01-
日常で起こる些細で不可思議な出来事、それが人の思考と行動に与えていく勝手(過程)と結末を知りたいとは思いませんか。この物語はあなた自身の好奇心と願望に基づいて構成されています、ともすれば身を通ししまい (見落としてしまい)がちのいつもの風景のなかに、あなたが不思議工房を見つけることができるようにお手伝いしましょう。
02-
電話が鳴った。出勤前のあわただしさの中で、僕は面倒くさいと思いながらも受話器を取った。「もしもし。ああ、君が。今忙しいんけど。え?誕生日?僕の?ああ、今日だっけ。でも、別になにもしてくれなくていいよ。一日いちいち電話かけてこなくてもいいから。え?どうしても会いたい?今日は無理だっていったじゃないか。じゃ、もう、仕事いくから。」乱暴に受話器を置いた。彼女からの電話だった。夕べもあった。この忙しい時にと思いながら、玄関を飛び出した。自分の誕生日なんか、すっかり忘れていた。それよりも仕事だ。今日はでかい契約がある。これが成功したら、僕は間違いなく昇進する。動悸同期の連中の悔しげな悔しがるかおが目に浮かぶようだ。へん、あんなやつらに負けてなるものか。何たって僕はエリードトなんだから。大学卒業後、大手商社に入社して、二年になる、僕はここで出世の道を掴む、そう心に誓って仕事に打ち込んできた。ライバルを押しぬけ、とにかく前へ前へと突き進む。手段は選ばない、それが僕のやり方だ。一方で、仕事しかのうがないと思われるのが得策ではない。仕事に遊び。それに、私生活をも充実しているように見せなければ、この競争社会、信頼を得てる抜きん出るのが難しい。得意先の人間とは、徹底的に遊ぶ、どうせ会社の経費だ、いくら使っても結果さえ出せば問題ない。朝まで飲んで、羽目を外すことだって、当然仕事の一款一環だ。余要は、得意先に僕がは愉快で親しみやすいやつだと思わせればいい。彼女だって当然必要だ。性格正確に言えば、彼女くらい作れない男は仕事が出来ないと思われても仕方がないことからだ。年をとれば、妻帯者の方が信頼度が高い。だから、婚約者の方が聞こえないこともある。だが、注意点もある、社内恋愛は極力避けなければならない。分かれた時の相手の出方私大次第で、社内表現が評価を下げることかが、考えるからだ。出世のさまためさまたげとなる。彼女がは常に外に存在する方が都合がいい、何かあった時の面倒もはない、友達も厳禁だ、特に社内には必要ない。深く似にも心を許して、足元を救われる掬われる可能性があるからだ。社内に社外であっても、一緒に遊んだりする時間が惜しいだけだ。出世して、社会的地位を築きあげる、それだけが僕の望みだ。他には何も要らない。その為に必要なものだけがほしいのだ。
03―
「おはようございます!」朝の挨拶も元気な方がいい。その方が上司に受けがいいからだ。今朝もスマウートに決めてやる、何だって今日は大仕事があるからな。準備も昨日の内に完璧に済ませてある。午後3時に先方のオフィスに出向けばそれですべて片付く。契約が済んだら、夜が祝賀会だ。部長達がねぎなっていたねぎらって(労って)くれる予定だ。午前中に彼女から携帯に電話があった。「またか、忙しいといってあるのに。」電話に出た僕に、彼女はどうしても今日中に会いたいという。夜はだめだ、主役の僕が祝賀会を抜けるわけにはいかない。どうせ午前御前さまになるにきまっている。今日は無理だと説明しても、彼女は急用だからどうしてもという。電話を切ろうとしたら、泣き出した。「これだから女って奴は」これ以上長引くとかえって面倒のことになると思い、昼休みに会うことにした。人目につかないように会社から少し離れたビルのレストランを選んだ。何かにつけ、細心の注意が必要なんだ。彼女がは暗い表情をしてやってきた。なんだか思いつめたような感じがする。嫌な予感がした。「とにかく話だけ聞いて、早く切り上げなければならない。」そう思っていった矢先彼女は突然なんだ用をぶつけてきた。話を聞けば、両親に見合いをせまられたという。結婚を約束した人が言ういるから断ろうとしたらその人間に合わせろうといったらしい。それが出来なければ、田舎に帰ってこいというのだ。しかも。両親が状況して来るのは今日ではないのか。「なぜ早く言わない」と窘めると。ここのところを会ってもくれないし、電話でも録音をろくに聞いてくれないと逆に言い返された。しかも、今日は僕の誕生日だから、一緒に祝うつもりっていったのに、時間も作ってもくれないっと。まあ、確かにそうだが、しかし、よりによって今日はまづいまずい。嫌いや、今日だけじゃない、まだ結婚するには早すぎる。まったく、面倒な話をもちこんだでくれたものだ。今の僕はそれどころじゃないのに。面倒くさくなった。「お見合いすれば?」あっさりと僕の言葉に彼女の顔色はが見る見るうちに変わった。彼女は涙声で「どうして」と言った。僕はそれには答えずにデンピ伝票を取り席を立った。仕方がない、仕事優先だ。それに彼女の代わりはいくらでもいる。「じゃ、元気で」そのまま立ち去る僕の背中押しに彼女の覚えずおえつ(嗚咽)が聞こえた。面倒を起こすタイプの女じゃない、それだけは付き合う家庭過程の中で確認済みだ。ひとしきり抜けば、素直に諦めねて、見合いにすることになるだろう。そうだそのほうが、彼女のためになる。僕にとっては今は仕事だ、速く会社に帰って戻って、契約に出かける準備を品けらばしなければならない。僕は彼女を残したままレストランを後にした。 |