【天声人語041210】
「天地騒々(てんちさわくりかえし)(そうぞう)」の1年(1ねん)と振り返る(ふりかえる)ことができるかもしれない。天(てん)と地(ち)の異変(いへん)が多かった(おおかった)。住友(すみとも)生命(せいめい)が毎年(まいとし)募集(ぼしゅう)している『(()創作(そうさく)四(よ)字(じ)熟語(じゅくご)』())による回顧(かいこ)である。
「台風(たいふう)常陸(ひたち)(じょうりく)」で、10個(10こ)の上陸(じょうりく)を数え(かぞえ)、「家田(いえだ)(かでん)浸水(しんすい)」の被害(ひがい)は大きかった(おおきかった)。大地(だいち)は揺れ(ゆれ)、新潟(にいがた)県中越(ちゅうえつ)地震(じしん)の被災者(ひさいしゃ)はかつてない厳しい(きびしい)冬(ふゆ)を迎えて(むかえて)いる。「接者(せつしゃ)多熊(たぐま)(せっしゃたくま)」も異変(いへん)の影響(えいきょう)か。「風震(かぜしん)禍残(わざわいざん)(ふうしんかざん)」である。
暑かった(あつかった)夏(なつ)も、遠い(とおい)昔(むかし)のように思えて(おもえて)くる。そういえば、7月(7がつ)にして「惨(さん)三九度(さんきゅうど)(さんさんくど)」で寝苦しい(ねぐるしい)日々(ひび)を強(し)いられた。8月(8がつ)は、アテネ(あてね)からの映像(えいぞう)に「後(あと)寝(ね)(あとね)五輪(ごりん)」の毎日(まいにち)だった。「超気持泳(ちょうきもちおよ)(ちょうきもちえー)」の北島(じま)選手(せんしゅ)をはじめ「金銀(きんぎん)銅(どう)多(た)(きんぎんどうだ)」の活躍(かつやく)に、日本(にほん)列島(れっとう)は熱かった(あつかった)。
温泉(おんせん)ブーム(ぶーむ)に冷水(れいすい)を浴びせた(あびせた)のが「不湯(ふゆ)(ふとう)表示(ひょうじ)」だ。人気(にんき)の温泉(おんせん)が入浴剤(にゅうよくざい)を使う(つかう)など「露見(ろけん)風呂(ぶろ)(ろけんぶろ)」が相次いだ(あいついだ)。プロ(ぷろ)野(や)球界(きゅうかい)も迷走(めいそう)した。が、ひとまず「仙台(せんだい)一遇(いちぐう)」と拍手(はくしゅ)で迎えた(むかえた)人(ひと)たちもいよう。海(うみ)の向こうのイチロー(いちろー)「咲(さき)多(た)(さいた)安打(あんだ)」には拍手(はくしゅ)喝采(かっさい)(かっさい)である。
「様様(さまさま)様(さま)様(ざま)(よんさま)」現象(げんしょう)にも驚かされた(おどろかされた)。いや、ヨン(よん)様(さま)だけではない。まだまだ「嬉声(うれしごえ)韓話(かんばなし)(きせいかんわ)」は続きそう(つづきそう)だ。「新札(しんさつ)発光(はっこう)」で気分(きぶん)新た(あらた)、とはいえ懐(ふところ)具合(ぐあい)が変わる(かわる)わけではない。勤め人(つとめにん)には「安昼(やすひる)(あんちゅう)模索(もさく)」の日々(ひび)である。特許(とっきょ)で200億円(200おくえん)の「青光(あおびかり)(せいこう)報酬(ほうしゅう)」に発奮(はっぷん)した人(ひと)もいるだろうが。
「戦火滞(せんかたい)平(ひら)(たいへい)」のイラク(いらく)への自衛隊(じえいたい)の派遣(はけん)延長(えんちょう)を政府(せいふ)が決めた(きめた)。「人働使(ひとはたらきつか)円(えん)(じんどうしえん)」はイラク(く)国民(こくみん)の望む(のぞむ)ところと首相(しゅしょう)は語った(かたった)。以下(いか)は番外(ばんがい)、同僚(どうりょう)とのやりとりです。日本(にほん)の世論(せろん)は「派遣(はけん)厭(いや)長(ちょう)(えんちょう)」で、政府(せいふ)説明(せつめい)は「遣強(つかつよし)不解(ふかい)(けんきょうふかい)」、また「遣強(つかつよし)不快(ふかい)」といわざるをえない。 |