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人恋しいのは山で迷った時だけではない。節電に沈む街を漂いながら、ヒトは寂しがり屋の動物だと思った。多くが掌中の機械を頼り、通じ合える誰かとピンポイントでつながっている
人不单是会在山中迷路之时会对人产生依恋感。徘徊在因节电而消沉的街道上,我想人真是容易感到孤寂的动物。很多人都依赖于手中的机械,以细小的按键来与心意相通的某人相互维系。
▼震災後、ちょっとした結婚ブームだという。広告を控えたにもかかわらず、結婚仲介業者への資料請求や入会が増加中と報じられた。「寿退会」も多い。一緒にいてくれる誰かを求め、女性の動きが目立つそうだ
震灾发生之后,据说掀起了一小股结婚热潮。尽管减少了广告播放,但据悉向婚姻中介所索取资料和申请入会的人员仍在增加。“寿退会”(因结婚而退出婚姻中介会员)的情况也很多。寻觅陪伴自己的伴侣,听说女性的动态尤为瞩目。
▼余震や停電、放射能を案じての独り暮らしは、都市の孤独に慣れた人でも心細いのか。あの夜、何時間も歩いて帰宅し、明かりをつけても一人。きずな、だんらん、安らぎといった言葉たちが背中を押すのだろう
在忍受余震和停电,同时还要担忧辐射的情况下独自一人生活,即便是业已习惯了城市孤独的人,也会感到心虚吧。那晚,步行了几个小时后回到家,开灯后仍然孑然一身。牵绊、团聚、舒适,这些词汇无疑都在督促着自己快点结束单身。
▼名高い調律師の著にあった。「ピアノは振動には結構強いが、温度や湿度の変化に弱い。たちまち調律が狂う」と。人はピアノにも似て、大地の揺れに耐えつつ、一変した世の空気に心は乱れる。そして、自分だけの調律師を探す
著名的调音师曾在书中写过“钢琴很耐震,但是很容易受温度和湿度变化的影响。突然就会出现走音”。人就像钢琴,能忍耐大地的摇晃,但面对突然改变的世风,心中就会大乱。继而寻找只属于自己的调音师。
▼真偽はさておき、米国では大停電や大災害、テロのたびに小さなベビーブームが伝えられる。何げない温(ぬく)もりが愛(いと)おしく、独り身は婚活に燃え、交際中は結ばれ、若い夫婦は……。ささくれた世相に疲れた人は、家庭なるシェルターにこもるらしい
且不说真假,据说美国每次遭遇大停电、大灾难或恐怖活动,就会掀起一小股生育热潮。无意中的温暖倍感温馨,单身之人热衷于结婚,交往中的人相互结合,年轻的夫妇……。对浮躁世态感到疲惫的人们,似乎想要藏身于家庭这个避风港中。
▼2011年春、万の人口が瞬時に失われた。喪に服す列島がにわかに放つ結婚熱は、欠けた命を補う営みにも見える。種族の本能といえば大仰だが、少子化に一矢報いるべく、慶弔が攻守ところを変えるなら喜ばしい。この国はまだ生きている。
2011年春天,日本瞬间失去了上万人口。正在服丧的列岛上突然掀起的结婚热潮看起来也是对缺失生命的一种填补。要说是种族本能则有点夸大其词,但应对少子化现象“报一箭之仇”,喜事、丧事若能转换“攻守”位置,则是可喜可贺之事。这个国家仍然存有生机。
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