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楼主: 呼唤十字星

《南十字星》原文及汉语翻译

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 楼主| 发表于 2011-8-17 11:44:34 | 显示全部楼层
と、ルミ子に訊く。
「勇気のある人だって、大感激してる」
「あ、そう」
「ヤアヤア」
と、言うなり、ハンスは、奈々子にちょっとキスしたのだった。
「気楽にキスしないで」
と、真赤になって、奈々子は言った。
「『あ、そう』っていうのは、ドイツ語でも同じ意味なんですよ」
と、ルミ子が面白そうに言った。「だからハンス、奈々子さんがドイツ語分かるのかと思ったみたい」
「冗談じゃない、って、ドイツ語でなんていうの?」
と、奈々子は訊いた…。

ハンスの運転する車で、奈々子たちはホテルへと向った。
途中、ハンスはルミ子と何やら話していた。-美貴が話を聞いていて、
「確かにそうだわ」
と、肯く。
「何が?」
「いえ、あのバッグを盗られた人のことです」
「ああ、あの人が何か?」
「かなり何度もこっちへ来てる人だ、って―」
「当人がそう言ってたわ」
「でも、おかしい、って」
「何が?」
「ハンスも、一部始終を見ていたらしいんですけど」
「おかしいって」
と、ルミ子が言った。「盗ってくれ、と言わんばかりの持ち方をしてたって」
なるほど。確かに、いやに簡単にかっぱらわれてしまった。
「じゃ、どういうこと?」
「本当にこっちへ何度も来て、慣れてる人なら、あんな持ち方はしないって」
「初めてなのかしら、それじゃ」
「それでなければ」
と、ルミ子が言った。「わざと、盗らせたか、ですって」
「どうして、わざと盗らせたりするの?」

译文:
奈奈子向留美子问到。
“为你这样有勇气的人而感动。”
“啊,这样啊。”
“呀,呀。”
说完,汉斯给了奈奈子轻轻一吻。
“别随便问亲吻别人!”
奈奈子红着脸说到。
“‘あ、そう’这句话在德语中意思相同。”
留美子打趣的说到。“所以汉斯以为奈奈子也懂德语呢。”
“‘别开玩笑了,’这句用德语怎么说?”
奈奈子问。

在汉斯开的车里,奈奈子他们朝着旅店驶去。
途中,汉斯和留美子说着什么。——美贵听到后点头,“确实是这样啊。”
“什么事?”
“没什么,刚才被抢包人的事。”
“那个人怎么了?”
“他说他来这好多次了。”
“他是这么说的。”
“但是,那就很奇怪了。”
“有什么奇怪的?”
“汉斯从始至终都看到了....”
“他说很奇怪。”
留美子说。“那个绅士好像是‘说来抢我吧’那样的姿势拿着包。”
原来如此,确实啊,实在是太简单就被抢了。
“那这说明什么?”
“如果确实来这里很多次已经习惯了的人,是不会用那种持包方法的。”
“那好像是刚开始旅行的人才会犯的错误。”
“如果是那样的话。。。”
留美子说,“难道说是特意让人抢的?”
“为什么要特意让人抢?”
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 楼主| 发表于 2011-8-18 12:19:58 | 显示全部楼层
「渡したいものがあったのかも」
と、ルミ子は言った。「渡したところを捕まったら、困るかもしれないでしょ。その点、引ったくりに遭って、バッグごとなくなっちゃえば…」
「じゃ、あの二人、仲間だった、っていうの?」
奈々子は唖然とした。
「かもしっれませんね」
それを、私はわざわざ邪魔して、バッグを取り戻してしまった…。
奈々子は、また頭をかかえてしまった。
―その内に車はホテルへ着く。
「フランクフルトでは一番格式の高いホテルです」
と、美貴は言った。「もう入れるかどうか訊いてみますね」
なるほど。時差で、今はまだ朝なのだ。
「-もう入れますって」
と、美貴は言った。
「助かった!」
と、奈々子は声を上げた。「一眠りできるぞ!」
「部屋へ行って少し休みましょう」
と、美貴が言った。
さすがに、奈々子もくたびれていた。
美貴と二人で泊るには、少し広すぎるくらいのツインルーム。
「くたびれた!」
と、奈々子はベッドの上にどたっと倒れてしまった。
「-少し眠るといいですわ」
と、美貴は言った。
「ええ…」
「午後、時間があったら、ゲーテの家でもご覧になったら?」
「うん…」
「ゲーテの家と言っても、別にそう珍しいというもんじゃありませんけど。ゲーテはお好き?」
返事がない。
奈々子は、もうヘッドでいびきをかいて眠りこんでいたのである。

