2014.1.23 14:21 (1/3ページ)
中国当局は今、「低俗文化」に対する掃討作戦を展開中だ。共産党機関紙の人民日報は昨年7月半ばから11月下旬まで「不良な文化的傾向」を批判する9通の論評を連続的に掲載したが、その主な批判対象のひとつは「文化の低俗化」だ。そして、今月、国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局は、5つの国内新聞が「低俗記事」や「低俗広告」を掲載したことに対する「調査と処分」の結果を全国のメディアに通告し、引き締めを始めた。
「低俗文化」とは言うまでもなく、笑いやセックスを売り物とするような娯楽性の強い新聞記事、映画、テレビ番組などの総称だ。ここに来て政権はなぜ、こういったものへの掃討に熱を上げているのだろうか。その答えはやはり、人民日報が掲載した前述の「不良文化批判シリーズ」の最後の論評にある。
シリーズの圧巻となるこの論評は、習近平国家主席が掲げる「中華民族の偉大なる復興」のスローガンを中心に持ってきて、「文化の復興は民族の復興のひとつ」とした上で、低俗文化の氾濫は民族の偉大なる復興の大いなる邪魔だと説いた。
なるほど、これこそは習政権が「低俗文化」を目の敵にした最大の理由であろう。問題は、たかが娯楽性を売り物にする程度の「低俗文化」がなぜ「民族の偉大なる復興」の邪魔になるのかである。人民日報記事は特に具体例を挙げていないが、昨年半ばから、大問題として取り沙汰されているのが「抗日ドラマの低俗化」であることはよく知られている。
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