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僕はコーヒーを飲みながらぼんやりとそんなことを考えていた。妄想だ。
でも僕が孤独であること――これは真実だった。僕は誰とも結びついていない。それが僕の問題なのだ。僕は僕を取り戻しつつある。でも僕は誰とも結びついていない。
この前誰かを真剣に愛したのはいつのことだったろう?
ずっと昔だ。いつかの氷河期といつかの氷河期との間。とにかくずっと昔だ。歴史的過去。ジュラ紀とか、そういう種類の過去だ。そしてみんな消えてしまった。恐竜もマンモスもサーベル?タイガーも。宮下公園に打ち込まれたガス弾も。そして高度資本主義社会が訪れたのだ。そういう社会に僕はひとりぼっちで取り残されていた。
僕は勘定を払って外に出た。そして何も考えずにいるかホテルまでまっすぐ歩いた。
いるかホテルの場所を僕ははっきりとは覚えていなかったので、それがすぐにみつかるかどうかいささか心配だったのだけれど、心配する必要なんて何もなかった。ホテルはすぐにみつかった。それは二十六階建ての巨大なビルディングに変貌を遂げていた。バウハウス風のモダンな曲線、光り輝く大型ガラスとステンレス?スティール、車寄せに立ち並ぶボールとそこにはためく各国旗、きりっとした制服を着込んでタクシーを手招きしている配車係、最上階のレストランまで直行するガラスのエレベーター……そんなものを誰が見落とすだろう?入り口の大理石の柱にはいるかのレリーフがうめこまれ、その下にはこう書かれていた。
「ドルフィン?ホテル」と。
僕は二十秒ばかりそこに立ちすくんで、口を半分開けて、そのホテルをただじっと見上げていた。そしてそれからまっすぐ延ばせば月にだって届きそうなくらい長く深い溜め息をついた。僕はすごく驚いたのだ――ごく控え目に表現して。
我喝着咖啡迷糊地想着那些事情。真是胡思乱想。
可是孤独这件事是真实的。我跟谁都没有关联。那是我自己的问题。我在恢复我自己。毕竟我跟谁也没有关联。
在这之前和谁真心相爱,那是什么时候的事情了?
那是极远的过去了。是在哪一个冰河期和另一个冰河期之间。总之是极远的过去。是历史的过去。就像是侏罗纪那种类型的过去。接着大家都完全消失了,无论是恐龙、毛象还是剑齿虎。还有打到宫下公园的玻璃弹。然后造访了高度资本主义社会。仅仅只有我一人留在了这样的社会。
我结完帐后走出去。而且什么也不想径直向海豚宾馆走去。
因为我没有记清楚海豚宾馆的具体位置,虽然有些担心能否马上找到它,可也并没有必要担心。马上就找到了宾馆。那是高达二十六层的巨大的水泥建筑。バウハウス型的现代流行曲线、金碧辉煌的大玻璃和不锈钢、站在门廊的服务员、插在那里的各国的国旗、穿有整齐服装的调配出租车的服务员、去最高层餐厅的直达的玻璃透明电梯等等,谁会看漏那些东西呢?在入口处大理石柱子上镶嵌一个浮雕,在其下面写有:
海豚宾馆
我在那里只站了二十分钟,把嘴张开,发呆着向上看那宾馆。若是再向上延伸一点的话就能达到月球吧?深深地喘了一口气。我非常吃惊——表现出极其谨慎。 |
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