译文:
“也许是有想要交给别人的东西。”
留美子说到。“交给的时候被抓住就不好了,对于这一点,如果遭到抢劫包就自然转交的话。。。”
“那,就是说那俩个人是同伙?”
奈奈子哑然了。
“也许。”
那就是说我介入辛苦的取回包这件事。。。
奈奈子又抱住了头。
——这时,车到达了旅馆。
“这是法兰克福最高档次的宾馆了。”
美贵说到。“我去问问现在让不让进。”
原来如此。因为时差的关系,现在是早上了。
“——说可以进了。”
美贵说。
“太好了。”
奈奈子声音响起。“可以睡一觉咯!”
“进房间稍微休息一下吧。”
美贵说。
饶是奈奈子也累坏了。
和美贵住的是一见有点大的过分的双人间。
“累死我啦!”
奈奈子说着,咚的一下倒在床上。
“少睡会儿比较好。”
美贵说。
“啊....”
“过午,如果有时间得话,去歌德家参观下如何?”
“嗯..”
“虽然歌德的家也没什么特别珍奇的东西。——你喜欢歌德吗?”
没有回答。
奈奈子已经在床上打起鼾睡着了。
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 楼主| 发表于 2011-8-20 13:37:15 | 显示全部楼层
14.冴えた奈々子
あの、いささか謎めいた老紳士―いや実はもっと若いのかもしれないが―から、「美貴とルミ子の先生」かと訊かれてショックを受けた奈々子だったが、ここ、フランクフルトのホテル、フランクフルターホフでは、若いところを立証して見せた。
朝の内にホテルへ入り、ベッドに引っくり返るなり、グーッと二、三時間ぐっすり眠ってしまった奈々子、目が覚めると、すっかり旅の疲れも取れて、今度はまたグーッと…。
これはお腹の方が空腹を訴えているのだった。
「-お目覚め?」
美貴がもう、着替えをして、ソファに座っている。
「あら・・・。もう朝かしら?」
なんて、やっぱり多少はボーっとしているらしい。
「お昼ご飯しましょう、って,今、ルミ子から電話があったところ。-先にロビーへ行ってますわ。シャワーでも浴びて着替えられた方が」
「あ、そうですね。じゃ、そうさせていただこうかしら」
と、奈々子はブルブルット頭を振った。
犬が雨に濡れて、水を切ってるみたいだ。
「街へ出ようと思ってるから、軽装でいらしてね」
と、美貴は言った。
「ええ。でも水着じゃ困るでしょ?」
奈々子も、冗談を言うだけの元気が出ていたのである。
―シャワーを浴びて、スッキリすると、
「ヨーロッパだ!」
と、奈々子は声に出して言った。
もちろん、浮かれていちゃいけないのだが、しかし、遠路はるばるやって来たのだという感激は、味わって、悪いこともあるまい。
次の感激は―ホテルを出て、近くの広くてにぎやかなレストランで食べたソーセージのおいしかったことである。
そうか。-ここはフランクフルトだ。
それこそ本場のフランクフルトソーセージ!
結構大きなソーセージ四本をペロリと平らげて、奈々子は満足だった。
「すっかり気分も良くなったみたい」

译文:
14.清醒的奈奈子。
那个有些像迷一样的老绅士——也许实际上要比看起来更年轻,因为遭到被问作是美贵和留美子的老师而受打击的奈奈子,在这儿,法兰克福的旅馆里,找到了他年轻的证明。
清晨旅馆里倒在床上一觉睡了2.3个小时的奈奈子醒后,旅行的疲惫已经完全恢复了。下次再一睡....
肚子因为饿已经在咕咕的控诉了。
“你醒了?”
美贵已经换好了衣服,坐在了沙发上。
“啊,好像已经早上了啊。”
什么嘛,果然是有些迷糊了啊。
“刚才留美子打过电话来说要去吃午饭,——先去大厅等。还是先冲个淋浴换套衣服比较好。”
“啊,是啊,那么,我先去了。”说着,奈奈子晃了晃脑袋。
就好像小狗在雨中淋湿了,甩开上的水一样。
“因为要出去上街,所以穿便装。”
美贵说。
“恩。但是穿泳装也不行吧。”
奈奈子还有精神开玩笑。
——洗完淋浴,舒服无比,于是大喊一声“欧洲!”
当然,不允许欢闹,但是,万里迢迢来这的这份感激和体验,感觉也不是太糟糕吧。
接下来的感激——是出了旅馆,在附近宽敞而热闹的餐厅吃红肠。
这个才是正宗本地产红肠呢。
吃完四根大红肠后,奈奈子方才满足。
“心情貌似很不错嘛、”
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 楼主| 发表于 2011-8-22 17:39:35 | 显示全部楼层
本帖最后由 呼唤十字星 于 2011-8-27 11:49 编辑

と、ルミ子が言った。
「ええ」
奈々子は胸を張って、「矢でも鉄砲でも持って来い!」
「かなわねえな」
と、ブツクサ言っているのは、森田である。
「何よ、何か文句あんの?」
と、奈々子は持ち多をにらんだ。
「いいか。日本と土井ってのは時差があるんだ」
「それぐらい知ってるわよ」
と、奈々子は言った。
「普通の人なら…時差ボケってのにやられるんだ」
と、言いながら、森田は欠伸している。
「もうトシね」
と、奈々子は言ってやった。
「何だと!」
「ちょっと」
と、ルミ子が顔をしかめて、「あんた、ボディガードでしょ。用のない時は黙ってりゃいいの」
ムッとして、森田はソーセージを食べ続けていた。
「時差ボケでも、食欲は落ちないみたいね」
と、奈々子は言った。
ところで―当然、この席にはハンスという青年も一緒にだった。
ルミ子が前にドイツへ遊びに来た時、知り合った、ということだが、体は大きくても年齢は二十歳、という。
「この人、今はヒマなんで、ともかくお手伝いするといってるから」
と、ルミ子は言った。
ハンスはにっこり笑って肯く。いかにも人の好きそうな笑顔だった。
「-そうだ」
と、奈々子は、食後のコーヒーを飲みながら、「これから、どういう予定なんですが?」
「ええ」
美貴は、ちょっと息をついて、「ともかく主人のいなくなった所まで、私たちの道すじを辿ってみようと思うの」
「いなくなったのって、どこなんですか」
と、奈々子は訊いた。
译文:
留美子说。
“嗯。”
奈奈子双手敞开:“箭也好,枪也好都拿来吧!”
“了不起嘛。”
发牢骚的人是森田。
“什么啊,你有什么疑问吗?”
奈奈子瞪了眼森田。
“没什么,日本和德国是有时差的。”
“这点我知道。”
奈奈子回答。
“普通人的话,会因为时差颠倒而犯困的。”
森田边说边打了个哈欠。
“已经老了吧。”
“你说啥!”
“等等!”
留美子皱起眉头,“你是保镖,不用你的时候你最好保持沉默!”
森田一脸愠色,开始继续吃着红肠了。
“因时差而犯困你也没耽误了吃嘛!”
奈奈子说。
那个,当然,那个叫汉斯的青年也在席中。
留美子以前来德国玩的时候认识的,虽然块头很大,但是也不过是个二十岁而已。
“这个人现在有空,说暂且可以帮忙做点什么。”
留美子说道。
汉斯笑着点点头。实在是很漂亮的笑容,。
“是 啊,"
奈奈子餐后,一边喝着咖啡,一边说:“现在开始,有什么预定?”
“恩,”
美贵稍微叹了口气,“我想先去我丈夫失踪的地方去看看。”
“在哪失踪的?”
奈奈子问。
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 楼主| 发表于 2011-8-27 13:50:47 | 显示全部楼层
「ミュンヘンの郊外のホテルなの」
そういえば、ミュンヘンなんて町もあったわね、と奈々子は思った。
ともかく出発まで忙しいて、事前に予備知識を仕入れる時間なんて、全然なかったのである。
ま、ダンケぐらい知ってりゃ何とかなるでしょ、と無茶なことを考えて、やって来たのだ。
「このフランクフルトでは、何したの?」
と、ルミ子が訊く。
「ここは大きな都会だけど、そう見て回る所ってないのよね。むしろビジネスの町ですから」
しかし、もし三枝成正が、志村の言っていたように、密輸に係っていたとしたら、こういう大都会の方が、何かありそうな気もする…。
奈々子は、やっと本来の役目に立ち戻って、そう考えたりしていた。
「ゲーテ博物館へ行って、それから三越で買物して…。二日しかないなかったから、そんなものね」
「三越があるんですか」
と、奈々子は言った。
「ええ、このすぐ近く」
「伊勢丹は?」
訊いてから、奈々子は後悔した。
―食事を終えて、ともかく一同、店を出ると、その三越デパートへ足を向けたのだった…。

