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[其他] 第3弾「逐次通訳のノートテイキング指導」 日本獨協大学先生の論文

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发表于 2009-11-1 02:44:08 | 显示全部楼层 |阅读模式
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2.1.2 記号や略語を利用した省力的なノート

 記号や略語を使用することによって達成される効果は「省力化」という言葉に集約されるが、その内容には二種類ある。ひとつは、ノートに要する時間を節約すること、もうひとつは起点言語にも目標言語にも属さない表現形式を用いることで言語転換の労力を減らすことである。まず第一の効果としては、記号あるいは略語を用いる記録は全てを文字で表現よりも圧倒的に短い時間で書くことが可能であること、そして記録の時間を減少させることにより、言語理解により多くの注意力を割くことが可能になることが考えられる。特に一つの談話の中で繰り返し出現するキーワードや普遍的に用いられる地名、人名その他の名詞を略語で表すことは非常に有効である。たとえば「ニューヨーク」と片仮名を6文字書き付けるよりは「NY」とすれば単純に考えて3倍早い。次に、言語転換の面から見ると、記号を使って意味の概念化を行うことで、翻訳のステップを半分だけ行う(あるいは起点言語と目標言語の中間に持ってくる)ことができる。具体的な例をあげれば、「export」と聞いてすぐに「輸出」と訳して記録するのではなく、記号「→」を使うことでイメージ化して言語転換の下処理を行う。こうして聴取と訳出の二段階に分けて翻訳を行うことで、一度に使用される脳力資源(ワーキング・メモリ)に余裕を生み出すことができるのではないだろうか。では、以下にさらに詳しくノートの方法について観察していこう。

2.2 ノートの方法

 ここでは、前述の「構造明示」と「省力化」という二大原則にそって、専業通訳者のノートに共通する方策を紹介する。

2.2.1 構造明示の工夫
 文の構造を示すための方略は以下の四項目に大別される。

○縦方向配置 ○行頭の字下げ ○箇条書き ○区切り線

実際の逐次通訳授業での指導状況を見てみよう。

 ・「メモはバーティカルにとって」
 ・「平行して羅列しているところは箇条書きに」
 ・「話題が変わったら横線を引いて」(以上、コングレ・インスティテュート)
 ・「縦方向に書くことが原則」(アイエスエス通訳研修センター)

 最後のアイエスエス通訳研修センターの例では、縦方向にノートする意義を「素早く視線を動かせる」ことにあるとしているが、「ストラクチャーがわかるようにメモをとる」(NHK情報ネットワーク国際研修室)のは、ノートを見た瞬間に訳出すべき全体の構造が見渡せることが条件になるので、視線の移動がスムーズに行えることも一種の構造明示性になると考えてよいだろう。縦に情報の並んだノートは、一度に目に入ってくる情報量が横書きよりも多いことから、訳出の際にまとまった談話の全体を見て取ることが可能なのである。では以下に冒頭の四項目についてひとつずつ説明していこう。
 縦方向に情報を配置するのは、線状に連続して流れてくる言語を切り分ける作業であると言っていいだろう。情報を文節や句で区切って改行しながら書くほうが、原発言を積極的に理解する必要が生じる。なぜなら、聞こえてくる順序通りに横方向に書き連ねていく時には必要でなかった通訳者の思考の参与がなければ、文の切り分けはできないからである。文や談話の構造をとらえ、切り分けながら書き記すことは、原発言をしっかり理解していなければできないし、さらには通訳者のより深い理解をも促進することになる。これによって、情報の最小単位をひとつひとつ理解しながら積み上げるボトム・アップ式の理解が進行していく。
 そして、談話を構成する要素のある程度のまとまりによっては、その配置の位置にも通訳者の理解が反映される。それが行頭の字下げである。一般的に話の主題が示された時点で、ノートの左上にその「大見出し」を示す文字が置かれ、そのトピックに従属する内容説明、意見の主張、事例の紹介等々の「小見出し」は、それよりもやや右よりに書く。さらに小見出しに従属する内容は、より右側に来る。これによって、談話を構成する内容をそれぞれの重要性に基づき、階層的に配置していく。談話構成を明示する重要な要素である接続詞は、やはり左端に記され、前の内容とのリンク関係を明示する。  
  発言中に羅列された情報(人名や国名などが多い)は、やはり縦に箇条書きされて、並列の関係であることが示され、しかも多くの場合に縦線や枠などで並列が強調される。これによって、そこに記されたいくつかの語の間には従属関係がないことが示される。
原稿の棒読みではない自然な話し言葉では、話が一段落ついたところにわずかな沈黙と語気の変化(次に話し始めた文の冒頭で声のトーンが変化すること)がある。これがあることで話が情報過密に陥るのを防ぎ、聞き手が話を理解するための適度な情報の密度が保たれる。通訳者は話のポーズと語気の変化によって、一つのメッセージが終了したことを知り、区切り線を入れる。そして、この区切り線は訳出の際に適当な間を与え、聞き手の理解を促す役割を持つものでもある。以上四項目の条件を備えたノートの形は、一見すると上の図式のような印象を与えるものとなるだろう。

