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「これほどの範囲で風景が消え、物理的にも精神的にも全てが一気に奪われるとは」。建築家、安藤忠雄さんの慨嘆だ。土地の人が慣れ親しんだ景色は、変わるという手順を飛ばして眼前で消えた
“这么大片的风景竟然都消失了,感觉物理上精神上都被海啸洗劫一空”。建筑家安藤忠雄感叹道。当地人所熟悉的景色跳过了改变这一步骤,直接就从眼前消失了。
▼森進一さんの「港町ブルース」で、〈……あなたの影をひきずりながら/港 宮古 釜石 気仙沼〉と歌われた良港たち。リアス式海岸に連なる街は、いく手にも分かれて湾を駆け上った津波にえぐられた
这些都是森进一在“港町蓝调”中歌唱过的美丽港湾,〈……一边摇曳着你的影子/港 宮古 釜石 气仙沼〉。被道路分成几股、越过海湾的海啸掠走了与里亚斯型海岸相接的街道。
▼寒流と暖流が出合う三陸沖は、世界有数の漁場として知られる。豊かな魚種と漁法から、地元の漁師は「本物のプロが育つ海」と自負していた。遠洋、近海、沿岸の漁、養殖に水産加工と、持ち味が違う港町が「おさかな文化」を育んできた
寒流与暖流相交汇的三陆冲作为世界上屈指可数的渔场而广为人知。由于拥有丰富的鱼种,捕鱼方法也多种多样,当地的渔民骄傲地声称“这片海能培养真正的专家”。在远洋、近海、沿岸捕鱼、养殖方面拥有不同于水产加工的风味,港町孕育出了“鱼文化”。
▼最近まで本紙の石巻支局長だった高成田享さん(63)は、同僚たちと三陸の海の幸を取材した『話のさかな』(荒蝦夷〈あらえみし〉)に書いた。「ひとつひとつの魚には、漁の仕方があり、旬があり、民話や伝承があり、調理法や保存法がある」。そうした無形の財までが、命と一緒に流されたのではないか
最近,曾任本报石巻支局局长的高成田享(63)与同僚们一起对三陆海味进行了采访,并撰写《传说中的鱼》(粗鄙之人)。其中写道“每条鱼都有独特的捕鱼方法,都有其季节,都有民间传说和传承,都有其烹饪方法和保存之法。”连这种无形的财产不是都被海啸连同生命一起冲走了吗?
▼陸前高田市の女性がテレビで声を震わせた。「みんな、もう海辺には住まないって。海なんかいらないと」。潮風に背を向けるように、関東の内陸県に身を寄せた被災者も多い
陆前高田市的一名女性在电视机前用颤抖的声音说:“大家都说再也不住海边了。都说不需要什么海了”。很多受灾者都远离海风,投奔到关东内陆县。
▼命がけの仕事の成果だけをいただく東京の魚好きが、勝手を言える状況ではない。それでも、海岸線の長さでロシアに迫る海洋国家として、大漁旗が帰る浜をまた見たい。海と共存共栄するあの三陸、どうか取り戻してほしい。消費者、漁師仲間、きっと同じ思いだ。
这种情况下,身在东京、只是享受渔民们舍命换来的劳动成果的嗜鱼者不好妄发言论。尽管如此,作为海岸线长度接近俄罗斯的海洋国家,飘扬着的大渔旗也想看到返航的海滨。希望能够挽回与海洋共存亡的那个三陆。消费者、渔民们也一定有着这样的想法。
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