(かんあみ)の教訓をもとに、世阿弥が書き記した能の稽古の心得。
観阿弥,世阿弥父子は能楽の大成者として名を残す歴史上の重要人物。

7.江戸時代年表編


1603年、徳川家康(とくがわいえやす)による江戸幕府の成立により、鎌倉~室町時代にかけて続いてきた長い戦乱の時代は、
ひとまず終わりを告げます。
以後、1867年の大政奉還にいたるまで、日本は江戸幕府という強固な政治基盤を持ち、大きな戦争のない、安定した平和な時代が
続きました。

平和な時代の到来により、江戸時代は商工業が盛んになり、大きな財産を持つようになった町人,商人階級は娯楽としての新しい
文学を生み出していくことになります。
江戸時代の文学について、大きな特徴は次の通りです。


1)町人が中心となった文化。

2)江戸時代の文化は、前期は上方(京都,大阪)を中心とした元禄文化、後期は江戸を中心とした化政文化に
大別される。

3)盛んになった文学,文芸としては、「仮名草子」、「浮世草子」、「俳諧」、「浄瑠璃」、
「歌舞伎」などが挙げられる。
また、学問として江戸幕府より官学と定められた「朱子学」や、「陽明学」などの中国に由来する学問や、
逆に日本古来のものを尊重しようとする「国学」などが盛んになったことも忘れてはいけない。

4)代表的な人物としては、
浮世草子…井原西鶴(いはらさいかく)
俳諧…松尾芭蕉(まつおばしょう)、与謝蕪村(よさぶそん)、小林一茶(こばやしいっさ)
浄瑠璃…近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
国学…本居宣長(もとおりのりなが)
などが挙げられる。



作品や作者についての解説は、次以降のページで行います。
ここでは、ひとまず江戸時代の主要な作品はこんなものがあるのか~という感じで眺めておいてください。


時代
作品と作者(編者)
その他
江戸時代
1596~1624?
伊曾保物語
(いそほものがたり)
不明
イソップ物語の翻訳本。
西洋文学最初の翻訳本として知っておこう。
1682
好色一代男
(こうしょくいちだいおとこ)
井原西鶴(いはらさいかく)
国語よりも歴史での出題率が高い
1685
野ざらし紀行
松尾芭蕉(まつおばしょう)
松尾芭蕉の作品の一つとして、作品名だけおさえておけばOK
1688
日本永代蔵
(にほんえいたいぐら)
井原西鶴(いはらさいかく)
国語よりも歴史での出題率が高い
1689
奥の細道
松尾芭蕉(まつおばしょう)
いわずと知れた松尾芭蕉の代表作。ジャンルの「紀行文」という言い方も覚えておくこと!
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:14:40 | 显示全部楼层
1692
世間胸算用
(せけんむなざんよう)
井原西鶴(いはらさいかく)
国語よりも歴史での出題率が高い
1703
曾根崎心中
(そねさきしんじゅう)
近松門左衛門
(ちかまつもんざえもん)
国語よりも歴史での出題率が高い
1704
笈の小文
(おいのこぶみ)
松尾芭蕉(まつおばしょう)
松尾芭蕉の作品の一つとして、作品名だけおさえておけばOK
1715
国姓爺合戦
(こくせんやかっせん)
近松門左衛門
(ちかまつもんざえもん)
国語よりも歴史での出題率が高い
1716
折焚く柴の記
(おりたくしばのき)
新井白石(あらいはくせき)
江戸時代の改革者の一人で、朱子学者でもある。作品が聞かれることはめったにないが、新井白石が何をした人かは、必ず覚えておくこと!
(貨幣の質を向上させた、長崎貿易を制限した)
1768
雨月物語
(うげつものがたり)
上田秋成(うえだあきなり)
短編怪奇小説としては、江戸時代では最高傑作といわれる作品。
1777
新花摘
(しんはなつみ)
与謝蕪村(よさぶそん)
1790
古事記伝
(こじきでん)
本居宣長(もとおりのりなが)
国学者本居宣長の代表作。古事記の注釈書であり、宣長の国学思想の基礎をなすものとされる。
1795
玉勝間
(たまかつま)
本居宣長(もとおりのりなが)
本居宣長の作品の一つとして、作品名だけおさえておけばOK
1796
花月草子
(かげつぞうし)
松平定信
(まつだいらさだのぶ)
寛政の改革を行った老中。
作品名が聞かれることはめったにないが、歴史上の重要人物なので、名前と寛政の改革の内容はきちんと覚えておくこと!
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:15:08 | 显示全部楼层
1802
東海道中膝栗毛
(とうかいどうちゅうひざくりげ)
十返舎一九
(じっぺんしゃいっく)
国語よりも歴史での出題率が高い
1814
南総里見八犬伝
(なんそうさとみはっけんでん)
滝沢馬琴(たきざわばきん)
国語よりも歴史での出題率が高い
1852
おらが春
小林一茶(こばやしいっさ)