「いらっしゃいませ」
日本語で挨拶されるっていうのも、何となく妙な感じではあった。
もちろん、デパートといっても、日本のそれのように大きくはない。しかし、ズラッと売子に日本人の若い女性が揃っているのには、奈々子門びっくりしてしまった。
「これはどうも」
と、かなり上の方らしい男性が、美貴のことを思い出したようで、急ぎ足でやって来た。
「三枝様ございますね」
「ええ」
と、美貴は肯いた。
「その節はどうも…。ご主人のこと、気にはなっていたんでございますが」
「ありがとう。-まだ行方が分りませんので」

译文:
“慕尼黑郊外的旅馆里。”
那么说来,慕尼黑那也有街道了,奈奈子想。
总之出发的太匆忙,事前的准备事前的时间根本没有。
啊,谢谢这样的话还是知道的,考虑着乱七八糟的东西就来了。
“到法兰克福来做什么?”
留美子问。
“虽然这里是个大都会,但也不是个游览场所。倒不如商业街。”
但是,如果三枝成正像志村所说,和走私有关联,那就没准会在这样的大都市里。
奈奈子好容易回到应有的作用,考虑起这件事。
“去歌德博物馆,还有在三越百货买些东西。因为只有俩天的时间。”
“有三越?”
奈奈子说。
“恩,就在附近。”
“伊势丹百货有吗?”
说完奈奈子就后悔了。
——吃完饭,大家暂且一同出了店,向三越超市走去。

“欢迎光临。”
因为是日语招呼,总觉得很舒服。
当然,说是超市,但是可没有日本的本店那么大。但是站成一排的店员都是日本年轻的女孩,让奈奈子吓了一跳。
“多谢.”
“您来了。”
一个好像是上层管理的男人认出了美贵,急忙走了过来。
“三枝小姐是吗?”
“嗯,”
美贵点头。
“那时实在是。。。您先生的事情,我一直很在意。”
“多谢。——目前还没找到行踪."
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 楼主| 发表于 2011-8-29 16:56:29 | 显示全部楼层
「さようでございますか。ご心配ですね」
と、男方も、深刻な顔で肯く。
「こちらへ立ち寄られた日本の方から、何かお聞きじゃありません?」
「残念ながら・・・。お話をうかがって、気を付けてはいたんでございますが」
「そうですか」
―奈々子は、その対話に耳を傾けながら、目はついウインドーの方を向いていた。
と、女店員の一人が仕事手を休めて、美貴の方を見ると、あっという顔になった。
奈々子は、美貴をチョイとつついて、
「あそこの女の人、何か話がありそうですけど」
と、言った。
「え?」
男の方が目をやって、
「何だ。大江君じゃないか。-大江君」
「はい」
その女店員がやって来る。
「何か知ってるのかい?」
「あのー今日、主任さんがお出かけになってる時に」
「どうした?」
「男の方がみえて…。この女の人を見かけないか、って」
「女の人?」
「ええ」
その女店員は、美貴を見て、「この方の写真を見せたんです」
「まあ」
美貴の頬が紅潮した。「それーどんな男の人でした?二十六、七の、背の高い―」
夫のことを言っているのだろう。
しかし、女店員は首を振った。
「いいえ、そんな方じゃありません」
「じゃ、-」
「もっとお年齢の方です」
「いくつぐらいの?」
「たぶん…五十から六十くらいで。髪が少し白くなっていて…」
「-誰かしら?」
と、ルミ子が言った。「どう見ても三枝さんじゃないね」
「ほかには何か?」

