旧正月を前に、故郷に帰る出稼ぎ労働者の姿が目立つようになった。その多くは内陸部や東北の出身。四川省だけでも、その数は1,370万人に達するという。同省の農村労働人口の3人に1人が出稼ぎしている計算だ。
ただし誰もが稼げるわけではない。「等しく貧しかった」農村にも、「勝ち組」と「負け組」が出てきた。当然、隣近所の付き合いも変わってくる。知人は「人間関係が希薄になった」と語る。
それでも今の農民、そして中国経済は出稼ぎなしでは考えられない。農民にとっては現金収入を得る最も確実な手段、中国経済にとっては「世界の工場」を支える柱だからだ。
この年末風景が変わる時、それは中国にとっても大きな転換期となるのだろう。 |