8.江戸時代作者,作品紹介編Ⅰ

年表で紹介した作者,作品について、簡単に内容を解説しておきます。
大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

1.井原西鶴(いはらさいかく)※浮世草子で有名
大阪の富裕な町家に生まれた。妻を早く失い、諸国を遍歴する。
15歳ごろ俳諧に志し、西山宗因の門に入り活躍。1682年、師である宗因が没すると、
「好色一代男」を刊行、俳諧から浮世草子に転じ、庶民の生活を生き生きと描いた傑作を
多く発表した。
※浮世草子とは?
浮世草子とは、主に井原西鶴の小説および、その流れを汲むもの、また京都の書店
八文字屋から出版された小説のことを指す。
「浮世」は「現実社会」、「草子」は小説の意で、現実社会に題材をとり、町人たちの
日常生活を生き生きと描いたところにその特徴を見出すことができる。
また、「浮世」には「色の世界(≒好色,スケベ)」という意味もあり、西鶴の代表作
である「好色一代男」などの作品がこの系統にあたる。
<井原西鶴の代表作>
①好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)
成立:江戸時代
ジャンル:浮世草子
内容:富豪と遊女の間に生まれた世之介(よのすけ)の、7歳から60歳まで54年間
にわたる好色生活を描いたもの。
「源氏物語」の俳諧化といわれ、浮世草子の第一作目。町人文学を確立した
作品である。
②日本永代蔵(にほんえいたいぐら)
成立:江戸時代
ジャンル:浮世草子
内容:物欲に執着する町人の現実を取材し、その知恵,才覚による成功談と失敗談
を30編につづった作品。
③世間胸算用(せけんむねさんよう/せけんむなざんよう)
成立:江戸時代
ジャンル:浮世草子
内容:副題に「大晦日(おおみそか)は一日千金」
20編あり、いずれも大晦日の町人社会の事件を取り扱い、京都,大阪,
堺,長崎の総決算における町人の悲喜こもごもの知恵比べを描いた作品。

2.近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)※浄瑠璃で有名
本名、杉森信盛(すぎもりのぶもり)。
淀藩士の家に生まれたが、父が浪人の身となり京都に転居した。
当初歌舞伎(かぶき)の狂言作りで名を高めたが、その後浄瑠璃(じょうるり)の世界に
専念するようになり、「曽根崎心中(そねざきしんじゅう)」で脚本家として大当たりする。
義理(社会生活上守らなければならない規範)と人情(人間に自然に備わる情愛)の間で
ゆれ惑う男女の恋愛,人間性を美しく描いた作品を数多く残したことで有名。
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:15:36 | 显示全部楼层
<近松門左衛門の代表作>
①曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
成立:江戸時代
ジャンル:浄瑠璃
内容:醤油屋平野屋に勤める徳兵衛(とくべえ)は、お初という女性と深い仲に
なり、主人の妻の姪との結婚を断わる。
その後、必要な金子(きんす…お金のこと)を悪友九平次にだまし取られ、
その上恥をかかされ窮地に立った徳兵衛は、お初とともに曽根崎天神の森で
情死する。
②国性爺合戦(こくせんやかっせん)
成立:江戸時代
ジャンル:浄瑠璃
内容:明(みん…中国の王朝の一つ)の遺臣鄭芝龍(ていしりゅう)と日本
婦人との間に生まれた和藤内(わとうない…後の国性爺)が、明国の
再興をはかる物語。
8.江戸時代作者,作品紹介編Ⅱ

年表で紹介した作者,作品について、簡単に内容を解説しておきます。
大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

特にここでは、江戸時代の俳諧で有名な3人の人物(松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶)を
紹介しておきます。入試では、俳風の違いを特徴としてとらえられているかを問う問題がよく見られますので、
きちんとおさえておくようにしてください。

では、まずは松尾芭蕉から。

1.松尾芭蕉(まつおばしょう)※俳諧を芸術の域まで高めた
江戸時代中期の俳人。
旅を通して人生の真実をうたい、俳諧を芸術の域まで高めた人物として知られる。
芭蕉の俳風を「蕉風(しょうふう)」といい、「さび」「しをり」といった言葉に代表される、
閑寂な世界観,芸術性を求めた。
後年、旅に生きた彼は、各地を行脚する中でさまざまな作品を残した。
元禄7年5月、旅の途中大阪で病に倒れ、その生涯を終える。
(辞世の句:旅に病んで夢は枯野をかけめぐる)