译文:
“是这样啊。让您担心了。”
那个男人表情严肃的点了点头。
“从来这里中途落脚的日本人那里有什么听闻吗?”
“很遗憾,虽然您的话我也打听过,也曾小心注意过。。。”
“这样啊。”
——奈奈子一边听着他们的谈话,眼睛不经意的注视着窗户。
一个女店员工作的手停了下来,看向美贵那个方向,顷刻间脸色变了。
奈奈子捅了美贵一下,“那个女人,好像有什么话要说。”
“嗯?”
那个男人眼光也一转,
“什么事,不是大江君吗?——大江君”
“嗨。”
那个女店员走了过来。
“你知道什么?”
“那个——今天,主任您出去的时候...”
“怎么了?”
“一个男人来过问:‘见过这个女人没有?’”
“女人?”
“嗯。”
那个女店员看着美贵,“给我看这位小姐的相片。”
“啊”
美贵脸色绯红。“那是个什么样的男人。二十六,七,个子很高——”
说的大概是他丈夫的样子。
但是,女店员摇了摇头。
“不是,不是那位。”
“那——”
“要更上年纪一些。”
“大概多大年纪呢?”
“大概五六十岁。头发有点花白了。”
“——是谁呢?”
留美子说。“怎么看也不像是三枝吧。”
“其他的什么呢?”
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 楼主| 发表于 2011-8-31 11:31:55 | 显示全部楼层
「いいえ」
「よく見えるお客かい?」
と、主任の男性が言った。
「さあ。たぶん初めてだと思います。入って来られた時の様子が」
「なるほどね」
と、ルミ子は肯いた。「お姉さん、心当りは?」
「ないわ。そんなお知り合い、こっちにはいないし」
「でも、お姉さんの写真を―」
「ちょっと」
と、奈々子は割って入った。「その写真、どんな写真だった?」
「そうだわ!」
と、美貴は目を輝かせて、「奈々子さんって頭がいいのね」
「どういたしまして」
「俺だって、今考えた」
と、森田が呟いた。
その女店員が、少し考えてから、写真の幹の服装を説明すると、
「それ―今日、こっちへ来る時に来てた服だわ」
と、美貴が面食らって言った。
「前には着なかったんですか?」
と、奈々子が訊くと、
「ええ。今度の旅のために買ったんですもの、それ」
「じゃ、どこでそんな写真を―」
みんなが顔を見合わせる。
待てよ、と奈々子は思った。
五十から六十くらいの、髪の白くなった…。どこかで、そんな人を―
「そうだわ!」
奈々子が大声を上げたので、店の中が、しんと静まり返った。
「-耳が痛かったぞ」
と、森田が言った。
「ね、美貴さん、あの人だわ、それ」
「え?」
「ほら、ファーストクラスに乗ってて、空港で私がバッグを取り返した…」
「まあ!本当ね。-それなら」
「写真きっと、飛行機の中が、アンカレッジで、そっと撮ったんだわ」

译文:
“没了。”
“你看好了是客人吗?”
那个男主任说到。
“差不多,他进来时的样子让我觉得是第一次见到他。”
“原来如此、”
留美子点头说到。“姐姐。你有印象吗?”
“没有。我在这里没认识的人。”
“但是,姐姐的照片——”
“等下!”
奈奈子突然插了一句,“那张照片是什么样的?”
“就是啊!”
美贵的眼睛闪烁着光芒。“奈奈子真聪明啊。”
“没什么。”
“我现在正在考虑这件事呢。”
森田嘟囔着。
那个女店员稍微考虑了一下,然后描述出了那张照片上美贵穿的服饰。
“那是今天我来这时穿的衣服啊。”
美贵惊慌的不知所措。
“以前没穿过?”
奈奈子问到。
“嗯。是为了这次旅行买的衣服、”
“那,是在哪拍的这张照片呢。”
大家你看我我看你。
“等一下哦,”奈奈子想。
五十岁到六十岁左右,头发有些花白,怎么感觉这个人在哪见过。
“想起来了。”
奈奈子大声的嚷着,店中所有人都鸦雀无声。
“吵死我耳朵了。”
森田叫到。
“喂,美贵小姐。那个人啊,就是那个。”
“嗯?”
“就那个,在飞往法兰克福的飞机上,在机场我帮忙抢回包的那个——”
“对啊,是他。那样的话——”
“照片一定是他在飞机飞往安克拉治时拍的。”
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 楼主| 发表于 2011-9-1 14:00:59 | 显示全部楼层
本帖最后由 呼唤十字星 于 2011-9-8 10:31 编辑

「そうですね」
と、女店員が言った。「あれ、アンカレッジの空港でした」
美貴は、戸惑って、
「一体誰なのかしら、その人」
と、首をかしげる。
「その人、何か言ってた?」
「いえ。何とも言わずに帰られましたけど」
―どうもいやな予感がする。
奈々子は、あの紳士と、またどこかで出くわしそうな気がした。
15 ディスコの男

「あなたは天才だっていてるわ」
と、ルミ子がハンスの言葉を通訳した。
「いえいえ」
と、奈々子はしきりに照れている。
―ともかく、せっかくフランクフルトへ来たんだし、というので、呑気すぎるような気もしたが、「ゲーテの家」というやつへやって来た。
ゲーテったって、奈々子も名前ぐらいは知ってるが、今時「ウェルテル」だの「ファウスト」だの読む若者は、少なくなってしまった。
奈々子も、ご多聞に洩れず、
「ゲーテってのは偉い文豪だった」というだけの感想を持って、「ゲーテの家」を出たのである。
「これから、ちょっと会いたい人がいるの」
と、美貴は言った。「主人の会社の出張所があるのよ。そこの所長さんに。-奈々子さん、町の見物でもなさるのなら…」
译文:
“是这样的。”
女店员说。“那是安克拉治的飞机场。”
美贵不知所措了,
“那个人到底是谁呢?”她想。
“那个人还有说什么吗?”
“没了。什么也没说就走了。”
——实在是有种不好的预感。
奈奈子觉得还会碰到那个绅士。
15.跳迪斯科的男人
“他说你真是个天才。”
留美子翻译着汉斯的话。
“哪里哪里。”
奈奈子显得很羞涩。
——总之,因为好不容易来到法兰克福,感觉过于悠闲,就去了歌德的家。
歌德这个名字,奈奈子还是知道的,现在“维特”啊,“浮士德”什么的年轻读者很少了。
奈奈子也不泄露太多,
只是持有“歌德是伟大的文豪。”这种感想,就出了歌德的家。
“现在我有个想要见的人。”
美贵说,“先生的在公司时出差的地方,那个所长。—奈奈子小姐,上街看到值得看的东西的话。”
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 楼主| 发表于 2011-9-2 11:20:52 | 显示全部楼层
本帖最后由 呼唤十字星 于 2011-9-2 11:21 编辑