2.2.2 省力化の工夫

 ノートを取ることが通訳者の負担となって、発言のメッセージを理解することが却って妨げられるようでは本末転倒である。このとき時間と労力を省くための工夫として記号や略語が用いられる。記号、略語は使い慣れれば確かに便利なものだが、前述の構造明示性とは異なり、ノートの本質とは言えない。しかし専業通訳者の多くが簡略化したノートを取っていることもあり、多くの学生が記号や略語を駆使することこそノートの秘訣であると考えがちである。記号と略語は、いずれもノートの省力化に役立つものだが、実際には両者には異なる性質があるのではないだろうか。まず、記号はイメージを喚起するものであると思う。よく使われるのは数学記号、○印、×印、矢印、疑問符、感嘆符など、よく知られているものが多い。つまり記号は使いやすく、見やすく、わかりやすいもの(日頃から慣れているもの)を瞬間的な反応で書き記すことができて初めて有効に作用する。受けとった情報があるイメージを与えるものであり、そのイメージを記号として書き記し、そこから訳出時に具体化することができるようにすれば記号は役に立つわけである。しかし、ある情報を受け取った後に、さてどんな記号で表現しようかなどと考えなければならないようでは、全く意味がない。そこで「最初は記号を使おうと焦ってはならない」(鄭)し、「記号の表を作って暗記するなんてことはくれぐれもしないように」(日野)、そして記号を使い始めるには「記号の意味を十分良く知るようになるまで繰り返し練習する必要がある」(西山)のである。
  一方、略語は漠然としたイメージではなく、一義的に訳語を確定できるものに用いる。主に固有名詞を代表することができるので、表を作って暗記することも価値がある。国名、地名、国際機関、その他の固有名詞、あるいは多用される一般名詞をアルファベットの略語で覚えておくとノートを取る際に非常に役に立つ。東南アジア諸国の国名が次々に出てきた時に、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン…、などと慌てて乱雑に書くより、SP、ML、ID、PHとしたほうが落ち着いて楽にノートが取れる。またCOY(会社)、GVT(政府)などの略語も即座に反応できるようによく練習して身につけておくと、ノートの省力化をより促進することが可能である。
  以上の記号、略語には仮に訳しておく一次処理の効果もある。起点言語から目標言語へ転換するための中間地点にある形としても記号、略語の役割を認めることができる。

2.2.3 ノートの道具

 実際の業務でどのような道具を使うか、具体的に紹介している例を見ると、それぞれの通訳者の好みを反映している。自分の使いやすい道具を見つけることも重要だ。
  一般に通訳者がよく使っているものに速記用ノートがある。A5版程度のスパイラル・ノートで、紙面の中央に縦に線が引いてあり、ノートを取る際には左の欄から書き始めて右の欄へ移る形で縦長に使うことができる。日本製のものにはこの形式のノートがほとんどなく、欧米からの輸入である。おそらく欧米系の通訳者から日本の通訳者に広がったのだろう。これを使っている通訳者はかなり多いようだ(『通訳者・翻訳者になる本』1998でもこれを紹介している)。
  今回収集した資料では、机があり座って通訳できる場合と、立って通訳する場合を区別している例があった。座って通訳する場合A4かB5サイズの下からめくれる形のレポート用紙を(塚本、大谷、水野)、縦半分に折って縦長に使う(コングレ・インスティテュート通訳基礎科、『通訳事典'98』)、立って通訳する場合は「手に持ちやすい15×10㎝のもの、ハンディなメモ帳でミシン目の入っているもの」(塚本)、「手のひらに収まる小さなメモ帳」(大谷)を使うことを勧めている。筆者自身は、座って訳す場合も立って訳す場合も主に前述の速記用パッドを使っているが、別にこれでなくては困ると言うことはなく、普通のノートやレポート用紙でももちろんかまわない。最近の業務でためしにB5版レポート用紙を紙面を左右に分けて縦長に使ってみたが、特に問題はなかった。しかし、会議資料や電子辞書、水の入ったグラスなどが置いてある机で広げるには、やや大きくてじゃまな感じもあり、A4ではさらに大きすぎるのではないかと思う。また、立って通訳をする場合、小さすぎるメモ帳は一枚に記録できる情報量が少ない。また、速記用ノートは立ってメモする時には固い表紙が下敷き代わりになって書きやすいのと、紙面が小さすぎないので、見やすい大きさの字が書ける。
 筆記用具に関しては「黒と赤の2色ボールペン(シャープペンシルは芯が折れやすいので避ける)」(塚本)と言う意見がある一方で「鉛筆やシャープペンシルは2、3本用意し手に持っていること。ボールペンは中身がなくなることがあるのでなるべく避ける」(馬越)という意見がある。報告者はこれまで速記用ボールペン(黒・太字)を使っていたが、これも最近の通訳業務で上記の方法を実際に試してみた。いずれにせよ中身がなくなったり芯が折れたりはしなかったが、これまで太字のペンを使ってきたためか、0.5㎜HBのシャープペンシルでは色が薄くて頼りない感じがしたし、一本の芯を使い切る時間が割合に短いように思う。また、鉛筆はすぐに芯が減ってしまう。二色ボールペンを使って「黒で記録し、再生の時は赤で要点を押さえながら訳し、訳し終わったら赤で消す」方法はペンをノックして色を変える作業が煩わしかった。また、数日間にわたって大量にノートを取ると固いタッチのボールペンは手が疲れた。そこで新たに採用してみたのが、0.9㎜のシャープペンシルに2Bの芯の組み合わせである。0.9㎜の「超ロング芯」は折れずに長持ちして、紙へのあたりも柔らかく、筆者愛用の道具になった。 だが要するに、適度な大きさのある紙と、書きやすい筆記具であれば、自分の気に入ったものを探して使うのが一番よい。こうした小道具も気分良く仕事をするための重要な要素となるのである。
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