開花期は種によってばらつきがあるが早いもので3月中旬頃から、遅いもので5月中旬頃までである。ヤマザクラは3月下旬、ソメイヨシノは4月上旬、ヤエザクラは4月中旬、カスミザクラは5月上旬くらいまで花を咲かす。
特にソメイヨシノで顕著であるが、葉が出そろう前に花が咲きそろう。開花期間は特に花見に使われる「ソメイヨシノ」が短く、満開から一週間程度で花が散る。その他、温度や雨が散る散らないの原因になる。花が咲いた後に気温が下がる花冷えが起こると、花は長く持ち、咲いた後に雨が降ると早く散ってしまう。小学校などの校庭には、学生の入学時に桜の花が咲いているようにするため、ソメイヨシノに比べて開花期間が長い八重桜を混植することが多い。
花が散って葉が混ざった状態から初夏過ぎまでを葉桜と呼ぶ。サクラ属の葉の形は多くの物で楕円形であり、葉の端はぎざぎざになっていることが多い。また、葉に薄い細毛が生えるものも少なくない。葉は秋になると紅葉する。
ソメイヨシノの紅葉サクラは木を傷つけるとそこから腐りやすい性質を持つ。この特性から「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺まである。このため、花見の宴会でサクラの木を折る観光客の被害によってサクラが弱ってしまうことが多い。一方、枝が混んできた場合は適切な剪定を行うと樹勢を回復する場合もある。青森県の弘前市ではリンゴの剪定技術をサクラに応用することで同地に生えていたソメイヨシノの樹勢を回復することに成功している。剪定の際は不要な枝を根元から切り取り、その傷口を消毒し保護剤で保護する。
サクラは根から新たな茎が生える種類も多い。(ひこばえとも言う)
エドヒガンやヤマザクラ、オオシマザクラなどは比較的に変性を起こしやすい種であり、このため、園芸技術の発達に伴ってこれらを用いた品種改良が多く行われた。代表的なものはソメイヨシノであり、この種はオオシマザクラとエドヒガン群の特徴を持っている。また、ヤマザクラなどは一枝だけに限って突然変異することもあり、その枝を挿し木や接木にすることによって新たな品種とすることもある。現在、固有種・交配種を含め600種以上の品種が自生している。
日本では日本三大桜がいずれも樹齢千年を超える老古木となっている。健康状態の良い木は年齢を重ねても華麗に花を咲かす。 |