「まさか」
「でも―」
「私、あなたのお父さんに頼まれてるんですから。いくら怠け者でも、頼まれたことは、ちゃんとやります」
「ありがとう」
と、美貴は微笑んだ。「じゃ、ホテルへ戻りましょう。そろそろ所長さんが見えてるはずだわ」
一同は、歩いて五、六分のホテルへ戻った。
ロビーは、もちろん広いことも広いが、落ち着いた居間、という雰囲気で、日本のホテルのロビーみたいに、待ち合せの人で溢れてるなんてことはない。
小柄で、丸々と太った日本人の男性がソファから立ち上った。
「これは三枝君の奥さん」
「どうも、お忙しいのに、すみません」
と、美貴は頭を下げた。
―しかし、その出張所の所長(といっても部下は現地の女性が一人いるだけらしい)から、新しい情報入らなかった。
「一応ここの警 察の知り合いを通して昨日もミュンヘン連絡して問い合わせてもらったのですがね」
と、所長は言った。「目新しい情報はないようです」
ま、着いた初日に、次から次へと何か分れば、こんな楽なことはない。
その点では、あの白髪の男のことが引っかかって来ただけで、何もないよりはましたろう。
美貴が、話を切り上げようとした時。
「ね、お姉さん」
と、ルミ子が言った。「あのおじいさんのこと、訊いてみれば」
「そうね、所長さん、実は…」
美貴が、例の白髪の男のことを、説明して、「こっちへ何度も来ている、と本人は言っていたようですけど、何か、心当りはありませんか」
と、言った。
「さてね」
太った所長は、ハンカチで額の汗を拭いて、「日本人は多いですからね、この町は」
「そうでしょうね。-無理なことをうかがって、すみません」
「いやいや」

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译文:
“怎么会。”
“但是——”
“我是你父亲拜托的,即使再懒惰,被拜托的事情也要尽力完成的。”
“谢谢。”
美贵微笑着说。“那,回旅馆吧。差不多应该能见到所长了。”
一起走了5.6分钟回到了宾馆。
大厅大是很大,但是落脚的起居室的气氛很像日本的旅馆,没有因等候而拥挤的人群。
身体短小,圆圆呼呼的一个日本男人从沙发上站了起来。
“这是三枝先生的太太。”
“您这么忙还劳烦您,真是对不起了。”
美贵低下头。
——但是,从那个所长(说是所长,部下也只有一个女性而已)处,没有得到新的情报。
“好像,通过这的K札的相识,昨天和慕尼黑方面联络请他们打听了一下。”
所长说。“但好像没有新的进展。”
唉,从第一天来到这就一次又一次的没有好消息。
这点上,和那个白发男人扯上关系总比什么都没有好点吧。
美贵刚要结束话题的时候,
“喂,姐姐,”
留美子说,“试试问问那个老头的事。”
“对了,所长先生,其实。。。。”
美贵把那个白发男的事情说明了下,“他自己说来这很多次了,您有没有什么线索?”
“那个——”
胖所长用手绢擦了擦额角上的汗,“这条街上日本人很多啊。”
“是这样啊。——请恕我冒昧了。”
“哪里哪里。”
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 楼主| 发表于 2011-9-4 13:27:00 | 显示全部楼层
と、所長は立ち上った。
―奈々子は、あの白髪の初老の男のことを思い出していた。
あの空港での歩き方。いやに若々しかった。
アンカレッジでは、あんな風ではなかった。
奈々子も気分が良くなかったから、はっきり覚えているわけではないが、もっと「老人らしい」歩き方だったような気がする。
もしそうなら、あれはわざとそうして歩いていた、ということになる。
つまり、もっと若い男なのかもしれない。
前にもそんな印象を持ったが、奈々子は、はっきり、確信を持ったのだった…。

あれやこれやで、すぐドイツ第一日目は夜になり、奈々子たちは、ホテルのダイニングルームで食事を取った。
量の多いこともあって、何だか一日中食べてばっかりいるようだ、と奈々子は思った。
もちろん、それがいやだってわけじゃないのだが。
少々堅苦しいレストランか、と思ったが、そんなこともなく、至って気さくなマネージャーらしい男性がにこにこしながら
「いらっしゃいませ」なんてやって、笑わせてくれる。
「-でも何ですね」
と、奈々子は、部屋のキーを取り出して、「こういう由緒あるホテルにしちゃ、ちょっとがっかり」
「本当ね。ヨーロッパの古いホテルは、キーも、古い、こったものが多いんだけど。時代ってものね」
キーといっても、鍵じゃない。磁気カードなのだ。これをスリットへ差し込むと、鍵が開く。
何だか味気ないのである。
食事をしながら、ルミ子とハンスが、何やらヒソヒソ話している。
「-お姉さん」
と、ルミ子が言った。
「なあに?」
「夜、ハンスと出かけていい?」
「どこに行くの?」
「ディスコ」
「まあ。-大丈夫?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
译文:
所长说着站起了身。
——奈奈子想起了那个刚入老年白发的男人。
在机场的那种步伐。显得太过于年轻了。
在安克拉治还不是那样呢。
因为奈奈子的心情不是很好。记得不是很清楚,觉得像更老的步伐。
如果是那样的话,他就是特意装出这种步伐的。
也就是说,也许那是个更年轻的男人。
凭着之前的印象,奈奈子清楚的确信着自己的推断。

