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[其他翻译] 「ダンスダンスダンス」の翻訳(260)

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发表于 2017-6-12 20:15:46 | 显示全部楼层 |阅读模式
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それから彼女は僕にユキの面倒をみてもらったことに対して何かお礼をしたいと言った。お礼なら牧村拓氏からもう充分にしてもらっているから気にすることはない、と僕は言った。今でももう充分すぎるくらいだ、と。
「でもしておきたいのよ。あの人はあの人、私は私。私は私として、あなたにお礼したいのよ。今しておかないと、私ってすぐに忘れちゃうから」
「そんなのこそ忘れちゃってかまわないですよ」と僕は笑って言った。
彼女は道端のベンチに腰をおろしてシャツのポケットから煙草を出して吸った。セイラムの青い箱は汗でくしゃっと柔らかくなっていた。いつもの鳥がいつもの複雑な音階で鳴いていた。
アメはそのままずっと黙って煙草を吸っていた。もっとも実際に煙を吸ったのは二口か三口で、あとは全部彼女の指の間でただの灰になってぽろぽろと芝生の上に落ちた。それは僕に時間の死骸のようなものを想起させた。彼女の手の中で時間が次々に死んで焼かれて白い灰になっていくのだ。僕は鳥の声を聞き、下の道をかたかたと走っていくカートに乗った庭師を眺めていた。僕らがマカハに着いたころから天候は徐々に回復に向かい始めていた。一度だけどこか遠くで微かな雷鳴が聞こえたが、それだけだった。圧倒的な力に押されるように厚い灰色の雲は次々に分断され、またいつもの勢いの良い光と熱気が地上に戻ってきた。彼女は半袖のダンガリ?シャツを着て(仕事をしている時女は大抵その同じシャツを着ていた、胸のポケットにボールベンとフェルト?ベンとライターと煙草を入れて)、サングラスもかけずに強い日差しの中に座っていた。彼女は眩しさも暑さもとくに気にならないようだった。たぶん暑いのだろうとは思う。その証拠に首筋を汗が幾筋か流れ、シャツのところどころに黒い染みができていた。でも感じないのだ。それが精神の集中のせいなのか、精神の拡散のせいなのか、僕には判断できなかった。でもとにかくそんな風にして十分が経った。瞬間的時空間移動のような実体のない十分間だった。彼女は時間の経過という現象をまるで気にしていないようだった。時間というのは彼女の生活を構成する要素の中には入っていないのだろう。あるいは仮に入っているとしても、その地位はとても低いのだろう。でも僕にとってはそうではない。僕は飛行機の予約をしてあるのだ。
「そろそろ行きます」と僕は腕時計を見て言った。「空港でレンタカーを返して料金を精算しなくちゃならないんで、できたら少し早めに着きたいんです」
彼女はもう一度焦点を合わせなおそうとするようなぼんやりとした目で僕を見た。それは時々ユキが見せる表情にとてもよく似ていた。現実と折り合いをつけねばというような表情だ。この母子のあいだにはたしかに共通する気質なり性向なりがある、と僕はあらためて思った。「ああ、そうね、時間がないのね。ごめんなさい。気がつかなかったわ」と彼女は言った。そしてゆっくりと一度ずつ頭を左右に傾けた。「ちょっと考え事をしてたものだから」
僕らはベンチを立って、もと来た道を歩いてコテージに戻った。

僕が出発するとき、三人は外に出て見送ってくれた。僕はユキにあまりジャンク?フードを食べすぎないようにと言った。彼女は唇をすぼめただけだった。でもまあディック?ノースがついているからその点は大丈夫だろう。
バックミラーに並んで写る三人の姿はとても奇妙だった。ディック?ノースは右手を高く上げて振り、アメは腕組みをしてぼんやりとした目で前方を見つめ、ユキは横をむいてサンダルの先で石を転がしていた。それは本当に不完全な宇宙の端っこに置き去りにされた寄せ集めの一家みたいに見えた。ついさっきまで自分もそんな中に混じっていたなんてとても信じられなかった。でも僕がカーブで左にハンドルを切ると、彼らの姿はミラーからふっと消えて見えなくなってしまった。そして僕は一人きりになった。とても久し振りに。

然后她说,因为照顾了雪,想对我有所表示感谢。我说,要说感谢,牧村拓已经足够了,不要太再意。而且现在这样做也足够了。
“可是还很想表示。他是他,我是我。我要从我这里向你表示感谢。若现在不表示,我马上就会忘掉。”
“那样地忘掉也无关紧要。”我笑着说。
她坐到路端的椅子上,从衬衣口袋中取出烟并吸上。セイラム绿色的盒,因为汗弄湿变软了。日常的鸟用日常复杂的音频鸣叫着。
雨就那样一直一言不发地吸着烟。更具体地说实际上吸烟也只是吸两三口,剩下的那些全部在她手指间变成灰扑簌扑簌地落到草坪上。这情景让我想起了时间的死尸。在她的手中时间一个一个连续被烧死变成白灰。我听着鸟叫的声音,卡丁车在下面道路上喀达喀达跑,我看那乘车的园师。从我们到达マカハ开始,天气逐渐开始恢复。只是听到一次从远处传来的微小的雷声,也只是那个。被巨大的力量压下来的灰色的厚云逐渐分散开,接着平常强势的光线和热气又回到地上。她穿着半袖衬衣(在工作中女的大概穿相同的衬衣,在胸口的口袋里装有圆珠笔、尖头万能笔和打火机、香烟),也没有戴太阳镜坐在强烈日照之中。她并没有注意眩目和热。大概是因为太热吧。有这样的证据,有几道汗水从脖子上流过,礿衣也一点一点变成湿的。可是没有什么感觉。那是因为精神太集中?还是因为精神太扩散?我无法判断。这样的状态大概过了十分钟。那是瞬间时空移动的实体不存在的十分钟。就像她从未在意时间走过的现象。时间这个东西就像没有进入到她生活中的要素那样。或者即便是进入了,其地位也相当低下。而对我来说却并不那样。因为我已经约好飞机航班。
“我也该走了。”我看着手表说。“到机场还要还车计算费用,所以要尽可能早一点到为好。”
她再一次想对准问题的焦点,用模糊的目光看我。那些和我平时看到过的雪的表情非常相似。那些像是与现实让步的表情。这母子俩之间的确有共同的气质和性向。“啊,是的,已经没有时间了。对不起了,没有注意到这些。”她说。然后慢慢地又一次把脑袋向左右倾斜一下。“因为就只想事了。”
我们从椅子上站了起来,在原来刚过来的路上走,回到别墅那里。

我走的时候,三人都出来目送。我对雪说:不要过多地吃フード。她只是收紧了嘴唇。当然因为有ノース存在,这一点就不成问题了。
在后视镜中看他们三人并排的样子很奇妙。ノース高高举起右手摇动,雨把着手腕心不在焉地向前看着,雪则面向一侧用拖鞋尖踢着石头。那简直就像是被扔到不完全的宇宙的一端的一家。真不敢相信,刚才我自己也加入到这个队伍之中。在拐弯处我向左打方向盘,他们的影子马上从后视镜中消失的无影无踪。这样就变成我一个人了。很久不是这样了。
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 楼主| 发表于 2017-6-12 20:16:39 | 显示全部楼层
主人公自由了。回到东京,急切要见谁呢?
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