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4 さらばいるホテル(2)
いるかホテルのロビーはいつものようにしんとしていた。年取ったメイドがモップを持って階段を上り下りしていた。
「しかし父親は七十三になって、羊はまだみつかりません。本当にそれが存在するのかどうかさえ私にはわかりません。本人にとってもそれほど幸福な人生ではなかったような気がするんです。私は今からでも父親に幸福になってほしいんですが、父親は私を馬鹿にしていて何も言うことをきいてくれません。それというのも私の人生に目的というのがないからです」
「でもいるかホテルがあるわ」とガール?フレンドがやさしく言った。
「それにもうお父さんの羊探しも一段落したはずですよ」と僕がつけ加えた。「残りの部分は我々がひきうけたから」
支配人はにっこりとした。
「それならもう何も言うことはありません。我々はこれから二人で幸福に暮らせるはずです」
「そうなるといいですね」と僕は言った。
「本当にあの二人は幸せになれるかしら?」しばらくあとで二人きりになった時、彼女が僕に訊ねた。
「少し時間はかかるかもしれないけど、きっと大丈夫だよ。なにしろ四十二年ぶんの空白が埋められたんだからね。羊博士の役目は終ったんだ。そのあとの羊の足どりは我々が探さなくちゃいけないんだよ」
「あの親子はとても好きよ」
「僕も好きだよ」
荷物の整理は終ると我々は性交し、それから街に出て映画を観た。映画の中でも多くの男女が我々と同じように性交を行っていた。他人の性交を眺めるのも悪くないような気がした。
海豚宾馆的客厅依旧那么安静。年龄大的服务员手拿拖布上楼下楼。
“可是父亲已经七十三岁了,还没有找到羊。那羊是否真的存在呢?连这一点我都不清楚。对他本人来说并不是那么幸福的人。虽然已经到了现在,我也总希望父亲能幸福起来,而父亲总把我看成混蛋什么也不听我所说的话。因此在我人生中是没有目的的。”
“可是你已经有了海豚宾馆。”女朋友甜蜜蜜地说。
“还有你父亲的寻羊事情可暂告一段落了。”我补充说。“剩下的部分我们来完成吧。”
老板笑了起来。
“这样也没什么可说的了。从现在开始我们两人过幸福生活了。”
“那样会多好呀。”我说。
“那两位真的开始幸福生活起来?”过了一会儿只剩下我们两人的时候,她问我。
“这还需要一点时间,不会有大问题。四十二年的空白已经不存在了。羊博士的作用已经结束了,羊之后的足迹就由我们来探索了。”
“这父子俩很可爱。”
“我也喜欢他们。”
把行李整理好后我们就性交,然后到街上去看电影。在电影中有很多男女和我们一样在性交中。看着他人的性交也并没感到恶心。 |
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