到达德国的第一天晚上,奈奈子他们直接去了旅馆的餐厅就餐。
饭量很多,奈奈子觉得好像一整天的饭都吃了。
当然了,虽然这并没有什么让人讨厌的。
虽然觉得餐厅稍微显得古板,但是像管理人员的那个男人倒不是,甚至是很爽快,边笑边说到:“欢迎光临。”惹得人想笑。
“——但是,这是什么?”
奈奈子说着取出房间钥匙,“这样有历史的旅店,却有些让人失望啊。”
“确实。欧洲的旧旅店,钥匙也很古老。讲究的东西很多。时代的产物嘛。”
说是钥匙,并不是锁和钥匙。是磁卡。把卡插入缝隙,锁就开了。
总觉得有些无聊。
一边吃着饭,留美子和汉斯一边暗自嘀咕着什么。
“姐——”
留美子说到。
“什么事?”
“晚上,我和汉斯出去可以吗?”
“去哪?”
“跳迪斯科。”
“啊?——那安全嘛?”
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 楼主| 发表于 2011-9-8 10:30:28 | 显示全部楼层
「平気よ。安全な所を知ってるから、ハンスなら」
「あんまり遅くならないのよ」
「へへ、やった」
と、ルミ子、ハンスをつついている。
それからルミ子は、奈々子の方を見て、
「奈々子さん、ご一緒にどう?」
「私?やめとくわ」
「どうして?」
「だって、仕事が―」
「いいじゃない。じゃ、お姉さんも一緒なら?」
「ルミ子ったら」
と、美貴が苦笑する。「奈々子さん、私なら構いませんから、行ってらしたら?」
「いえ、そんなわけにはいきません」
大体、奈々子は、ディスコとかいうものがあまり得意でない。
「それに、まだ体調万全じゃないし」
「そんだけ食って?」
と、森田が言った。
「うるさいわね。あんた、どこへ出かけるの」
「俺は―ちょっと散歩だ」
「怪しげな所へ行くんじゃないの?」
「馬鹿言うな!」
と、むきになったところを見ると、満更、その気もないではないらしい。
ハンスが何か言った。ルミ子が訳して。
「ポルナショプみたいな所へ行くのなら、よほどよく知っている人と一緒でないと危ないんですって」
「誰もそんなとこ言ってない!」
と、森田が目をむいた。
「よっぽど、そういうとこへ行きそうに見えんのよ」
と、奈々子は面白がっていた。
「まさか―」
と、美貴が、ふと呟くように言った
「え?」
「いえ…。ここへ着いた次の日の夜、主人が夕食の後、出かけたの」

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译文:
“没关系哦。汉斯知道那里很安全。”
“那别玩到太晚了。”
“好的好的。太好了。”
留美子捅了下汉斯。
然后看了一眼奈奈子的方向,
“奈奈子一起去吗?”
“我?不要了。”
“为什么?”
“因为——还有工作呢。”
“不好吗?那,姐姐也一起去的话呢?”
“留美子。”美贵苦笑着说。“奈奈子,不用管我,想去就去吧。”
“不,这样可不行。”
也许,奈奈子的迪斯科跳的不太好吧。
“而且,身体也没完全恢复过来。”
“只能吃饭?”
森田说到。
“讨厌,你去哪?”
“我去散散步。”
说着看向一边。
“是不是要去那种场所?”
“别说胡话。”
森田说。看起来是把戏言当真了,但好像也未必不喜欢。
汉斯说着什么,留美子在做着解释。
“去色情商店那种地方的话,不和熟人一起去很危险的,他说。”
“都别再说了。”
森田瞪起了眼睛。
“很想能去这种地方看看哦。”
奈奈子感到有趣的说。
“难道——”
美贵碎碎念道着。
“恩?”
“没什么,到达这的当天夜里,先生晚饭后就出去了。”
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 楼主| 发表于 2011-9-9 11:25:40 | 显示全部楼层
本帖最后由 呼唤十字星 于 2011-9-10 09:11 编辑

「どこへ?」
「分らないわ。何も言わなかった。『ちょっと出て来る』、とだけ言って…。まさか、そんなところへ行ったんじゃ…」
「ハネムーンで?まさか」
と、ルミ子が言った。
「そうね。ただ…」
「何なの?」
「戻って来た時、あの人の上衣に、かすかに香水の匂いがしたの。今、思い出したわ」
奈々子とルミ子は顔を見合わせた。
もしかするとそれは、殺された若村麻衣子と会っていたのかも…。
いや、それはおかしい。そんなに早く、若村麻衣子が、二人に追いつけるはずがない。
「お姉さん」
と、ルミ子が言った。「気晴らしにディスコでワーッとやろうよ!」
「ワーッ!」
と、ハンスがおどけた。
そんな一斉に大笑いした。
ディスコってのは、どこも同じようなもんね、と奈々子は思った。
騒々しくて、人が多くて、空気が悪くて…。
でも、静かで閑散としたディスコなんて、却って気味が悪いかもしれない。
ともかく―奈々子は踊らなかったが、全員揃ってディスコへやって来ていたのである。
ハンスが連れて来ただけあって、至って明るく、陽気な店で、日本人の観光客も、結構目につく。
ハンスとルミ子は疲れも知らずに、踊っていた。
「-元気ねえ」
と、テーブルで、アップルジュースを飲みながら、奈々子は感心した。
「奈々子さんだって若いのに」
と、美貴が言った。
「いいえ。-私ご存知の通り、盆踊り専門」
美貴が笑った。
奈々子は、店の中を見回した。
もちろん、ほとんどはドイツ人だろう。体の大きいこと…。奈々子たちなんか、「お子様」に見えるに違いない。
ふと―奈々子は、一人の金髪の男に目を止めた。

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译文
“去哪了?”
“不知道。什么都没说。只说‘出去一下。’难道去了那种场所?”
“在蜜月中吗?难道?”
留美子说。
“是啊,只是...”
“只是什么?”
“回来的时候,那个人的上衣上留有淡淡的香水味。现在才想起来。”
奈奈子和留美子互相对视了下。
也许那是和被杀的若村麻衣子见面吧。
不对,那就奇怪了,那么早,麻衣子应该还没追二人到此地。
“姐姐。”
留美子说。“去跳迪斯科‘哇’的轻松下嘛。”
“哇!”
汉斯滑稽的学到。
众人一起大笑起来。
奈奈子觉得所谓迪斯科在哪里都是一样的。
很嘈杂的,很多人的,空气又不好....  
但是,安静的地方跳迪斯科却也没什么意思。
总之——奈奈子不会跳,但大家都去了跳迪斯科的地儿。
到底是汉斯带来的地方,甚至说很明亮,热闹的一家店,也能看到许多日本的客人。
汉斯和留美子不知疲倦的跳着迪斯科。
“真是有活力啊。”
在餐桌上,奈奈子一边喝着苹果汁,一边钦佩到。
“奈奈子也很年轻嘛。”
美贵说。
“不年轻啦。——你是知道的,我只会跳盆舞。”
美贵笑了。
奈奈子环顾点的四周。
当然,大部分都是德国人。体型很大。奈奈子他们看起来就是小孩子的模样。
突然,奈奈子眼光停在一个金发的男人身上。
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 楼主| 发表于 2011-9-10 10:59:12 | 显示全部楼层
まさか…。見間違いかもしれない。
でも、もしかして…。
その、長身の金髪の男は、空港で、あの初老の紳士のバッグを引ったくった男とよく似ていたのだ。

