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[其他翻译] 「ダンスダンスダンス」の翻訳(37)

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发表于 2016-4-29 22:34:33 | 显示全部楼层 |阅读模式
7(4)
僕は七時半に部屋を出てホテルの玄関でタクシーに乗り、彼女のメモ用紙を運転手に見せた。運転手は黙って肯いて僕をその店の前まで運んでくれた。タクシーで千円ちょっとの距離だった。五階建てのビルの地下にあるこぢんまりとしたバーで、ドアを開けると程よい音量でジェリー?マリガンの古いレコードがかかっていた。マリガンがまだクルー?カットで、ボタンダウン?シャツを着てチェット?ベイカーとかボブ?ブルクマイャーが入っていた頃のバンド。昔よく聴いた。アダム?アントなんていうのが出てくる前の時代の話だ。
アダム?アント。
なんという下らない名前をつけるんだろう。
僕はカウンターに座って、ジェリー?マリガンの品の良いソロを聴きながら、J&Bの水割りを時間をかけてゆっくりと飲んだ。八時四十五分をまわっても彼女は現れなかったが、僕は別に気にしなかった。たぶん仕事が長引いているのだろう。店の居心地は悪くなかったし、一人で時間を潰すのには馴れていた。僕は音楽を聴きながら水割りをすすり、飲み終えると二杯めを注文した。そして特に見るべき物もないので、前に置かれた灰皿を眺めていた。
彼女がやってきたのは九時五分前だった。
「ごめんなさい」と彼女は早口で謝った。「仕事がのびちゃったんです。急にたてこんだうえにかわりの人の来るのが遅れたもので」
「僕のことならかまわないよ。気にしなくていい」と僕は言った。「どうせどこかで時間を潰さなくちゃならなかったんだ」
奥の席に移りましょうと彼女は言った。僕は水割りのグラスを持って移動した。彼女は革の手袋を脱ぎ、チェックのマフラーを取り、グレーのオーバーコートを脱いだ。そして黄色の薄いセーターとダーク?グリーンのウールのスカートという格好になった。セーター姿になると、彼女の胸は思ったよりずっと大きいことがわかった。そして耳には上品な金のイヤリングをつけていた。彼女はブラディー?マリーを注文した。
飲み物が来ると、彼女はそれをとりあえず一口すすった。食事は済んだかと僕は訊いてみた。まだだけれど、それほどおなかは空いていない、四時に軽く食べたから、と彼女は答えた。僕はウィスキーを一口飲み、彼女はブラディー?マリーをもう一口飲んだ。彼女は急いでやってきたらしく、それから三十秒ほどじっと黙って息を整えていた。僕はナッツをひとつ手に取ってそれを検分して齧り、またひとつ手に取って検分しては齧りというのを繰り返しながら、彼女が落ち着きを取り戻すのを待っていた。
彼女は最後にひとつゆっくりと溜め息をついた。すごく長い溜め息だった。自分でも長すぎると思ったのか、あとで顔を上げて神経質そうな目で僕を見た。
「仕事が大変なの?」と僕は訊いてみた。
「ええ」と彼女は言った。「けっこう大変なんです。まだよく仕事に馴れてないし、ホテル自体開業して間もないから、上のほうもいろいろピリピリしてるし」
彼女はテーブルの上に両手を出して、指を組んだ。小指に一本だけ小さな指輪がはまっていた。飾り気のない、ごくあたり前の銀の指輪だった。僕と彼女は二人でしばらくその指輪を見ていた。
「その古いドルフィン?ホテルのことなんですけど」と彼女は言った。「でも、あなた、取材とかそういう関係の人じゃないですよね?」
「取材?」と僕はびっくりして聞き返した。「どうしてまた?」
「ちょっと訊いただけ」と彼女は言った。
僕は黙っていた。彼女は唇を噛んだままひとしきり壁の一点を眺めていた。


  七点半我走出房间在宾馆的大门乘上出租车,让司机看了她写的便笺。司机不语点头把我送到了那个酒店的前面。乘出租车走的不远只花费千元的距离。在五层大楼的地下有一个很雅致的酒吧,打开门听到音量也很合适的,正在播放ジェリー?マリガン老磁带。マリガン整齐的发型,穿着衬衣,是チェット?ベイカー和ボブ?ブルクマイャー刚进入时的乐队。过去经常听。应该是アダム?アント出名之前时代的故事。
  アダム?アント。
  为什么起一个那么没有价值的名字?
我坐在柜台那里听着ェリー?マリガン的独唱,喝着加水后的JB慢慢地消磨时间。到了八点四十五分她也没有出现,我也并不在乎。大概是因为工作时间延长了?这家店的感觉还不错,我已经习惯一个人消磨时间了。我一边听着音乐一边加水,等喝完后又要了第二杯。因实在没有可看的东西,就只盯着眼前的烟灰缸了。
她到时已经是九点五分。
“实在对不起。”她快速解释道。“工作往后延了。突然事情忙起来而且同事还来晚了。”
  “我的事不要紧。没有关系。”我说。“我经常在什么地方消磨时间。”
  “我们到里面的座位去吧。”她说。我拿起水杯走。她脱掉皮手套,摘下围巾,脱下灰色大衣。黄色的薄毛衣和绿色的毛裙子很相配。只剩下毛衣,看到她的胸部比想像的还丰满。而且在耳上还配有上等的金耳环。她要了白兰地。
  等饮料来后,她很轻松地喝了一口。我问她是否吃过饭了。她回答说,虽还没有吃,但肚子还不那么饿,在四点钟吃过零食。我喝了一口威士忌,她又喝了一口白兰地。她像是急急忙忙赶过来似的,沉默了三十秒钟调整了气息。我拿了一个果仁仔细看后嚼了起来,之后又拿了一个仔细检查后又嚼起来,重复着。在等待着她平复安静下来。
  她最后慢慢喘了一口气。是很长的一次喘气。是自己也感觉到喘气太长了吧,之后抬起头用神经质的目光看我。
  “工作很异常吗?”我问。
  “是的。”她说。“的确很异常。实际上工作还没有完全顺畅,宾馆自己开业时间也不长,上边也经常让人提心吊胆。”
她把两只手放到桌子上,手指交叉上。只在小拇指上戴有一枚小戒指。没有什么豪华,只是一普通的银戒指。我们两人看了一会那戒指。
“有关那个旧海豚宾馆之事。”她说。“那么,你,不是和采访有关系吧?”
  “采访?”我很吃惊地反问。“是怎么回事?”
  “只是问一问。”她说
  我没有说话。她咬着嘴唇看了一会儿墙壁的一点。
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 楼主| 发表于 2016-4-29 22:35:10 | 显示全部楼层
女服务员还在怀疑主人公的行为。
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