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楼主 |
发表于 2011-2-17 12:13:10
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二月初め、Aはファスナーにかかる電圧の三倍増に成功しました。とにかく、それを試してみたくてたまりません。そんなとき、授業中、隣の席のBがノートの端に「死ね」と書き殴っているのが見えたのです。すっごいビデオが手に入ったんだけどBも見ない?Aは放課後さりげなくBに声をかけました。BはAのビデオに前から興味を持っていたので、話はすぐに盛り上がりました。Bが気を許したところでAは訊ねました。誰か懲らしめてやりたい奴いない?キョトンとするBにAは説明しました。びっくり財布のパワーアップに成功したんだけどさ、まだ試してないんだよね。これってさ、悪い奴を懲らしめるために作ったものだから、実験も悪い奴でやらなきゃ、と思ってさ。Bは当然びっくり財布のことを知っていましたし、全国大会なんてすごいなと思ったこともありました。すぐにBは戸倉先生の名をあげました。しかし、所詮Aなんて道具に頼らなければ何もできない弱虫です。「あいつとは関わりたくないんだよな」などと、自分より強そうな人は即却下です。Bは次に私の名前をあげました。戸倉先生を迎えによこしたと不満の矛先を私に向けたのです。Aはそれも却下しました。二度も同じ手にはひっかからないだろうという理由でした。ひっかかったところで大騒ぎにならないことも了承済みでしたから。そのときBはプールサイドの掃除をしているときに見かけた、愛美を思い出しました。森口の子供はどうだろう?それにはAも乗ってきました。Aも、水曜日の放課後、私が愛美を学校に連れてくるようになったことを知っていました。Bは愛美が一人でプールに入って来たこと、そこで犬に餌を与えていたこと、そして、ショッピングセンターでポシェットをおねだりしていたのに買ってもらえなかったことをAに話しました。ポシェットという言葉にAはピンときました。
翌週の水曜日、AとBが放課後、プールの更衣室に隠れて待ち伏せしていると、愛美が一人でやってきました。まっすぐムクに向かって行き、トレーナーのしたに隠しておいたパンをフェンス越しに与え始めました。その背後からAとBは近づきました。「こんにちは、愛美ちゃんだよね。僕たちママのクラスの生徒なんだ。ほら、このあいだハッピータウンであったとね」まずは、ひとなつっこそうな笑顔でBが声をかけました。愛美は警戒していました。ここに来ていることをママにばらされるのではないかと心配しているのでは、とAは想像し、背中に手を隠したまま、愛想よく話しかけました。犬好きなの?僕たちも好きなんだ。だから時々、こうして、ごはんをあげに来てるんだよ。ムクにごはんをあげてくれているお兄ちゃんたちに、愛美は警戒心を解きました。そこで、Aは背中に隠していたポシェットを愛美に見せました。ママ買ってくれなかったんだよね。もしかして、もう買ってもらった?愛美は首を横に振りました。だよね、だって僕たちママに頼まれて、これを買ってきたんだから。はい、ちょっと早いけど、ママから、バレンタインのプレゼント。Aは愛美の首にポシェットをかけました。ママからと聞いて、愛美はとても嬉しそうな顔をしていたそうです。中にチョコレートが入ってるからかけてごらんよ。Aに促されるまま、ファスナーに手をかけた瞬間です。愛美は声も上げずに、その場に倒れました。夕暮れの中、愛美はピクリとも動きません。Aは「やった」と満面の笑みをうかべ、つぶやきました。Bは目の前で起こったことが信じられませんでした。どういうことだよ、これ。この子、動かないよ。Bは震える声でAに詰め寄りました。みんなに言いふらしていいよ。Aはそう言うと、肩に乗せられたBの手を払い、満足そうな様子で帰っていきました。死んじゃったのかな。一人取り残られたBは恐怖心に襲われ、愛美をまっすぐ見ることができません。ポシェットのわたうさちゃんと目が合いました。これが原因で死んだってばれたら、自分が共犯者だとばれてしまうじゃないか。Bは目を逸らしたまま、倒れたままの愛美の首からポシェットを外し、力任せにフェンスの向こう側に放り投げました。そうだ、プールに落ちたことにしよう。Bは愛美を抱え上げ、冷たく濁った水の中に放り込みました。そして、一目散に逃げだしたのです。あのときは動転していたから、あまり憶えていない。Bは最後にそう付け加えたのですが、ここまで説明できれば充分です。
以上が、愛美の死の真相です。
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