16.押し倒されて
外国で、男性から話しかけられて、言葉もわからないのに、何となくニヤニヤして、
「ヤアヤア」
とか言ったりするのが、日本の女の子の悪いくせ。
などと、ガイドブックとか、女性週刊誌の〈海外旅行で被害にあわないために!〉なんて特集によくのっている。
それは奈々子とて知らないわけではなかった。しかし、頭で分った通りに行動できりゃ、人間だれも苦労しないのである。
ルミ子はハンスと相変わらず元気に踊っていて、美貴はちょっとトイレに立っていた。そこへ―。
ペラペラペラ、と何やらドイツ語で話しかけられて、テーブルに残っていた奈々子は焦った。いや、果してそれがドイツ語であったかどうかも、定かではないが、日本語以外なら、何語だって同じことである。
そうそう。テーブルにはもう一人、あの森田という頼りないボディガードが座っていたのだが、時差ボケに、ここでワインなど飲んだせいか、コックリコックリ居眠りをしていたのだ。
従って、奈々子は一人きりでいるのと同じだったわけで、そこへ、
「ペラペラ」
と、話しかけられてしまったのである。
いや、その若い男性は、もちろん「ペラペラ」と言ったのではない。何か言ったのだろうが、奈々子にはさっぱり分らない。
ここで、奈々子は、「絶対にやってはいけないこと」をやってしまった。相手がにこやかに微笑んでいるので、やはりこっちも笑わなきゃいけない、と思った。
日独の親善のために―というのはオーバーだが―奈々子は、つい、ニコニコ笑いながら、
「ヤアヤア」
と、言ってしまった。
そしたら、その若い男にいきなりギュッと腕をつかまれて、ぐいと引張られた。
「ワッ!危ないじゃないの!転ぶんだらどうすんのよ!」
と、奈々子は抗議したが、全然相手には通じない。
何だかわけのわからない内に、フロアの真中へ引張出されてしまった。

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译文:
难道。。。。也许看错了也说不定。
但是,又或者。。。
那个高个金发的男人和在机场抢那个老绅士的男人十分相像。

16.被推倒
在国外,被男性搭讪,因为语言不通,总是“咿呀咿呀”的傻笑的行为,被日本女性所讨厌。
这种事在向导书上或者女性周刊杂志上《为了避免海外旅行被害》的特辑上有所刊登。
这对于奈奈子来说并不是不知道。但是,经过大脑分析之后再行动对于谁来说都是很辛苦的。
留美子和汉斯还在不知疲倦的跳着,美贵起身去了厕所。这边——
“几了哇啦”的用德语说着什么,只剩桌边的奈奈子一个人干着急。不,究竟是不是用德语说的也不能确定,日语以外的语言都听不懂。
对对。桌边还剩一个人。就是那个指望不上的森田保镖。因为时差还在犯困,在这喝完了葡萄酒后打盹。
所以就和奈奈子自己一个人是一样的。那边,
还是“咿呀咿呀。”的说着。
说着说着手腕被那个年轻的男人突然紧紧的抓住,一下拽了过去。
“哇,多危险啊!摔倒了怎么办!”
虽然奈奈子在抗议,但对方完全不懂。
还没明白怎么回事已经被拉到场地中央。



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 楼主| 发表于 2011-9-14 12:19:51 | 显示全部楼层
本帖最后由 呼唤十字星 于 2011-9-15 11:22 编辑

ともかく、一緒に踊ろう、と誘われたらしいのだ。しかし、奈々子としては、こんな所まで来て、恥をさらしたくはなかった。
将来、もしハネムーンにフランクフルトへ来ることがあって、このディスコで、「ちょっとおかしな日本の女が、ここで珍妙な民族舞踊を披露した」
なんてのが語りぐさになっていたりしたら、みっともないではないか!
で―奈々子は、フロアの中央に、頑として突っ立って動かずにいたのだった。
すると―さっき見かけた、あの金髪の男が、不意に目の前に現われた。
さっきは、すぐ人の間に紛れて、見失ってしまったのだが、今度は目の前に立っているのだ。
チャンス、と思った。それに、近くで見ると、確かにあの時の男のように見える。
その男は、誰かを捜している様子だった。
踊っている人の間をかき分けて、右へ左へ、忙しく頭を巡らせている。
奈々子は、その男の腕をつかんだ。相手がびっくりして、奈々子を見る。
「捕まえた!ちょっと来てよ、あんたに話があるんだから」
もちろん、こっちの言ってることなんて分らないだろうが、構やしない。奈々子は、その男を、自分たちのテープルへ引張って行こうとした。
すると―。
「何するんだ!」
と、その金髪の男が、日本語で言った。
これには奈々子も仰天した。
何するんだ、というドイツ語があるのかしら?
「あの―あんたドイツ人じゃないの?」
と、奈々子は訊いた。
「ドイツ人だって、日本語をしゃべる人間はいる」
と、その男は、もっともなことを言った…。
「じゃ、ちょうどいいわ。ちょっと来てよ」
と、奈々子が引張ろうとすると
「僕は忙しいんだ!火遊びの相手がほしいんなら、他のにしてくれ」
いくらは外国人ぽいアクセントだが、実にさまになった日本語だった。
「あのね―」
と、奈々子は言った。「……」
ちゃんと奈々子はしゃべったのである。
しかし、それまでは比較的静かな音楽が流れていたフロアに、いきなり、耳をつんざく大音響が鳴り渡って、何を怒鳴ろうと、全く聞こえなくなってしまった。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
译文:
总之好像是邀请她一起跳舞,但是奈奈子可不想到这个地方来丢脸。
将来,如果来法兰克福度蜜月,在这个迪斯科场地,可不想被人抓住话柄说:“曾有个奇怪的日本女人,在这跳过奇怪的民族舞蹈。”
于是,奈奈子坚决的站在场地中央不动。
原先看见的那个金发男人不经意的在眼前出现。
虽然刚才混杂在人群之中,看不见了,但这次却站在眼前。
奈奈子认为是个机会,而且这么近的看到了,确实是那时看到的那个男人。
那个男人好像是在找什么的样子。
分开人群,忙着左右的的巡视着什么。
奈奈子抓住男人的腕子,对方看到是奈奈子吓了一大跳。
“被抓到了,跟我过来,我有话和你说。”
当然,奈奈子的话他不明白,但是这也没有关系。奈奈子想把那个男人拖到自己的桌子处。
于是——
“你要干什么?”
那个金发男人用日语说到。
奈奈子也吃了一惊。
“要干什么?”这句是德语吗?
“我说,你不是德国人吗?”
奈奈子问到。
“就是德国人也有会日语的啊。”
那个男人理所应当的说。
“那正好,来一下,”
奈奈子要拽着他,
“我很忙的,要玩那种危险游戏请另找旁人吧。”
多少有些外国腔调,但实际上却是正宗日语。
“我说——”
奈奈子说到。“............”
全是奈奈子在说着。
但是,这时,场地上想起了比较安静的音乐,突然,刺破耳膜的声音响彻四周,刚要大声呵斥,却根本听不见。
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 楼主| 发表于 2011-9-15 11:59:21 | 显示全部楼层
本帖最后由 呼唤十字星 于 2011-9-15 12:00 编辑