<松尾芭蕉の代表作>
①奥の細道(おくのほそみち)
成立:江戸時代
ジャンル:紀行文(きこうぶん)…俳句集でないことに注意!
序文:月日は百代(はくたい)の過客(くわかく)にして、行きかふ年も
また旅人なり。
松尾芭蕉を語る上で絶対に外すことのできない代表作中の代表作といえる。
中学生に多い間違いとしては、「松尾芭蕉は俳諧(俳句)で有名な人物」という
思い込みから、「奥の細道=俳句集」と考えてしまう人が多いことだがこれは間違い!
奥の細道は、松尾芭蕉が弟子の河合曽良(かわいそら)とともに、関東、奥羽、北陸の
各地を旅して巡った際のようすを書き記したものといわれている。
イメージとしては、旅の日記のようなものを想像してもらえばよいだろう。
その日記の中に、51句の俳句が書き記されているが、全体的に松尾芭蕉の円熟期
を代表するものと評されている。
(代表的な俳句)
閑かさや(しずかさや)岩にしみ入る蝉の声
五月雨(さみだれ)の降りのこしてや光堂(ひかりだう)
夏草や兵(つはもの)どもが夢の跡
五月雨(さみだれ)をあつめてはやし最上川

②野ざらし紀行(のざらしきこう)
成立:江戸時代
ジャンル:紀行文(きこうぶん)
芭蕉が門人の苗村千里(なえむらちり)を従えて江戸を出発。東海道行脚の後、
近畿を遍歴し、木曽路を経て江戸に帰った際の紀行文。
③笈の小文(おいのこぶみ)
成立:江戸時代
ジャンル:紀行文(きこうぶん)
江戸を出発し、伊賀,芳野,和歌浦,明石を旅したときの紀行。芭蕉の人生観と
ともに、俳諧感がはっきりと述べられている作品である。
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 楼主| 发表于 2009-7-12 11:15:56 | 显示全部楼层
④更科紀行(さらしなきこう)
成立:江戸時代
ジャンル:紀行文(きこうぶん)
(『笈の小文』の旅の帰途)、芭蕉が越智越人(おちえつじん)らと木曽路を経て更科の
月をながめ、善光寺に詣でた後、江戸に帰るまでの前後10ヶ月の紀行。
半年後の『奥の細道』の旅の心構えを整える旅として意義深いものとなった。

8.江戸時代作者,作品紹介編Ⅲ

年表で紹介した作者,作品について、簡単に内容を解説しておきます。
大事な特徴などはしっかりとおさえておきましょう。

特にここでは、江戸時代の俳諧で有名な3人の人物(松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶)を
紹介しておきます。入試では、俳風の違いを特徴としてとらえられているかを問う問題がよく見られますので、
きちんとおさえておくようにしてください。

次は、与謝蕪村と小林一茶です。

2.与謝蕪村(よさぶそん)※画家でもあり、絵画的,写実的な俳風が特徴。
20歳の頃江戸に出て、夜半亭早野巴人に指示し俳諧を学んだ。
36歳で京に帰り、画作に精進する一方、俳人としても名を成し、天明俳諧の中心となった。
俳風は、古典や歴史に素材,構想を求め、客観的態度で絵画的な印象鮮明な句を詠んだ。

<与謝蕪村の代表作品>
①新花摘(しんはなつみ)
成立:江戸時代
ジャンル:句集
内容:前半には亡き母追善のために作った発句135句を、後半には壮年期の放浪時代を
回想した随筆風の俳論,俳文を収める。
②蕪村句集
成立:江戸時代
ジャンル:句集
内容:蕪村の門人几菫が、蕪村の一周忌追善のため、遺句から秀句868句を選び、
四季別に編集したもの。蕪村の句の特徴である叙景性、離俗性がよく表れ
ているとされる。
3.小林一茶(こばやしいっさ)※農家の生まれで、弱者への同情や人間味を持った句を詠んだ。
信濃国柏原村の農家の生まれ。
幼くして生母に死別したため、少年期継母に育てられたが、家庭内不和のため15歳の春
に江戸に出て俳諧を学んだ。その後は諸国を放浪し、俳諧修行に励む。
父没後は異母弟との間に遺産争いが続くが、晩年は郷里に安住した。
俳風は飄逸(ひょういつ)で、自由に方言や俗語を用い、感情体験に基づいた弱者への
同情や人間味を持った句を詠んだことで知られる。

<小林一茶の代表作>
①おらが春
成立:江戸時代
ジャンル:句文集
内容:一茶57歳の一年間の身辺の事実,感想を日記体で書いた句文集。
書名は、巻頭の「目出度(めでた)さもちう位也おらが春」による。
一茶晩年の円熟境を示す作品であるとされる。
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发表于 2010-9-13 00:36:59 | 显示全部楼层
好贴子,谢谢楼主
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发表于 2010-9-29 10:46:54 | 显示全部楼层
很全面啊,很好!
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发表于 2010-9-30 13:33:06 | 显示全部楼层
非常的感谢楼主,谢谢你
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发表于 2010-10-27 14:18:11 | 显示全部楼层
太感谢了,这么好的资料
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发表于 2011-1-12 11:30:12 | 显示全部楼层
LZ太伟大了,无私奉献,三克油!!
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