その男も怒鳴り返したが、奈々子には全然聞こえない。それに向って、また奈々子が怒鳴る。
―二人は実に虚しいやりとりをくり返していた。
その内、相手の男も、うんざりしたように天井へ目をやると、いきなり奈々子の手を引いて、どんどん歩き始めた。
「ちょっと!私のテープルはあっちよ!あっち!」
と、抗議したが、もちろん相手の耳には届かない。
どうも、今夜は強引にどこかへ引張られる夜のようだ。
結局、奈々子は店の外まで連れ出されてしまった。
「-あんた、何よ、かよわい女の子を」
自分で言うセリフにしては、少々妙なものだった。
男は、やっと手を離すと、奈々子と向い合って、
「君の相手をしてるヒマはない!それが分れば、とっとと帰れ!」
―このころになると、その男が、空港であの老紳士のバッグを奪った男だという奈々子の確信は、揺ぎ始めていた。
何となく、あっちはもう少し若かったような気がする。
ま、こっちも、もちろん若い。しかし、身なりはもう少しきちんとしていて、ヘアスタイルも、ちょっと違ってるみたいだし…。
「あのね」
と、奈々子は言った。「変な誤解しないでよ」
「誤解?」
「私は、あんた、ちょっと確かめたいことがあっただけ」
「何だ、一体?」
「あの―私とぶつからなかった?」
「君と?」
「空港で―その―私と」
「空港?いつの話だ」
「いえ、別に…。違ってりゃいいの」
奈々子は、どうもここは引っ込んだ方が言い、と判断した。
「待てよ。空港でぶつかった、なんて、まるで僕がスリかかっぱらい見たいじゃないか!」
「当り」
「え?」
「本当にそうなの?」
「冗談じゃない、僕は―」
と、言いかけて、その男は、言葉を切った。
「あのね、やっぱり人違いだったみたい。失礼しました」
「動かないで」
「え?」
「じっとして」
「何よ、忙しいとか言っといて―」
突然、奈々子は、その男にい抱きかかえられて、地面に押し倒された。
いきなり、こんな所で!-外国の男って、何てせっかちなんだ!このエッチ!
だが、それは奈々子の誤解だった。
バン、バンという音が夜の街に響いて、ガラスの砕ける音がした。
続いて、車の音。猛スピードで、車が走り去って行く。
「―やれやれ」
と、男は起き上って、「びっくりしただろう」
「何事?」
と、奈々子はキョトンとしている。
「銃で撃たれるところだったんだ」

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
译文:
虽然那个男人反过来对奈奈子怒吼,但奈奈子完全听不见。
而且对面的奈奈子也开始怒吼了。
——其实俩个都在徒劳的互相争斗。
不久后,对手那个男的,好像厌烦的眼睛看着天花板,突然牵起奈奈子的手,开始跑起来。
“等下,我的桌子在这里,在这!”
虽然奈奈子在抗议,但是那个男人当然是听不见的。
总觉得今晚要被他带到哪去。
结果,奈奈子被带出了店。
“你要把我这个柔弱女子怎么样?”
自己说这种台词多少感觉有些奇怪。
男人终于放开了手,面向奈奈子,
“我没工夫和你闲扯,知道的话赶紧回去!”
——此时此刻,奈奈子本来认为这个男子和在机场抢夺老绅士的男子是一个人的信心开始动摇了。
总觉得,好像那个稍微年轻些。
啊。这个当然也很年轻。但是,身着打扮较清洁,而且发型装束上好像也有些不同。
“我说。”
奈奈子说到。“是个奇怪的误会。”
“误会?”
“我只是来确认你下身份的。”
“到底怎么回事?”
“那个,你碰到过我吗?”
“你?”
“在机场,和我、”
“机场?什么时候的事?”
“没事了。不是更好。”
奈奈子觉得这时退退步也好。
“等下。机场碰到的乘机行窃的小偷真的很像我吗?”
“当然。”
“诶?”
“确实这样啊、”
“别开玩笑,我——”
那个男人刚说了一半就收声了。
“我说,果然是认错人了,失礼了。”
“别动。”
“诶?”
“保持稳定。”
“什么啊,刚才还说忙的——”
突然,奈奈子被那个男人抱住按在了地上。
突然在这种场合!——外国的男人怎么这么性急,这个变态。
但是,这是奈奈子的误会。
“乒乓”的声音响起在这个夜晚的街道上。玻璃破碎的声音响起。
接着,是汽车的声音。猛地加速离去了。
“哎呀呀。”
男人说着站起了身,“吓一跳吧。”
“发生了什么?”
奈奈子呆若木鸡。
“刚刚被枪袭了。”
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